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2025SDGs・伝統継承・食育活動・社会貢献・品質向上の取組・表示

JA京都市 すぐきフォーラム実施

400人以上の市民が聴講   
「無形民俗文化財」へ機運
 京の食文化すぐき市民フォーラム(主催:京都市農業協同組合<JA京都市>)が1月18日、京都府立京都学・歴彩館で実施された。すぐき関係者が多数出席し、市民400人以上が聴講に訪れるなど、すぐきの「登録無形民俗文化財」登録へ機運が高まった。
 JA京都市は学識者や京都市と連携し、文化庁の「食文化ストーリー」創出・発信モデル事業を活用して、すぐきの技術継承と生産振興の一助となるよう、すぐきの「登録無形民俗文化財」登録を目指している。
 今回のフォーラムは、すぐき生産の現状と課題、歴史等の調査結果の報告、講演、パネルディスカッションを行い、市民とともに京の食文化を支えるすぐきについて、文化的価値を知ってもらうことを目的としたもの。
 講演は、①文化庁文化財調査官(食文化部門)の大石和男氏が『文化財と食文化』、②JA京都市が『すぐき生産の現状と課題~~すぐき農家アンケート調査結果より~』、③すぐき漬森益(北区)4代目の森田早映子氏が『すぐき漬けの未来~食材としての活用とグローバル展開の可能性~』、のテーマでそれぞれ講演した。
 ①大石氏は、すぐきが登録を目指す登録無形民俗文化財の概要を解説し、すぐきは登録の可能性を十分に秘めているとした。
 ②JA京都市は農家を対象としたアンケート結果を発表した。すぐき農家の平均年齢は58歳と、少子高齢化が進んでいることを指摘。最も困っていることは「生産・製造・販売コスト高」、「販売収入の減少」、「人手不足」との回答が多かった。その中でもすぐき生産を続ける動機として、伝統継承への使命感を口にする農家が多かった。
 ③森田氏は、すぐきが人工加温して発酵を促す世界的にも珍しい漬物であること、ラブレ乳酸菌と名付けられた乳酸菌を持つことなど、すぐきの独自性を解説。今後の消費量底上げには独特の酸味や香り、発酵の健康イメージを生かした料理の普及が鍵になるとし、料理人の「火を入れても香りが開きメインにもなり得る」とのコメントを紹介し、イタリアでの活用も始まっていると話した。
【2025(令和7)年3月1日第5188号1面】

