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全国調理食品工業協同組合 2024

<全調食近畿ブロック会> わかさぎ佃煮750p配布

わかさぎ佃煮配布の組合メンバー
配布されたわかさぎ佃煮
 阪田近畿ブロック会長
秋の収穫祭で湖魚佃煮をPR
 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会(阪田嘉仁会長)は10月26日、滋賀県大津市の「道の駅びわ湖大橋米プラザ」1階でわかさぎ佃煮750パックを配布した。
 当日の運営に当たったのは滋賀県水産加工業協同組合(奥村龍男組合長)の組合員で、道の駅の利用者へ新物のわかさぎ佃煮に加え、PR用の「佃煮の日」クリアファイルを手渡した。
 同施設は、滋賀県全域の生産者から仕入れた生鮮品や加工品が並ぶ直売所を備える。農作物の「秋の収穫祭」を当日26日と27日の2日間実施し、本配布は収穫祭に合わせて行われた。
 新米の購入で訪れた利用客は「わかさぎ佃煮はご飯と一緒に食べたい」と語った。
 阪田近畿ブロック会長は「琵琶湖大橋と琵琶湖の眺めを楽しめ、県内外から家族連れで来る人が多い場所だ。湖魚であるわかさぎの佃煮を県外の観光客の方々にPRする良い機会となり、また県内でも若い人は湖魚の佃煮を食べなくなっているので、触れるきっかけになってほしいと願いを込めて配布を実施した」とコメントした。
 奥村組合長は「6月の佃煮の日には草津市の近鉄百貨店でいさざの佃煮を配布し、今回は本年2回目の配布運営となった。湖魚の食文化や漁業に関心を持ってもらえればうれしい」と話した。
【2024(令和6)年11月1日第5178号1面】

<大阪府調理食品協同組合> 有馬温泉で研修会開催 山田理事が組合の歴史語る

廣川理事長
山田理事
有馬温泉で研修会
 【大阪支社】大阪府調理食品協同組合(廣川昌平理事長)は9月28日~29日、神戸市北区の有馬グランドホテルにて研修会を開催した。
 進行役は梶原靖久副理事長が務め、開会に際し廣川理事長が挨拶に立った。廣川理事長は「私が当組合に入会して17年ほどになる。20年以上前には宿泊での研修会を随時開催していたと聞いていたので、昨年理事長に就任してから案を温めていた。会員同士が親睦を深める場になってほしい」と語った。
 研修講師は、前理事長である山田裕一郎理事が務め「大阪府調理食品協同組合の流れと食品業界の今後」をテーマに語った。昭和6年からの組合の変遷や、事業活動が紹介され、諸先輩の知恵や尽力してきた逸話を知り、今後の組合運営を考える糧となった。
 さらに、組合の設立までは、大阪で佃煮は飴煮が主流であったこと、戦後の昭和47年に日本で原料昆布の輸入がスタートし会員企業はその波に乗り、大阪は日本有数の昆布佃煮の名産地となった歴史を学んだ。
 山田氏は過去の記念誌を
振り返り、昭和37年の30周年記念誌の発刊に際し行われた座談会が最も興味深いと内容を紹介した。
 座談会では「食文化の洋風化や即席化の中でも、佃煮・煮豆が生き残るためには、目新しいものを作り、また惣菜化や薄味路線を歩んでいく必要がある」と語られている。山田氏は「現在の業界の課題とも言える内容が、62年前にすでに語られていたことには驚いた。私たちが参考にできることは多くあると思う」と強調した。
 懇親会では、梶原副理事長が「有馬温泉は、幼少期に家族で何度も宿泊した思い出の地で、今日はこうして皆さんと膝を突き合わせて懇親を深められて、うれしい」と挨拶。続いて松尾雄平理事や澤井妙子会員が組合員への日頃の協力に感謝を示し、澤井氏が乾杯の音頭を取った。
 懇親会は盛況に営まれ、終盤には、青年部組織の大阪佃志会で会長を務める赤名祐貴氏が登壇した。「9月11日の調理食品青年交流会神戸大会に参加し、来年の次回開催は大阪で決定した。大阪・関西万博の期間中に梶原大会会長の下で実施する予定で、過去の大阪大会を運営した大調食の先輩方からも今後、各種アドバイスをいただきたい」と話し、一本締めで懇親会は締めくくられた。
 続く二次会でも歓談は続き、その後は各自、ホテル内の温泉を楽しみ、翌朝に解散となった。
【2024(令和6)年10月1日第5175号6面】

大阪府調理食品協同組合

<大阪府調理食品協同組合> 佃煮・煮豆1018P寄贈 松原市の子ども食堂で提供へ

廣川理事長(右)から田崎氏へ佃煮・煮豆を寄贈した
寄贈された佃煮・煮豆、目録やクリアファイル
 【大阪支社】大阪府調理食品協同組合は9月26日、大阪府松原市のNPO法人やんちゃまファミリーwith(田崎由佳理事長)へ、佃煮・煮豆1018パックを寄贈した。寄贈された佃煮・煮豆は、同NPO法人が運営する子ども食堂を中心に、お弁当の具材などで活用される。
 当日の寄贈式では大調食の廣川理事長から田崎理事長へ、佃煮・煮豆とその商品目録、また全調食が配布する「佃煮の日」PR用クリアファイルも手渡された。
 寄贈式の前には情報交換の場が設けられ、廣川理事長からは寄贈する佃煮・煮豆の商品紹介が行われ、田崎理事長からはNPOや子ども食堂を運営する苦労やその意義について語られた。
 廣川理事長は「私の地元である松原市の子ども食堂へ、組合として今回初めて佃煮・煮豆を寄贈できて感慨深い。ご飯と相性の良い昆布やちりめんの佃煮、おかずになるひじき豆、年越しそばと楽しめるにしん甘露煮など、幅広いラインナップを揃えた。食文化が変化し、子どもたちが佃煮・煮豆を食べる機会は少なくなってきていると思うが、おいしさを知ってもらいたい」と本寄贈への想いを伝えた。
 田崎理事長は「当NPOでは、栄養士や調理士が所属しており、栄養バランスの取れた食事を提供している。佃煮や煮豆はたんぱく質やカルシウムが豊富で、育ちざかりの子どもたちにぜひ食べてほしく、この度の寄贈に感謝している」と謝辞を述べた。
 廣川理事長、田崎理事長との会話の中で、昨今の物価高騰や米不足が話題に挙がり、子ども食堂における食材購入費上昇への対応や、企業・団体からの更なる寄贈数拡大が今後の課題であるとし、相互で情報交換を引き続き行っていくことが確認された。
【2024(令和6)年10月1日第5175号6面】

大阪府調理食品協同組合
http://www.daichosyoku.or.jp/index.htm

第33回調理食品青年交流会神戸大会 神戸で業界の未来語らう

柳本実行委員長
 第33回調理食品青年交流会神戸大会(柳本健一実行委員長)が9月11日、神戸ポートピアホテルにて開催された。神戸での青年交流会の開催は1997年、2011年に続いて13年ぶり3回目となった。主原料価格の高騰、人手不足等、業界を取り巻く環境は厳しさを増す中でも、若手経営者や後継者が膝を突き合わせ未来を語る大会になった。
 当日は代表者会議、大会セレモニーの他、講演会、懇親会・二次会を実施。
 大会セレモニーでは、柳本実行委員長が参加者へ謝辞を述べ、川井規宏副委員長が司会や来賓紹介を務めた。株式会社神戸物産の沼田博和社長を講師に迎えた講演では“業務スーパー”のフランチャイズ展開を中心に、事業成長の秘訣や食品業界の展望について、沼田社長の話に耳を傾けた。
川井副実行委員長
 懇親会では、初参加者の自己紹介や、業界の未来について熱い議論が交わされた。当日の代表者会議で、次年度の開催地が大阪に決定したことが報告され、次回大会会長の梶原靖久氏、実行委員長の赤名祐貴氏が意気込みを語った。
 翌12日は、神戸の有力食品メーカーへの工場視察を実施。2班に分かれ、カネテツデリカフーズ株式会社、株式会社ロック・フィールドの本社・工場を訪問、惣菜や練り物の新商品開発や人材採用の工夫などを聴講した。【大阪支社・小林悟空、高澤尚揮】

 大会セレモニーでは、柳本実行委員長が「初めて青年交流会に参加し6年ほど経ち、自身や仲間が自社で重責を担うようになったことを実感している。自社や業界においては経済情勢、国際情勢を始め様々な課題を現在抱えている。一緒に乗り切っていきたい」と挨拶した。
 司会の川井規宏副実行委員長が来賓を紹介し、全国調理食品工業協同組合の岩田功理事長、柳本一郎副理事長、加藤英敏副理事長、近畿ブロック会の阪田嘉仁会長、柴田昌美専務理事を迎えた。
 青年交流会を第1回から見守る岩田理事長は、「業界の若手が懇親を深め、ビジネスチャンスをつかんでほしいという当初の想いは達成し、成功を収め続けている。次世代に繋げてほしい」と語り、後進へエールを送った。
 講演では沼田社長が“業務スーパー”のフランチャイズ展開におけるマネジメント、消費者に関心を持ってもらえる商品開発、食品業界の展望について語った。
調理食品青年交流会神戸大会の参加者で
 懇親会では、来賓で開催県である兵庫県調理食品工業協同組合の柳本一郎理事長が登壇。過去2回の神戸大会における印象的な講演やレシピコンテストの思い出話を紹介して場を和ませ、最後に激励の言葉を送った。
 同じく来賓の阪田近畿ブロック会長も登壇し、「ついこの間まで、私も青年大会の参加者でいたことが懐かしい。若い時はあっという間。全力で働き、楽しんでいただきたい」と乾杯の音頭を取った。
 沼田社長は講演に続き懇親会にも出席し、業務スーパーにおける分野別商品の売上トップを当てるクイズを出題、各テーブルで挑戦した。勝ち進んだテーブルには沼田社長自らが人気商品のワッフル、カレー、鮭フレークを贈呈した。
 懇親会の終盤では、初参加者の自己紹介が行われた後、参加者全員で記念撮影を行った。
 また、代表者会議で次年度の開催地が大阪に決定したことが報告され、次回大会会長の梶原靖久氏、実行委員長の赤名祐貴氏と、廣川昌平氏、坂本浩之氏が登壇し、「大阪・関西万博の期間中に実施する予定で、大阪大会も万博も、両方楽しんでもらえる大会にしたい」と述べた。
 翌日の工場視察では2班に分かれ、カネテツデリカフーズ、ロック・フィールドの本社・工場を訪問し、どちらも社長自らに案内されるなど貴重な機会を得た。
 カネテツデリカフーズでは練り物作りの時間が設けられ、ロック・フィールドでは工場や商品開発の工夫を中心に耳を傾け、それぞれ学び楽しむ半日を終えて、全てのイベントが終了となった。

