全国水産加工たべもの展2022
大阪府知事賞「風味山椒」
株式会社野村佃煮(野村啓介社長、京都府宇治市)の「風味山椒」が、今年の全国水産加工たべもの展で大阪府知事賞(加工昆布部門)を受賞した。
「風味山椒」は、国産の茎わかめを山椒の実と合わせた佃煮。茎わかめのコリコリとした食感、甘みのある味付けからふわりと香る山椒の爽やかな香りが楽しめる佃煮。そのままご飯に乗せて、またお茶漬けにするのもオススメの食べ方だ。
茎わかめの食感を残しながら、芯までタレを浸透させるには繊細な炊き加減が必要。原料の状態やその日の気候などによってベストな炊き時間は変化するためタレの煮詰まり具合などを確認しながら、佃煮に仕上げている。
また山椒を使った佃煮は、同社の得意分野の一つと言える。前回のたべもの展では「ちりめん山椒 極」で農林水産大臣賞を受賞している通り、山椒の辛みや香りを活かすため、濃すぎず薄すぎない味わいを目指している。
「風味山椒」は竹皮に包んでおり『竹皮シリーズ』としてギフトや手土産に好評だ。
同社の製品全般に共通する特徴が、素材の味わいを活かす京都の家庭料理の伝統を受け継いでいること。京都の台所・錦市場の惣菜店として昭和6年に創業した同社は、商売を営み料理に手間をかけられない家庭を支えてきた歴史がある。そのため、毎日食べられる家庭の味を目指してきた。
製造は本社工場のほか、丹波三和工場(京都府福知山市)、久御山工場(京都府久世郡久御山町)でも行っている。販路はスーパーや生協、業務筋など幅広く、OEM製造にも力を入れている。
【2022(令和4)年5月16日第5093号】