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インタビュー2023

DTS特別インタビュー

全国スーパーマーケット協会 事業部展示会課兼事業創造室チーフディレクター 籾山朋輝氏

「お弁当・お惣菜大賞」注目度上昇
 今年は“プラントベース元年”に
 デリカテッセン・トレードショー2023(以下、DTS)が2月15日から17日まで幕張メッセにて開催される。DTSは中食産業の最新情報を発信する商談展示会。主催者企画「お弁当・お惣菜大賞」は近年注目度が上昇、売場の販促ツールとして大きな存在になりつつある。DTS会場内では今年も受賞商品の一部を実食できるフードコートを展開する予定だ。DTSを主催する一般社団法人全国スーパーマーケット協会事業部展示会課兼事業創造室チーフディレクター・籾山朋輝氏にインタビュー。籾山氏はデリカ売場の動向やトレンドについて語った。
(藤井大碁)
 ―デリカ売場の動向。
 「昨年一年間のデリカカテゴリーの売上推移は他のカテゴリーと比較して突出して良かった。直近のSM3団体統計調査のデータを見ても、12月は全店ベースで106・9%となっており、全カテゴリーで一番伸び率が高い。即食や簡便性を求める生活スタイルがコロナ前に戻りつつあり、さらに加速している。当初は、外食の復調により、スーパーの売上は落ち込むと予想されていたが、現状は惣菜以外のカテゴリーもそこまで落ちていない。直近の数字は値上げの影響もあり、詳細分析が難しい部分もあるが、スーパーへの来店頻度や購買額が上がっていると推測できる。コロナ特需が薄れて他業態に売上がシフトしそうなところだが、食品スーパーは健闘しており、その中でも惣菜カテゴリーは大健闘している」
 ―惣菜カテゴリーが好調な要因。
 「コロナを機に消費者の生活スタイルが変化したことが大きい。外食の中でも居酒屋の売上はコロナ前に戻り切っておらず、その需要の一部がスーパーでの購買に流れていると考えられる。デリカ売場では、家飲み需要に対応するため、おつまみ系のラインナップを増やしており、好調を持続している。様々な物が値上がりして節約志向が高まる中、外食より中食、内食を選択する消費者が多く、そうした流れも追い風になっている」
 ―DTS2023の見どころ。
 「出展者数は前回とほぼ同様で、約40社・団体の220小間。今回は新規の惣菜ベンダーが出展する。惣菜ベンダーは、現在の惣菜売場の課題である人手不足を補完する役割を担っており、今回の展示会においても注目を集めそうだ」
 ―お弁当・お惣菜大賞への注目度が上昇している。
 「メディアで取り上げられる機会が増えたこともあり、おかげ様で反響が大きい。店舗の売場活性化のためにうまく活用して頂いている。専門店や大手スーパーのエントリーも年々増加している。過年度の受賞商品をリバイバルしてフェアを実施した店舗では、売上が大きく伸びたと聞いている。また従業員の商品開発のモチベーションを上げるためにお弁当・お惣菜大賞を活用する企業も増えてきている。商品開発の枠組みの中に、お弁当・お惣菜大賞のエントリーを紐づけ、明確なゴールを設定することで、開発チームのモチベーションアップにつなげている」
 ―売場のトレンド。
 「今年、お弁当・お惣菜大賞のエントリーで際立って増えたのが、プラントベース由来の食材を使用した商品だ。SDGsの流れに加えて、健康のために手に取る消費賞が増えている。コンビニでの販売や外食での提供も増えており、消費者にとってより身近な存在になってきた。今後も売上が伸びていくことが予想され、各社の商品開発が活発化している。今年は、デリカ売場にとって〝プラントベース元年〟と言える年になるのではないか」
 ―売場の課題。
 「人手不足が深刻化している。事業者側も手間をかけた商品が売れるのは分かっているが、それを全店で展開する際の人時を考えた時に商品化できないというジレンマがある。うまく人を集めて独自商品を開発したり、プロセスセンターをフル活用するなど、各事業者が知恵を絞って対応している。ただ足元では、他の売場と同じようにベンダーからの仕入れ商品を販売せざるを得ない状況もある。理想と現実をすり合わせて、インストアとアウトパックをうまく使い分ける必要が出てきている」
 ―今後の見通し。
 「デリカ売場は好調を維持している。新商品開発に加え、唐揚げや餃子といった定番品のブラッシュアップや粗利率の改善も重要になってきている。今までは、価格訴求型の商品が多かったが、外食ニーズを取り込むために、もうワンランク上の惣菜開発が活性化し、それが消費者に受け入れられている。来店頻度を下げない仕掛けをしつつ、商品開発をさらに推し進めていけば、まだまだ売上を伸ばせるのではないか」
【2023(令和5)年1月21日第5118号6面】