代表者会議 万博に合わせ大阪開催

 代表者会議
LINE活用で負担軽減
 青年交流会開催に先立ち、代表者会議が開催された。主な議題は青年交流会の今後の運営方針と、来年以降の開催地についてで、来年は大阪に決定した。
 柳本実行委員長は神戸大会について「式次第、参加者一覧などはLINEグループで事前に共有することで、個別のメールやFAX配信、当日の紙資料配布といった手間を省略できた」と報告。また、そのLINEグループは今後も利用する方針であり、身近な若手を招待してほしいと呼びかけた。
 今後の交流会運営については、各代表者から「会員数が減っている」「業界内で関係が作れるため交流会の存在はありがたい」などの声が多く、負担を軽減しながら運営していくべきとの意見が出た。
 次回の青年交流会開催地については、大阪が立候補すると満場一致で承認し、決定した。天満屋の梶原靖久氏が大会会長、ヤマエ大栄商店の赤名祐貴氏が実行委員長を務めることも決まった。両氏は「大阪・関西万博の期間中である9月頃の開催を計画している。世界の最先端に触れる場となるはずなので、大阪に集まる良い機会になれば」と話した。
 再来年は第35回の節目の年となること、また日本の人口減少が加速し、海外市場開拓が喫緊の課題となっていることから、海外開催も視野に検討していくこととなった。

大会セレモニー

岩田理事長
13年ぶり3回目開催 業界牽引する人材一堂に
 大会セレモニーでは、柳本実行委員長が登壇して挨拶を行った。
 柳本氏は「皆さんお忙しい中、本日は神戸へお集まりいただき感謝申し上げる。神戸での青年交流会の開催は今回13年ぶりで、1997年、2011年に続く3回目となる。97年の開催は当初95年の予定だったが、同年に阪神淡路大震災が発生し、開催延期となった。各所からの協力があり、97年の開催が無事成功を収めることができた。11年は、東日本大震災の復興を祈る大会になった」と過去の大会を振り返った。
 柳本氏と青年交流会との関わりについては、「私が青年交流会に参加し始めたのは、2018年の広島大会から。思い返せば、きょうお集まりの方は当時、会社でまだ役職がついていない人が多かった。だが今は、社長や専務、常務、取締役と、この6年で会社や業界を牽引する役割を担うようになった方ばかりだ」と述べ「時が経つのは早いと実感し、感慨深い」と参加者との交流についても振り返った。
 また業界の直近の課題に触れ「調理食品業界においては、昆布を始めとし原料価格の高騰が相次いでおり、各社頭を悩ませているはず。原料不足や、価格高騰にうまく対処していくことが業界の最も重要な課題で、情報交換の場が求められている。講演や懇親の場を活かしてほしい」と本大会の意義を強調した。
 当日の講演では、業務スーパーを運営する神戸物産の沼田社長から、消費者から愛される商品開発や、人手不足の社会情勢の中でも、採用と人材育成に成功している秘訣を聞いて、自社の糧とすることを祈念した。
加藤副理事長
 次に、川井規宏副実行委員長が来賓紹介を行い、全国調理食品工業協同組合の岩田功理事長、柳本一郎副理事長、加藤英敏副理事長、近畿ブロック会の阪田嘉仁会長、柴田昌美専務理事が紹介された。
 来賓を代表して岩田理事長が登壇して挨拶。「今回で33回目を迎えられて感慨深い。私が40代に差し掛かる頃、懇意にしていた食料新聞社の記者から、業界の若手が集い未来を語る場を作ってはどうかと提案を受け、第1回目を開催した日のことを思い出す」と青年交流会開催の経緯に触れた。
 岩田理事長は「開催の目的は、第一に業界の若手が懇親を深め、横の繋がりができることだった。さらには、各位が商売仲間として、互いにビジネスチャンスをつかんで欲しいという想いも込めていた。当初の目的は十分果たしてきたのではないかと自信を持っている。引き続き、青年交流会を大切にし、この場を次世代に繋げてほしい」と語り、後進へエールを送った。

講師勉強会 神戸物産・沼田社長 

沼田社長
業務スーパーは食のインフラ
 業務スーパーを運営する株式会社神戸物産(兵庫県加古川市)の沼田博和社長を招き、講演勉強会が開かれた。
 今回、神戸物産の概要資料を事前にLINEグループで共有することで講演は最小限にし、柳本実行委員長、川井副委員長とのセッションや質疑応答に厚く時間を割くことで、メーカー目線での意見を引き出す勉強会となった。
 沼田社長は初めに、同社売上の9割は業務スーパーが占めているが、焼肉店「プレミアムカルビ」や惣菜製造の「馳走菜」などの事業拡大も目指していることを紹介。
 業務スーパーは2000年に1号店を出店すると、プロの品質と安さが魅力の商品を一般消費者でも購入できると人気を博し、現在は国内1074店舗を構えるまでに成長した。
 他社と一線を画する特徴は自社工場や直接輸入、徹底したローコストオペレーションにより実現する「安さ」と「オリジナリティ」、フランチャイズ主体の「新しいビジネスモデル」にあると解説した。
 その根底にあるのは、「良いものをより安く」を大義として、皆様の生活を少しでも支えるという、食のインフラ企業としての思いであると強調した。
柳本実行委員長、川井副委員長とのセッション
 以下、セッションと質疑応答での主な意見交換。
 ー商品開発について。
 「時々の流行ではなく社会全体の潮流を見ている。人口動態を見れば今後も共働きや少人数世帯は増えていくと分かるから〝時短〟は、大きなテーマになっている。外国人労働者や移住が増えることを見据え、インドネシアのテンペなど海外の日常食も強化している」
 ー自社工場を持つ意義。
 「当初は業務用製品をそのまま売っていたのだが、それだけでは一般の方には使いづらく、オリジナル商品を開発する必要に迫られ、自社工場に至った。あるべき価格を設定し、創意工夫でそれを実現できるのが自社工場の強み。他社への販売を考えていないので、独自性に振り切れるのが一般的なメーカーとの違い」
 ー地域性への対応は。
 「フランチャイジーの裁量を認めることで、個別に対応してもらっている。ロイヤリティは1%と低く、モチベーションは高い。一方本部としては、実は個別の細かいニーズを掬い上げるよりも、ローコストオペレーションを徹底するため全国共通の商品を作ることに専念している。同様に惣菜の『馳走菜』も、季節や地域ごとに品目を変えることはせず、同じ品を安く提供することを優先しているのが特徴」
 ー新規事業実施の判断基準は。
 「当社がやる意味があるか、すなわち食のインフラ企業として役割を果たせるかどうか。CSRにおいても同様で、背伸びはせず食の分野で社会貢献することを大切にしている」
 ーリーダー育成は。
 「経営陣の思考を常に共有している。グループ内では競争するよりも、仲間として高め会える風土を作っている。また私が社長就任するに当たり、トップダウン型からボトムアップ型の経営へ意識的に切り替えてきた」
 ーボトムアップ型経営について。
 「全部署の細やかな聞き取りや、匿名アンケートの実施など行っている。会議では上役が先に話して方向性を決めてしまうのでなく、まずは皆の意見を聞く、というスタイルを徹底している。社員全員の自発性が高まることで、環境変化への対応が早くなり、コロナ禍も乗り越えることができた」

懇親会・二次会

柳本理事長
大阪大会へ参加呼びかけ 「業務スーパー」売れ筋クイズも
 会場を移して懇親会に入ると、来賓である全調食副理事長で、開催県の兵庫県調理食品工業協同組合の柳本一郎理事長が登壇した。
 自身が運営した過去の大会を振り返り、「第1回目の97年神戸大会では、オリックスの宮内義彦オーナーに、お忙しいところ講演していただいた。11年は、全調食の各ブロックで選ばれた佃煮や煮豆を、NHKの料理番組に出演されていた料理研究家の奥村彪生先生に審査してもらったレシピコンテストが良い思い出だ。現在、主原料の高騰などで皆さん頭を悩ませているが、ともにアイデアを出し合い、業界の難局を乗り越えてほしい」と団結を呼び掛けた。
阪田近畿ブロック会長
 乾杯の発声は、全調食近畿ブロック会の阪田嘉仁会長が担当し「私は9年前、滋賀大会の開催に取り組んだ。9年経ち、業界を取り巻く課題が山積していると痛切に感じる。我々、全調食に携わる者にとっては、業界の未来を担うあなた方が困難を打破してくれると期待している」と話した。
 その後は食事を楽しみつつ参加者同士、懇親を深めた。途中、柳本実行委員長の進行で「業務スーパーの売れ筋商品ランキング」のクイズが3題出題され、各テーブルチームで挑戦。勝ち残ったテーブルには、「バターワッフル」「おとなの大盛カレー」「鮭フレーク」がプレゼントされた。

「業務スーパー」売れ筋クイズの景品
 出題問題は、各部門の売上トップ商品を当てるもので、自社グループ工場部門では「天然酵母パン」が、輸入部門では「ブラジル産鶏もも正肉」、輸入スイーツでは「ベルギーワッフル」がトップと、講演に続き出席した沼田社長が開発秘話を交えながら解説し、参加者が一体となり楽しんだ。
 終盤では初参加者の自己紹介がなされ、参加者全員で記念撮影を行い、懇親会は終了となった。

参加者で懇親を深めた
 二次会はフロアを移し、各自リラックスして歓談。昨年の東京大会から1年ぶりに顔を合わせる人も多くいたことから、家族や会社の近況について語り合った。次回の青年交流会は大阪で開催されるため、運営メンバーで大会会長の梶原靖久氏、実行委員長の赤名祐貴氏、廣川昌平氏が登壇し、神戸大会に続く参加を呼びかけた。
 次回、大阪の運営メンバーらは「来年の大阪大会は、大阪・関西万博の期間中に実施する予定で、大阪大会も万博も楽しんでもらえたらと思っている。『来て本当に良かった』と満足してもらえる大会になるよう全力で企画・準備するので、絶対に来てほしい」と力強く告知し、盛会裏のうちに、二次会が締めくくられた。

