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特別会員 株式会社五味商店 千葉県

全国から厳選した商品を紹介する「こだわりの食品問屋」

<企業紹介> 株式会社五味商店

こだわり商品展示会(2024年)

消費者の本物志向が高まる中、全国から厳選した「こだわり商品」を紹介する食品問屋が株式会社五味商店。同社では、「安全安心」「美味しい」「本物」「健康」という4つの視点で商品をセレクト。地域産品やオーガニック製品など素材や製法にこだわった食品を取り揃えている。

 取り扱いアイテム数は、全国1500社の約20000点。その大多数を占めるのが地方の中小零細企業だ。高品質なものづくりを行いながらも売場を持てない地方メーカーが多い一方で、売場側は地域性の高い商材を求めている。この両者の橋渡し役を担い、地域商材を表舞台に送り出すのが同社の役割といえる。最近では、地方自治体や中小企業基盤整備機構との連携が進み、さらに魅力的な商品が集まっている。

『スーパーマーケット・トレードショー2024』の「こだわり商品コーナー」

 毎年2月に開催される『スーパーマーケット・トレードショー』における「こだわり商品コーナー」、7月に開催される「こだわり商品展示会」は、それぞれ100社以上のメーカーが出展する一大イベントとして知られ、有名百貨店や高質スーパーのバイヤーらを中心に、本物志向のアイテムや地域性の強い商品を求める来場者で賑わいをみせる。

 近年、同社が取り扱う「こだわり商品」の活躍の場は、衣料品店や家具屋・生活雑貨店・本屋・花屋など食品以外の分野にまで幅広く広がっている。モノではなく自分に対する投資に積極的なミレニアルズ(1980年~1999年頃に生まれた世代)のライフスタイルの質を向上させたいというニーズを捉えており、非食品市場の広がりは中小企業にとって新しい存在価値となっている。
 また最近では、農協の直営店舗に「こだわり商品」を納入する流れがある。各地の農作物直売所では生鮮品については地元農家から仕入れられるが、加工品の品揃えに課題を持つ店舗も多い。五味商店が商品納入に加え、棚割りや従業員教育もサポートすることにより売場を変革していこうというプロジェクトが進んでいる。
 足元では、節約するモノとお金をかけるモノを明確に使い分ける”消費の二極化”の流れも強まっており、売場で付加価値提案ができる「こだわり商品」の市場はさらに活性化している。

<寺谷社長の思い>

寺谷社長
寺谷社長

 同社の寺谷社長は、「簡単便利な食文化が根付くことで、古くから続いてきた伝統的な食文化が失われつつある」と懸念する。しかし、ここにきて流れが変わってきた。時間をかけてじっくりと熟成させた醤油や、添加物を使用せず素材の味を丁寧に引き出した加工食品など手間暇かけてつくられたモノへの理解が進んでいる。

 また、若者でも本格的なダシをとるなど、より本物の味を求める人が増えてきた。その背景には、健康志向や安全安心への意識の高まりと共に、インターネットの普及により、個人が自分好みの食品を選択できるようになったことがあるという。今後は、社会の中心層となっていくミレニアルズの消費形態に対応し、モノからコトへと価値発信の基準を変えていくことの大切さを指摘する。

SMTS2024「こだわり商品コーナー」出展者で

 近年、”サステナブル”がキーワードとなる時代の到来により、消費者の価値観が大きく変化し、健康性に加え、社会や環境に貢献することで得られる精神的な満足感も求められるようになっている。「日本には精進料理のように、サステナブルな要素が多分に含まれている食文化があり、伝統食にとっても、その価値を改めて訴求していくことがチャンスに繋がっていく」と語る。

 毎日の食卓が無添加製品など健康的な食品に変われば、国民の健康寿命が伸び将来的な社会保障費の削減にもつながる。日本の伝統的な食文化を継承し、日本人の健康を守る。寺谷社長の思いは少しずつ日本の食卓を変えている。

