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全国調理食品工業協同組合 2019

7月8日号 青年交流会北海道大会

岩田理事長
菊池特別顧問
竹山北海道ブロック会会長
函館山にて参加者一同で
30年の歴史振り返る 
青年交流会北海道大会に70名
 
第30回調理食品青年交流会北海道大会(脇裕輝実行委員長=脇商事社長)が2019年7月2~3日、函館市内にて開催された。
今回の大会テーマは『あゆみ出そう最初の一歩』。かつて〝北海道第一歩の地〟と言われた北海道道南地区にて、青年交流会30年の歴史を振り返りながら新たな一歩を踏み出そうというテーマの下、全国から70余名が集い業界の未来について語り合った。
調理食品青年交流会の北海道開催は、第6回(1994年札幌)、第15回(2004年札幌)、第23回(2012年函館)に次いで今回が4回目となる。毎回趣向を凝らした演出で参加者に驚きと感動を与えてきた北海道大会であるが、今回も主幹となった北海道調理食品協同組合のメンバーを中心とした企画運営により、第30回という節目にふさわしい記憶に残る大会となった。
大会会場となったのは函館山山頂の「イベントホール クレモナ」。脇実行委員長の開会宣言に続き、来賓として挨拶に立った全国調理食品工業協同組合の岩田功理事長は、30年前に青年交流会がスタートした当時の話を紹介。創設メンバーとして企画立案を進めていく中、交流会の自主性を保つため、全調食の傘下ではなく独立した組織として運営を行っていくよう決めたことを振り返り、「当番となる各主催地域が自由に企画運営できるよう自主性を一番に重んじた。その想いが受け入れられたからこそ、30回という長い歴史がつくられてきたのではないか」と話した。
第30回調理食品青年交流会北海道大会
続く講演会では2014年全国最年少町長(当時29歳)に就任した江差(えさし)町長の照井誉之介氏が「小さなまちの大きな挑戦」というテーマで講演(別掲)、講演会後には函館山から交流会会場となる函館国際ホテルにバスで移動した。
交流会では来賓として全調食の菊池幸特別顧問が挨拶。当日講演を行った照井江差町長との出会いなどについて語った。竹山寛北海道ブロック会会長による乾杯発声の後、会場では江差町発祥の民謡〝江差追分〟が披露され、ホタテやニシンといった北海道産品がふんだんに使われた料理と共に交流会を盛り上げた。
終盤には今回30回目の開催を迎えた調理食品青年交流会の直近15回の歴史を振り返るメモリアルVTRの放映が行われた。VTRをプロデュースした竹山ブロック会会長のナレーションと共に映し出された当時の貴重な映像は、参加者の記憶を呼び覚まし、会場は感動に包まれた。
脇実行委員長から次回東京大会の笈川大会会長に法被が引き継がれた
竹山ブロック会会長は近年の青年交流会について分析。「15年を振り返り、改めて〝主催者にまかせて自由な運営を行う〟という運営方法がマンネリ化を防ぎ、会を成功に導いてきた大きな要因になっていることが分かった。この会には時代に即した自浄作用、自己修正機能も十分に働いており、思いっきりやりたいことをやってほしいと思う。多少大胆なことをしても、次の開催地がちゃんと逆方向に振ってくれる。それが何十年、何百年に渡って伝統を守ってきた調理食品業界に生きる皆さんの真面目さでありひたむきさなのではないか」と話した。
交流会はクライマックスとなる法被の引き継ぎセレモニーへ。次回開催地である東京のメンバーが登壇し、脇実行委員長より東京大会の笈川陽平大会会長(フードネットワーク関東代表)に法被が引き継がれた。笈川大会会長は「東京大会は来年9月15日に浅草で開催させて頂く。大変歴史のある大会、今回の北海道大会と同じように素晴らしい大会に出来るよう頑張ります」と呼びかけた。
閉会の挨拶に立った脇実行委員長は「青年交流会は参加して頂く皆さんの交流はもちろんだが、もう一つは企画する側の団結を目的としているのではないだろうか。東京、豊橋と交流会は続いていく。初めて取り仕切る方たちはプレッシャーが重いと思うが、大会を任された時に初めて気付くことがある。一度はその経験をするべきだと思う」と御礼の言葉を述べ、第30回大会は大きな拍手と共に幕を閉じた。
江差町長・照井氏
 

 
江差町長・照井氏が講演  小さなまちの大きな挑戦
講演会では2014年全国最年少町長(当時29歳)に就任した江差(えさし)町長の照井誉之介氏が「小さなまちの大きな挑戦」というテーマで講演を行った。照井氏は東京生まれ横浜育ち、早稲田大学政治経済学部に進学し地方の過疎化に問題意識を持った。卒業後に北海道新聞社に就職し、記者として札幌、江差、帯広で勤務した。
三年間赴任した江差に大きな魅力を感じ、29歳の時に周りの反対を押し切り会社を辞めて江差町長に立候補、大方の予想を裏切り見事当選を果たした。照井氏は人口約8000人という小さい町である江差町が消滅可能性都市といわれていること、人口減少のペースを緩めるために、観光と地域産品の売り込みに力を入れていることを紹介。顔が見える町民一体となった町づくりを行い、不幸ゼロの町を目標に自殺者や虐待、交通事故などを無くす取り組みを説明した。
 また新たな取り組みを実行する際に周囲から大きな反発が起きることに触れ、「挑戦しないことには次の一歩は踏み出せない。周囲の反発に屈することなく、新しいことにチャレンジしてほしい」と熱いメッセージを送った。
【2019(令和元)年7月8日第4985号1、3面】
 

