記念式典は村上亮平監事の司会で、児嶋副会長が開会を宣言。最初に、国歌斉唱と物故会員を偲んで黙祷が捧げられた。
挨拶に立った栗山会長は「KTSは昭和48年に発足し50周年を迎えた。会員同士の融和を目的とし、それを繋いできた先輩方とそれを支えた皆様の力があり、この日を迎えられた。この一年間『新たな半世紀への第一歩に』をテーマに、持続的に会社やKTSを発展させることを見据えて事業を行ってきた。第一部でSDGsカードゲームに取り組んだのもその一つ。KTSと漬物業界の発展へ向けこれからも活動していく」と、青年部会の歴史を振り返りつつ、未来へ向けた決意を宣言した。
来賓には京都府の山下晃正副知事、京都市産業観光局の石田洋也産業・文化融合戦略監、京都商工会議所の窪田裕幸常務理事、全漬連の林野雅史副会長、関西漬物協会の平井達雄会長ら多数が招かれた。
山下副知事は「ある老舗企業の方が仰っていた言葉を借りると、川下りをする船に『ステイ』と言ったら漕ぐのを止めて流されていく船と、その場にとどまるために必死に漕ぐ船と分かれる。伝統を守るというのは、流れに対応して変化し続けること。武道や茶道でも守破離という言葉がある。食の嗜好が変わるのにどう対応しながら、京漬物であることを守っていくか。そのチャレンジをできるのは若い皆様。いまの日本の食卓を考えながら、変化へとチャレンジしてほしい」と若い力が変化を導くことを願い、祝辞とした。
石田戦略監、窪田常務理事からは漬物製造の技術向上や食育活動など様々な観点で事業を行うKTSを称え、将来を担う人材として成長することへ期待の言葉が述べられた。
林野副会長は、全漬連が若者の漬物消費拡大や、漬物アレンジ料理の普及、漬物が高塩度食品であるという誤解払拭、といった目標を掲げて活動していることを紹介した上で「私もかつて『時は金なり、若さは力なり』と父からよく言われた。不確実性の時代とも言える難しい環境だが、業界が直面する壁を壊せるのは若い皆さんだ。KTSから輝くような人材が育っていくことを確信している」と激励した。
またKTSのOBでもある平井関西漬協会長は、創立当初の雰囲気を振り返りながら「仕事のことから人付き合いの仕方まで何でも教えていただいた。若いうちから広く学び、顔を広げられたのは本当にありがたいこと。私は常々、この京都という地で漬物に携われて良かったと感じるのだが、そう思えるのもKTSがあったからこそだ。現役の皆様には、今の時期を大切に挑戦と学びを続け、漬物を世界へと躍進させてほしい」と先輩として温かな言葉を贈った。
その後、奥野実行委員長より1年間を通して実施してきた記念事業が報告され、最後は長瀬修副会長が閉会を宣言。式典を終了した。
挨拶に立った栗山会長は「KTSは昭和48年に発足し50周年を迎えた。会員同士の融和を目的とし、それを繋いできた先輩方とそれを支えた皆様の力があり、この日を迎えられた。この一年間『新たな半世紀への第一歩に』をテーマに、持続的に会社やKTSを発展させることを見据えて事業を行ってきた。第一部でSDGsカードゲームに取り組んだのもその一つ。KTSと漬物業界の発展へ向けこれからも活動していく」と、青年部会の歴史を振り返りつつ、未来へ向けた決意を宣言した。
来賓には京都府の山下晃正副知事、京都市産業観光局の石田洋也産業・文化融合戦略監、京都商工会議所の窪田裕幸常務理事、全漬連の林野雅史副会長、関西漬物協会の平井達雄会長ら多数が招かれた。
山下副知事は「ある老舗企業の方が仰っていた言葉を借りると、川下りをする船に『ステイ』と言ったら漕ぐのを止めて流されていく船と、その場にとどまるために必死に漕ぐ船と分かれる。伝統を守るというのは、流れに対応して変化し続けること。武道や茶道でも守破離という言葉がある。食の嗜好が変わるのにどう対応しながら、京漬物であることを守っていくか。そのチャレンジをできるのは若い皆様。いまの日本の食卓を考えながら、変化へとチャレンジしてほしい」と若い力が変化を導くことを願い、祝辞とした。
石田戦略監、窪田常務理事からは漬物製造の技術向上や食育活動など様々な観点で事業を行うKTSを称え、将来を担う人材として成長することへ期待の言葉が述べられた。
林野副会長は、全漬連が若者の漬物消費拡大や、漬物アレンジ料理の普及、漬物が高塩度食品であるという誤解払拭、といった目標を掲げて活動していることを紹介した上で「私もかつて『時は金なり、若さは力なり』と父からよく言われた。不確実性の時代とも言える難しい環境だが、業界が直面する壁を壊せるのは若い皆さんだ。KTSから輝くような人材が育っていくことを確信している」と激励した。