 寺谷社長は、「我々の目的は、出展者の皆様の販路拡大だけでなく、地元で工場を建てたり、雇用を増やしてもらうことにより、それぞれの地域の活性化につながること。それを目指して、引き続き行政と連携して取り組んでいきたい」と地域振興への強い思いを語る。

<企業情報>

会社株式会社 五味商店
代表
代表取締役 寺谷 健治
創業1931年3月1日(昭和6年)
業務内容農水産加工品卸、小売業
住所(本社)〒270-1151 千葉県我孫子市本町3丁目4番32号
電話(代表)
04-7183-7700
FAX04-7183-7710
HPhttp://www.5-3.co.jp/index.html
メール
 

第19回こだわり商品展示会 過去最高の約550名来場

寺谷社長
第19回こだわり商品展示会
日本のいいもの再発見コーナー
 株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は7月24日、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第19回こだわり商品展示会」を開催した。
 同展示会には、全国各地から110社が出展、会場には過去最高となる約550名のバイヤーや関係者らが来場した。今回は北陸新幹線の開業で注目を集める福井県からも7社が出展。来場者には新たなこだわり商品との出会いの場となった。 
 会場内に設けられた「日本のいいもの再発見コーナー」では、「伝統を今使う」「ごはんはソウルフード」「小さなおもてなし」「素材を感じる菓子」の4つのテーマで、全国各地の伝統的な調味料やご飯のお供、こだわりの菓子などを紹介。煎り酒やみそたまり、赤かぶ漬け、金山寺味噌など様々な発酵食品が勢揃いした。会場内のブースでは、漬物や佃煮、煮豆、納豆、豆腐といった伝統食の他、調味料やスイーツなどの提案が行われた。
 五味商店の寺谷社長は「今年もたくさんの方にご来場いただき感謝したい。質の高いバイヤーさんが多く来場し、商談が順調に進んでいる。消費の二極化が進む中、こだわり商品に強いニーズがあり、他に売っていない商品を探しているバイヤーさんが多いことが印象的だった」と話した。 
 主な出展者と注目商品は次の通り(順不同)。▼山豊(広島県):ほかほかご飯と混ぜるだけでおにぎりが完成する「むすとも」。新商品「本漬広島菜」▼春月(長野県):秘伝の蜜を使用した新商品「おたふく みつ豆」▼ヤマク食品(徳島県):大豆あんを使用した新商品「スイートポテト風大豆プリン」▼全国スーパーマーケット協会(東京都):小売業や流通業関係者の知識と技術の向上を目的とした検定試験「S検」▼マルヤマ食品(東京都):「【桃×梅】ももうめ」や「ぺたんこちょび梅」▼稲垣来三郎匠(長野県):「霜月野沢菜」や「クリームチーズ味噌漬」▼國松本店(愛知県):140年の歴史を持つ豊橋名産「濱納豆」▼マルアイ食品(東京都):「ぬか風味スライスたくあん(VEGAN)」▼原田商店(長野県):長野県諏訪市特産のかりんを使用した「花梨エキス」▼羽二重豆腐(石川県):卵・小麦・乳不使用の「がんもドーナツ」▼小田原屋(福島県):さっぱり大根にゆず香る新商品「ゆずべったら」▼大栄食品(新潟県):「棒だら煮」や「魚沼わらび醤油漬」
【2024(令和6)年8月1日第5169号15面】

