『第55回スーパーマーケット・トレードショー2021』 出展追加募集
一般社団法人全国スーパーマーケット協会(横山清会長)は、2021年2月17日(水)、18日(木)、19日(金)に幕張メッセ全館で開催予定の『第55回スーパーマーケット・トレードショー2021』(=SMTS2021)への出展追加募集を行う。
期間は10月12日(月)12:00から、10月16日(金)15:00まで。SMTSサイト上に申込フォームを公開する。
申込社数・小間数を精査した結果に加え、政府からのイベント人数規制緩和の発表もあり、地方地域産品ゾーンを除く全てのゾーンで追加募集が出来る状況となった。なお申込をしても精査の結果、出展不可となる可能性がある。
【2020年10月11日(第5036)号1面】
SMTSサイト http://www.smts.jp/
8万428人が来場 SDGsへの対応目立つ
第54回スーパーマーケット・トレードショー2020(主催:一般社団法人全国スーパーマーケット協会)が2月12日~14日、幕張メッセ全館で開催され、4展示会合同開催の「FOOD TABLE in JAPAN 2020」全体で3日間合計8万428人が来場した。新型コロナウイルスの影響などにより来場者数は昨年比で約1割減となったもの、幕張イベントホールにて初開催された特別企画展「Future Store〝NOW〟2020」など近未来に向けた新たな試みも実施され、今年も3日間通して会場は熱気に包まれた。
今回会場内の展示で目立ったのが、SDGs(持続可能な開発目標)への対応。環境への配慮をテーマに「脱プラスチック」の動きが加速する中、包材メーカー各社では紙素材など環境対応容器を一斉に提案。また、地域への配慮というテーマの下、地産地消を謳う商品も例年以上に多く見られた。
国分グループ本社では、環境や社会問題の解決に貢献できる商品を購入する〝エシカル消費〟への対応として、持続可能な漁場で獲られた「サステナブル・シーフード」を使用したデリカやオーガニックワインなどを紹介した。
また幕張イベントホールで行われた「Future Store〝NOW”」では、〝ViViD MARCHE~人に近づき、寄り添う~〝をテーマに近未来の売場や店舗サービスを展示。野菜が持つ栄養素・フィトケミカルの種類別に野菜が陳列された青果売場や健康状態に即したレシピ提案、切花の鮮度をシール添付により見える化する仕組みなど最新テクノロジーを盛り込みながらも、〝人〟を中心とした温もりのある次世代スーパーマーケットの提案が行われた。
12日の開会式では、実行委員長を務める全国スーパーマーケット協会の横山清会長のほか、「デリカテッセン・トレードショー」「こだわり食品フェア」「外食FOOD TABLE」の各実行委員長、来賓として経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ審議官の島田勘資氏、農林水産省大臣官房審議官兼食料産業局の道野英司氏らが出席、19名によるテープカットで展示会が幕開けした。
冒頭、横山会長は「流通小売業界では変化のスピードが級数的に増えてきている。これまでトレードショーはどちらかというと過去の経験や1年か2年先のトレンド予測を行ってきたが、今回は『Future Store〝NOW〟』で5年先、10年先の近未来に向けた提案を行う。是非、昨年との変化を皆様の目で確かめて頂きたい」と挨拶。
続く来賓祝辞では、島田氏が「人手不足、レジ袋の有料化、食品ロスなど様々な課題があるが、トレードショーに展示されているたくさんの仕組みの中に色々なビジネスチャンスのヒントが隠されていると思う。今回のトレードショーをきっかけに皆様の事業がますます発展していくことを願っている」、道野氏が「暖冬で野菜がたくさんあふれており、農林水産省では野菜の消費拡大に力を入れている。日本人の野菜摂取量はなかなか目標に達しないが、様々なプロジェクトを展開しているのでご協力をお願いしたい」とそれぞれ話した。開会後は、横山会長を始めとした開会式の登壇者が「Future Store〝NOW〟」会場内を視察。各ブースの説明を聞きながら熱心に回った。
