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「梅」業界活動2025

南部梅林 先覚者内中翁へ感謝捧ぐ 豊作の期待高まる「遅咲き」

中本会長
山本町長
藁科部長
坂本県議
内中翁に感謝し祈りを捧げる殿畑理事長
 【大阪支社】紀州南高梅の産地として知られる和歌山県みなべ町晩稲の南部梅林にて、先覚者である内中源蔵翁の第60回頌徳慰霊祭が11日に執り行われた。梅林を運営する梅の里観梅協会(中本宏会長)や行政、紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏社長)など梅産業関係者らが多数参列し先人の業績を讃えるとともに感謝を捧げた。
 今年の開花は例年よりやや遅く、この日はまだ一部咲きで、満開となるのは2月中旬の見込み。花が遅咲きの年は実が豊作になる傾向があるため、今年の作柄には期待がかかる。なお、史上最低の凶作となった昨年は1月末には満開となる異常な早咲きだった。
 慰霊祭では、主催者を代表して中本会長が挨拶。「内中翁は貧村だったこの地を開拓し、日本一の梅の里となる礎を築いた。昨年は温暖化による異常に早い開花、雹害や害虫の発生などが重なりかつてない凶作となった。その一方で梅が健康に良いことは世界へ広まりつつあり、世界中から求められる存在になっている。私たちは一人ひとりが困難に向き合い、翁が遺したこの梅の里を未来へ引き継いでいく。どうか見守ってほしい」と表明した。
 続いてみなべ町長の山本秀平氏は「私たちは、内中翁をはじめとする先人が築いた恩恵を享受するばかりでなく、未来へ伝えていかねばならない」と地域が一体となる必要性を訴えた。
 日高振興局地域振興部の藁科智将部長は「今年はみなべ・田辺の梅システムが世界農業遺産に認定されて10周年、また4月から開催される大阪・関西万博では関西パビリオンで、梅の魅力を国内外へ発信する。このチャンスを生かし、梅産業を発展させたい」と意欲を示した。
 県議会議員で、梅システムの世界農業遺産登録に尽力した阪本登議員は「一次産業の発展なくして地域の発展なし、が私の信条。梅は和歌山の最重要産物であり宝物だと考えている。これからは地産外商の時代。梅の機能性は次々と明らかになっているので、世界へ梅の素晴らしさを伝えていこう」と呼びかけた。
 その後も多数の来賓から、和歌山県の基幹産業ともいえる存在となった紀州南高梅ブランドを育てた先人たちへの感謝と、未来へ受け継いでいく決意の言葉が送られた。最後は開経の偈が唱えられる中、梅干しメーカーや生産者、JA、行政など梅に携わる人々が焼香を行った。
 慰霊祭を終え、殿畑理事長は「昨年の凶作のインパクトは凄まじく、我々加工業者だけでなく産地全体が存亡の危機だ。今年が豊作となるよう、内中翁に力添えをお祈りした。今年は万博や世界遺産登録10周年と注目を集める機会があるので、梅の価値を高め、持続可能な産業となるよう模索していかねば」と危機感を持って語った。
【2025(令和7)年2月21日第5187号2面】

「和歌山県農業協同組合」設立 和歌山県内8JAが合併

 和歌山県内各地域の8つの農業協同組合(わかやま、ながみね、紀の里、紀北川上、ありだ、紀州、紀南、みくまの)が4月1日をもって合併し、新たに「和歌山県農業協同組合」(愛称:JAわかやま)を設立する。昨年6月22日に開催された各JAの総代会で承認され、経営基盤を強化し、農業の振興、地域活性化への貢献を目指す。
 都道府県で1つのJAとなるのは全国で7例目。貯金残高1兆8334億円(全国4位)、長期共済保有高3兆1116億円(同5位)、購買品取扱高305億円(同4位)、販売品取扱高560億円(同4位)、組合員数19万2248人(全国3位)、職員数2513人(全国4位)と国内有数の規模となる。
 合併後は、「和歌山県農業協同組合」が被合併組合における一切の権利・義務を承継するとともに、各種事業は全て継続実施する。
【2025(令和7)年2月11日第5186号15面】

紀州みなべ梅干協同組合 感謝捧げる梅供養 新町長と情報交換会も

梅干しと先人を供養した
参列した組合員
 紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏代表理事)は昨年12月5日、日高郡みなべ町の極楽寺で第26回梅供養を執り行った。組合員22名が参列し、梅干しと、梅産業の発展に尽くした先人らへ供養と感謝の思いを捧げた。
 2024年産の紀州梅は平年比3~4割作で過去最低の凶作となった。しかし、先人もまた様々な困難を乗り越えて梅産業が受け継がれてきたことに思いを馳せ、次世代へ繋いでいくことを誓った。
 その後は国民宿舎紀州路みなべへ会場を移し、和歌山労働局職業安定部職業対策課の職員を招き、雇用調整助成金に関する研修会を開催した。
 情報交換会には昨年9月にみなべ町長に就任した山本秀平氏も参加し、梅の原料状況や今後の販売PR方針につき意見交換を行った。
【2025(令和7)年1月11日第5184号7面】
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