『食と健康アドバイザー制度』構築へ
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(池野隆光会長)を含む薬業4団体は2022年12月9日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で合同記者会見及び年頭所感発表を行った。
挨拶に立った池野会長は、「今年もコロナに始まって、コロナに終わる一年だった。また、ウクライナ情勢も状況が変わらず新年を迎えようとしている。スポーツ界ではサッカーワールドカップがカタールで開催され、日本がドイツとスペインから大金星を上げ、ドーハで泣いてドーハで笑う、という嬉しい出来事もあった」と1年を振り返った。
ドラッグストア業界については、「抗原検査キットの販売が大きな話題になった。このようなことがつながって、いずれ予防注射が打てるような時代になればいい、と思っている。それと同時に近年は環境問題が大きくなっている。新年も環境問題をしっかり考えないといけない。ドラッグストアでは食品を多く扱うようになってきたが、環境に配慮した対応が重要になってくる」と環境問題の重要性を強調した。
「食と健康」をドラッグストアの柱とする取組については、「食と健康は切っても切れない関係にあることは誰もが認めるところ。しかし、食の機能性をお客様にしっかりとアピールすることは難しい課題。店舗には栄養士もいるのだが、そのような表示はできていない。店舗における表現については、消費者庁と意見交換を行い、健康に資する食についての考え方や扱い方を取りまとめていて、『食と健康アドバイザー制度』の構築を目指している」と栄養士らのスキルを活かした売場作りを課題に上げた。
最後に新年の抱負について、「いまやドラッグストアは地域にはなくてはならない存在となり、業界も10兆円産業に手の届くところまで近づいていて、コンビニエンスストア業界を追い抜きそうなところまできた。そのような意味でも社会的責任の重さを感じている。それと合わせて、一般生活者の健康に関して、医療や環境の問題などにも積極的な発言や活動を行っていき、『尊敬される企業集団を目指す』ための活動を加速させていく」と述べた。
続いて日本チェーンドラッグストア協会政治連盟、一般社団法人日本医薬品登録販売者協会、一般社団法人日本置き薬協会、一般社団法人日本薬業研修センターからそれぞれ活動報告、年頭所感、来年の方針が説明された。
【2023(令和5)年1月11日第5117号17面】
日本チェーンドラッグストア協会 HP
https://jacds.gr.jp/
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(池野隆光会長)を含む薬業4団体は2022年12月9日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で合同記者会見及び年頭所感発表を行った。
挨拶に立った池野会長は、「今年もコロナに始まって、コロナに終わる一年だった。また、ウクライナ情勢も状況が変わらず新年を迎えようとしている。スポーツ界ではサッカーワールドカップがカタールで開催され、日本がドイツとスペインから大金星を上げ、ドーハで泣いてドーハで笑う、という嬉しい出来事もあった」と1年を振り返った。
ドラッグストア業界については、「抗原検査キットの販売が大きな話題になった。このようなことがつながって、いずれ予防注射が打てるような時代になればいい、と思っている。それと同時に近年は環境問題が大きくなっている。新年も環境問題をしっかり考えないといけない。ドラッグストアでは食品を多く扱うようになってきたが、環境に配慮した対応が重要になってくる」と環境問題の重要性を強調した。
「食と健康」をドラッグストアの柱とする取組については、「食と健康は切っても切れない関係にあることは誰もが認めるところ。しかし、食の機能性をお客様にしっかりとアピールすることは難しい課題。店舗には栄養士もいるのだが、そのような表示はできていない。店舗における表現については、消費者庁と意見交換を行い、健康に資する食についての考え方や扱い方を取りまとめていて、『食と健康アドバイザー制度』の構築を目指している」と栄養士らのスキルを活かした売場作りを課題に上げた。
最後に新年の抱負について、「いまやドラッグストアは地域にはなくてはならない存在となり、業界も10兆円産業に手の届くところまで近づいていて、コンビニエンスストア業界を追い抜きそうなところまできた。そのような意味でも社会的責任の重さを感じている。それと合わせて、一般生活者の健康に関して、医療や環境の問題などにも積極的な発言や活動を行っていき、『尊敬される企業集団を目指す』ための活動を加速させていく」と述べた。