第19回こだわり商品展示会 7月24日に浜松町で開催

寺谷社長
昨年開催された「第18回こだわり商品展示会」
 「安全安心」「美味しい」「本物」「健康」といったテーマで全国から厳選した“こだわり食品”を有名百貨店や高質スーパーなどに納入する株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は、7月24日に東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第19回こだわり商品展示会」を開催する。同社では3月決算の売上高が前年比104%となり増収を達成。消費の二極化が顕著になる中で、こだわり商品への注目度はこれまで以上に高まっている。寺谷健治社長に今回の見どころや現在の消費動向について聞いた。(藤井大碁)
‐19回目の展示会開催となる。 
 「今回の出展者数は前年並の110社、新規出展者数は32社となる。行政関係の出展が引き続き多いことが特徴で、今回は北陸新幹線が開業し注目を集めている福井県から7社が出展する。毎回好評の“営業マン イチ押しコーナー”では、『日本のいいもの再発見』をテーマに、発酵食品や菓子など、素材や製法にこだわった日本の良いものを丁寧に紹介する。消費の二極化の流れの中、1000円以上する高単価商品にも強いニーズがあり、そうしたものを取り揃える予定だ」
‐発酵食品の提案にも力を入れる。
 「木桶で作られた味噌や醤油は、このままいくと無くなってしまう。発酵食品の良さをお客様と共に理解し、その価値を伝えていくことも我々流通の役割だ。近年、日本の伝統文化に興味を寄せる外国人は大勢いる。外国人には日本の基礎調味料“さしすせそ”の価値が分かるのに日本人には分からないという時代になってきた。こうした時代に改めて伝統食の価値を提案していくことは極めて重要だ」
‐昨年の展示会は過去最高の来場者数を記録した。
 「消費の二極化が進む中、こだわり商品に強いニーズがある。時代の変化はめまぐるしく、今、何が売れているかを探しに来る来場者の方も多い。現在はリアルとネットの競争だが、我々は、見て、触って、感じて買ってもらうという商売の原点を大切にしたい。展示会はまさに人と人の交流の場、今回も出展者は良い商品を作っているメーカーばかりなので、その熱い思いを会場で感じてほしい」
‐3月決算について。
 「売上は前年比約4%増となった。前期はコロナ5類移行に伴う人流増加や夏場の猛暑の影響により、売上が前年を下回る時期もあったが、暑さがおさまった秋以降は売上が回復し、年明けも順調に推移した。コロナ禍の巣ごもり需要を経て、外食ではなく家で美味しいものを食べるというライフスタイルが定着している。また前述の通り、消費の二極化が強まっていることもこだわり商品市場にとって追い風となっている」
‐販売チャネルの変化。
 「雑貨系の市場が引き続き大きく伸長している。雑貨店の他にも、書店や家電量販店など様々な非食品店からの引き合いが多い。こうした店舗では、こだわり食品を品揃えすることが集客に繋がっており、導入店舗が増加している」
‐特に売れている商品。
 「最近は地方の菓子が良く売れている。コロナ禍によって、箱物土産の需要が無くなった。その代わりに、自分へのご褒美のため、個人が自分の欲しいものを買うという環境に変化した。この変化に対応できた菓子メーカーは、土産物から日常品へシフトすることにより成功している。具体的には、既存品のパッケージや量目のリニューアル、添加物を使用しないことによる安全安心の訴求などを行うことで、消費者ニーズを捉えている」
‐五味商店の役割。
 「我々は、無名の商品の価値を市場に伝え、最終的にはそれを消費者に伝えていく導火線のような役割を担っている。売れているものを集めているわけではないので、パッケージや中身、量目などを時代ニーズにすり合わせていくダイヤモンドの原石を磨くような作業が必要になる。商品によりけりだが、こうした作業を経て、売れるようになるまでには時間がかかる。だが手間をかけて商品を育てていくことが大切だと考えている。最終目標は、メーカーが地元で工場を建てたり、雇用を増やしたりすることで、それぞれの地域の活性化に貢献してもらうこと。それを目指し行政と一緒に取り組んでいる」
‐今後について。
 「消費者の可処分所得は増えていないため、二極化の流れは引き続き強まると見ている。テレビでは物価上昇のニュースばかりが流れ、それを見ていると節約しないといけないという気分になるのは当然だ。一方で、コロナ禍を経て個人の金融資産は過去最高を更新したというデータもある。こうした状況を鑑みると、財布の紐は固いが、財布の中にはたくさんお金が入っているとも言える。この紐をいかにしてほどいてもらうかが、我々の腕の見せ所だ。そのためには、ヘルシー、ビューティー、オシャレなど消費者それぞれが持つニーズに寄り添い、ライフスタイルに沿った価値提案ができるかがポイントではないか」
【2024(令和6)年7月1日第5167号3面】