カネテツデリカフーズ 

村上社長
「ほぼカニ」秘話や未来PJ聴講
 2日目は神戸を代表する食品メーカーの視察が2班に分けて実施。1班22名がカネテツデリカフーズ株式会社(村上寛社長、神戸市東灘区、以下カネテツ)、もう1班28人はロック・フィールド社へ向かった。
 カネテツは西日本を代表する練り製品メーカーの一つであり、2014年に発売した「ほぼカニ」が大ヒット商品となり各種メディアにも多数出演している企業。ちくわの手作り体験や工場見学を行った後、村上社長が「未来を作る取組」について、また宮本裕志開発部部長が「ほぼカニ」の開発秘話を語った。
宮本部長
 工場見学ではハード面の見学に加え、スタッフの役職により帽子を色分けしていること、空冷服・水冷服の着用で熱中症を予防していることなどソフト面の取組にも注目が集まった。製造工場は人手不足が深刻であるため、働きやすい環境づくりや効率化の参考にしようと質問が飛び交った。
 工場見学を終え講演に立った宮本部長は、「練り製品は冬場に需要が集中するため、春夏の軸として着目したのがカニカマだった」と開発のきっかけを語り始めた。
 本物志向のカニカマというアイデアは昔から各社が挑戦してきた中で「ほぼカニ」がヒット商品となったのは、官能試験を繰り返してたどり着いた味わいや、本物のカニと筋繊維の向きを揃えたことによる食感といった品質の高さはもちろんのこと、遊び心あるネーミングによりSNSで話題となり、マスメディアへも広がっていく好循環ができたからと分析。
カネテツデリカフーズ「てっちゃん工房」前で
 現在は「ほぼウナギ」などのシリーズ化を進めている。蒲鉾の技術を活用することで、本来は高級であったり、絶滅危惧種の味わいも比較的安価で再現できること、生モノを食べられない妊婦や子供からも喜ばれているように、食の不都合を練物の力で解決する「ネリバーサルデザイン」を提唱していると語った。
 続いて村上社長は「未来をつくる取組」と題して講演。まず練り製品の市場規模について、30年前は世界で約100万トンの生産があり、そのうち77%を日本で消費していた。現在は200万トンへと世界市場は拡大した一方で、国内市場は縮小し約25%を占めるのみとなったと指摘。
 このため同社は、既存事業の深掘りに加えて「温度帯」「エリア」「カテゴリ」「チャネル」の4つの壁を乗り越えることを目指している。従来の練物売場だけでなく水産売場や惣菜売場へ、またスーパーだけでなくコンビニや中外食へ、そして海外市場へと挑戦している。
 ここ5年間で売上は18億円の増収を達成しているが、その内容の大半は壁越え事業での増収である。
 これを実現できたのは、優れた人財の努力の賜物であると村上社長は強調した。村上社長は2019年に社長就任し、その翌年にコロナ禍に突入するが、外出を控えていたその期間を活かして、社内で「カネテツ未来プロジェクト」を発足。カネテツが目指すべき未来を明確に描くことにより価値観の共有を強化したことで、スタッフの自発性が高まり、挑戦する気風が生まれたと振り返った。
  

ロック・フィールド

古塚社長
惣菜市場にいち早く着目
 株式会社ロック・フィールド(古塚孝志社長、神戸市東灘区)の本社・神戸ファクトリーに到着した一行を同社社員が出迎え、本社工場の建築の経緯や特徴について説明が行われた。
 同社は神戸に本社を構えていた百貨店の巨大物流倉庫の跡地を引き受け、創業者の岩田弘三氏が日本を代表する建築家・安藤忠雄氏に設計監理を依頼し、2004年10月に竣工された。
 内装・外装ともに安藤建築らしいコンクリート打ちっぱなしの壁が目をひき、また館内は美術館のように色彩豊かでスタイリッシュに仕上げている。館内の社員レストラン近くの廊下には、安藤氏より2019年に寄贈された「青りんご」の鮮やかなオブジェが存在感を放つ。
 30分ほど館内を見学した後は、古塚社長自らが出迎え、神戸ファクトリーの概要、ロック・フィールド社の創業の歴史、製造工程について1時間半にわたり紹介した。神戸ファクトリーは、同社におけるフライカツ、和洋中惣菜、ハム・ソーセージ等の主力工場となっている。
安藤忠雄氏の建築特徴に耳を傾ける
 主な特徴は、多品種少量生産で、加熱処理を得意(表面の焼き色、見た目の美味しさ、香り)とし、出汁にこだわっていること(和惣菜の出汁は、昆布や削りたての鰹から取る)。
 同社の歴史は、創業者の岩田氏が1965年、神戸元町に欧風料理店を開業したことに始まる。70年の欧米視察でデリカテッセン(惣菜販売店)と運命的に出会い、日本でのデリカテッセンの起業を決意する。
 72年にロック・フィールドを創業し、大丸神戸店にデリカテッセンの1号店を出店、その後は89年に神戸コロッケを神戸元町に出店、92年には「RF1」を東武百貨店池袋店にオープンさせてから、サラダ惣菜の市場開拓に尽力し、惣菜業界における確固たる地位を築き上げた。
 同社展開ブランドの国内直営店は310店舗、海外店舗は中国4店舗、香港6店(24年4月末時点)で、海外進出にも力を注ぐ。
 古塚社長は「当社事業が成長したのは、中食市場が伸びる途中にいち早く目をつけることができたこと、サラダをツールに日本の惣菜をアップデートできたことなどが挙げられると考えている。近年は『持続可能なフードシステム』への貢献を掲げ、稀少性の高い野菜の発掘・利用や、農産物の国産化推進等に取り組んでいる」と語った。
 最後に参加者からは「原料産地の育成、食品の生販一体、地域貢献等、自社でも着手可能なところからぜひ取り入れたい」という声が上がり、参加者全員で古塚社長に会社紹介への謝辞の拍手を送り、視察見学は締めくくられた。
 神戸大会のメンバー
 次回大阪大会のメンバー
【2024(令和6)年9月21日第5174号1、3面】

<全国豆類消費啓発推進協議会> 「豆・豆製品フェア」開催 無料配布とアンケート実施

「豆・豆製品フェア」参加者で
製品無料配布やアンケートを実施した
 全国豆類食品消費啓発推進協議会(岩田功会長)は2日、埼玉県さいたま市のイオンモール浦和美園において、「豆・豆製品フェア in Saitama」を開催した。 
 当日は豆製品の消費啓発を図ることを目的に、協議会会員である全国調理食品工業協同組合、全国甘納豆組合連合会、全国フライビンズ組合連合会の会員の豆製品800セットを無料配布した。
 フェア会場では、日本の豆や世界の豆の展示の他、豆の健康機能性、煮豆や甘納豆、フライビンズの製造工程などについて説明したパネルを設置、豆類への理解を促した。
 また豆類に関するアンケート調査を実施。豆製品に対するイメージや食べる頻度、好きな豆製品などについて質問を行うと共に、“10月13日が「豆の日」であることを知っていましたか?”という豆の日の認知度を問う質問も織り交ぜ、豆類全体の需要促進に向け、消費者ニーズを把握するための貴重な機会となった。 
 会場となったショッピングセンターには、午前10時の配布開始と共に大勢の来店客が訪れ、アンケートに回答しながら、笑顔で豆製品を受け取った。
 夏休み期間中ということもあり、家族連れの来店客の姿も多く、大勢の子どもたちが豆類の知識を学ぶ食育の場にもなった。
【2024(令和6)年8月11日第5170号10面】

公益財団法人日本豆類協会
https://www.mame.or.jp/news/event_index.html?itemid=373&dispmid=417

<全調東日本ブロック会> 佃煮煮豆2490個を寄贈 「フードバンクふなばし」へ

寄贈式の出席者で
寄贈された佃煮、煮豆、豆商品
 全国調理食品工業協同組合東日本ブロック会(菊池光晃会長)は7月23日、千葉県船橋市の「特定非営利活動法人フードバンクふなばし」へ、令和6年度第1回目「子ども食堂等寄贈事業」として組合員19社の佃煮煮豆2490個を寄贈した。また当日は全国豆類食品消費啓発推進協議会を通じて、全国甘納豆組合連合会より甘納豆、全国フライビンズ組合連合会より豆商品が合計700個寄贈された。同フードバンクへの寄贈は令和3年度以来2度目となる。
 寄贈式では徳永伸一郎前会長より、フードバンクふなばしの笹田明子代表理事に佃煮、煮豆、豆商品が贈呈された。徳永前会長は「3年前に寄贈事業が始まり、その際に寄贈させて頂いたが、その後活動が様々な地域へ広がり、今回再び寄贈させて頂くことになった。食育活動として実施させて頂いており、佃煮煮豆の美味しい食べ方などのアイデアがあれば是非教えて頂きたい」と挨拶。笹田代表より、「前回に引き続きたくさんの食品を寄贈して頂き大変有難い」と御礼が述べられた。
 今回の佃煮煮豆の協賛企業は次の通り(順不同)。佐藤食品、菅英佃煮本舗、ミクロ、小沼水産、鳩屋、仁徳、石井食品、青柳食品、遠忠食品、銀座新之助貝新、日出味噌醸造元、勝木食品工業、佃屋食品工業、髙沢食品、オオタニ、大谷政吉商店、菊池食品工業、菊田商店、タカハシ食品
【2024(令和6)年8月1日第5169号9面】

調理食品青年交流会 「神戸大会」9月11日と12日に開催

前回東京大会の参加者で
 9月11日に、第33回調理食品青年交流会神戸大会が、兵庫県神戸市の神戸ポートピアホテルで開催される。13年ぶりの神戸大会で、当日は大会セレモニーや代表者会議のほか、株式会社神戸物産の沼田博和社長の講演が行われる。
 翌日12日は、カネテツデリカフーズ、ロック・フィールドへの視察見学が予定されており、参加者はその中から1社を選んで視察が可能である。
 今回の大会からは、参加者の申し込みや、最終告知は原則LINE上で行えるようにし、ペーパーレスと効率化の工夫を図った。
 本大会の実行委員長を務める柳本健一氏(マルヤナギ小倉屋常務執行役員)は、講演や視察見学を通じて得た知見や発想をぜひ自社へ持ち帰えって、商品開発、人材開発、海外展開に取り組む際のヒントにしてほしいと語っている。
【開催概要】▼日時:2024年9月11日(水)14~19時(受付開始13時)※翌日に優良食品企業へ視察(カネテツデリカフーズ、ロック・フィールドの中から、参加者は1社視察)
▼場所:神戸ポートピアホテル(神戸市中央区港島中町6‐10‐1、神戸空港または新神戸駅からのアクセスを推奨) 
▼次第:13時開場(南館B1階トパーズ)、14時開演、来賓あいさつ、株式会社神戸物産の沼田博和社長による講演、17時より懇親食事会(南館16階レインボー)、19時終了予定。その後、二次会の実施を企画。
▼その他:会費2万2000円(税込)、宿泊は各自手配
 【2024(令和6)年8月1日第5169号9面】