続いて日本チェーンドラッグストア協会政治連盟、一般社団法人日本医薬品登録販売者協会、一般社団法人日本置き薬協会、一般社団法人日本薬業研修センターからそれぞれ活動報告、年頭所感、来年の方針が説明された。
【2023(令和5)年1月11日第5117号17面】
日本チェーンドラッグストア協会 HP
https://jacds.gr.jp/
現状把握と将来予測で発展期す
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(=JACDS、池野隆光会長)は11月17日、芝パークホテル(東京都港区)にてドラッグストア業界研究レポート報告会を開催した。
報告会に先立ち池野会長が挨拶。「現在の物価上昇や高齢化社会、人口減少を乗り越えていくには知恵が必要だ。今のままのやり方ではなく、何を変えていくのかはっきりとした方向性を持ち、工夫、合理化、DXの活用等がなければ、今後の成長は難しい。その一方で高齢化が進み、ヘルスケア分野は間違いなく伸びていく。ヘルスケアが、この国を元気にしていく大きな礎になる。ドラッグストアがその先鞭を切って、新しい商品、新しい市場を作っていく第一歩になれば良いと思っている」と語った。
続く報告会では次の項目について発表が行われた。
①「薬事行政の動向からみるドラッグストアの課題」同協会専務理事 中澤一隆氏=セルフメディケーションの推進や、対外検査薬のOTC化の必要性、薬局のオンライン化の動向について説明した。
②「ドラッグストア経営に影響を与える制度改革の動向」ドラッグストア業界研究チーム 横田敏氏=来年1月からの電子処方箋管理サービスなど医療DXが健康政策に与える影響と課題について説明。
③「日本の消費動向」インテージヘルスケア 古林紀彦氏=2022年度販売動向で、OTC市場のトレンドは、コロナの自宅療養向けの検査薬等が伸長。食品の値上がりによる買い控えや節約マインドが上昇。
④「委員会活動報告」勤務薬剤師委員会、調剤推進委員会 委員長 関口周吉氏=政府の有識者会議への参加、薬業団体、薬科大学との連携、子どもへの広報活動などについて説明。
⑤「JACDSの取組とドラッグストア業界の展望」事務総長 田中浩幸氏=ドラッグストアは身近な健康の相談窓口として「健康生活拠点化推進計画」の推進。2030年の売上予測とともに薬剤師、医薬品登録販売者等の育成見通しについて説明。機能性を訴求する食品の体系化の必要性にも言及した。
【2022(令和4)年12月1日第5113号6面】
日本チェーンドラッグストア協会 HP
http://www.jacds.gr.jp/
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(=JACDS、池野隆光会長)は11月17日、芝パークホテル(東京都港区)にてドラッグストア業界研究レポート報告会を開催した。
報告会に先立ち池野会長が挨拶。「現在の物価上昇や高齢化社会、人口減少を乗り越えていくには知恵が必要だ。今のままのやり方ではなく、何を変えていくのかはっきりとした方向性を持ち、工夫、合理化、DXの活用等がなければ、今後の成長は難しい。その一方で高齢化が進み、ヘルスケア分野は間違いなく伸びていく。ヘルスケアが、この国を元気にしていく大きな礎になる。ドラッグストアがその先鞭を切って、新しい商品、新しい市場を作っていく第一歩になれば良いと思っている」と語った。
続く報告会では次の項目について発表が行われた。
①「薬事行政の動向からみるドラッグストアの課題」同協会専務理事 中澤一隆氏=セルフメディケーションの推進や、対外検査薬のOTC化の必要性、薬局のオンライン化の動向について説明した。
②「ドラッグストア経営に影響を与える制度改革の動向」ドラッグストア業界研究チーム 横田敏氏=来年1月からの電子処方箋管理サービスなど医療DXが健康政策に与える影響と課題について説明。
③「日本の消費動向」インテージヘルスケア 古林紀彦氏=2022年度販売動向で、OTC市場のトレンドは、コロナの自宅療養向けの検査薬等が伸長。食品の値上がりによる買い控えや節約マインドが上昇。
④「委員会活動報告」勤務薬剤師委員会、調剤推進委員会 委員長 関口周吉氏=政府の有識者会議への参加、薬業団体、薬科大学との連携、子どもへの広報活動などについて説明。
⑤「JACDSの取組とドラッグストア業界の展望」事務総長 田中浩幸氏=ドラッグストアは身近な健康の相談窓口として「健康生活拠点化推進計画」の推進。2030年の売上予測とともに薬剤師、医薬品登録販売者等の育成見通しについて説明。機能性を訴求する食品の体系化の必要性にも言及した。
【2022(令和4)年12月1日第5113号6面】
日本チェーンドラッグストア協会 HP
http://www.jacds.gr.jp/
3日間で4万6324人来場 予防も含め「食と健康」を追求