やまう・新進 小学校副教材を無償配布 ライバルの垣根超え食育で連携

梅澤社長
籠島社長
やまう「国産野菜やさしい福神漬」
新進「国産野菜カレー福神漬 減塩」
共同制作した副教材
 やまう株式会社(梅澤綱祐社長、東京都目黒区)と株式会社新進(籠島正雄社長、東京都千代田区)は、小学校の家庭科や食育の授業で使用できる副教材『日本の伝統的な食について』を共同で制作し、関東地方の小学校121校に計1万6070部を漬物の試供品と共に無償配布した。
 同教材は小学校の授業で利用できるよう学習指導要領に沿って編纂され、日本の伝統的な食の紹介から始まり日本各地の伝統的な漬物、特に福神漬について詳説し、和食のすばらしさや漬物の多様性について学べるようになっている。併せて、各家庭へ持ち帰ってもらい実際に賞味できるよう、やまう・新進両社の福神漬を希望校の児童全員に無償提供している。
 漬物業界内で競合企業である、やまう・新進両社は、日本の食文化の未来を担う子どもたちに和食や漬物への理解を深めてもらうとともに、漬物業界の発展と福神漬の消費拡大を目指し、2022年から同取組を始め、今回で4回目となる本年も、1月22日の「カレーの日」に合わせて共同で実施した。
 今後も両社はライバルの垣根を越え、福神漬をはじめとする漬物の美味しさと魅力を将来に向けて広める活動を行っていく。
【取組の背景】
 食の多様化などに伴い日本の食文化と漬物業界を取り巻く環境は大きく変化している。そのような中、日本の古き良き食文化が忘れ去られる懸念が生じており、幼少期からの食育が強く求められているとの認識をやまう・新進両社で共有している。
 日本の伝統食である漬物、とりわけ子どもたちに人気の高いカレーライスと共に触れる機会が多い福神漬に焦点を当てることで、野菜を摂取する重要性や野菜の美味しい食べ方を楽しく学んでもらいたいと考え、1月22日の「カレーの日」(公益社団法人全国学校栄養士協議会制定)に合わせ、2022年から同取組を実施している。
【2024年実施・教育現場へのアンケート回答】
 前回2024年1月に配布した際のアンケートに対し、配布した126校のうち75校から、教材を実際に使用した際の感想や児童や保護者の反響について回答を得た。なお、同種のアンケートの返答率が15%、多くて30%とされるなか、約60%もの返答率となり関心の高さがうかがえる結果となった(以下、主な回答から抜粋)。
<児童の反応>
 ▼福神漬を初めて食べてみて、おいしかったという子が多かったです。びっくり‼
 ▼写真がたくさん載っており、自分が知らない漬物に興味をもっていた。「福神漬」と聞いてカレーと結び付ける児童が多かったが、家庭で普段から食べている児童は少なかった。
 ▼冊子を見ながら伝統的な食事一汁三菜の話や無形文化遺産の話をしました。子どもたちはおつけものが地域でいろいろあることにおどろいていました。
 ▼教材をじっくり読んだり、福神漬の袋を見比べたりしている様子でした。後日、児童や保護者から聞いたところ、家でカレー作りに挑戦したり、福神漬の食べ比べをしたりして、家庭での食育にもつながったようです。
 ▼地域によって、いろいろな漬物があることに興味をもっていた。家庭でカレーを作り、福神漬と一緒に食べた子が多かった。
 ▼家や店でカレーライスを食べる時に、福神漬を食べることがほとんどない子が多かったので、これを機会に、漬物に興味をもつことができた様子でした。
 ▼「各地の漬物を食べてみたい」という声が多く聞かれました。家でカレーライスを作ってもらった子も多いようです。福神漬に入っている野菜の多さに驚いていました。
 ▼漬物は普段あまり食べない子供達が多く、種類の多さに興味を示している様子だった。
 <先生方の感想>
 ▼和食についてカラーで分かりやすく見やすく作られていてとても良かった
 ▼授業の最後に、福神漬を配りましたが、実際に教材の中にある福神漬をもらえるとわかるとすごい喜びようでした。今まで、福神漬を知らない、食べたことのない子どもも結構いたので、いい出会いになったと思います。〝甘かったよ〟〝いろんな具材があって並べてみた!〟とうれしそうに話してくれる子が多かったのが印象的でした。普段、あまり語らない子もよくおしゃべりしてました‼(横浜市の小学校)
 ▼児童、保護者どちらからも好評な取組でした。これを機に家庭での食のコミュニケーションが深まる、と直接保護者の方から感想をいただきました。(さいたま市の小学校)
 ▼思っていた以上に興味深かった。他学年もほしい!と声がありました。とても大人気で保護者からも好評でした。(豊島区の小学校)
 ▼福神漬を食べた経験のある児童は、少なく、「本当に美味しいの?」と疑っている様子でした。さっそく家庭で食べた報告も受けました。貴重な経験となった児童もいたかと思います。ありがとうございました。(横浜市立の小学校)
 ▼昨年に引き続いて提供して頂きました。児童、保護者、職員とも喜んでいます。新聞記事になっていたのも読みました。次年度もぜひ続けて下さい。(八王子市の小学校)
【2025(令和7)年2月21日第5187号5面】

