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「梅」業界活動2021

和歌山漬連 梅干しで元気‼!キャンペーン

井上氏と丸山氏が梅干贈呈
生徒に梅干クイズを出題
小学生6万人へ梅干配布
【大阪支社】和歌山県漬物組合連合会(中田吉昭理事長)並びに和歌山県、和歌山県教育委員会は、県の食育推進月間に当たる10月に県内の小学校及び特別支援学校の児童を対象とした「梅干で元気!!キャンペーン」を実施しており、今年で17年目。今年は県内小学校249校に約6万3000個の梅干(県漬物組合連合会提供)と約6万部の学習資料「梅と梅干しのお話」を配布する。
その内7校には「梅干し贈呈式」及び「梅と梅干しのお話説明会」を実施。和歌山県漬物組合連合会会員と各地域の農業水産振興課担当者が学校を訪問して梅干を贈呈するとともに、歴史や生産方法、機能性について児童へ説明する。
7日には、橋本市立西部小学校の3年生の教室へ、井上梅干食品株式会社(みなべ町)の花村数夫常務取締役、株式会社梅のひさぎ(みなべ町)の丸山真吾取締役、伊都振興局農業水産振興課の矢部泰弘主任、高垣春香技師の4名が訪問した。
矢部主任が最初に南高梅の歴史を説明し、続いて花村常務と丸山取締役が梅の一大産地みなべ町の紹介や、おいしい南高梅の育て方クイズを出題するなど、参加型の説明会となった。
最後に児童から「なぜ梅干はシワシワなのか」「梅干屋さんおすすめの食べ方を教えてください」といった質問に回答し、終了した。
花村常務は「梅の魅力PRは、県外だけでなく県内でも大切。日頃から食べて親しみを持ってほしい」と語り、丸山取締役は「子どもたちから予想以上に質問が出て驚いた。関心のある児童が多くてうれしい」とコメントした。
【2021(令和3)年10月11日第5072号8面】
 
 

紀州田辺梅干協同組合 「梅供養」と情報交換会開催

梅供養の参列者一同
梅と先人へ感謝を捧げた
情報交換会の様子
漬込み量増加も、コロナで商況厳しく
【大阪支社】紀州田辺梅干協同組合(大谷喜則理事長)は7月20日、和歌山県田辺市下三栖の報恩寺(通称善光寺)において第56回梅供養を実施した。合わせて情報交換会も開催した。
梅供養では、今年も組合員やJA関連企業、梅生産農家等の参列を得た。一同は丹精込めて仕上げた梅干を仏前に供えるとともに、梅への感謝を捧げ、物故者供養並びに梅産業の一層の隆盛を合わせて祈願した。
大谷理事長は「梅の恵みと先人の努力への感謝を忘れないために始めた梅供養が、今年で56回目を迎えた。私の祖父の喜三郎が発案者の一人と聞いており、長い歴史が守られてきたことに感慨深いものがある」と話した。
梅供養の後は「秋津野ガルテン」に場所を移し、情報交換会を開催した。
初めに、今年度の梅の収穫状況等についてJA紀南加工部より青梅の出荷状況について報告があった。
「”メーカー漬“が増え流通経路が複雑になり当所での把握が難しくなっている」と前置きした上で、「一つの指標となる塩の出荷量は約1万2000トンと、平年の目安である1万トンを超えた。豊作に見える数字だが、生産農家の感覚では平年並の作柄、という声もある。メーカー漬により規格外品の利用が増えていると考えられる」と話した。
またJA紀南扱いの青果出荷に関しては、秀品率とサイズにつき次のように報告した。()内は昨年の実績。
【秀品率】▼秀72%(78%)▼優14%(14%)▼良14%(9%)。
【サイズ】▼4L=7%(8%)▼3L=21%(33%)▼2L=35%(37%)▼L=27%(19%)▼M=9%(3%)。
また組合加盟各社による情報交換では、コロナの影響の大きさが改めて浮き彫りとなった。スーパーや通販は比較的好調となったものの、土産や業務筋は大打撃を受けた。今年に入ってからも大消費地である都市部では緊急事態宣言がほとんど常に発出されている影響も大きい。
原料在庫としては、昨年が稀にみる凶作で原料切れを危惧されていたにも関わらず「幸か不幸か、足りてしまった」という嘆きが聞かれた。ただ、梅雨明けが今年は早まったため、これからの改善に期待がかかる。
その後は田辺保健所 衛生環境課より、和歌山県HACCPシステム認証制度と、漬物製造業の営業許可制度について説明会があり、この日の日程を終了した。
【2021(令和3)年7月30日食料新聞デジタル・8月1日第5065号併載】
 