デリカテッセン・トレードショー公式サイト
https://www.delica.jp/

1月11日号 トップに聞く

三井食品工業株式会社 代表取締役社長 岩田浩行氏

盤石な利益体質の構造作る
新しい事業で販路拡大

 三井食品工業株式会社(愛知県一宮市)の岩田浩行社長にインタビュー。昨年8月から今期を迎え、製品の売れ行きや原料動向、今後の方針などについて話を聞いた。3カ年計画では盤石な利益体質の構造を作ることを目標に掲げていることを明かした。
(千葉友寛)
◇   ◇
 -製品の売れ行きについて。
 「前期は減収増益となったが、今期は非常に厳しい1年になると予測している。3カ年計画では盤石な利益体質の構造を作ることを柱としている。利益面については原材料の部分で大きく変わってくるため、原料仕入れは重要なポイントとなる。従来は旬の素材を安く購入しようとしていたが、天候の影響などによるリスクも大きいため、一定の価格で安定供給できればその方が良い、ということで原料野菜の契約率を高める取組を進めている。原料野菜の契約率を高めていくために、安定した収益の確保を目指している」
 -値上げの動きについて。
 「当社の浅漬製品は、量目調整か価格改定のどちらかでの対応で、昨年9月から10月に平均6%の値上げを行った。当社は他社より先行した動きとなり、切り替えられることもあったし、売れ行きは苦戦している。経営者の考え方次第だが、かつてない程に製造コストが上がっている中で値上げをせず、売上を優先しても未来はないと思っている。当社では過去に全品の値上げを行ったことがなく、今回の値上げはある意味で訓練だと思っている。もちろん、原材料や製造コストが下がれば製品価格も下げる。この10年、20年の間、製品の価格が変わっていない、ということ事態がおかしいことだが、現在の流れで価格を維持することはとてもできない。コロナ禍で政府は無利子無担保の融資を行った。融資の返済は年明けから本格的に始まるので、業界問わず様々な話が出てくるだろう」
 -進行する円安の影響も大きい。
 「漬物も含めて日本は多くの原材料を輸入に依存している。だが、進行する円安の影響もあり、日本の優位性は失われつつある。また、日本が他国に買い負ける事例も出てきており、海外のものが日本に入ってこなくなるかもしれないし、今後数年で海外の原料や製品の方が高くなる可能性もある。そこでクローズアップされるのが国産原料や国内製造の製品だ。生産の維持と拡大には大きな課題があるが、需要があれば減っていくばかりではないと考えている」
 -漬物のマーケットや未来像は。
 「正直に言って、明るい材料は少ない。ベンダーとしては新規取引先も増えて良い話もいただいているが、業界はシュリンクしており、これからの5年で淘汰も進むだろう。当社の本漬製品も5年後を見据えた時、どこまで売上に貢献できているのか分からない。事業継続の最善策として考えられるのは、適正価格での販売、健康機能性の訴求、新商品開発などが上げられるが、それらは過去にもやっていることで、新しい施策はない。だが、明るい話題もある。当社の事業を見直してみると、やはり野菜加工が強みであり特徴でもある。漬物を製造しなくても味付けした野菜をこれまでとは違うルートに販売できれば販路を広げていくことができる。詳細は言えないが、私が社長に就任してから新しい取組を進めている。その事業はまだスタートの段階だが、全体の売上の3~5%まで増えていて、10%を目指している。その市場にはまだまだ伸び代があり、さらに拡大していく可能性がある。そのようなところにスポットを当て、前向きに進んでいきたいと考えている」
【2023(令和5)年1月11日第5117号11面】