第22回JAPANドラッグストアショー(主催一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会)が8月19日から2日の3日間、東京ビッグサイトで開催。3年ぶりのリアル開催(オンラインとの併催)で、4万6324人が来場した。
オンラインは8月12日~8月28日までで、リアルとオンラインのハイブリッド開催。リアル展示会の開催が3年ぶりとなった今回は、「ドラッグストアが目指す、持続可能な地域と街づくり~一人ひとりのセルフメディケーションから~」をテーマに、趣向を凝らした12の出展ゾーン(ヘルスケアゾーン、SDGsゾーン、食と健康ゾーン、フーズ&ドリンクゾーンなど)や『「食と健康」実証実験報告会~機能性表示による新しい売場提案~』などのセミナー、テーマブースに多くの来場者が訪れ、関心を寄せられていた。
開催規模は過去最高となる出展400社、1157小間。今回初めて設けられたビジネス会場では、8月19日と20日の2日間の会期で、ビジネス商談に特化した専用会場が展開された。
一般公開日は20日と21日の2日間。オープニングセレモニーでは、池野隆光会長、大賀祟浩実行委員長、出展者代表として株式会社PALTACの糟谷誠一社長によるテープカットが行われ、幕を開けた。
「食と健康」カテゴリーの創造と健康維持増進を目的に、優れた商品・素材を表彰する「食と健康アワード2022」では、大豆たんぱくを使用したカモ井食品工業株式会社(鴨井恒夫社長、岡山県倉敷市)の「まるでタン塩」(健康食品・一般食品部門)が大賞に輝き、榮太樓總本鋪の「糖質をおさえたようかん」(健康食品・一般食品部門)などが準大賞に選出された。
日本チェーンドラッグストア協会の池野会長は食と健康について、「食と健康は表裏一体。ヘルスケアを標榜するドラッグストアがそのような商品の取り扱いを増やしていくのかということは別にして、最低限の情報を持っている必要がある。食と健康のテーマを取り上げないとドラッグストアショーを開催する価値が半減する。ただの物販の供給基地というだけでは今後の成長は見込めない」と今後も重要な課題だと強調した。
19日の記者発表会で挨拶に立った池野会長は、「開催テーマにある『持続可能な地域と街づくり』は、我々が追い求めていかないといけない課題。会場を見ていただき、我々がどのようなことを考えて行動しているのか多くの方に知っていただきたい。そのようなことを発信するのがドラッグストアショーだと思っている」と展示会を通じてドラッグストア協会の方針を示す内容について言及した。
大賀実行委員長は、「3年ぶりのリアル開催で、大きく変わった点は会場が幕張メッセから東京ビッグサイトに移り、初の夏開催となった。また、BtoBをテーマとする企業向けに専門のビジネスゾーンを設けた。今回は初のリアルとオンラインのハイブリッド開催で、アクセスの良い会場ということで、オンラインとオフラインを行き来して楽しんでいただきたいと思っている」と説明した。
第22回JAPANドラッグストアショー(主催一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会)が8月19日から2日の3日間、東京ビッグサイトで開催。3年ぶりのリアル開催(オンラインとの併催)で、4万6324人が来場した。
オンラインは8月12日~8月28日までで、リアルとオンラインのハイブリッド開催。リアル展示会の開催が3年ぶりとなった今回は、「ドラッグストアが目指す、持続可能な地域と街づくり~一人ひとりのセルフメディケーションから~」をテーマに、趣向を凝らした12の出展ゾーン(ヘルスケアゾーン、SDGsゾーン、食と健康ゾーン、フーズ&ドリンクゾーンなど)や『「食と健康」実証実験報告会~機能性表示による新しい売場提案~』などのセミナー、テーマブースに多くの来場者が訪れ、関心を寄せられていた。
開催規模は過去最高となる出展400社、1157小間。今回初めて設けられたビジネス会場では、8月19日と20日の2日間の会期で、ビジネス商談に特化した専用会場が展開された。
一般公開日は20日と21日の2日間。オープニングセレモニーでは、池野隆光会長、大賀祟浩実行委員長、出展者代表として株式会社PALTACの糟谷誠一社長によるテープカットが行われ、幕を開けた。
「食と健康」カテゴリーの創造と健康維持増進を目的に、優れた商品・素材を表彰する「食と健康アワード2022」では、大豆たんぱくを使用したカモ井食品工業株式会社(鴨井恒夫社長、岡山県倉敷市)の「まるでタン塩」(健康食品・一般食品部門)が大賞に輝き、榮太樓總本鋪の「糖質をおさえたようかん」(健康食品・一般食品部門)などが準大賞に選出された。