今回会場内の展示で目立ったのが、SDGs(持続可能な開発目標)への対応。環境への配慮をテーマに「脱プラスチック」の動きが加速する中、包材メーカー各社では紙素材など環境対応容器を一斉に提案。また、地域への配慮というテーマの下、地産地消を謳う商品も例年以上に多く見られた。
国分グループ本社では、環境や社会問題の解決に貢献できる商品を購入する〝エシカル消費〟への対応として、持続可能な漁場で獲られた「サステナブル・シーフード」を使用したデリカやオーガニックワインなどを紹介した。
また幕張イベントホールで行われた「Future Store〝NOW”」では、〝ViViD MARCHE~人に近づき、寄り添う~〝をテーマに近未来の売場や店舗サービスを展示。野菜が持つ栄養素・フィトケミカルの種類別に野菜が陳列された青果売場や健康状態に即したレシピ提案、切花の鮮度をシール添付により見える化する仕組みなど最新テクノロジーを盛り込みながらも、〝人〟を中心とした温もりのある次世代スーパーマーケットの提案が行われた。
12日の開会式では、実行委員長を務める全国スーパーマーケット協会の横山清会長のほか、「デリカテッセン・トレードショー」「こだわり食品フェア」「外食FOOD TABLE」の各実行委員長、来賓として経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ審議官の島田勘資氏、農林水産省大臣官房審議官兼食料産業局の道野英司氏らが出席、19名によるテープカットで展示会が幕開けした。
冒頭、横山会長は「流通小売業界では変化のスピードが級数的に増えてきている。これまでトレードショーはどちらかというと過去の経験や1年か2年先のトレンド予測を行ってきたが、今回は『Future Store〝NOW〟』で5年先、10年先の近未来に向けた提案を行う。是非、昨年との変化を皆様の目で確かめて頂きたい」と挨拶。
続く来賓祝辞では、島田氏が「人手不足、レジ袋の有料化、食品ロスなど様々な課題があるが、トレードショーに展示されているたくさんの仕組みの中に色々なビジネスチャンスのヒントが隠されていると思う。今回のトレードショーをきっかけに皆様の事業がますます発展していくことを願っている」、道野氏が「暖冬で野菜がたくさんあふれており、農林水産省では野菜の消費拡大に力を入れている。日本人の野菜摂取量はなかなか目標に達しないが、様々なプロジェクトを展開しているのでご協力をお願いしたい」とそれぞれ話した。開会後は、横山会長を始めとした開会式の登壇者が「Future Store〝NOW〟」会場内を視察。各ブースの説明を聞きながら熱心に回った。
横山会長が講演
『100年時代の小売業』
セミナーステージでは12日、SMTS2020実行委員長で一般社団法人全国スーパーマーケット協会会長の横山清氏の講演会『SMTSスピークス「100年時代の小売業」~勝利するのは誰か?~』が開催された。
横山会長は冒頭、自身が今年5月で85歳になることを明かし、「100歳まであと15年。周りに100歳以上の方がたくさんいらっしゃる人生100年時代をどう生きていくか。企業も今までと全く違う生き方をしていかなければならない」と今回のスピークスのテーマを「100年時代の小売業」とした理由について説明した。
小売業を始めて59年目になることに触れ、業界に入ったきっかけや林周二氏の著書『流通革命』から影響を受けたこと、協会やトレードショーの歴史を振り返り、「半世紀近くこの仕事をして、最も歴史のあるスーパーマーケット団体の会長を10年以上務めさせて頂いていることも皆様のおかげ。自分以外の人達のお力をお借りして今日がある」と謝意を示した。
続いて自身が今年元旦に記した年頭所感を紹介。他の人々の幸福を重点とする〝利他心”を持ち、先端技術を培い〝全体最適の社会”を目指し、皆の力と心を合わせ〝協働〟することの必要性を説き、「お客様第一主義を掲げている中で、生産性向上などを主張しているが、結局自分たちの都合でやっていないか。人手不足だからといってロボットを使い店舗を無人化することがいいのか、それがお客様を本当に大切にしていることになるのか考えなければならない」と指摘した。