三井食品工業 HP
https://mitsuishokuhin.jimdo.com/


小西酒造株式会社 代表取締役 小西新右衛門氏

伝統食の再評価期待
SDGsを後押しにPR

 小西酒造株式会社(兵庫県伊丹市)の小西新右衛門社長にインタビュー。同社は、清酒「白雪」を製造し、関連会社の白雪食品は、その酒粕を使用した奈良漬で知られる。小西社長は、日本酒造組合中央会副会長を始めとする要職を歴任し、現在は白雪食品の社長、伊丹商工会議所会頭、兵庫県公安委員会委員長の役職も担う。昨秋には旭日小綬章を受章した。日本酒、奈良漬、仕事への思いを聞いた。
(大阪支社・高澤尚揮)
◇    ◇
 ‐コロナ禍で何を考えていましたか。
 「コミュニケーションの機会がいかに大切かということに気付かされた。そして、コミュニケーションの場において、日本酒や奈良漬といった嗜好品が果たす役割は少なからずあり、ポストコロナでどう展開していくかを考えた。これから、嗜好品は量の多さではなく、生活により華を添える存在として求められていき、少量良質が主流になっていくだろう」
 ‐若い人の間では日本酒や奈良漬への親しみが薄れている。
 「ライフスタイルや食の好みは時代によって確かに変化していく。しかし、シェアが少なくなっても戦略を練ってPRし続ければ、増やしていくことは可能だ。日本酒や奈良漬を試さずに先入観で苦手意識を持っている方もいる。改めて好きになってもらうこと、また新しく好きになってもらうように粘り強く提案する必要がある」
 ‐新しく好きになってもらうためには。
 「1つは海外に輸出して新規顧客を開拓することだ。すでに強化している。伊丹の土地で470年以上も清酒を作り続けていることを現地で話すと、伝統とストーリーに関心を持ってくださる。グローカルという言葉があり、地元に太い根があるから、自信を持って外へ出ていける。もう1つは、SDGsだ。白雪奈良漬は清酒『白雪』の酒粕を使って製造する伝統的な保存食。伝統食が再評価されるチャンスと捉え、まだまだ魅力があると期待している。SDGsが後押しになると見て、PRしていきたい」
 ‐小西社長が仕事で大切にされていること。
 「まず仕事を好きでいること、職人技やもの作りへの思いを重視することだ。メーカーとして1番大事なことだと考えている。DXの推進は行っていくが、基本があってこそと感じる。また、いかに企業と企業で新しいものや価値を生み出せるかを考えている。コラボレーション先を常に探している」
【2023(令和5)年1月11日第5117号18面】