三河佃煮協組・豊橋佃志会 子ども食堂へつくだ煮寄贈

 小林理事長(中央左)らがつくだ煮や米を寄贈した
 小袋のつくだ煮も配布された
 つくだ煮おにぎり弁当
つくだ煮おにぎり弁当製作 
【大阪支社】三河佃煮工業協同組合(小林利生理事長)と、その青年部組織である豊橋佃志会(平松大地会長)は1月19日、愛知県豊橋市内の3か所の子ども食堂へ食料支援を行い、豊橋市内の南陽地区市民館で、寄贈品の贈呈式が実施された。
 寄贈された品目は、6種のおにぎり弁当用つくだ煮計900食分(各150食×6種)、米10㎏、4種の小袋入りつくだ煮計340個と節分用の菓子。おにぎり弁当用つくだ煮と米は、子ども食堂のスタッフにより一口サイズの「つくだ煮おにぎり」の材料として活用され、そのおにぎり入りの弁当は、同市民館へ当日訪れた人々へ手渡された。
 小袋入りつくだ煮340個のうち140個ほどがお弁当とともに配布され、残りは、そのほか2か所の子ども食堂で後日、提供された。
 おにぎり用つくだ煮には、ごまあみえび、ちりめん、まぐろ昆布、くるみみそ、チーズの佃煮、大葉ちりめんの6種の中から、4種を一セットにして使用された。小袋では、ごまあみえび、ちりめん、まぐろ昆布、大葉ちりめんが選ばれた。
 本寄贈に際し、三河佃煮工業協同組合の小林理事長は「子ども食堂へのつくだ煮寄贈の取組は3回目となる。過去の寄贈で、今までつくだ煮が苦手だった子が、食べてみて『おいしい、好きになった』と聞き嬉しかった。今回も手応えを感じている」と話し、子ども食堂のスタッフに対し、お弁当製作への謝辞を述べた。
 豊橋佃志会の平松大地会長は「つくだ煮はおにぎりやお弁当で活躍すること、そして三河地域はつくだ煮の名産地であることを、子どもたちにあらためて知ってもらえる良い機会になった」と話した。
 お弁当の製作にあたった、南陽ニコニコ食堂の田邉美奈子代表は「普段、子ども食堂では古米を使うことが多いが、おにぎり用で新米をいただけたことも感謝している」と語った。
 やまぐちさんちのハピネス食堂の山口正慶代表は「子どもたちがお弁当とお菓子を受け取る時に、笑顔を見せていたのが印象的だった。支援の輪が広がることを期待している」とコメントした。
 本寄贈事業は、全調食東海北陸ブロック会の子ども食堂支援事業の一環として行われた。昨今、国内外でおにぎりがブームのため、組合員同士で「新しい発想のつくだ煮おにぎり」をコンセプトに企画が練られ、彩り豊かでバラエティー豊かなおにぎりとそのお弁当が完成した。
【2025(令和7)年2月11日第5186号10面】

<浜食(東京都)> 第50回チャリティーバザー

中村社長(左)と佐藤主任
餅をつく中村社長

地域のイベントとして根付く

 「炉ばた漬」で知られる株式会社浜食(中村秀一郎社長、東京都調布市多摩川)は昨年12月1日、本社敷地内で第50回チャリティーバザーを開催。恒例のチャリティーオークションは今年も行われなかったが、会場には近隣住民を中心に多くの人が訪れた。
 一昨年から復活した飲食コーナーでは焼きそば、焼き鳥、わたがし、つきたての餅が販売。天候不順で高値となっている野菜をはじめ、漬物や調味料がお買い得価格に設定されていたこともあり、どの売場にも人の輪が二重三重にできるほどの賑わいとなった。
 実行委員長を務めた製造部の佐藤裕司主任は、「野菜や漬物がお買い得価格で購入できることを知っている方が多いので、今年は例年よりお客さんの出足が早い。早々に売り切れる野菜もあった」と語った。
 中村社長は、「バザーは社員同士の物々交換から始まり、それに地域の人が加わって開催されるようになった。先代が始めたことだが、今回で50回目を迎えることができ、地域のイベントとして根付いてきたと感じている。これからも続けていきたい」と話した。

バザー収益金を寄付 調布市の福祉施設2団体に

寄付金贈呈式の出席者。左から佐藤主任、中村社長、松野施設長、森山氏
 浜食の中村秀一郎社長とチャリティーバザーの実行委員長を務めた製造部の佐藤裕司主任が昨年12月19日、調布市役所を訪問。同12月1日に同社にて開催した第50回チャリティーバザーの収益金を同市内の特定非営利活動法人「エクセルシア」と児童発達支援・放課後等デイサービス「いっぱい」に贈呈した。金額はそれぞれ26万4692円。
 中村社長は、「全部の施設に寄付すると少額にしかならないが、ある程度絞れればまとまった金額になるので、毎年市に2団体を紹介していただいて寄付させていただいている。過去にはパソコン、エアコン、コピー機などの購入実績がある。今回も有効に使っていただきたい」と述べた。
 贈呈式では中村社長より「エクセルシア」の松野拓真施設長と「いっぱい」の森山由美子氏にそれぞれ寄付金が手渡された。毎年、寄付金の贈呈は調布市役所の福祉課を通して行われており、今年は調布市市議会議員の鈴木宗貴氏、同市福祉保健部参事の風間雄二郎氏らが立ち会った。
【2025(令和7)年1月1日第5183号14面】

浜食

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