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Web展示会 つけもと「過熱水蒸気焙煎のいりぬか」

 つけもと株式会社(松井義明社長、奈良県北葛城郡河合町)は家庭用漬物の素の総合メーカー。米ぬかを過熱水蒸気で焙煎する技術が注目されている。ぬか床だけでなく、菓子や飲料に同社のいりぬかを利用しようと、業務筋から引き合いが増えている。

170℃以上の過熱水蒸気で瞬時に、均一に、酸化させることなく焙煎

 生の米ぬかは油分やタンパク質が多いため酸化による品質劣化が早く、雑菌も繁殖しやすい素材である。加熱していりぬかとして扱うのが一般的だが、粉体であるため均一な加熱が難しい。
 同社はこの米ぬかの焙煎を、沸騰させたお湯から発生する蒸気をさらに高温度に加熱(170℃以上)した過熱水蒸気で行う。過熱水蒸気はガス状で存在して非常に高い伝熱性を持ち、物体を乾燥させる特性を持つ。過熱水蒸気で満たした装置内はほとんど無酸素状態になるため、米ぬかを瞬時に、均一に、酸化させることなく焙煎することが可能となる。こうして出来た高品質ないりぬかを、最小でメッシュサイズ60M(約0・25mm以下)から用途に応じたサイズで提供している。

お菓子や飲料素材へ提案、ぬか床にも

とろける米ぬかパウダー
健康イメージのある米ぬかを菓子や飲料に
自社商品「とろける米ぬかパウダー」も
 飲料やお菓子に使うメリットは香ばしい香りと健康的なイメージだ。実際、玄米の栄養豊富な表皮部分を集めたのが米ぬかでありポリフェノール、ビタミンB群、ビタミンE、各種ミネラルのほか、コメに特有のポリフェノールであるγ‐オリザノールなど注目の健康成分が含まれている。自社商品としては、きな粉のように使える「とろける米ぬか」を発売している。
おいしいぬか床
雑菌なく安心して漬けられる
リラックス発酵の「おいしいぬか床」
 勿論、ぬか床においても過熱水蒸気焙煎は品質向上に貢献している。長期間漬けるぬか漬において雑菌の繁殖は大敵であるためだ。量販店では、スタンドパックタイプのぬか床が好評となっており、中でも「おいしいぬか床」は、2018年に発売して以来、瞬く間に同社のスタンドパック売上トップに躍り出た注目商品となっている(今年で創業91年)。
 かき混ぜを敢えて行わず、パン酵母を用いて低温でじっくりと〝リラックス発酵〟させて作っている。
 松井社長は「気温が低いと雑菌が繁殖しづらく、発酵はゆっくり進むので味に深みが出る。日本酒や味噌でも、『寒仕込み』が良いとされてきた」と話す。隠し味にレモン酢と米麹も配合したことで、すっきりした酸味とまろやかな旨みを持つ、他のぬか床とは一線を画す味わいが特徴のぬか床となっている。パッケージデザインもおしゃれで、若年層からの反応も良く、ぬか漬ブームの拡大に一役買っている。足しぬかに便利な粉末タイプもある。
辛口キムチの素
 ぬか床の他にも、同社ではあらゆる漬物の素を製造している。昨夏発売した「辛口キムチの素」は、天鷹唐辛子・花椒・生姜の3種類の辛さをミックス。市販のキムチ漬にはないしびれる辛さで、クセになる人が続出している。

つけもと 企業HP http://www.tsukemoto.co.jp/jp/
つけもと 公式ショップ https://tsukemoto.com/

【2023(令和5)年2月11日第5119号16面】
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