輸出促進で産業の活力に
梅産業の振興を目的とした「梅振興議員連盟」(大島理森会長)は8日、東京都千代田区の参議院議員会館にて第26回総会を開催。自民党総務会長代行で自由民主党漬物振興議員連盟会長でもある森山氏が新会長に就任した。総会には二階俊博幹事長、武部新農林水産副大臣ら自民党所属の国会議員、農林水産省などの関係省庁、梅産地の関係者、梅干しの業界団体として全日本漬物協同組合連合会(野﨑伸一会長)より中田吉昭氏(和歌山県漬物組合連合会理事長、中田食品社長)と真野康彦専務理事が出席し、決議文の採択や各産地動向の発表、梅干し等漬物の流通販売の現況報告が行われた。
二階幹事長は、「他の農産物生産者の方が梅の生産者を羨ましく思うくらい農業政策の中で思い切ったことをやりたい。優等生を元気にしないと後がついてこない。補助金は後ろ向きの話になってしまうので、梅はもっと広がっていく、輸出も拡大するから予算が欲しい、という流れにして梅産業を元気にしていきたい。毎年ただ集まるだけではなく、具体的に農業振興ここにあり、くらいのことをやっていこう」と輸出促進を梅産業の活力とする方針を掲げ、議連のバックアップを受ける梅の需要拡大や海外展開への道筋が示された。
二階幹事長は、「他の農産物生産者の方が梅の生産者を羨ましく思うくらい農業政策の中で思い切ったことをやりたい。優等生を元気にしないと後がついてこない。補助金は後ろ向きの話になってしまうので、梅はもっと広がっていく、輸出も拡大するから予算が欲しい、という流れにして梅産業を元気にしていきたい。毎年ただ集まるだけではなく、具体的に農業振興ここにあり、くらいのことをやっていこう」と輸出促進を梅産業の活力とする方針を掲げ、議連のバックアップを受ける梅の需要拡大や海外展開への道筋が示された。
(2面に続く)
【2022(令和4)年6月11日第5096号1面】
「うめ」輸出額が過去最高に 二階幹事長「梅は4番バッター」
(1面より続く)総会は三木亨事務局次長の司会進行で二階幹事長が挨拶を行い、「近頃は梅酒をはじめ、梅の輸出が好調だと聞いている。我が国の果樹のみならず農業にとって農業生産品を輸出できるということは大きなチャンスでもある。その中でも梅は4番バッター。梅議連は他の農産物生産者の気持ちを受け取り、国政の場で広めていくことがチャンスにつながる。我々は梅を中心にしてその先陣を切り、農業が盛んになっていくように取り組んでいきたい。梅は健康の素。梅を作っている人や関係者が利益を得るのではなく、梅を買って食べた人が健康になるので、そのことを大いに宣伝してもおかしくない」と輸出と健康機能性の可能性について言及した。
議事に入る前に会長選出が行われ、大島会長の退任と森山氏の新会長就任が承認。森山新会長は、「梅は昔から『一日一粒で医者いらず』と言われ、健康に良いということが伝えられてきた。明治のはじめにコレラが流行した時、梅が有効に使われた歴史があると聞いている。明治の時代を支えたのが梅や梅干しだったと思っている。梅振興のためにも皆さんと一緒になって頑張っていくことが重要だ」と抱負を語った。
議事に移り、梅振興議員連盟決議書(令和3年6月)への対応状況について農林水産省が発表。災害発生時の非常食として農林水産省を含めた複数の省庁で梅干しを備蓄食料品のリストに追加したことや、梅干しを含む令和3年のうめ加工品の輸出額が4・3億円、生鮮のうめが6000万円といずれも過去最高額となっており、順調に増加していることが報告された。
産地におけるうめ振興の取組では、各産地の代表者が発表(詳細別掲)。また、梅干し等漬物の流通販売の現況については、業界を代表して中田理事長が報告を行った。
中田理事長は業界を取り巻く環境に触れた上で、市場の動きについて説明。コロナの感染が拡大した令和2年度から家庭内の食事が増加するも梅干しの需要は減少傾向で、POSデータによると令和2年度は前年比約95%、令和3年度は同約92%だった。