 

『梅振興議員連盟』総会 「梅が国民の健康守る」

梅酒づくりを行う大島会長(前列左)と二階幹事長(前列右)
前列左から真野専務理事、新井町長、二階幹事長、大塚拓議員、宇都宮准教授、後列左から清水議員、中田理事長、鶴保庸介議員
みなべ町の小谷町長
越生町の新井町長
JAはぐくみの児嶋氏
青梅市の浜中市長
小田原市の鳥海副市長
梅議連の総会
5つの梅産地が発表
 ブランド化や機能性研究に力
 梅産業の振興を目的とした「梅振興議員連盟」(大島理森会長)は6月30日、東京都千代田区の参議院議員会館にて第25回総会を開催した。当日は、大島会長、二階俊博幹事長ら自民党所属の国会議員、農林水産省を始めとした関係省庁や梅産地の関係者、全日本漬物協同組合連合会より中田吉昭氏(和歌山県漬物組合連合会理事長)と真野康彦専務理事が出席、議事では決議文の採択や各産地動向の発表が行われた。今年は梅産地として、従来の和歌山県、埼玉県、群馬県に加え、東京都と神奈川県の関係者が新たに出席、和歌山県立医科大学の宇都宮洋才准教授による梅の機能性の講演も実施され、梅産業振興のための貴重な機会となった。
 総会は清水真人参議院議員が司会進行を務め、大島会長が挨拶。「令和という時代の名称は梅花の歌の序文から引き出したもので、そのくらい梅は日本文化や日本の食と密接な関係にある。だが抱えている課題も多く、本日は生産者の皆様からのご意見を聞きながら梅の発展、推進のための施策をどう打てばいいのか考えていきたい」と話した。
 続いて二階幹事長は「私ども梅議連は、梅を世の中に広めていく使命がある。梅は重要な産業で、ある意味で農業の中の優等生とも言える。これを前へ押し出していくことが、農業振興に対する認識を一段と高めていくことにも繋がる。また最終的には、国民の健康に貢献するという大きな使命もある。梅を食べて健康を守るということは素朴なことだが、大事なことであり、皆様が努力してくれればできる。それがまた梅生産地の発展にも繋がっていく」と述べた。
 議事では、梅振興議員連盟決議書(令和2年6月)に対する対応状況を農林水産省が発表。安定生産を図るための新技術実証への支援やスマート農業技術導入による省力化、学校給食への提供や輸出促進といった各決議内容について進捗状況の報告がなされた。
 続いて産地における梅振興の取組について、各産地関係者が発表した(詳細は後述)。また梅干し等漬物の流通販売の現況報告について、全漬連を代表して和歌山県漬物組合連合会の中田理事長が発表を行った。
 中田理事長は、3年前にテレビ放送と夏の猛暑が重なり爆発的な梅干し需要が起き、売上が3割程アップしたが、一昨年は夏の長雨や台風の影響で、梅干しの販売は1割ほど減収となったこと。昨年は新型コロナによる外出自粛により、家庭での食品需要が増えた半面、惣菜や調理食品への出費が増えたことや、梅雨明けの遅れもあり、梅干しの需要は約5%ダウン、飲食店や観光土産の需要も激減していることを報告した。
 また昨年の天候不良により紀州梅が6割作の凶作となり、原料相場が高騰、諸物価や物流費の上昇も加わって、梅干し製品価格の値上げを余儀なくされたこともあり、令和3年現在の売上も昨年と同じく厳しい状況で推移していることを説明した。その上で「今年の梅は各産地で小粒ながらも、まずまずの作柄に恵まれており、良質の梅がたくさん漬け込まれている。この夏以降、そして来年春夏の需要期には積極的な販売ができることと梅業界一同期待している」とした。
 その後、和歌山県立医科大学の宇都宮准教授が梅の機能性について講演。ピロリ菌の活動能を低下させる効能や、梅の皮膚に対する抗老化効果などを説明。現在、新型コロナに対する梅の効果についての研究を進めていることも明かし、「米と梅干しの消費量は連動しているので、是非お米の産地と連携し、日本人の健康のために取組んでいきたい」とした。
 続いて、梅の安定生産や需要拡大を図るための8項目の決議文が採択された。二階幹事長は「決議文を具体的に進めていく方策を知恵を出し合い考えていく必要がある。梅には国民の健康に役立つという堂々たる使命があるので思い切ってやっていきたい。協力し合って頑張っていこう」と提言し、総会は終了した。
 会場では、大島会長と二階幹事長による梅酒づくりのデモンストレーションが行われた他、各産地の梅製品の展示も実施された。
【各産地動向】
 ◇和歌山県(みなべ町長:小谷芳正氏)