実行委員長に聞く

第33回調理食品青年交流会神戸大会 実行委員長 柳本健一氏

13年ぶりの神戸開催
講演や工場視察で深い学びを
 「第33回調理食品青年交流会・神戸大会」では大会セレモニーや代表者会議の他、株式会社神戸物産の沼田博和社長の講演が行われる。神戸物産は“業務スーパー”のフランチャイズ展開を中心に、事業成長に成功。その成長の秘訣や、食品業界の展望について耳を傾ける。翌日12日は、神戸の有力食品メーカーであるカネテツデリカフーズ、ロック・フィールドへの工場視察が実施される。実行委員長の柳本健一氏(マルヤナギ小倉屋常務執行役員)が見所を語った。(大阪支社・高澤尚揮)
◇    ◇
ー13年ぶりの神戸大会になる。
 「神戸での青年交流会は今回で3回目となる。初回は1997年に開催され、当初は95年の予定だったが、同年に阪神淡路大震災が起きたため、2年後の復興が進む中の開催となった。2回目は2011年に開催された。3月に東日本大震災が発生した4カ月後の開催で、参加者で被災地の復興を祈り、業界に携わる人々の結びつきの強さを確かめ合う大会になったと聞く。前回から13年が経ち、青年交流会の運営者や参加者の世代交代は進み、多くの顔ぶれが変わっている。だが、参加者同士が交流すること、業界の未来について語り合うことの意義はより高まっている」
ー神戸大会の見所について。
 「学びを持ち帰ってもらえる大会にしたい。講演では、神戸物産の沼田博和社長より、業務スーパーのフランチャイズ展開の成功の秘訣についてお聞きする。神戸物産は実は小売業ではなく、卸売業・食品製造業で、業務スーパーはフランチャイズ展開で運営されている。業務スーパーにフランチャイズ加盟したいと思ってもらえるよう、神戸物産では魅力的なPB商品開発を行っている。私たち、メーカーが同社から学べることは多い。また、フランチャイズ加盟店を海外に増やす取組も進めていて、日本食の海外輸出のエピソードについても聞けそうだ」
ー講演後の懇親会での主な話題は。
 「商品開発、人材開発、海外展開が主な話題になるのでは。年々、消費者の趣向が多様化しており、消費者が何を求めているか見えづらくなっている。商品開発は、メーカーにとっては要であり、どんな商品が売れているのか、どんな商品を開発すべきか、最も情報交換を期待しているはずだ。また経営者や管理職でチームの作り方や人材確保に悩む人は多いので、人材開発の悩みも共有してほしい。国内の人口減でマーケットが縮小していく中、業界メーカーの販路拡大は課題で、海外展開への関心は高まっている」
ー大会翌日は工場視察へ。
 「二班に分かれてもらい、神戸の有力な食品メーカー、カネテツデリカフーズとロック・フィールドの工場視察を行う。人手不足の中でも両社は、付加価値の高い商品作りと自動化を両立させ、その工場運営から学べることは大いにある。カネテツは、魚肉ねり製品を主とした水産加工品を、ロック・フィールドは惣菜を製造し、どちらもオリジナリティ豊かな、バラエティに富んだ商品を開発・製造している。社長自らが案内していただけることになった」
ー大会・視察の申し込み方法。
 「参加者が手軽に申し込めるよう、昨年の東京大会時に、神戸大会用のLINEグループを作成し、そこから申し込みができるようにした。現在70名ほどが参加し、7月26日にはLINE上で最終案内を行った。大会前・大会後もLINEグループで交流を深めていただき、業界の仲間の輪を広げたい」
(2024年5月1日号掲載一部編集)
【2024(令和6)年8月1日第5169号9面】

<石川佃煮調食>金沢の小学校で出前授業 

大畑理事長らが出前授業
生徒と一緒にあみえび佃煮を食べる大畑理事長
2万名超へ「あみえびの佃煮」提供 
 【大阪支社】石川県佃煮調理食品協同組合(大畑晃一理事長)は6月29日の「佃煮の日」の普及を目的に、学校給食へ「あみえびの佃煮」を提供した。
 6月17~26日の間に金沢市内の全小学校54校及び併設中学校を合わせ、約2万人の生徒へ届けられた。26日には金沢市立緑小学校へ組合員が訪問し、5年生95名に出前授業を行った。
 クラスを訪問した大畑理事長は、金沢で佃煮が発展した歴史を解説。加賀藩の前田家が参勤交代をきっかけに江戸の佃煮を持ち帰り、金沢の農水産物や加賀料理と結びついて独自の佃煮が生まれたと語った。金沢の佃煮は、地元の大野醤油、料理酒や水飴、原料はごりやくるみを使用する伝統がある。
 特にくるみは金沢では「久留美」と漢字が当てられ、美容と健康に良い食材として飴炊きしたくるみの佃煮を婚礼の際に供する文化があると話した。
 続いて大畑理事長が佃煮の種類を紹介する際、おにぎりの具である「昆布」は佃煮であると話すと、生徒から「知らなかった」という声が続出した。
 生徒たちは、日頃からおにぎりなどで佃煮と接していながらも、佃煮とは認識しておらず、また家庭や給食ではご飯のお供として、ふりかけを頻繁に利用していることが分かった。
 当日の給食時には、組合企業の佃食品(佃一志社長)が製作したあみえび佃煮の製造動画が緑小学校の各クラスで放映され、伝統の製法と衛生・品質管理のもと製造されていること、保存性に優れた栄養価の高い食品であること等、理解を深めることができた。
 あみえび佃煮を食べた生徒たちは「甘くて美味しい」「ご飯に合う」と笑顔で感想を述べ、おかわりする人もいた。
 給食へ佃煮を提供する取組は今年で18回目。大畑理事長は「佃煮を知らない生徒の割合が年々増えていると感じている。佃煮文化を継承するためには、今回の取組のように、まずは佃煮を食べて美味しいと思ってもらうことから始める必要がある。今後も地道に継続していきたい」と意欲を見せた。
【2024(令和6)年7月21日第5168号20面】

<全調食近畿ブロック会> いさざ佃煮を草津で配布

いさざ佃煮とクリアファイルを配布
PRイベントの参加者
「びわ湖の日」で水産物加工品品評会コーナーも
「びわ湖の日」特設売場も
 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会(阪田嘉仁会長)は6月29日「佃煮の日」に、滋賀県草津市の近鉄百貨店草津店でPRイベントを実施。「いさざ佃煮」300個と、佃煮の日を紹介するクリアファイルをセットで配布した。
 いさざとは琵琶湖固有の小魚で「琵琶湖八珍」の一種にも指定されている。強い旨味を持ち、濃い味付けにも負けないため佃煮に好適とされてきた。
 配布イベントは近鉄百貨店草津店の正面玄関で実施した。来店客に「6月29日は佃煮の日です。記念にいさざの佃煮を配布しています」と声をかけて佃煮とクリアファイルを手渡すと「そんな日があると知らなかった。今日は佃煮でご飯を食べます」と笑顔が溢れた。
 また同店では、7月1日が琵琶湖の自然保護活動をきっかけに制定された「びわ湖の日」であることから、滋賀県産品の特設売場を設置。2月に開催された滋賀県水産物加工品品評会の受賞作品も販売していた。
 近鉄百貨店草津店営業部の三木千賀子氏は「当社は郊外店において、地域密着の売場作りを推進している。特にここ草津は京阪神のベッドタウンとして転入者が多く、住んでいても草津のことをよく知らないという方は多い。地域愛を育み、地元企業の活性化にもつなげたい」と狙いを話している。
 配布イベントを終え阪田会長は「お年寄りから若い方まで喜んで受け取ってくれた。佃煮に対してはもちろんのこと、琵琶湖の自然や漁業にも関心を持っていただくきっかけになれば」と手応えを噛み締めた。
【2024(令和6)年7月21日第5168号20面】

6月29日は「佃煮の日」各地でPR活動実施

平松会長(右)から佐藤くんへつくだ煮を寄贈
浅井副会長(左)から新原教頭へ寄贈

<豊橋佃志会> 小学校へ佃煮1219個寄贈

 【大阪支社】豊橋佃志会(平松大地会長)は6月29日の「佃煮の日」に合わせ、6月13日に愛知県豊橋市の幸小学校、24日に天伯小学校へ会員各社のつくだ煮を計1219個、またクリアファイル、パンフレットを寄贈した。
 パンフレットは「つくだ煮とは」「三河地域でつくだ煮が名産の理由」「佃煮の日の由来」が学べる内容になっている。様々なバックグランドを持つ児童のために、日本語に加え、英語やタガログ語、ポルトガル語版も用意した。
 天伯小学校には同会の平松会長が、幸小学校には浅井輝彦副会長が、それぞれ訪問して寄贈。平松会長が訪問すると、伊藤勝美校長らが出迎え、生徒を代表して4年生の佐藤維之助くんが平松会長からつくだ煮、パンフレット、クリアファイルを受けとった。幸小学校では、浅井副会長から、新原宏教頭へ手渡された。
 伊藤校長は「つくだ煮を普段家庭で食べない生徒でも、この地域では給食で三河の郷土食を食べる機会があり、つくだ煮が出ると喜んで食べる。成長期にカルシウムを摂取するのに佃煮は最適で、甘みのある味は子どもが好みやすい。寄贈されたつくだ煮は持ち帰ってもらい、家庭でパンフレットを見てつくだ煮の歴史を学びながら味わって食べてほしい」とコメントした。
 平松会長は「三河を代表するつくだ煮『あさりしぐれ』を始め、定番であるにしん甘露煮、ちりめん、子持ちししゃも甘露煮、おかか昆布、珍しい『トマトとカシューナッツの黒糖飴煮』と、バラエティ豊かに用意した。つくだ煮には様々な種類があり、日常の食生活で親しんでほしいと想いを込めた。喜んでくれるとうれしい」と語った。
 浅井副会長は「子どもの時に食べておいしいと感じたものは、大人になっても食べるもの。伝統食のつくだ煮が今後も継承されるためにも、子どものうちから食べてもらいたい」と話す。
【2024(令和6)年7月1日第5167号1面】
佃煮を寄贈する水谷社長(右)と受け取る対馬代表
寄贈された時雨あさり(甘口)60㎏

<全調食東海北陸ブロック会> 貝新物産が時雨あさり寄贈

 全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)の子ども食堂支援事業の一環として、東海北陸ブロック会(平松賢介会長)の組合員である貝新物産株式会社(水谷誠志社長、三重県桑名市)は6月29日、桑名市の住吉神社にて、桑名こども食堂ネットワークへ、桑名を代表する郷土食である「時雨あさり(甘口)60kg」を寄贈した。
 水谷社長は「あさり時雨の寄贈は、今年で4回目となる。佃煮の日は、江戸の佃島の漁師たちが、出身地の大坂・佃村の神様を祀るために住吉神社を建てた日に由来があり、本日、住吉の神様の下で、寄贈できて感慨深い」と語った。
 桑名こども食堂ネットワークの対馬あさみ代表は「夏休みは学校給食が食べられないため、子ども食堂が命をつなぐ場合もあり、食料支援に感謝している。甘味のある時雨あさりは、子どもたちも大好きで、私たちスタッフにとっては常温保存可能で、また食べ応えがあるため、いただいてうれしい」とコメント。
 「今年は時雨あさりをおにぎりにして、提供したい。過去には、玉子焼きに入れたり、お茶漬けにしたりして提供した食堂もある」と時雨あさりの提供方法も紹介した。
 最後に、同ネットワークには、桑名市観光協会(桑名市役所観光課の平野伊彦課長が代理出席)から、桑名名産の安永餅が、地元イタリアンのパスタ・デ・コンチェルトの森田亘代表からは「マクロビクッキー」が寄贈された。
【桑名と佃煮】
 6月29日「佃煮の日」は、東京佃島に住吉神社が建立された日とされるが、桑名もその歴史に密接に関わっている。本能寺の変で徳川家康は、明智の手を逃れ本国三河へ命からがら逃げ帰った。
 家康の生涯において大きなピンチのひとつで、「神君伊賀越え」として有名なエピソードだ。だがその道中、大坂・佃村の漁民たちが、立ち往生していた家康一行に舟と、携帯食として小魚煮を差し出して、手助けした。家康はこの時の恩義を忘れず、佃村の漁民を江戸に招いて手厚く加護し、漁民たちは、自分たちの地に郷里の佃村に因んで「佃島」と名付けて住吉神社を建立した。
 この「伊賀越え」において、自刃も覚悟した家康を思い止まらせたのは、本多忠勝だと言われている。また伊賀出身の服部半蔵が伊賀国を通り抜ける際に先導役を果たした。この両功労者はその後、いずれも桑名と深い関わりを持つ。本多忠勝は初代桑名藩主として城下町の基礎作りをしながら、晩年を桑名で過ごした。
 服部半蔵は、息子の代から代々桑名藩士となり、12代目服部半蔵正義が桑名藩家老の時に戊辰戦争で活躍した。共に桑名の地に眠っている。
【資料提供:貝新物産㈱】
【2024(令和6)年7月1日第5167号2面】