五味商店 「第18回こだわり商品展示会」開催

寺谷社長
第18回こだわり商品展示会
営業マンイチ押しコーナー
 株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は7月19日、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第18回こだわり商品展示会」を開催した。同展示会には、全国各地から107社が出展、会場には過去最高となる約550名のバイヤーや関係者らが来場した。
 近年、こだわり商品の販路は雑貨店や書店など非食品市場にも拡大しており、会場には食品以外のバイヤーも多数来場、新たなこだわり商品との出会いを求めて、大勢の来場者で賑わった。
 同社が今、注目の商品を紹介する「営業マンイチ押しコーナー」では、『昭和レトロ』『タイパ』『瓶物生活』『五味商店の売れ筋・オススメ商品』といった4つのテーマで商品を紹介。手軽に本格メニューが作れる調味料や厳選食材を使用した瓶詰など、現在の消費者ニーズを捉えた注目商品が並んだ。
 会場内では、漬物や佃煮、煮豆といった伝統食の他、地域食材を使用した調味料を提案するメーカーが多かった。沖縄の島豆腐のオリーブ漬や仙台麩のラスクなど、伝統食を使用した新たな提案も目立っていた。
 五味商店の寺谷社長は「今年もたくさんの方にご来場いただき感謝したい。初出展メーカーからも大きな反響があったと感謝の言葉をいただいた。我々の目的は、出展者の皆様の販路拡大だけでなく、地元で工場を建てたり、雇用を増やしてもらうことにより、それぞれの地域の活性化につながること。それを目指して、引き続き行政と連携して取り組んでいきたい」と話した。
 主な出展者と注目商品は次の通り。▼山豊(広島県):ほかほかご飯と混ぜるだけでおにぎりが完成する『むすとも』。広島菜など5種をラインナップ▼春月(長野県):定番の『おたふく豆』や『うぐいす豆』。南信州秘境の味『天女魚の甘露煮』▼佃食品(石川県):特製の和風だしで仕上げた新商品『和風だしくるみ』▼ヤマク食品(徳島県):『大豆プリン』や『バーニャカウダ風ソース』▼小田原屋(福島県):『チーズ味噌漬』など瓶詰製品や『べったら漬』▼共栄食糧(香川県):『食べるオリーブオイル』など瓶詰商品▼尾鷲金盛丸(三重県):無洗米、だし汁、具材がセットになった本格キャンプ飯『尾鷲マグロ飯』▼岩崎産業(鹿児島県):鹿児島県産の大粒のらっきょうを使用した『酢らっきょう』▼大瀬勇商店(三重県):『かつお生節』や『生節オリーブ』▼大栄食品(新潟県)『野沢菜油炒め』や『わらび醤油漬』▼柚りっ子(徳島県):地元ゆずと厳選食材使用の『丸ごとだし木頭ゆずぽん酢』
【2023(令和5)年8月11日第5137号16面】

