のうカフェ発酵教室「酒粕の魅力」 マルツ食品・鶴田専務が講演
埼玉県熊谷市にある築100年の古民家カフェ「母めし食堂 のうカフェ」(小林由紀子オーナー)では3月21日、発酵食品の魅力を紹介する「発酵教室」を19名が参加して開催した。
第1部では、熊谷の酒「直実」で著名な権田酒造株式会社(権田清志社長、埼玉県熊谷市)取締役の権田幸子氏が、酒粕の魅力や可能性について講演。
第2部ではマルツ食品株式会社(鶴田健次社長、埼玉県深谷市)専務取締役の鶴田充輝氏が漬物を始めとする発酵食品の特性や、自社の漬物製造へのこだわり等を講演したほか、「深谷ねぎ麦みそ一本漬」の実演も行った。
権田氏は、嘉永3(1850)年創業以来、約170年続く同社の地酒造りについて説明。製造過程で生まれる酒粕について、その健康性や加工品への利用度などを詳しく語った。
大吟醸と普通酒での酒粕の違い、保存しておく期間の長さによって味わいなどが変わる酒粕のサンプル等も提示し、各々の特性について説明。酵母が生きている“おり酒”の開封も行い、聴講者からは自宅での熟成のさせ方や野菜粕漬の漬け方などについて質問が飛ぶなど、関心の高さがうかがえた。
第1部では、熊谷の酒「直実」で著名な権田酒造株式会社(権田清志社長、埼玉県熊谷市)取締役の権田幸子氏が、酒粕の魅力や可能性について講演。
第2部ではマルツ食品株式会社(鶴田健次社長、埼玉県深谷市)専務取締役の鶴田充輝氏が漬物を始めとする発酵食品の特性や、自社の漬物製造へのこだわり等を講演したほか、「深谷ねぎ麦みそ一本漬」の実演も行った。
権田氏は、嘉永3(1850)年創業以来、約170年続く同社の地酒造りについて説明。製造過程で生まれる酒粕について、その健康性や加工品への利用度などを詳しく語った。
大吟醸と普通酒での酒粕の違い、保存しておく期間の長さによって味わいなどが変わる酒粕のサンプル等も提示し、各々の特性について説明。酵母が生きている“おり酒”の開封も行い、聴講者からは自宅での熟成のさせ方や野菜粕漬の漬け方などについて質問が飛ぶなど、関心の高さがうかがえた。
鶴田氏は、日本を代表する発酵食品としての漬物の可能性を広げるため、無添加で製造する自社の取組を説明。鮮度を重視し県内産の原料を使用するなど、地元の生産者や企業との連携にも積極的。「消費者目線で中小企業の強みを活かしていきたい」と様々な商品開発に努めている。
中でも主力商品のひとつで、テレビ朝日「相葉マナブ」でも紹介された「深谷ねぎ麦みそ一本漬」の漬込みを実演した。大鍋を持ち込み、深谷ねぎをその場でブランチング。ジップ付き袋に入れた特製漬け液にねぎを漬け込んで、参加者にお土産として配布した。
鶴田氏は、「漬け液は野菜だけでなく豚肉等を漬け込めば柔らかくなり、美味しく食べられる」と説明。同社の直売店「発酵食品の館」でも購入者に来店特典として配布しており、人気を集めている。
ランチタイムには、カフェ特製の熟成酒粕入り白和え、むさし麦豚の麦味噌炒め、酒粕入りバスク風チーズケーキなどに加え、マルツ食品の漬物アラカルトを味わった。普段から料理や健康に関心のある参加者は、充実の内容に大満足で会場を後にした。
【2022(令和4)年食料新聞デジタル3月30日号、4月1日号併載】
マルツ食品 HP
権田酒造 HP
母めし食堂 のうカフェ HP
中でも主力商品のひとつで、テレビ朝日「相葉マナブ」でも紹介された「深谷ねぎ麦みそ一本漬」の漬込みを実演した。大鍋を持ち込み、深谷ねぎをその場でブランチング。ジップ付き袋に入れた特製漬け液にねぎを漬け込んで、参加者にお土産として配布した。
鶴田氏は、「漬け液は野菜だけでなく豚肉等を漬け込めば柔らかくなり、美味しく食べられる」と説明。同社の直売店「発酵食品の館」でも購入者に来店特典として配布しており、人気を集めている。
ランチタイムには、カフェ特製の熟成酒粕入り白和え、むさし麦豚の麦味噌炒め、酒粕入りバスク風チーズケーキなどに加え、マルツ食品の漬物アラカルトを味わった。普段から料理や健康に関心のある参加者は、充実の内容に大満足で会場を後にした。