<全調食東海北陸ブロック会> カネハツ食品が食品支援

寄贈した商品
 全調食東海北陸ブロック会の会員企業であるカネハツ食品株式会社(加藤英敏社長、愛知県名古屋市)では、毎月第2・第4水曜日に2カ所の子ども食堂へ食品支援を行っている。 
 12日には全調食東海北陸ブロック会による子ども食堂支援事業と組み合わせて商品を提供。名古屋市昭和区の子ども食堂「つなぐ子ども未来」をハブとして、近隣10箇所の子ども食堂へ、「サラダにまめ」「磯のうたげしそ昆布」「サラダがあったら」など12アイテム1286個(総額14万5636円)を寄贈した。
 同社では昨年「令和5年度食品ロス削減推進表彰」の消費者庁長官賞を受賞。多数のメーカーと連携して子ども食堂への支援を精力的に行っている点や、中間支援団体や配送業者と連携して配送システムを構築し、継続的な支援につなげている点が高く評価されている。
【2024(令和6)年7月1日第5167号2面】

佃煮について説明する秋田の組合員
大豊小学校で実施された佃煮キャンペーン

<秋田県佃煮組合> 小学校に佃煮231個配布

 秋田県佃煮組合(千田清隆組合長)では「佃煮の日」に合わせて今年も佃煮キャンペーンを実施した。
 6月19日に潟上市立大豊小学校へ組合員7名が訪れ、3年・4年・5年生の3学年97名を対象に佃煮についての授業が実施された。
 授業はクイズ形式で行われ、佃煮の歴史や秋田県内の佃煮業者についての問題などが出題され、児童が回答、組合員が丁寧に解説した。
 授業の最後には、八郎潟産のワカサギを使用した組合員の佃煮など231個が配布され、児童が笑顔で受け取り、佃煮キャンペーンは終了した。
【2024(令和6)年7月1日第5167号2面】

<春の叙勲> 柳本一郎氏に旭日双光章伝達

勲章を胸にした柳本氏
食品安全や消費拡大で多大な貢献
 株式会社マルヤナギ小倉屋(兵庫県神戸市)代表取締役会長の柳本一郎氏は、令和6年春の叙勲において旭日双光章を受章。その叙勲伝達式が5月13日、農林水産省講堂で行われた。
 柳本氏は、昭和29年3月22日生まれ、70歳。昭和51年3月に神戸大学経営学部卒業後、同54年7月に株式会社小倉屋柳本(現マルヤナギ小倉屋)に入社し、平成7年2月に代表取締役社長就任。令和4年2月から代表取締役会長(現任)。
 業界団体では、全国調理食品工業協同組合で平成9年5月より理事。平成27年5月には副理事長、安心安全委員会委員長に就任し、自社における企業行動規範の制定・実践の経験を生かして会員の食品安全に対する意識向上に尽力。会員企業の行動規範制定率を約2割から6割へと引き上げた。
 全調食の近畿ブロック会でも平成17~29年でブロック会会長を務め、自身の人脈を生かして国内外での研修会や講師の招聘を積極的に行った。6月29日「佃煮の日」には京都市中央卸売市場での佃煮PR事業を推進した。
 また兵庫県調理食品協同組合においては平成30年から現在まで理事長を務め、神戸市の「みのりの祭典」に出店し佃煮・煮豆のPRに尽力した。この他、一般社団法人兵庫県食品産業協会副会長理事、東灘食品衛生協会会長、一般社団法人神戸市食品衛生協会理事などの要職を務めている。
 また柳本氏は、平成17年に兵庫県知事表彰(自治功労)、平成23年に兵庫県知事表彰(食品流通功労)、令和2年に国税庁長官納税表彰を受賞。平成24年には黄綬褒章も受章している。
 柳本氏は「業界の皆様の支えがあってのこの度の受章。感謝の気持ちを大切に、業界貢献を続けていきたい」と語った。
【2024(令和6)年6月11日第5165号1面】

マルヤナギ小倉屋
https://www.maruyanagi.co.jp/

第69回通常総会開催 ハワイで総勢91名が参加

岩田理事長
佐々副理事長
加藤副理事長
福井副理事長
福島副理事長
柴田専務理事
ウェルカムパーティで乾杯
異文化体感 交流深める機会に
“互いの利益”心から願う関係へ
 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は5月20~24日の日程で第69回通常総会を米国ハワイ・ホノルルにて開催した。組合員とその家族、事務局を含めて総勢91名が参加。海外の文化や物価を体感するとともに、家族ぐるみの交流を深め、佃煮・煮豆を守り繋いでいく仲間としての団結を一層深める機会となった。
 一行は20日午前中(現地時間)にハワイへ到着。初日の夜には全員集合でウェルカムパーティ、翌21日には地区ブロック会ごとの食事会、23日の総会後にはサヨナラパーティが催された。日中は思い思いに観光を楽しみ、夜はその体験を持ち寄って話に華を咲かせ、終始笑顔に溢れた時間を過ごした。
 ウェルカムパーティで最初に挨拶に立った岩田理事長は「ハワイ総会は2020年に組合65周年を記念して実施するはずだったが、コロナにより4年延期しての実施となった」とし「昔から日本人にとってハワイは夢の楽園、特別な場所であり、その魅力はコロナ禍を挟んでも変わっていない。全力で楽しみながら、日本との違いを感じ取ってほしい」と話し、大勢がハワイで集まれたことを喜んだ。
 続いて佐々重雄副理事長が「今日の日中だけで物価の高さを痛感した。日本に帰れば何でも安く感じてしまいそうだ。4泊5日という短い時間だがビーチやゴルフ、ショッピングなど目一杯楽しんで、帰ったらまた頑張っていこう」と呼びかけ、乾杯の音頭を取った。
 食事はブッフェ形式で、ハワイの郷土料理ポケ(味付け刺身)やガーリックシュリンプ、珍しいヤシの樹の芽のサラダなどを楽しんだ。最後は加藤英敏副理事長が、一行の旅が楽しく安全に終えられるよう祈念し、中締めの言葉とした。
 2日目はブロック会別の食事会。ステーキハウスなどハワイならではの店を訪れるブロック会もある中、近畿ブロック会(阪田嘉仁会長)は恒例となっている和食店を訪問。「義経」では職人、給仕とも日本人スタッフが揃っており、日本の味やもてなしがハワイでも受け入れられていることを確認した。米国人との結婚を機にハワイへ移住する日本人が多いこと、日系人も観光客も多いハワイでは日本食が定着していることなどを聴くことができた。
全員でフラダンス
 そして4日目は総会を終えると、シェラトンワイキキを会場にサヨナラパーティが開かれた。
 福井正一副理事長はまず「これだけの人数のいろいろなわがままに対応してくれた事務局へ感謝を」と柴田昌美専務理事らへ拍手を送った。
 ハワイで感じ取ったことに話題を移すと「先週はかつてない豪雨だったそうだ。異常気象は世界中で顕在化している。この美しい自然を守り、そして我々の商売で重要な原料確保のためにも、地球環境を守ることは大切。企業・個人として積み重ねていかねばならない」と話し「若い世代には苦労をかけると思う。しかしこの旅行で友好を深め、今まで以上に協力関係を築き、互いの利益を願えるようになっているはずだ」とハワイで集まった意義を強調し、乾杯した。
 宴席ではハワイアンミュージックとフラダンスを鑑賞しながら、4日間の思い出話に華を咲かせ、全員でフラダンスを踊り笑い合った。最後は福島光宏副理事長が、安全に帰国し、元気に仕事へ戻れるよう祈念してサヨナラパーティーの幕を閉じた。(大阪支社・小林悟空)


ウェルカムパーティのひととき

原料確保・宣伝・研修に力 若手研修会はマルヤナギ小倉屋で

第69回総会
 23日に開催された総会は、柴田専務理事の司会により岩田理事長が議長を務め、全10議案を審議。原案通り承認された。
 開会挨拶に立った岩田理事長はハワイでの総会開催や、若手研修会、ブロック会研修会で海外視察を積極的に行うことについて「海外を見れば日本での常識を崩せるし、非日常な場所で仲間と語り合うことで仲も深まる」と狙いを語った。
柳本副理事長
 また組合員慶事として柳本一郎副理事長が令和6年度春の叙勲で旭日双光章を受章したことが紹介され、柳本副理事長は「皆様のご指導ご鞭撻があり受章させていただいたものと思っている。これからも業界のために力を尽くしていきたい」と感謝の意を示した。
 議案審議へ移り、第一、二号は昨年度の事業報告及び決算について。昨年度はいかの共同購入事業において、極端な原料不足に陥っている現状を水産庁へ陳情、輸入追加枠を勝ち取り、組合員の原料確保を助けた。
 また共同宣伝事業では各ブロック会を通じて子ども食堂への寄付、イベントでの無償配布等を行ったほか、展示会への出展費用補助を実施した。企業ごとに行う社会貢献活動への補助金支給も、13社の申請があった。若手後継者育成研修会では17名が参加し米国ニューヨークを訪問。展示会や市場視察を行ったことが報告された。
 第三号で本年度の事業計画と予算案が審議され、共同購入事業や消費拡大宣伝事業、教育及び情報提供事業、福利厚生事業を引き続き継続実施していく。
 第四号は借入金残高の最高限度額を3千万円とすること、第五号は賦課金を平等割で年額2万4千円とし6月までの一括納付とすること、第六号は新規加入組合員の加入金を2万円とすること、第7号は常勤理事の報酬額を決定した
 八号議案では新規加入員として株式会社鮎家(滋賀県)、株式会社一イ大畑食品(静岡県)の加入が承認された。
 第九号は若手後継者育成研修会の件で、来年2月27日に株式会社マルヤナギ小倉屋(兵庫県)の工場視察を実施予定。柳本副理事長による講演も行われる。
 第十号は、有限会社タカハシ食品について本社を東京都立川市から函館市へ移転登記したものの、旧本社も東京営業所として稼働していることから、特例として東日本ブロック会所属とすることとした。
【2024(令和6)年6月11日第5164号4面】