第18回こだわり商品展示会 7月19日に浜松町で開催

 「安全安心」「美味しい」「本物」「健康」といったテーマにおいて、全国から厳選した“こだわり食品”を有名百貨店や高質スーパーなどに納入する株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は、7月19日に東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第18回こだわり商品展示会」を開催する。コロナ禍により3年ぶりの開催となった昨年の展示会には、過去最高となる約400名のバイヤーや関係者らが来場し、個々のブースでは内容の濃い商談が行われた。食品の値上げが続く中、付加価値提案は大きなテーマとなっており、こだわり食品への注目度は上昇している。寺谷健治社長に今回の見どころや現在の消費動向について聞いた。(藤井大碁)
‐18回目の展示会開催となる。 
 「今回の展示会には107社が出展、このうち34社が新規出展となる。毎回ご好評頂いている“営業マン イチ押しコーナー”では『昭和レトロ』『タイパ』『瓶もの生活』『五味商店のヒット商品』といった4つのテーマで商品を紹介する。今回も会場で新たな商品との出会いがあると思うので是非ご来場頂きたい」
‐こだわり商品の動き。
 「商品によりけりだが、値上げの影響は比較的少なく、堅調な動きを示している。物価上昇により可処分所得が減少する中、節約できるものは徹底的に節約し、自分の好きなものにお金を使う“メリハリ消費”が浸透している。毎日の生活の中で、味噌汁や出汁など普段使いするものは特に美味しいものを食べたいという傾向が強くなっている。あらゆるものが値上がりしているが、食べ物に関しては一度美味しいものを食べてしまうと、品質を下げることが難しく、以前の食生活に戻れなくなるという側面もある。高すぎるものは売れないが、高くても大容量で一食あたりの単価が安ければ売れる。消費者は賢くなっており、しっかりと単価を計算し、お得だと分かれば購入するのも最近の傾向だ」
‐特に好調な商品は。  
 「今回イチ押しコーナーのテーマの一つにもなっている“瓶もの製品”は、手軽で美味しいという特徴が改めて評価され、コロナ下で冷凍食品と共に伸長したカテゴリーだ。特に、高付加価値の瓶もの製品が人気を集めている。今回の展示会にも出展するキッコーマンこころダイニングの『サクサクしょうゆアーモンド』は高単価だが今までになかった新しい味わいが好評で良く売れている。展示会では他にも様々な高付加価値の瓶もの製品をご紹介する」
‐3月決算について。
 「近年、こだわり商品への支持が広がったことで、売上は年々上昇を続けてきたが、前期は百貨店の閉店などの影響で、売上は前年比2%減となった。雑貨店などの非食品市場は引き続き堅調だ。食品を品揃えすることで集客に繋がっており、導入店舗が増加している。また最近では、農協の直営店舗にこだわり商品を納入する流れがある。各地の農作物直売所では生鮮品については地元農家から仕入れられるが、加工品の品揃えに課題を持つ店舗も多い。弊社が商品納入に加え、棚割りや従業員教育もサポートすることにより売場を変革していこうというプロジェクトが進んでいる。現在は神奈川、和歌山の店舗に納入しており、今後は全国の店舗へ広がっていく予定だ」
‐現在の消費者ニーズ。 
「コロナでお金を使わなかった分、個人資産は増加傾向にあるが、将来への不安があり、使いたくないと考える人が多い。そうした中、売場では、どういう価値を提案すれば、財布からお金を出してもらえるか、という攻防戦が続いている。現在、“毎日食べるものは美味しいものが食べたい”というニーズがあることは確かで、そのニーズに沿って、価値のある製品を提案していく必要がある」
‐売場の変化。
 「百貨店の売場が減少し、その分、百貨店のオンラインショップにシフトしている。スーパーは、老舗スーパーや地域スーパーが苦戦しており、チェーンごとの格差が広がっている。こだわり商品の売行きは堅調だが、スーパー自体の商品開発のレベルが上がったことで、高質スーパーの優位性が薄まっている。品質の良い商品をただ並べるだけでは生き残れなくなってきた。だが、厳しい環境下で、売上が二桁伸びている地域スーパーもある。新しい食材や価値ある商品を発掘し、POPやSNSなどで、その商品価値を伝えることが大切で、それができている店舗は伸びている。今後、人口減少が進む中、今何をしていかなければならないか。価値は時代と共に変わっていく。いつの時代もその価値を捉え、時代に合った売場づくりを行っていくことが求められている」
【2023(令和5)年6月26日第5132号3面】