【2022(令和4)年食料新聞デジタル3月30日号、4月1日号併載】
マルツ食品 HP
権田酒造 HP
母めし食堂 のうカフェ HP
サラヤ(大阪府) 更家悠介社長が講演
新興国の衛生改善と環境保全
サラヤ株式会社(更家悠介社長、大阪市東住吉区)の更家悠介社長は1日、大阪府の茨木商工会議所で「バイオサイエンスの時代を語ろう! サラヤの衛生・環境・健康」をテーマに講演を行った。会場・オンライン併せて55名が聴講した。
サラヤは創業70周年を今年迎え、看板商品「ヤシノミⓇ洗剤」の製造を約50年続けてき老舗メーカー。コロナ禍にアルコール消毒剤の供給で一躍注目された企業でもある。現在はその他にも幅広く事業を展開し、急速液体凍結機「ラビッドフリーザー」から天然素材の自然派甘味料「ラカントS」まで手掛ける。
さらに創業から世界の衛生・環境・健康問題の解決に関わり続け、国内企業の中でも先駆けてSDGsの実践に取り組んできた企業としても知られる。
更家社長が特に環境問題に関心を抱いたのは、2004年。パーム油(アブラヤシの油)の一大生産地マレーシアのボルネオ島では1970年代より、国策でアブラヤシの栽培面積を急速に増加させていたため、熱帯雨林が減少し、野生生物の生息に甚大な悪影響が出ていた。その事実を知った更家社長は、同社の「ヤシノミ洗剤」もパーム油を原料とすることから、日本のメーカーでいち早く環境保全へ取り掛かった。
サラヤ株式会社(更家悠介社長、大阪市東住吉区)の更家悠介社長は1日、大阪府の茨木商工会議所で「バイオサイエンスの時代を語ろう! サラヤの衛生・環境・健康」をテーマに講演を行った。会場・オンライン併せて55名が聴講した。
サラヤは創業70周年を今年迎え、看板商品「ヤシノミⓇ洗剤」の製造を約50年続けてき老舗メーカー。コロナ禍にアルコール消毒剤の供給で一躍注目された企業でもある。現在はその他にも幅広く事業を展開し、急速液体凍結機「ラビッドフリーザー」から天然素材の自然派甘味料「ラカントS」まで手掛ける。
さらに創業から世界の衛生・環境・健康問題の解決に関わり続け、国内企業の中でも先駆けてSDGsの実践に取り組んできた企業としても知られる。
更家社長が特に環境問題に関心を抱いたのは、2004年。パーム油(アブラヤシの油)の一大生産地マレーシアのボルネオ島では1970年代より、国策でアブラヤシの栽培面積を急速に増加させていたため、熱帯雨林が減少し、野生生物の生息に甚大な悪影響が出ていた。その事実を知った更家社長は、同社の「ヤシノミ洗剤」もパーム油を原料とすることから、日本のメーカーでいち早く環境保全へ取り掛かった。
ボルネオゾウやオランウータンの救出活動などの他、07年にはヤシノミ洗剤の売上1%を保全基金へ寄付する取組をスタートさせた。その後も熱帯雨林だった土地を買い戻し森林へと復元する「緑の回廊」計画実現などに努めている。
続いて衛生問題の解決は2010年にスタートした。ウガンダでは不衛生な環境によって感染症に罹患し命を落とす人が絶えない。同社ではユニセフと協力し、現地の居住地や学校を中心に感染症予防に効果的な手洗いの指導や設備の整備に取り組んできた。14年からは、現地でアルコール消毒剤の生産を開始し、雇用の創出と病院などへの供給にも対応している。
更家社長は「渋沢栄一や二宮尊徳が説いたように『経済』と『道徳』の両立が大切。若い人も後に続いてほしい」と熱弁をふるった。
【2022(令和4)年2月21日第5085号6面】
サラヤ HP
続いて衛生問題の解決は2010年にスタートした。ウガンダでは不衛生な環境によって感染症に罹患し命を落とす人が絶えない。同社ではユニセフと協力し、現地の居住地や学校を中心に感染症予防に効果的な手洗いの指導や設備の整備に取り組んできた。14年からは、現地でアルコール消毒剤の生産を開始し、雇用の創出と病院などへの供給にも対応している。
更家社長は「渋沢栄一や二宮尊徳が説いたように『経済』と『道徳』の両立が大切。若い人も後に続いてほしい」と熱弁をふるった。
【2022(令和4)年2月21日第5085号6面】
サラヤ HP