兵調食総会 柳本理事長が旭日双光章 

柳本理事長
兵調食の総会
青年交流会への準備協力を要請 
 兵庫県調理食品協同組合(柳本一郎理事長)は1日、神戸市の「第一楼」で、総会を開催した。
 開会に際し柳本理事長は「円安が進み、コストアップで各社、利益の確保に苦しんでいると思う。自社では何とか利益を確保するため、各種構造改革に着手しているものの、まだ道半ばだ」と挨拶した。
 次に昨年度の収支や本年度の事業案等が上程され、全案承認された。本年度の主な事業としては、6月29日「佃煮の日」のPR協力、9月に調理食品青年交流会が神戸市内で開催のため、大会時の講演・工場視察の実施に向けた準備に協力していくことが確認された。
 その後の情報交換では、中国経済の減速で、失業率が上昇しているため、輸入に悪影響が出ると見られ、原料等の調達時に警戒が必要だと、各社より語られた。
 柳本理事長は4月29日発表の春の叙勲で、旭日双光章を受章しており、会員からはお祝いの言葉と、拍手が捧げられた。柳本理事長は「全調食、兵調食と、業界のために力を注いできた甲斐があった。これからも、自分ができる限り貢献していきたい。この場を借りて、日頃からお世話になっている当会会員にも感謝の想いを伝えたい。いつもありがとうございます」と謝辞を述べ、その後懇親が深められた。
 【2024(令和6)年5月11日第5162号2面】

<春の褒章叙勲受章者> 柳本一郎氏が旭日双光章

 政府は令和6(2024)年春の叙勲受章者を29日に公表。業界関係者の叙勲では、全国調理食品工業協同組合副理事長で株式会社マルヤナギ小倉屋代表取締役会長の柳本一郎氏が旭日双光章を受章した。
柳本氏
【旭日双光章 柳本一郎氏】
 柳本氏は、長年の水産物加工業振興功労に対し、この度旭日双光章受章の栄誉に浴した。
 柳本氏は、昭和29年3月22日生まれ、70歳。昭和51年3月に神戸大学経営学部卒業後、同54年7月に株式会社小倉屋柳本(現マルヤナギ小倉屋)に入社し、平成7年2月に代表取締役社長就任。令和4年2月から代表取締役会長(現任)。
 業界団体では、全国調理食品工業協同組合で平成9年5月より理事。平成27年5月には副理事長、安心安全委員会委員長に就任し、自社における企業行動規範の制定・実践の経験を生かして会員の食品安全に対する意識向上に尽力。会員企業の行動規範制定率を約2割から6割へと引き上げた。
 全調食の近畿ブロック会でも平成17~29年でブロック会会長を務め、自身の人脈を生かして国内外での研修会や講師の招聘を積極的に行った。6月29日「佃煮の日」には京都市中央卸売市場での佃煮PR事業を推進した。
 また兵庫県調理食品協同組合においては平成30年から現在まで理事長を務め、神戸市の「みのりの祭典」に出店し佃煮・煮豆のPRに尽力した。
 このほか一般社団法人兵庫県食品産業協会副会長理事、東灘食品衛生協会会長、一般社団法人神戸市食品衛生協会理事などの要職を務めている。
 また柳本氏は、平成17年に兵庫県知事表彰(自治功労)、平成23年に兵庫県知事表彰(食品流通功労)、令和2年に国税庁長官納税表彰を受賞。平成24年には黄綬褒章も受章している。
 柳本氏は「業界の皆様の支えがあってのこの度の受章。感謝の気持ちを大切に、業界貢献を続けていきたい」と語った。
【2024(令和6)年5月1日第5161号1面】

マルヤナギ小倉屋 https://www.maruyanagi.co.jp/

<フードネットワーク関東> 臨時総会で笈川陽平代表が再任 新副代表に小沼敏也氏

笈川代表
総会出席者で
フードネットワーク関東の総会
フードネットワーク関東(笈川陽平代表)は4月23日、浅草ハコバナにて、臨時総会を開催した。
 笈川代表は「本日は役員改選を主体とした臨時総会を開催させて頂いた。ご協力よろしくお願いしたい」と挨拶した。
 笈川代表が議長に選出され、執り行われた議事では、役員改選が行われ、笈川代表、勝木秀昭副代表、飯田一雅副代表の再任、また新たに小沼敏也氏の副代表就任が決議された。
 その後、今後の活動方針について意見交換が行われた。
 今期は2カ月に1度開催する定例会において、テーマを決めて勉強会、ディスカッションを実施していくことが決まった。次回は6月18日に定例会が開催される。
 【新役員】代表:笈川陽平(丸安商店)、副代表:勝木秀昭(勝木食品工業)、飯田一雅(江戸一飯田)、小沼敏也(小沼水産)、監事:甲斐智重(石田食品販売)、高澤宏司(髙沢食品)、監査:永坂紀之(共販)、岩崎龍太郎(佃屋食品工業)、会計:武藤康浩(協立)、白井公徳(仁徳)、事務局:打木義久(ウチキ食品)※敬称略 
【2024(令和6)年5月1日第5161号2面】

<東日本ブロック会> 第46回通常総会を開催 子ども食堂へ6742個の佃煮煮豆提供

菊池会長
佐々副理事長
菊池前理事長
東日本ブロック会の総会
 全調食東日本ブロック会(菊池光晃会長)は4月19日、ビジョンセンター東京八重洲にて第46回通常総会を開催、32名が出席した。
 冒頭、4月15日に株式会社出羽屋の戸田廣社長が逝去されたことが事務局より報告され、黙祷が捧げられた。
 菊池会長は開会挨拶で、円安進行や物流費上昇などが続く厳しい環境下に触れ、「輸入原料は為替の影響で秋の仕入れが心配になっている。値上げを実施した商品については、買い控えも見られ、数量が減少している。今後のコスト上昇分を価格に乗せた場合、さらに販売数量が減少する可能性があり、自社努力により経費削減も継続していく必要がある。また物流費の上昇も続いており、共同配送など他社と連携することでコストダウンにつなげていきたい。今までは考えられなかった変化を起こしていく時期に来ているのではないか。苦しいのは皆一緒、知恵を出し合ってこの難局を乗り切っていきたい」と呼びかけた。
 菊池会長が議長に選出され執り行われた議事では、①令和5年度事業報告及び収支報告、②令和6年度事業計画及び収支予算についての議案が上程され、原案通り採択された。
 令和5年度は、研修会や共同宣伝事業(佃煮の日キャンペーン)、豆類宣伝事業などを中心に事業を展開。2月の研修会では、人財マネジメントをテーマにした講演会を実施した。
 共同宣伝事業、豆類宣伝事業としては、世田谷区社会福祉協議会、千葉市子ども食堂ネットワーク、かわさき子ども食堂ネットワークへ、6742個の佃煮煮豆を提供した。また3月に代々木公園で開催された「ファーマーズ&キッズフェスタ2024」へ出店し、佃煮・煮豆の試食販売を実施した。
 令和6年度は、研修会や共同宣伝事業(佃煮の日キャンペーン)を中心に事業を計画、子ども食堂寄贈事業やイベント出店に引き続き力を入れていく。国内にて視察研修旅行の開催も検討している。
 続いて、全国調理食品工業協同組合の佐々重雄副理事長が挨拶。円安要因など足元の経済動向について説明、中小企業が置かれた厳しい環境に触れ、投資の重要性を強調した。また情報交換会では、当日出席した初参加の組合員らが自己紹介を兼ねて近況を報告した。
 最後に、全調食前理事長で菊池食品工業代表取締役会長の菊池幸氏が講演。全調食の歴史や歴代の理事長を紹介した。また、デジタル化が進む中、人間の存在価値を発揮していくことの重要性を強調。「会社経営には生産性も大切だが、従業員への対応など、社員は家族という意識を持ち、心の通った経営をしていく必要がある」と指摘した。
【2024(令和6)年5月1日第5161号14面】

全調食西日本ブロック会総会 研修や寄付事業継続

本多会長
原料・経営問題で情報交換
【大阪支社】全国調理食品工業協同組合西日本ブロック会(本多隆士会長)は4月17日、ホテルグランヴィア岡山で定時総会を開催。本年度事業計画の議論や、情報交換を行った。
 本多会長は「エネルギーの高騰や円安が続き我々のコストは上昇している中で、いままた賃上げ要請もあり苦労しているところだと思う。業界に関わる人が幸せになれる方法を考えていきたい」と挨拶し、情報交換の必要性を訴えた。
 議事は本多会長が議長を務めて進行。第一号の前年度事業報告では、こども食堂へ佃煮・煮豆を無償配布したことや広島県のフードフェスティバルに出店したこと、鹿児島県の鰹節工場見学研修等を実施したことを報告。続く第二号では本年度事業計画と予算案が審議され、引き続き食育を兼ねたこども食堂支援や、研修活動を実施していく方針となった。
 議事終了後は懇親会・情報交換会が開かれた。各社とも調理食品業界の発展という目的を共有し、原料面の情報交換から、経営課題の吐露まで赤裸々に語り合い、有意義な時間を過ごした。最後は岡田尚士理事による中締めで幕を閉じた。
全調食近畿ブロック会の総会
【情報交換会トピックス】
 <原料>
 ▼今年の国産昆布は凶漁。今年1万tを切る可能性も。昨年水温が高く根腐れを起こした漁場がある。不漁続きで在庫も不足している。▼輸入昆布は昨年約1000t輸入。品質は上がっているが、国産品との価格差が縮まっており、需要者のニーズに応じて輸入量を協議する方針。将来的には中国が日本産を買うようになる可能性もある。▼黒豆は不作続きで品質もバラつきがある。歩留まりが悪いため見かけの収量よりも原料状況は厳しい。▼輸入豆は海外に買い負けしている状態であり現状価格の維持は不可能。▼その他いわし、ちりめん、いか、海苔など大半の水産物が不足している。▼ふき等の山菜は収穫する人が引退し急激に収量が減っている。
 <商品開発>
 ▼従来の佃煮用から外れた規格の魚や、新素材に挑戦していく必要がある。▼惣菜やレトルト商品、菓子、サプリメントなど佃煮以外の分野へ進出していく。
 <販売動向>
 ▼コロナが収束し土産や業務用はほぼ回復。通販が落ちたが合計ではプラス。▼値上げして売上点数は若干落ちたが売上金額はアップした。
 <経営>
 ▼年末商戦のため単発アルバイト募集サービスの「タイミー」を使い好感触だった。▼値上げは遠慮なく断行している。原料や人手に上限があるため利益の出ない取引を続ける意義が薄い。値上げに応じてもらえない場合は、代表者が対応して営業マンの負担を和らげることが大切。▼物流費削減のため関東に倉庫設置を検討したい。▼山椒など陸のものを自社で栽培する計画。
 <その他>
 ▼清涼飲料水は大手NBが値上げで販売点数減となり、量販店PBが大幅に伸長。価格競争が激しい。
【2024(令和6)年4月21日第5160号2面】