「こだわり商品展示会」 7月19日に浜松町で

 株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は7月19日、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第18回こだわり商品展示会」を開催する。
 今回も「安全安心」「美味しい」「本物」「健康」といったテーマで全国から魅力あふれる「こだわり食品」が大集合する。
 なおコロナ禍の影響により3年ぶりの開催となった昨年の展示会には、全国各地から111社が出展、会場には過去最高となる約400名のバイヤーや関係者らが来場した。
【会期】2023年7月19日(水)10時~16時30分、【会場】東京都立産業貿易センター浜松町館2F

2月11日号 SMTS特別インタビュー

株式会社五味商店 代表取締役社長 寺谷健治氏

過去最多140社が出展
『冷凍食品』『全国銘菓』コーナーも

『スーパーマーケット・トレードショー2023』(2月15日~17日・幕張メッセ)において、全国から厳選した食品を紹介する株式会社五味商店(千葉県我孫子市)の「こだわり商品コーナー」(会場9ホール)は今回で24回目の出展となる。スーパーマーケット・トレードショーの出展者代表委員も務める五味商店の寺谷健治社長に、今回の見どころや現在の消費トレンドについて聞いた。(藤井大碁)
  ◇    ◇
――今回の見どころ。
 「今回の出展者数は昨年より32社多い140社で、過去最多となる。ブース面積も前回より広がる。全国商工会連合会から新規で20社が出展するなど新規出展者も39社あり、今回もたくさんの発見をして頂けると思う。ブース内では、夏の展示会の際にバイヤーさんから要望が多かった『冷凍食品』と『全国銘菓』のコーナーを展開する。今、一番有益な情報をタイムリーに提案することで、来て良かったと思って頂けるブース作りを行っている」
――足元の状況。
 「3月決算は前年並の売上を見込んでいる。コロナ下の3年間で売上は上昇を続けてきたが、ピークは過ぎ、昨年夏以降は動きが落ち着いてきている。だが引き続きこだわり商品へのニーズは高止まりしている。様々な物が値上がりし、節約志向が強まっているが、自分の欲しいものにはしっかりとお金を払う〝メリハリ消費〟が定着した。こうした消費者ニーズに対応していけば、まだまだ売上が伸ばせると考えている」
――消費者トレンド。
 「現在、出展者の皆様に出品をお願いしているのは〝サステナブル”や〝SDGs〟の要素を持つ商品だ。時代の変化や、世代による価値観の違いもあり、価値のある商品は十人十色になっている。これまでのような大きな市場はシュリンクし、今後は細分化した市場への対応が求められる。美味しさや安全安心が商品の絶対条件だとすれば、サステナブルやSDGsといった要素は必要条件と言える。だがZ世代のように、そうした価値観に基づいて商品を選択する人たちが増えてきている。また、甘すぎる商品も時代が変わり受け入れられなくなってきている。減塩、添加物や砂糖の不使用等素材を生かした薄味への変化が求められている」
――新しい売場。
 「ある農協の直営店舗では、弊社から商品を卸すようになり、商品単価が1割以上上昇し、全体の売上も伸長した。各地の農作物直売所では生鮮品については地元農家から仕入れられるが、加工品の品揃えに課題を持つ店舗もある。この部分を弊社が補うことで売上増に貢献できる事例が出てきている。近年、食品を取り扱う雑貨店が増え、売り先が広がっているが、まだまだこうした新しい売り先を開拓できると考えている」
――食品メーカーにとって厳しい環境が続いている。
 「様々なコスト増により、経営のプロでないと生き残るのが難しい時代になっている。前述の通り、消費者ニーズは多様化しており〝付加価値のある市場〟は確かに存在する。だが、その市場にあった商品を作り、販売していくためには、経営力・販売力・商品力といった3つの力が必要で、どれかが欠けても競争に勝てない。この中で一番大切なのは経営力を磨くことだ。そのために、経営者のマインドを外向きに変えていく作業が必要で、トレードショーへの出展はその一つのステップとなる。昨年初めて出展した事業者は、経営者が新しい世界を見てやる気になり、新工場を建設することになった。新工場ができれば、雇用が生まれ、地域活性化につながる。弊社の目標はこうしたケースを1つでも多く作っていくことだ」
――今後の見通し。
 「時代の変化は早いが、〝人間が生活の豊かさを求めること〟はいつの時代も変わらない。その豊かさは時代と共に変化し、サステナブルやSDGsといった自然との共生という価値観が広がっている。豊かな生活をしたいというのは、人間の本質的なものであり、それがある限りは、我々の商品を供給することで喜んで頂けるのではないか」
【2023(令和5)年2月11日第5119号5面】