小西酒造 HP
https://www.konishi.co.jp/

1月1日号 トップに聞く

東海漬物株式会社 代表取締役社長 永井英朗氏

 東海漬物株式会社(愛知県豊橋市)の永井英朗社長にインタビュー。第81期(2021年9月~2022年8月)の業績と第82期期首及び値上げの状況などについて話を聞いた。2023年の展望などについては、高品質と差別化を中心に浅漬市場(約800億円)のシェア10%獲得を目標に掲げ、野菜加工のメーカーとして売場を拡大していく方針を示した。(千葉友寛)
◇   ◇
 ー第81期決算について。
 「過去最高の収益となった2021年8月期(80期)と比較すると、81期は減収減益となった。売上は前期比2・5%減の微減で、利益は更に前期を大きく下回った。80期はコロナの影響による巣ごもり需要のプラスと原料状況が安定していたこともあって、81期はその反動が出た結果となった。当社は9月が期首であり、比較障害のないコロナ禍のプラス影響は2020年3月から2023年2月までと考えている。2023年3月以降は前年対比で比較することになる」
 値上げについて。
 「7月に『きゅうりのキューちゃん』の内容量を10g減量し、9月に一部本漬刻み製品の価格改定を行い、11月から『こくうま熟うま辛キムチ』の320gを20g減量し、『特級福神漬』と『カレー福神漬』をそれぞれ10g減量した。原料の他、調味料、添加物、包装資材、物流費とあらゆるコストが上がっており、海外原料については円安の影響も大きい。82期は出だしからコストが上がっており、80期の基準と比べても150~160%となっている。原料比率も5~10円上がっており、『キューちゃん』においても10g減量しただけではとても吸収できるレベルではない。だが、これ以上の減量や価格改定は支持を得られない可能性もあり、手探りで対応している状況。2023年春以降に向けては、原材料等の状況を見ながら様々なことを検討していく」
 ー値上げの影響は。
 「『きゅうりのキューちゃん』の内容量調整を行った時は約1カ月、パッケージの裏面に理由とお詫びを掲載した。いまのところ、他の商品も含めて影響は見られない。『こくうま熟うま辛キムチ』は、切り替えを行っているところなので注視しているが、大きな影響はないと予想している」
 ーキムチ、本漬、浅漬の売上構成比は。
 「キムチ65%、本漬は沢庵を含めて25%、浅漬10%。今後は浅漬を強化していきたいと考えており、浅漬市場(約800億円)の10%シェア獲得を目指している」
 ー原料面と製造面の課題は。
 「国内の原料野菜については、天候リスク、生産者高齢化リスク、農業資材・エネルギー価格の高騰による原価アップを懸念している。特に生産者の高齢化はどうしようもない問題で、事業継承が可能なのか確認させていただいている。主力原料である白菜の契約率は70%で、足りない時は市場から購入する。契約率を100%にしないのは、豊作になっても不作になってもリスクを最小限に留めるためで、青果会社とのパイプをつなぐ意味もある。製造面は2022年の中京工場(物流併設)と所沢工場(物流併設)の2工場の旧工場からの建て替えを行い、生産能力のアップ、品質保証の拡充、新機械設備導入による新商品開発を進める。品質管理については、全工場でGFSIスキームとなるFSSC22000、JFS‐C規格を取得する方針で、その準備を進めている。今後は新工場を活かす新商品の開発を行っていく」
 ー今後の見通し。
 「コロナで打撃を受けた企業は数多くある。無利子、無担保の融資を受けた企業もあるが、返済が本格的に始まる。販路にもよるが、小規模事業者にとっては厳しい状況になると思う。当社としては市場がシュリンクする中でも生き残れる企業になるため、10年後を見据えて行動していかなければならない。普通に考えても、売上を増やすためには他社のシェアを取るしかない。野菜加工のメーカーとして売場を広げていくために市場がシュリンクしても残る商品を開発することが重要で、高品質や差別化、お得意先様とのパイプがポイントになる。自分たちの強みをブラッシュアップし、供給体制を整えていく必要もある。FSSC22000などの認証資格取得は最低条件で、それがなければPBを受けることが難しく、PBを受けなければNBも受けにくいという流れもある。認証のコストも増えているが、当たり前のことを当たり前のようにやっていかなければ生き残ることができない時代になっている。SDGsの取組も必要で、全工場で生野菜残渣のたい肥化システム導入を目指している」
 ー漬物の需要拡大の方策は。
 「当社の経営理念である『野菜をもっと、野菜にもっと』を数値で出せるようにベジメーター(緑黄色野菜の数値を計測する機器)を会社としてレンタルしていて、展示会・各種イベントで活用している。ベジメーターで計測するべジスコアは緑黄色野菜の摂取状態を反映する。1日の目標野菜摂取量は350gで、健康につながるバランスの良い食事の中に漬物も入れてほしいと思っている」
 ー2023年に向けて。
 「今年の干支は『卯(うさぎ)』、十干は『癸(みずのと)』。干支は十二支・十支の組み合わせで60通りある。今年の干支は『癸・卯』。私が生まれた1956年の楽曲『ケ・セラ・セラ』(ドリス・デイ)は、『ケ・セラ・セラ=何とかなるさ』と訳されていることが多いのだが、本当の意味は『人生は自分次第でどうにでもしていける』ということだそうだ。ウィズコロナと厳しい経済状況が続くと思うが、みんなで力を合わせ、『ケ・セラ・セラ』の気持ちと『これまでとこれからの努力が花開き、実り始める』といった縁起の良さを表している『癸・卯』のごとく、難局を飛び越えていきたいと思っている」
【2023(令和5)年1月1日第5116号5面】