全調食東海北陸ブロック会総会 第46回通常総会開催

平松会長
笠島総括係長
原課長
補助金テーマの講演実施 
 【大阪支社】全調食東海北陸ブロック会(平松賢介会長)は16日、第46回通常総会を名古屋市のマリオットアソシアホテルにて開催した。
 開会に先立ち、平松会長が「円安や世界的な物価上昇で、水産物の輸入価格は高騰しており、業界全体として厳しい状況だ。メーカーとしては、商品の価値を高め、適正価格で消費者に購入してもらえるよう努力が迫られている」と挨拶した。
 続いて岩田功理事長が登壇し「全調食では来月5月にハワイで総会を開催し、今秋には大阪で秋季大会を実施する。会員が懇親を深められる企画を用意しているので、期待してほしい」と語った。
 次に、平松会長が議長に選任され議事に移行した。第46期の事業が振り返られ、第47期の事業案が報告された。新年度から静岡県焼津市のイチニンベン大畑食品が新規入会し、大畑文孝代表取締役社長が挨拶。全議案が承認された。
第46回通常総会
 総会終了後、経産省中部経済産業局の笠島達矢総括係長、日本政策金融公庫の東海北陸地区総括課の原伸介課長が登壇し、会員は、補助金をテーマとした講演会に耳を傾けた。
 笠島総括係長は「中堅・中小企業においては、賃上げに踏み切れていない企業もあり、経産省では『中堅・中小企業の賃上げに向けた省人化等の大規模成長投資補助金』を用意している。4月末まで公募を行っているため、応募して活用してほしい」と紹介した。
 原課長は「本公庫では、食品産業向け資金制度がある。工場の設備増強等を、固定金利・長期返済で融資可能だ。気軽に問い合わせてほしい」とした。
 講演会の後は、懇親会に移り、市況を中心に情報交換を行った。中締めの挨拶は大畑晃一副会長が担当し、「元日に発生した能登半島地震が与えた打撃は想像以上で、元から高齢化・過疎化が進む能登地域では、明確な復興計画が未だ見えず不安だ。だが、本ブロック会の会員からの励ましの言葉が本当に救いになっている」と謝辞を述べ、会員から激励の拍手が送られた。
【2024(令和6)年4月21日第5160号2面】

全調食近畿ブロック会総会 阪田嘉仁氏が新会長に

阪田新会長
柳本直前会長
鵜殿氏
佃煮の日キャンペーンや台湾研修を計画
 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会は4月16日、神戸ポートピアホテルで役員会・定時総会を開催した。野村啓介ブロック会会長が会社都合により退任したことから臨時役員改選が行われ、阪田嘉仁氏が新たに会長に就任した。
 総会冒頭、柳本一郎直前会長は、野村佃煮がブンセンへ事業譲渡し(4月11日号既報)、それに伴い野村氏が退任した旨を報告。臨時役員改選が発議され、総会前の役員会にて推薦を受けた阪田氏の名前が挙がると、全会一致で拍手をもって承認された。また田中智樹氏が幹事に就任した。
 阪田新会長は「大任を仰せつかり重責を感じる。会員の皆様に役立てる事業を考えていきたい」と抱負を語った。
全調食近畿ブロック会の総会
  また柳本直前会長は「円安が進み我々食品業界はコスト上昇が著しい一方で、他業種では賃上げが進んでいる。経営の転換を迫られている時代」と前置きした上で、ブロック会での情報交換と協力の重要性を訴えた。
 議事へ移ると阪田新会長が議長に就き、前年度事業・会計報告並びに本年度事業計画・予算案が審議され、原案通り承認された。
 本年度は、滋賀県での「佃煮の日」キャンペーンや大阪での豆類宣伝事業、研修会として3月に台湾訪問を計画。その後は各県事業報告が行われ、兵庫県からは、調理食品青年交流会が9月11日に開催予定であることが発表され、若手や後継者の参加が呼びかけられた。
 総会後は神戸料亭「松廼家」4代目女将の鵜殿麻里絵氏を招き特別講演会が開かれた。1917年創業の「松廼家」は第二次大戦、阪神淡路大震災で2度にわたり建物が全壊、またコロナ禍でも大打撃を受けたが、その度、ブランドを見つめ直し、復活を遂げてきた歴史を紹介。また物販事業として新神戸駅直結の店舗「兵庫県おみあげ発掘屋」を運営。兵庫県や神戸市の魅力発信に努めていることを語った。
 福井正一顧問は「鵜殿氏は新事業立ち上げにより産みの苦しみを、コロナ禍を乗り越え継続の苦しみを知っている。我々は2代目、3代目として事業継続の難しさを今まさに痛感しているところ。鵜殿氏を見習っていかねば」と感謝の言葉を述べた。
 その後は情報交換会を兼ねた懇親会も催され、一人ずつ近況報告の時間が設けられるなど有意義な時間を過ごし、終了となった。
【2024(令和6)年4月21日第5160号2面】

愛佃同友会 岩田会長と渡邉副会長再任

(右)から松岡新副会長、岩田会長、渡邉副会長
愛佃同友会総会
松岡妙明氏が新副会長に
 【大阪支社】愛知県調理食品協同組合の青年部組織である愛佃同友会は3月15日、愛知県名古屋市のアイリス愛知にて、総会を開催した。
 開会に際し岩田晃明会長は「この1カ月でバンコクと台湾に出張し物価高騰を肌で感じ、日本は値上げで遅れていると実感した。海外の企業は、いかに値上げを行い、利益を確保するかをまず考える。日本の企業は可能な限り価格維持をして消費者が離れないことを優先するが、もう限界が近づいている。調理食品、惣菜メーカーが適切に利益を確保し、販売していくかが業界存続に関わるだろう」と挨拶した。
 次に議案の審議へ移り、令和5年度事業が確認された。
 続いて令和6年度の事業案としては、調理食品青年交流会神戸大会へ会員が参加する他、新年会、忘年会、家族会を行うことが話し合われ、岩田会長から会員へ参加を呼び掛けた。
 本年は役員改選期で、岩田会長は再任され、2期目となる。渡邉光副会長も再任。また松岡妙明氏が新たに副会長に就任、水谷誠志副会長は理事に就任する。
 閉会挨拶に立った水谷副会長は、「1期、副会長を務めさせていただいた。当社では先週の日曜日に三重の桑名駅で開催された、はまぐり祭りの運営に携わり、祭りは大盛況だった。消費者は、日常の買い物では財布の紐が硬いものの、イベントでは多少の贅沢をする。価格よりも、価値を重視するからで、いかに付加価値をつけられるかが重要だと気付かされた」と話した。
 総会終了後は懇親会場に移り、副会長に就任する松岡氏が乾杯の音頭を取り「本同友会の発展のためにより尽力したい」と抱負を語った。
 中締めの挨拶は渡邉副会長が担当し「資材、原料仕入価格、何もかも値上がり、特に砂糖と塩の価格高騰は煮豆メーカーには厳しい。良い商品を開発して勝機を見出したい」と語り、懇親会は締めくくられた。
【2024(令和6)年4月11日第5159号7面】

<全調食東日本ブロック会> 「ファーマーズ&キッズフェスタ」に出店

子ども連れの家族が多数来場
佃煮・煮豆などを販売
 「ファーマーズ&キッズフェスタ2024」(主催:公益社団法人日本農業法人協会)が2~3日の2日間、東京都渋谷区「代々木公園」で開催された。
 同フェスタは、日本のプロ農業者が集い、「子どもと農業をつなぐ架け橋」として都会の子どもたちに元気なニッポン農業を発信するイベント。
 こだわりの新鮮な農産物や美味しい食を東京のど真ん中で届けるとともに、農業&食の魅力発信に加えてSDGsに関する食農ワークショップ、楽しいステージなど様々なコンテンツを用意し、農業の魅力と楽しさを紹介した。
 会場には出展社ブースが立ち並び、できたてアツアツの肉や汁物、揚げ物、ジャムやドリンクといったバラエティ豊かなフードやスイーツ、自宅に持ち帰って味わえるこだわりの農産物や加工品が販売された。
 本紙関連では、全国調理食品工業協同組合東日本ブロック(菊池光晃会長)が出店。同フェアには2回目の出店となり、加盟企業10社から1200パックの商品が集まった。
 日本の伝統食であり、健康食でもある「佃煮・煮豆」や惣菜等の試食・販売を行った。
 同フェスタでは、うたのお姉さんのステージやアンパンマンショーなども行われるため、子ども連れの客が多数来場。煮豆や佃煮、ハンバーグなどの試食も大好評のうちに販売会を終了した。
【2024(令和6)年3月11日第5156号5面】

小沼水産(茨城県)

兵調食 井上食品・井上社長が新理事へ

柳本理事長
井上社長
中川理事
兵調食の理事会
イカナゴ漁1日で終了の地域も
 【大阪支社】兵庫県調理食品協同組合(柳本一郎理事長)は11日、兵庫県神戸市の「がんこ三宮店」で、理事会を開催した。
 開会に際し柳本理事長は「コストアップで各社、利益の確保に苦しんでいると思う。自社では何とか利益を確保するため、各種構造改革に着手しているものの、まだ道半ばだ。今年のイカナゴ漁は1日で終わった地域もある。原料確保も厳しい状況だ」と挨拶した。
 各種議案が審議された後、今年9月に調理食品青年交流大会が神戸で開催のため、そのスケジュールが確認された。
 その後、情報交換がなされ、最後に懇親会に移った。理事の中川元文氏(井上食品常務取締役)は、3月末をもって井上食品を退職するため、兵調食においても勇退となる。後任は、同社の井上淳也代表取締役社長が務め、本理事会で参加の挨拶が行われた。
 兵調食を勇退する中川理事は「30年にわたり、本組合に参加し、過去の青年交流大会の運営に携わってきたことを思い出す。親睦を深めつつ、各社の商品開発への熱い思い、業界のトレンドを学ぶことができました。今までありがとうございました」と長年の謝辞を述べた。
 後任の井上社長は「中川さんに引き続き、調理食品に加え、おつまみや珍味の情報提供も行って参ります。よろしくお願いします」と挨拶し、会員から拍手が送られた。
 【情報交換会の要旨】
 ▼イカの年間輸入量が2万tを切っている▼ブリ珍味がスーパーで売れている▼中国経済の減速で日本経済にも悪影響がありそうだ▼韓国産の山椒は日本のものに似ているが、生産量が少なく入手しづらい▼くるみの輸入価格は安くなった
 【2024(令和6)年3月11日第5156号5面】