「“みなべ・田辺の梅システム”が世界農業遺産に認定され6年目に入っているが、販売は順調に推移している。昨年は暖冬で梅の花の咲く時期とミツバチの飛ぶ時期がずれ凶作となったが、今年度は順調に進んでおり豊作の状況。だが若干、梅雨入りが早く5月末に雨が多く日照不足であまり肥大しなかった。昨年は体験型の修学旅行や教育旅行でみなべ町にお越し頂く小中学校が増えたが、スポーツ合宿が減った」
◇埼玉県(越生町長:新井康之氏)
「越生は『べに梅』発祥の地。べに梅は果肉が柔らかくフルーティーな品種で、ブランド化しようと取組んでいる。ロゴマークを商標登録し、条件を満たした梅干しなどにシールを貼りPRしている。今年の作柄は、べに梅については例年より少し良く、白加賀は微減、十郎は微増となった。六次産業化にも取組んでおり、梅の実がまるごと入ったジュースなどを販売している」
◇群馬県(JAはぐくみ:児嶋賢治氏)
「群馬と言えば白加賀だが、本日最終出荷となった。当JAでは2500トン程の出荷を見込んでいたが、梅がなっていたものの玉伸びせず粒が小さく、最終的には1600トン程が全国各地に運ばれた。白加賀というブランドを確立するため様々なメーカーと連携し取組んでいる。群馬県でも今年、梅の機能性成分を分析するための部門が立ち上がり、白加賀の機能性の研究が進んでいる」
◇東京都(青梅市長:浜中啓一氏)
「青梅市では“ウメ輪紋ウイルス”という大きな課題を掲げて、国や農水省、東京都のご指導を頂きながら着実にウイルスの解除に向けて今努力しているところで、おかげ様で今年3月31日をもって省令解除となり、青梅市内で梅を見ることができた。これからが再生のスタート。平成28年から植栽を始め、現在農家の梅で5000本ほど復興してきた、梅の花を楽しめる公園づくりも進めている。今年は豊作の年と言われ、1軒の農家でも約2万トンの収穫があったと聞いてる」
◇神奈川県(小田原市副市長:鳥海義文氏)
「小田原の梅は神奈川ブランドに指定され、市章も梅がモチーフとなっている。小田原特産の“十郎梅”は、果肉が厚く柔らかい特長がある。十郎梅のロゴマークが登録商標されており、小田原産の梅ブランドの統一化を図っている。今後は十郎梅に続いて、さらに皮が柔らかい“十郎小町”の振興にも取組んでいきたい」
【2021年7月11日第5063号1、3面】
 
農林水産省 配布資料「うめをめぐる情勢」の詳細は→ 「梅」データ・資料2021
 

6月6日は「梅の日」記念行事

下鴨神社で南高梅を奉納する紀州梅の会梅干部会の濱田洋部会長
 
6月6日は「梅の日」。例年は、産地PRと消費拡大を図るため、各地で各種記念行事が行われるが、本年も新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、「梅の日」行事は規模を縮小し、組合からは役員のみの参加で行った。
 
◎熊野本宮大社
 ・神事 ・梅漬け儀式
◎京都 上賀茂・下鴨神社
 ・神事(梅奉納)
◎日時:令和3年6月6日 午前10時~(両神社とも)
献梅のため本殿へ向かう一行
 