株式会社五味商店

五味商店「こだわり商品展示会」

寺谷社長

営業マン イチ押しコーナー

第17回こだわり商品展示会
過去最高の約400名が来場
 株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は7月20日、東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第17回こだわり商品展示会」を開催した。
 コロナ禍の影響により2019年以来3年ぶりの開催となった同展示会には、全国各地から111社が出展、会場には過去最高となる約400名のバイヤーや関係者らが来場し、食品値上げが続く中、“価値”の提案ができる「こだわり商品」への注目度の高さが垣間見えた。
 同社が今、注目の商品を紹介する「営業マン イチ押しコーナー」では、“サスティナブル”や“ブラッシュアップ”というテーマで商品をセレクト。サスティナブルでは、包材に植物性プラスチックを使用した商品や、アニマルウェルフェアに配慮した商品、ブラッシュアップでは、五味商店との取組によりお客様目線でパッケージや味わいを改良した商品が並んだ。
 会場内では、簡便性や健康性、個食化といった現在のニーズに沿って、醤油や味噌、漬物や佃煮といった伝統食を提案するメーカーが多かった。また地域の伝統野菜を使用した地域性に富んだ商品や、個食化に対応する少量パックの商品も目立った。
 五味商店の寺谷社長は「コロナ感染状況が悪化する中、どれだけの方に来て頂けるか不安があったが、結果的にたくさんの方にご来場頂き感謝している。出展者も来場者もリアルの展示会の開催を待ち望んでおり、その期待感を強く感じる場となった。様々なコストが上昇し、価格での差別化が難しくなる中、今回は特に品質やストーリー性といった付加価値のある商品を求めている方が多かったのではないか」と話した。
 主な出展者と注目商品は次の通り。▼中園久太郎商店(鹿児島県):漬物グランプリ2022地域特産品特別賞受賞の鹿児島伝統「ミニ山川漬」、▼山豊(広島県):広島菜ゆかり®入りや広島菜カレー、▼平松食品(愛知県):『骨付き炙りサーモン 黒胡椒味』など「Teriyaki Fish(テリヤキ・フィッシュ)」シリーズ、▼丸昌稲垣(長野県):「信州しま瓜粕漬スライス」や「クリームチーズの味噌漬」、▼春月(長野県):定番のおたふく豆や天女魚甘露煮、▼佃食品(石川県):佃煮の二色カップシリーズ「二味好日」、▼キムフーズ(長野県):「熟成中辛キムチ」など本格発酵熟成キムチ、▼ハコショウ食品工業(岩手県):保存に便利なチャックタイプの漬物シリーズ、▼マル伊商店(愛知県):愛知県産生炊きしらすや生炊きえび、▼小田原屋(福島県):クラフトコーラベースやジンジャーエールベース、▼尾鷲金盛丸(三重県):重量25キロ以上の国産メバチマグロを使用した「まぐろの角煮」
【2022(令和4)年8月1日第5101号11面】