またKTSのOBでもある平井関西漬協会長は、創立当初の雰囲気を振り返りながら「仕事のことから人付き合いの仕方まで何でも教えていただいた。若いうちから広く学び、顔を広げられたのは本当にありがたいこと。私は常々、この京都という地で漬物に携われて良かったと感じるのだが、そう思えるのもKTSがあったからこそだ。現役の皆様には、今の時期を大切に挑戦と学びを続け、漬物を世界へと躍進させてほしい」と先輩として温かな言葉を贈った。
その後、奥野実行委員長より1年間を通して実施してきた記念事業が報告され、最後は長瀬修副会長が閉会を宣言。式典を終了した。
<第一部>
SDGs de 地方創生 対話と協力が世界を変える
京都府漬物協同組合青年部会は式典に先立つ第一部として「SDGs de 地方創生」カードゲームに、会員や漬物業界関係の来賓とともに取り組んだ。
「SDGs de 地方創生」は参加者にそれぞれ一次産業従事者、企業経営者、市役所員などの役割が割り当てられ、それぞれの目標に向かって対話しながら必要な資金や人材を交換しあい、それが街全体へ与える影響を体感できるというもの。資金や人材を集めミッションを達成するごとに「人口」「経済」「環境」「社会」の4指標が増減していく。
ゲームが始まると一同は年齢の垣根を超え、ミッションの内容や実現方法を話し合った。約1時間のゲームを終えて、結果は全チームが目標を達成した。
講師を務めた東京海上日動火災保険、京都中央信用金庫スタッフら「全チーム目標達成は非常に珍しい。円滑なコミュニケーションと素早いゲーム理解があってこそ」と賞賛したように「会員同士の融和」を大切にする同会の絆が力を発揮した。
<懇親会>
対等な立場で語り合う 児嶋次期会長は食育に意欲
懇親会は京都府漬物協同組合の土井健資理事長が「第一部のSDGsカードゲームや事業報告を通じ、KTSが問題を見据え挑戦している姿勢が分かり頼もしく思う。我々親組織としても全力でサポートする。失敗を恐れず挑戦を続けてほしい」と呼びかけ、乾杯の音頭を取り開宴した。
宴席中にはKTSの現役、OB会員、来賓、賛助会員らが対等な立場で話し合い、漬物の歴史や未来について語り合う時間となった。
また思い出の写真や新聞紙面を通じて50年間を振り返る動画や、歴代会長の写真を用いた記念トランプが披露されるなどした。
代表して記念品を受け取った川勝康之氏は「私を含め6人が発起人となって始まったKTSが長く続き嬉しい。今日は懐かしい写真も見れて、思い出が蘇ってきた。これからもKTSが続くよう願っている」と笑顔を見せた。
また次年度役員も発表された。次期会長の児嶋真司副会長は「会長にはそれぞれの色があり、それがKTS活動を豊かにしてきた。私は会員同士の融和を大切にしつつ、食育活動を強化し未来へ京漬物を繋いでいきたい」と決意表明した。
最後は奥野実行委員長が「今年1年間、50周年記念事業として漬物製造管理士試験への受検推進や研修旅行などにも取り組み一層絆が深まった。先輩方にもたくさんの助言をいただき、KTSの歴史と漬物の愛、懐の深さを改めて感じられた」と感極まった様子で振り返り、来場者らへ感謝の言葉を述べ閉会の挨拶とした。
奥野実行委員長が事業報告 食育や研修、管理士試験推進も
奥野実行委員長が1年を通して実施してきた50周年記念事業を報告した。
食育事業では6月に梅小路小学校(京都市下京区)、1月に砂川小学校(京都市伏見区)にてぬか漬け体験、9月には大原学院(京都市左京区)でしば漬け作り体験を実施。子どものうちから漬物に慣れ親しんでもらうことを目的に、漬物の歴史や種類についての説明や会員各社の漬物試食も実施した。
研修事業では8月に、SDGs研修会を実施。第一部で実施した「SDGs de地方創生」カードゲームも体験し、SDGsについて理解を深めた。
また8月に北海道函館研修旅行も実施。初日は漬物と同じ発酵食品であるイカの塩辛の製造元を訪問。2日目は漁港組合やその青年部とのディスカッション、そして漬物とも縁深い昆布養殖の見学を行った。
この他、新年会やゴルフ大会など、懇親を深める事業も開催してきた。
また前年度の49期には臨時総会を開き、正会員の定年を45歳から50歳へ延長。会員数の維持、活動増強を目指していることを報告した。
さらにKTS全体で漬物製造管理士技能評価試験の受検を奨励し、1級合格へ向け励まし合っていることが明かされた。
【2024(令和6)年3月11日第5156号7面】