日本チェーンドラッグストア協会の池野会長は食と健康について、「食と健康は表裏一体。ヘルスケアを標榜するドラッグストアがそのような商品の取り扱いを増やしていくのかということは別にして、最低限の情報を持っている必要がある。食と健康のテーマを取り上げないとドラッグストアショーを開催する価値が半減する。ただの物販の供給基地というだけでは今後の成長は見込めない」と今後も重要な課題だと強調した。
19日の記者発表会で挨拶に立った池野会長は、「開催テーマにある『持続可能な地域と街づくり』は、我々が追い求めていかないといけない課題。会場を見ていただき、我々がどのようなことを考えて行動しているのか多くの方に知っていただきたい。そのようなことを発信するのがドラッグストアショーだと思っている」と展示会を通じてドラッグストア協会の方針を示す内容について言及した。
大賀実行委員長は、「3年ぶりのリアル開催で、大きく変わった点は会場が幕張メッセから東京ビッグサイトに移り、初の夏開催となった。また、BtoBをテーマとする企業向けに専門のビジネスゾーンを設けた。今回は初のリアルとオンラインのハイブリッド開催で、アクセスの良い会場ということで、オンラインとオフラインを行き来して楽しんでいただきたいと思っている」と説明した。
「食と健康アワード2022」 カモ井食品「まるでタン塩」大賞
健康寿命延伸に資する、ドラッグストアで「売れている」、「売るべき」商品を応募して開催された「食と健康アワード2022」は、3年ぶりのリアル開催で、5回目の開催。ドラッグストアの特徴を活かせる分野として大きな関心を集めており、3部門(健康食品・一般食品部門、保健機能食品部門、素材・成分部門)で計157品のエントリーがあった。
大賞を受賞したカモ井食品工業の仲田正常務取締役開発部長は、「『まるでタン塩』は大豆たんぱくをタン塩のようにした商品。弊社は1985年から大豆たんぱくの商品を発売しており、研究を続けてきた。食感にも味にも自信があり、栄養価が高くて美味しい商品を作ることができた」とPRした。
表彰式に出席した田中浩幸事務総長は「食と健康」のテーマについて、「食と健康については今後も力を入れていく方針で、我々が取り組むべき重要な課題だと思っているが、現時点でその意思表示が店頭で十分にできているとは考えていない。病気には治療だけではなく、予防という役割が明確にあり、予防の領域で我々の役目が果たせると思っている。このテーマについては、今後も深掘りしていく」と食と健康を追求していく方針を示した。
健康寿命延伸に資する、ドラッグストアで「売れている」、「売るべき」商品を応募して開催された「食と健康アワード2022」は、3年ぶりのリアル開催で、5回目の開催。ドラッグストアの特徴を活かせる分野として大きな関心を集めており、3部門(健康食品・一般食品部門、保健機能食品部門、素材・成分部門)で計157品のエントリーがあった。
大賞を受賞したカモ井食品工業の仲田正常務取締役開発部長は、「『まるでタン塩』は大豆たんぱくをタン塩のようにした商品。弊社は1985年から大豆たんぱくの商品を発売しており、研究を続けてきた。食感にも味にも自信があり、栄養価が高くて美味しい商品を作ることができた」とPRした。
表彰式に出席した田中浩幸事務総長は「食と健康」のテーマについて、「食と健康については今後も力を入れていく方針で、我々が取り組むべき重要な課題だと思っているが、現時点でその意思表示が店頭で十分にできているとは考えていない。病気には治療だけではなく、予防という役割が明確にあり、予防の領域で我々の役目が果たせると思っている。このテーマについては、今後も深掘りしていく」と食と健康を追求していく方針を示した。
ドラッグストア業界は、社会、地域、時代の変化に適応しながら、10兆円産業化を目指している。日本チェーンドラッグストア協会では、超高齢化・人口減少化社会への対応や社会的な役割構築とドラッグストアが地域社会に貢献し、進化成長するためのテーマを設定。今回のドラッグストアショーでも「進化成長するドラッグストア!」と題し、「SDGs推進活動」、「DGsの社会インフラ構築」、「薬事関連制度・健康食品関連制度の動向と課題」、「食と健康の実証実験報告」等について、セミナーやパネル展示を行い、多角的に紹介。各委員会活動も含め、ドラッグストアの取組や今後の方向性を広く深く発信した。
【主な本紙関連出展企業】
▼東海漬物、味の素グループ、タニタ、天長食品工業、森永乳業、養命酒製造、メロディアン、日本アクセス、加藤産業、ウエルシア薬局、スギ薬局、マツキヨココカラ&カンパニー、ツルハホールディングス
【2022(令和4)年9月1日第5104号1・7面】
【主な本紙関連出展企業】
▼東海漬物、味の素グループ、タニタ、天長食品工業、森永乳業、養命酒製造、メロディアン、日本アクセス、加藤産業、ウエルシア薬局、スギ薬局、マツキヨココカラ&カンパニー、ツルハホールディングス
【2022(令和4)年9月1日第5104号1・7面】