五味商店(千葉県) 第17回こだわり商品展示会 7月20日に浜松町で開催

 「安全安心」「美味しい」「本物」「健康」といったテーマで全国から厳選した“こだわり食品”を有名百貨店や高質スーパーなどに納入する株式会社五味商店(寺谷健治社長、千葉県我孫子市)は、7月20日に東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館にて「第17回こだわり商品展示会」を開催する。コロナ禍の影響により同展示会の開催は2019年以来3年ぶりとなる。寺谷健治社長に今回の見どころや消費動向の変化について聞いた。
(藤井大碁)
―こだわり食品の動き。
 「おかげ様で好調に推移している。3月決算は売上が前期比2桁増で着地した。今年のゴールデンウイークは外出制限が解除されたこともあり苦戦すると予想していたが、売上は落ち込むことなく、4月・5月も前年比105%と伸長している。コロナ禍でお金を使う機会が少なく、個人所得は減っているが個人資産は増えている。旅行や外食などにお金を使わない分、ちょっぴり贅沢なこだわり食品へのニーズは高まり、食に対する価値基準が変わった。食べ物に関しては一度美味しいものを食べてしまうと、品質を下げることが難しく、以前の食生活に戻れなくなるという側面もある。それが4月・5月に売上が減少しなかった理由ではないだろうか。値上げが続いている中での、売上増に驚いている」
―消費動向について。
 「節約できるところは徹底的に節約し、自分が食べたいものは少し贅沢しても食べるという消費形態が浸透している。十人十色の考え方であれば、可処分所得が減る中で、こだわり食品の需要がシュリンクしていくと考えられるが、今の消費スタイルは”一人十色”と言えるもので、消費者の一人ひとりが、節約と贅沢を両立するようになったと推測している」
―どのような販路が伸びているか。
 「特に雑貨店向けの売上が伸びている。近年、食品を取り扱う雑貨店が増えており、売り先が広がっている。こうした店舗では、アフターコロナに向け、ネットとリアルの激しい競争が予想される中、リアル店舗に呼び込むための仕掛けとしてこだわり食品の品揃えに力を入れている。また価格より品質を重視するスーパーマーケットも増えてきており、そうした店舗へのこだわり食品の納入も増えつつある」
―「こだわり商品展示会」の開催は3年ぶりとなる。
 「来場者も出展企業もリアル開催を待ち望んでいる。2月のスーパーマーケット・トレードショーも、首都圏からは来られたが、地方からは来られなかった方も多く、久しぶりに全国から多くの方に来てもらえる展示会になる。今回は会場が東京駅の丸ビルから浜松町の産業貿易センターに変更となり、新しい会場で皆様の来場をお待ちしている」
―今回の見どころ。
 「行政との取組に注目してほしい。111社が出展する中、三重県の尾鷲市や鹿児島県の指宿市など、我々と行政のコラボは、中小企業基盤整備機構のブースも含めると約30社に及ぶ。地方の人口減少が進む中、”地産外商”は地方の食品メーカーの重要なテーマとなっている。だが、そのために何をしていいか分からない、という経営者は多く、首都圏で市場を開拓するための手段として、我々を使ってもらう。まずは、地元でしか商売をしていなかった事業者が、展示会に出展することで、県外にも市場があるということを肌で感じてほしい。経営者のマインドを外向きに変えることが、我々の最初の目標だ。最終的なゴールは、首都圏に販路を広げることで売上を拡大し、製造ラインや工場の増設に繋げること。それにより地元の雇用を拡大し、地域活性化に繋げていく。既に展示会出展者にこうした成功事例があり、今後も行政と一体となり取り組んでいく」
―今後について。
 「県民割りなどが始まり人の流れが活発になっており、内食需要は減少していくと思うが、前述したような消費形態の変化もあり、ライフスタイルがコロナ前に戻ることは考えられない。美味しいものを食べたいというのは、人間の求める生理的な欲求の一つなので、それを満たすだけの商品をしっかり供給していく。また供給するだけでなく、その商品の価値をどのように料理すれば生かせるか、というところまで落とし込んで提案していくことが大切だと考えている」
【2022(令和4)年7月1日第5098号8面】
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