これらの要因として家庭内の食は梅干しより割安な食品や惣菜にシフトしたこと、梅干しの原料相場の高値水準が続いていることや諸物価、物流費の上昇で梅干しの価格も値上がりしたこと、また昨夏は長雨と冷夏の影響で売れ行きが低調となったことを指摘。その反面、ネット販売や通信販売は好調に推移している。
また中田理事長は、「紀州梅産地では、今年の南高梅は良い作柄になると期待されている。長期予報では、夏は猛暑となり、残暑も厳しくなるとのこと。また、梅の研究でコロナウイルスの阻害効果があると実証され、需要拡大に期待したい」と販売を強化していく方向性を示した。
続いて武部農林水産副大臣が発言し、「先月、G7農業大臣会合に出席した時、イギリスの農業大臣が日本酒も良いが梅酒が最高に美味しい、と話していた。我々は輸出目標5兆円を掲げており、うめの加工品も含めて輸出が拡大するようにしっかり対策していきたい」と語った。
決議文採択では、食料備蓄としての利用や梅の健康機能性をキーワードにした消費拡大、「UME」を世界共通言語として梅やその加工品の輸出促進に取り組むなどの8項目が読み上げられ、承認された。
会場では二階幹事長と森山新会長による梅酒づくりのデモンストレーションが行われた他、各産地の梅製品が展示された。
議事に入る前に会長選出が行われ、大島会長の退任と森山氏の新会長就任が承認。森山新会長は、「梅は昔から『一日一粒で医者いらず』と言われ、健康に良いということが伝えられてきた。明治のはじめにコレラが流行した時、梅が有効に使われた歴史があると聞いている。明治の時代を支えたのが梅や梅干しだったと思っている。梅振興のためにも皆さんと一緒になって頑張っていくことが重要だ」と抱負を語った。
議事に移り、梅振興議員連盟決議書(令和3年6月)への対応状況について農林水産省が発表。災害発生時の非常食として農林水産省を含めた複数の省庁で梅干しを備蓄食料品のリストに追加したことや、梅干しを含む令和3年のうめ加工品の輸出額が4・3億円、生鮮のうめが6000万円といずれも過去最高額となっており、順調に増加していることが報告された。
産地におけるうめ振興の取組では、各産地の代表者が発表(詳細別掲)。また、梅干し等漬物の流通販売の現況については、業界を代表して中田理事長が報告を行った。
中田理事長は業界を取り巻く環境に触れた上で、市場の動きについて説明。コロナの感染が拡大した令和2年度から家庭内の食事が増加するも梅干しの需要は減少傾向で、POSデータによると令和2年度は前年比約95%、令和3年度は同約92%だった。
これらの要因として家庭内の食は梅干しより割安な食品や惣菜にシフトしたこと、梅干しの原料相場の高値水準が続いていることや諸物価、物流費の上昇で梅干しの価格も値上がりしたこと、また昨夏は長雨と冷夏の影響で売れ行きが低調となったことを指摘。その反面、ネット販売や通信販売は好調に推移している。
また中田理事長は、「紀州梅産地では、今年の南高梅は良い作柄になると期待されている。長期予報では、夏は猛暑となり、残暑も厳しくなるとのこと。また、梅の研究でコロナウイルスの阻害効果があると実証され、需要拡大に期待したい」と販売を強化していく方向性を示した。
続いて武部農林水産副大臣が発言し、「先月、G7農業大臣会合に出席した時、イギリスの農業大臣が日本酒も良いが梅酒が最高に美味しい、と話していた。我々は輸出目標5兆円を掲げており、うめの加工品も含めて輸出が拡大するようにしっかり対策していきたい」と語った。
決議文採択では、食料備蓄としての利用や梅の健康機能性をキーワードにした消費拡大、「UME」を世界共通言語として梅やその加工品の輸出促進に取り組むなどの8項目が読み上げられ、承認された。
会場では二階幹事長と森山新会長による梅酒づくりのデモンストレーションが行われた他、各産地の梅製品が展示された。
【2022(令和4)年6月11日第5096号2面】