大調食 令和5年度通常総会

廣川理事長
親睦を深める研修会を実施
【大阪支社】大阪府調理食品協同組合(廣川昌平理事長)は2月23日、大阪市天王寺区の天王殿にて、令和5年度通常総会を開催した。
 開会に際し廣川理事長は、「昨年はロシアのウクライナ侵攻継続や中東紛争が世界に大きな衝撃を与え、さらにはエネルギー価格や原材料費高騰に繋がった。今年に入り能登半島地震、羽田空港での航空機事故が起こり、日常がいかに大切か実感している。業界としては、時代の変化の中でも、調理食品の需要を維持・拡大していかなければならない」と挨拶した。
 議案に移ると、廣川理事長より、令和5年度の事業報告が行われた。昨年11月16日に、大阪府松原市の松原市社会福祉協議会へ煮豆・佃煮の寄贈が実施され、また2024年に開催される全国水産加工たべもの展の運営のために関連業界団体とのミーティングがなされた。
 続いて、令和6年度予算案を廣川理事長が読み上げ、大阪府内の社会福祉協議会や子ども食堂への煮豆・佃煮寄贈事業の継続、組合員を対象とした食品表示や物流の2024問題の研修会開催を検討していることが語られた。
令和5年度通常総会
 全国水産加工たべもの展の最終審査が2月21日に実施され、3月22日に表彰式があることも伝えられ、全案、全会一致で承認となった。
 総会終了後は、懇親会に移り、廣川理事長は「コロナ禍があり、親睦を深める研修が長らくできていない。本年は近年とは違う形で企画したい」と述べ、組合員から意見を募り、後日役員で決定されることになった。
 懇親会では、青年組織である大阪佃志会の赤名祐貴会長が挨拶を行い、「組合や業界が今以上に繁栄できるよう盛り上げていくことが、若手である佃志会の役目だ。引き続き応援をよろしくお願いします」と話し、歓談後、懇親会は和やかな中、締めくくられた。
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

令和5年度理事会を開催 一イ大畑食品、鮎家の加入承認

岩田理事長
本多会長
広島での初の理事会
【大阪支社】全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は8日、広島県広島市のホテルグランヴィア広島で令和5年度理事会を開催した。広島での理事会は、初の開催となる。
 開会に際し岩田理事長は「若者のおせち離れと言われるが、伝統的なイベント離れは進んでいる。シニアの方は伝統食品を好む人が多いが、あと10年経つと世代交代が進み、深刻な佃煮・煮豆離れとなると思われる。全調食としては、組合企業が新商品開発・販路拡大に役立つような情報発信を行い、バックアップしていく」と挨拶した。
 次に、柴田昌美専務理事が令和5年度の事業や予算支出等について、若手後継者育成研修会ではニューヨークに訪問、その他展示会出展への助成、佃煮・煮豆PRの実施等を報告した。
 令和6年度は、5月にハワイで第69回通常総会を開催し、10月には大阪で秋季組合大会が行われる予定だ。また、全調食協報は、ペーパーレスの観点から、紙での発刊から、データをウェブサイトにアップする方式に変更となる。
 続いて、新規加入の審議に移った。平松賢介東海北陸ブロック会長の推薦で静岡県焼津市の一イ(いちにんべん)大畑食品が、野村啓介近畿ブロック会長の推薦で滋賀県大津市の鮎家の加入が審議され、2社ともに理事会承認を得た。
 最後に、各ブロック会長より令和5年度の事業の振り返りがあり、東日本ブロック会の菊池光晃会長からは、静岡県に研修で訪問し、佃煮作りに欠かせない醤油の学習として、醤油工場を訪問したことを発表。
 東海北陸ブロック会は研修会でベトナム、福井県に訪問し、東南アジアの経済成長を肌で感じたこと、北陸新幹線の延伸により福井への観光需要が高まることが、平松会長より語られた。
 近畿ブロック会は、タイへ研修で訪問し、ケンミン食品の現地ビーフン工場の生産管理の巧みさ、食文化の豊さに触れたことが、野村会長より示された。
 本理事会開催エリアで西日本ブロック会の本多隆士会長は「近々、当ブロック会では鹿児島で研修を行う。組合ならではの交流の場を作っていく」と話した。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

<全調食東日本ブロック会> 定例研修会に32名 「戦略的人材マネジメント」学ぶ

菊池会長
森氏
第45期定例研修会
 全調食東日本ブロック会(菊池光晃会長)は20日、東京都港区のビジョンセンター田町にて第45期定例研修会を開催、32名が出席した。
 研修会では、株式会社ビジネスプロデュース代表取締役の森功有氏が「成長企業の舞台裏 戦略的人材マネジメント」というテーマで講演した。
 開会挨拶で菊池会長は、昨年のおせち商戦に言及。「値上げの影響もあり、全般的に動きが良くなかった。値上げで物量が減ることにより、製造原価が上がり、利益率が減少するという難しい状況。いよいよ我々の利益の支えであったおせち料理が儲からなくなってきたと痛切に感じた」と振り返った。
 また「時代が大きく変わる中、ビジネスのやり方も大きく変化させなければ、利益を出すことが難しくなっている。こうした厳しい環境下において、同業者はもはやライバルではない。協力して乗り越えていきたい」と呼びかけた。
 今期の活動報告として、4月の通常総会、佃煮・煮豆キャンペーンの他、子ども食堂寄贈事業について報告。今期の子ども食堂寄贈事業はここまで3回実施され、東京都世田谷区、千葉県千葉市、神奈川県川崎市の子ども食堂へ合計6000個以上の佃煮・煮豆等を無償配布した。
 また4年ぶりの開催となった視察研修旅行では、静岡県焼津市を訪問、鰹節工場と醤油工場を見学した。 今後の予定としては、3月2、3日に代々木公園で開催される「ファーマーズ&キッズフェスタ2024」に出店し、佃煮・煮豆の即売を行う他、来年10月に米国カリフォルニアにおいてクルミの研修を実施する予定が発表された。
 続く研修会では、株式会社ビジネスプロデュース代表取締役の森功有氏が講演した。森氏は同社が事業展開するビジネス資質を見える化した診断システム「ESP診断」を紹介。「ESP診断」により社員をリーダータイプやマネジャータイプなど4つのタイプに分類、そのマトリクス分布により、成長する企業や苦戦する企業の特徴が見て取れることを、具体的事例を交えて説明した。
 森氏は人財マネジメントの黄金律について「良い人財には良い上司を、良い上司には良い人財を、そして良い環境を与えることが大切。是非、優秀な人材を発掘したらスカウトしてほしい」と話し講演を結んだ。 その後、会場では初参加の組合員らが自己紹介や近況報告を行い、貴重な情報交換の機会となった。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

<全調食東日本ブロック会> 川崎のこども食堂に寄贈 佃煮・煮豆など計2620個

(前列左から)柴田副会長、佐藤理事長、佐野副理事長、塚本会長
寄贈された佃煮、煮豆、甘納豆
 全調食東日本ブロック会は1月30日、令和5年度第3回「子ども食堂等寄贈事業」として、かわさきこども食堂ネットワーク(佐藤由加里理事長)に佃煮煮豆2320個(協賛企業18社、25種類、佃煮1570個、煮豆750個)を寄贈した。
 合わせて、宣伝商材としてクリアファイル、佃煮・煮豆リーフレット各100枚も贈呈。また、全国甘納豆組合連合会(塚本裕会長)より、甘納豆300個も寄贈された。
 かわさき市民活動センター(川崎市中原区)で開催された寄贈式では、東日本ブロック会の柴田純道副会長、甘納豆組合連合会の塚本会長らが出席。かわさきこども食堂ネットワークの佐藤理事長、佐野めぐみ副理事長に目録を贈呈した。
 寄贈を受けた佐藤代表は、「こども食堂で料理を作る人はほぼ全員が素人で、限られた短い時間の中で30~100食以上の料理を作るのには限界がある。寄贈していただいた佃煮や煮豆は非常に助かるので感謝したい。また、おやつを提供する費用も少ないので、甘納豆は喜んでもらえる」と感謝の言葉を述べた。
 出席者全員で記念写真を撮った後も、お互いの現場サイドでの貴重な情報を交換し、寄贈式は無事終了した。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

愛調食 おせち数量減少も売上伸長

加藤理事長
会員が能登地域へ煮豆提供で支援 
 【大阪支社】愛知県調理食品工業協同組合(加藤英敏理事長)は16日、名古屋市の魚貝三昧げん屋にて、新年情報交換会を開催した。
 最初に加藤理事長が、POSデータを元に昨年末のおせち商戦を分析した。
 「おせちは全体的に各社が前年より5~10%ほど値上げし、販売数量が落ちたが、値上げ分で売上は伸長している。販売総額をカテゴリー別に見ると、黒豆煮は過去8年横ばい、昆布巻きも直近4年間は横ばい。田作、お多福豆や豆きんとんは年々減少傾向、栗甘露煮は年々減少傾向も今年は若干上昇。一方で栗きんとんは直近8年間で最も販売総額が高い」と総括した。
 さらに「自社では、全品で約10%値上げし、数量が10%近く落ちた。数量が減ると物流コスト等を抑えられるので、利益面では微増益だった。適切な値上げの必要性を実感した。市場全体を見ると、重詰めおせちは頭打ちだ。大手コンビニエンスストアの販売数量が平均的に前年比で約10%減少し、ネット通販では多少伸びたが、重詰めはコロナ特需が明けて需要減がこれからも続き、厳しくなるだろう」と語った。
 その他、能登半島地震の発生で、農水省から緊急支援物資の要請を受けた全調食から、会員企業であるカネハツ食品に依頼があり、1月13日に煮豆4920個(4品目)を現地へ供給したことが報告された。
 なお、1月3日と6日、同社では自主的にフードバンクやNPO法人を通じて、自社の和惣菜・煮豆・昆布佃煮を両日で計2260パック供給している。
おせちの売行きを情報交換
 加藤理事長は「自動補足式はかり機(オートチェッカー)の証明新基準が今年4月1日から適用されるため、新規で購入する際は対応の製品を導入してほしい。既存使用の製品は、2027年4月1日に経過措置の期限が切れるため、余裕を持って2025年度までに検定受検をおすすめする」とアナウンスも行った。
 続いて各社はおせち商戦や近況を報告、その後、渡邉正宣副理事長が乾杯の音頭を取り、一同歓談し、小林利生副理事長が中締めの挨拶を行った。
 渡邉副理事長、小林副理事長ともに、会員の日頃からの協力について感謝の言葉を述べ、会員同士は団結を確かめ合い、新年会は締めくくられた。
【情報交換会トピックス】
 ▼おせちのセットものは数量が落ちたが、単品おせちは田作り、黒豆、昆布の数量が例外的に増えた。3品は値上げしても需要をつかんでいる▼甘露煮の規格外サイズを使った焼きハゼが好評だった▼田作りは、前年より販売数量が増えた▼単品おせちはほぼ利益が出ない。作り続ける理由として伝統性があるものの、他のラインアップを強化したい▼おせちはダウントレンドだが、下げ止まったのでは。少なくとも、団塊の世代が80歳になるまでは、安定していると見ている
【2024(令和6)年1月21日第5151号2面】
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