また、世界的に一握りの人や会社が国を越えて経済を支配するような力を持つようになってきていることを懸念し、「これからは大きな格差社会や独占的な政治社会を作ってはいけない」と語った。
消費税増税については、「平成元年(1989年)の消費税導入は食品スーパーに大きな影響を与えた。1997年の5%への増税も山一証券や北海道拓殖銀行の破綻に繋がるなど増税の度に大変なことが起きてきた。今回は第3回目の増税。株価は上がってはいるものの警戒しながら業界の在り方を考えていかなければならない」とした。
直近の話題として、大手CVSやネットスーパーの最新動向を紹介し、「この3年間で業界は大きく変化するだろう。力を合わせてしっかりとやっていく」と決意を示し、デジタル化に関しては「今の店舗は全て無くなるわけではない。オンラインとオフラインを駆使して、少しずつ新しい時代のスーパーマーケットになっていくのではないか」と推測した。
最後に、アメリカのSMチェーンであるパブリックス社で社長を務めたマーク・C・オリス氏から20年前に贈られた「生き残りとは、あなたの姿勢の反映である」という言葉を紹介。「消費者の需要が激変するという脅威はあるが、消費者の需要がなくなるわけではない。その需要に応える体制を作っていくことが重要。協会も新しい時代に即応した取り組みを確実にスピード感を持って進めていく」と話し講演を結んだ。
横山会長は冒頭、自身が今年5月で85歳になることを明かし、「100歳まであと15年。周りに100歳以上の方がたくさんいらっしゃる人生100年時代をどう生きていくか。企業も今までと全く違う生き方をしていかなければならない」と今回のスピークスのテーマを「100年時代の小売業」とした理由について説明した。
小売業を始めて59年目になることに触れ、業界に入ったきっかけや林周二氏の著書『流通革命』から影響を受けたこと、協会やトレードショーの歴史を振り返り、「半世紀近くこの仕事をして、最も歴史のあるスーパーマーケット団体の会長を10年以上務めさせて頂いていることも皆様のおかげ。自分以外の人達のお力をお借りして今日がある」と謝意を示した。
続いて自身が今年元旦に記した年頭所感を紹介。他の人々の幸福を重点とする〝利他心”を持ち、先端技術を培い〝全体最適の社会”を目指し、皆の力と心を合わせ〝協働〟することの必要性を説き、「お客様第一主義を掲げている中で、生産性向上などを主張しているが、結局自分たちの都合でやっていないか。人手不足だからといってロボットを使い店舗を無人化することがいいのか、それがお客様を本当に大切にしていることになるのか考えなければならない」と指摘した。
また、世界的に一握りの人や会社が国を越えて経済を支配するような力を持つようになってきていることを懸念し、「これからは大きな格差社会や独占的な政治社会を作ってはいけない」と語った。
消費税増税については、「平成元年(1989年)の消費税導入は食品スーパーに大きな影響を与えた。1997年の5%への増税も山一証券や北海道拓殖銀行の破綻に繋がるなど増税の度に大変なことが起きてきた。今回は第3回目の増税。株価は上がってはいるものの警戒しながら業界の在り方を考えていかなければならない」とした。
直近の話題として、大手CVSやネットスーパーの最新動向を紹介し、「この3年間で業界は大きく変化するだろう。力を合わせてしっかりとやっていく」と決意を示し、デジタル化に関しては「今の店舗は全て無くなるわけではない。オンラインとオフラインを駆使して、少しずつ新しい時代のスーパーマーケットになっていくのではないか」と推測した。
最後に、アメリカのSMチェーンであるパブリックス社で社長を務めたマーク・C・オリス氏から20年前に贈られた「生き残りとは、あなたの姿勢の反映である」という言葉を紹介。「消費者の需要が激変するという脅威はあるが、消費者の需要がなくなるわけではない。その需要に応える体制を作っていくことが重要。協会も新しい時代に即応した取り組みを確実にスピード感を持って進めていく」と話し講演を結んだ。
【2020(令和2)年2月17日第5011号4・6面】