東京中央漬物株式会社 代表取締役社長 齋藤正久氏

 東京都公認の漬物荷受機関である東京中央漬物株式会社(東京都江東区豊洲)の齋藤正久社長にインタビュー。23年3月期上半期の業績や2023年の展望などについて話を聞いた。人口減や少子高齢化で漬物の需要減少が見込まれる中、漬物以外の品目にも目を向ける必要性を指摘。現在は惣菜を強化しているが、将来的には冷凍食品も視野に入れる意向を示した。
(千葉友寛)
◇   ◇
 23年3月期上半期の売上は。
 「上半期の売上は0・4%減で、10月を含めると99・7%と昨対に近い数字に戻ってきている。主力の量販向けはやや低調だが、業務用が回復傾向でカバーしている。漬物業界もコロナの影響で倒産、廃業といった話も出てきているが、良い企業は関係なく業績を伸ばしている。皆川会長からもよく言われているのだが、いつまでもコロナのせいにはできない。少しずつではあるが、新規のお得意先様も増えており、12月も倉庫を目一杯使っている」
 ー御社の強みは。
 「全国の漬物を一手に引き受けて、供給することができる。主要な取引先は約300社で、取扱い数は1000品を超え、小ロットにも対応している。弊社の強みは引き出しの多さと経験、それと知識。全国にパイプがあり、ある商品が原料不足で供給が難しい時も全力で類似品を探す。それが無理なら供給可能な代替品を提案する。漬物のことは弊社に任せていただきたい、と思っている」
 ー今後の見通し。
 「漬物の市場は年々縮小している。少子高齢化が進む中、漬物だけを取り扱っていても売上は落ちていくだけだ。漬物以外の品目にも目を向けていく必要がある。近年、当社では売れ行きが好調な惣菜に近い商材に力を入れており、アイテム数を増やしている。量販店の惣菜売場は商品が充実しており、人の往来も多い。人が来る売場に商品を置くことが重要で、そのような商品の取り扱いも少しずつ増えている。また、コロナ禍で伸びた市場として冷凍食品があるが、今後は取り扱わなければならない状況になることも予想される。将来的にメーカーが冷凍食品を製造するようになれば、弊社もそれに対応できるように取り組んでいく必要がある」
 ー漬物の動きは。
 「新生姜は好調で、8月まで112%だった。9月は値上げの影響で少し後退したが、その後もプラスで推移している。沢庵は上半期108%で、10月も良かった。一部の国産製品で値上げが実施されたが、本格的には来春からになる。量販店では微減の浅漬だが、業務用の需要が回復して全体としてはプラスとなった。キムチは巣ごもり需要が増加したことで昨年まで好調だったが、その反動で数%のマイナスとなっている。梅干しは梅雨明けが早くて猛暑となったこともあって、7月は106%となったが、8月は80%台まで落ちた。9月は110%と持ち直したが、上半期は96~98%となった。これからの動きに期待したい」
 ー値上げについて。
 「漬物業界は他の食品よりも遅れていたが、秋冬から本格化し、来春までに大半の商品が量目調整または価格改定を実施する見通しだ。メーカーから弊社に申請が届いている商品については順次商談を行っていて、案内があったところについては7割方値上げが実施できている。得意先によっては時間がかかったり、1年に1回しか改定できない、といったケースもあるが、全体的にはスムーズに商談することができている。ただ、このような状況でも値上げの案内が届いていないメーカーもある。様々なコストが上昇している状況で、すでに企業努力で吸収できるレベルではなくなっている。もともと薄利でやっているケースが多いと思うので、赤字での製造を余儀なくされているケースもあるだろう。状況としては適正価格で販売できなければ会社の存続が危ぶまれるところまできており、まだアクションを起こしていない企業の状況を懸念している」
 ー2023年の展望は。
 「政府は、コロナの感染者が増えても以前のように規制を厳しくすることはないだろう。そうなれば、円安効果もあるのでインバウンド需要が期待でき、観光関連、飲食関係が良くなっていく。コロナの影響で巣ごもり需要が増加し、量販店は好調となって観光や飲食関係は低迷することとなったが、それが元に戻っている流れだ。利益を確保することは年々難しくなっているが、業務用の方が利益を取りやすい。企業としては利益率を高められるように何をすれば良いのか、どこの取引をメインにしていくのか定めていく必要がある」
【2023(令和5)年1月1日第5116号14面】
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