宮司の後に続く梅娘
玉串拝礼
紀州田辺梅干協同組合の大谷喜則理事長(熊野本宮大社にて)
作柄良好な梅
九鬼宮司による梅漬け神事

6月1日号 紀州梅の会 6月6日は「梅の日」

順調に成育している紀州南高梅(和歌山県田辺市)
紀州梅の作柄に期待高まる
6月6日は「梅の日」。紀州梅の会は、平成18年に6月6日を「梅の日」と制定し、毎年賀茂神社、和歌山県の熊野本宮大社と須賀神社に無病息災と平穏を祈願して梅を献上。その他、東京大田市場での「和歌山の梅フェア」、総理大臣への梅贈呈等の記念行事を開催(今年は新型コロナウイルスの影響でともに2年連続中止、延期)するなど、紀州梅の認知度とブランド力の向上を図っている。
日本一の梅産地である紀州梅産地の今年の作柄は、3年ぶりとなる平年作以上になると見られ、期待が高まっている。JA紀南が5月21日に発表した生産予想量は、小梅825t(前年比242%、平年比103%)、古城478t(前年比277%、平年比83%)、南高(前年比158%、平年比100%)、在来系440t(前年比204%、平年比90%)が見込まれている。南高は早場で今月下旬から出荷が始まり、ピークは梅の日(6月6日)頃と予想されている。
昨年は平年の6割作と大不作となり、2年連続の不作で梅干原料はタイトな状況となっていた。原料価格も上昇し、昨年から今年4月にかけて各社値上げを実施。コロナ禍の中、巣ごもり消費が増加して漬物の需要も大きく伸長したが、梅干は供給不足や値上げの影響等で需要に結びつけることができなかった。
田辺中央青果市場では昨年より2日早い5月24日から入荷が始まった。加工向け(中値)の相場がキロ400円~500円と高値でのスタートとなっていることは懸念材料だが、今年の作柄でタイトだった原料状況は一服感が出てくると見られ、梅産地では安堵の声が漏れている。
今から470余年前(1545年)、雨が降らずに人々は困っていた。時の天皇は6月6日、京都の賀茂神社に梅を奉納して祈ったところ、雷鳴とともに雨が降り始め、五穀豊穣をもたらした。
人々はその天恵の雨を「梅雨」と呼び、梅に感謝するとともに災いや疫病を除き、福を招く梅を「梅法師」と呼んで贈り物にするようになったと言われている。薬膳としても貴重な梅は、宮中での天皇や上司に贈り物として献上されていたことがお中元の原型とされている。これらの話が宮中の日記「御湯殿上の日記」に記されていたことから、その故事にちなんで6月6日を「梅の日」に制定した。
【2021(令和3)年6月1日第5059号1面】
 

5月11日号 紀州田辺梅干協同組合 総会

中田前理事長(左)と大谷新理事長
役員改選で中田理事長退任  大谷喜則氏が新理事長に
【大阪支社】有限会社紀州田辺梅干研究センター(不動正巳社長)と紀州田辺梅干協同組合(中田吉昭理事長)は4月27日、令和3年度通常総会を田辺市の紀南文化会館研修室で開催。新型コロナウイルス感染症に十分配慮した形で実施した。
総会では決算、予算の審議承認と任期満了に伴う役員改選が行われた。
役員改選では3期6年間の任期を務めた中田理事長が退任し、副理事長の大谷喜則氏(大谷屋社長)が新理事長に就任した。
その他、専務理事の前田雅雄氏(紀州うめまさ社長)が副理事長、理事の大谷浩之氏(ウメカ食品社長)が専務理事に就任した。副理事長の芝邦浩氏(丸惣社長)は留任。
コロナ対策を徹底して開催された総会
大谷新理事長は、コロナの感染拡大や厳しい経済状況、昨年の紀州梅産地が30年に一度と言われる凶作に見舞われたことなどについて説明した上で、「我々を取り巻く環境は大変厳しいが、そのような中で理事長という大役を仰せつかった。舵取りは本当に難しい状況で、大変重責に感じている。役職が人を育てる、という言葉があるように、理事長という役を通して色々と学ばせていただきたいと思っているので、ご理解とご協力を賜りたい」と就任の挨拶を述べた。
【2021(令和3)年5月30日食料新聞デジタル・5月11日第5057号2面併載】

3月21日号 紀州みなべ梅干協同組合

寄贈した個包装タイプの南高梅梅干
医療機関へ梅干寄贈 昨年5月に続き南高9千個
【大阪支社】紀州みなべ梅干協同組合(泰地祥夫理事長)と紀州みなべ梅干生産者協議会(山本康雄会長)は、新型コロナウイルス感染症流行の最中で働く医療従事者へ感謝の思いを込め、梅干を寄贈した。昨年5月に続き、2回目の寄贈となる。
今回提供したのは、両組合が共同開発した個包装タイプの南高梅梅干。紀南病院(田辺市)、南和歌山医療センター(田辺市)、白浜はまゆう病院(白浜町)、和歌山ろうさい病院(和歌山市)、県立医科大学付属病院(和歌山市)の5院に計9千個を、2月から3月にかけて届けた。
泰地理事長は「医療従事者の方々は大変なプレッシャーの中で働いておられると思う。梅干を食べて元気になり、今を乗り切る助けとなれれば光栄だ」と話した。
【2021(令和3)年3月21日第5052号7面】
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