全調食東海北陸ブロック会 香港研修

平松会長
〝グローバル化する食〟体感
JETRO香港や現地スーパー視察

全調食東海北陸ブロック会(平松賢介会長)は2019年2月19日~21日、香港視察研修会を実施した。日本の農林水産物・食品の国別輸出額ランキングで14年連続1位となっている香港はまさに日本食輸出のモデル国。期間中はJETRO香港で現地のトレンドや商品開発のヒントを学ぶと共に、平松会長が代表を務める愛知県食品輸出研究会の取組みを視察、グローバル化する食産業の今を体感した。
19日早朝に中部国際空港を飛び立った一行は昼過ぎに香港に到着。バスでJETRO香港に向かった。JETRO香港では、市場開拓部海外コーディネーター(農林水産・食品分野)の彦坂久美子氏の出迎えを受け、最新の香港の動向や食事情に関してレクチャーを受けた。
ホテルチェックイン後、ワンチャイの「滿福樓ダイナスティレストラン」にて夕食。滿福樓は今香港で話題の中華料理店で、干しナマコなどこだわりの食材を使用した味わいに舌鼓を打った。
20日は現地スーパーマーケットを視察。ウエルカム、香港そごう、ジェイソンズ、シティスーパー、アピタ、イオンといったローカル系・日系の幅広い小売店を見学、日本食の品揃えや各店の特徴をチェックした。
その後、平松会長が代表を務める愛知県食品輸出研究会が主催する愛知の食材のPRイベント「名古屋めし香港スタイル商談会」の会場に足を運び、その取組みを視察。翌21日昼過ぎの便で帰国の途に就いた。
平松会長は研修最終日の挨拶で「香港は日本食がどんどん広がっていく変化の早いマーケット。今回の研修が刺激になり、皆さんの中に変化が芽生えることを願っている。今後もいろいろな可能性のある事業をやりたいと考えており、その結果をつくだ煮業界にフィードバックしていきたい。こうした取組みをブロック会でも続けていき、皆様のお役に立てればと考えている」と述べた。
香港研修会参加者は次の通り(名簿順、敬称略)。平松賢介(平松食品)、松岡宗之介(玉三屋食品)、岩田功(岩田食品)、古川定容(新川食品)、渡邉正宣(マルワ)、東崎孝一(小松屋食品)、加藤英敏(カネハツ食品)、酒井幸太郎(ミノカン)、平松大地(平松食品)、松田和敏(松田屋)、清水英訓(カクニンベンうさぎ屋食品)、水谷誠志(貝新物産)、報道2社。
【2019(平成31)年3月4日第4969号6面】
 
全国調理食品工業協同組合(協会の概要) http://zenchoshoku.or.jp/info/?page_id=24
JETRO香港にて
シティスーパーにて
香港の食トレンド学ぶ
JETRO香港では、市場開拓部海外コーディネーター(農林水産・食品分野)の彦坂久美子氏の出迎えを受け、最新の香港の動向や食事情に関してレクチャーを受けた。説明の概要は次の通り。
香港では、2014年に一人当たりの名目GDPが日本を逆転。がむしゃらに稼ぐことから生活をより豊かにすることへ関心の対象が移っている。東京都の半分の面積に740万人の人口が暮らし、年間6000万人が中国を中心とした国々から香港へやって来ているため人口密度が高い。そのため、人気の飲食店では1日あたり10回転する店舗もあり、香港では回転数×客単価といったビジネスの考え方が重要である。
現在のキーワードはチェンジ。高速鉄道が出来て香港から深圳まで15分ほどで行けるようになった。広州も通勤圏内になり、中国大陸から人がたくさん来るようになっている。香港そごうは、現状2店舗が営業中。3店舗目は2020年開業、4店舗目の予定もある。情報を集めて、皆様が納品できるようサポートをしていきたい。
近年、デリバリーの下支えもあり中食ビジネスの伸びが顕著になっている。人口が密集していることや、香港人のせっかちな国民性に対応していることが支持されている要因。焼きそば、チャーハン、ぶっかけご飯のほか、焼物やサラダやおかずの一品となるお惣菜系も豊富で、どこのスーパーもここに力点を置いている。
香港は、ものづくりではなくサービス産業が多くGDPのうちの9割を占める。しかし、食品工場が全く無いわけではなく、中国大陸の人々にとってメイド・イン・香港は一つのブランド。オイスターソース、インスタントラーメン、月餅などの食品工場は右肩上がりで伸びている。また、最近はこうした業者が日本製の原料を仕入れる傾向が出てきている。
2018年と2008年を比べると訪日香港人数は10年で約4倍に増加。1人で年間8~9回行く人もいる。何かをすることで思い出をつくる〝コト消費〟の傾向が強い。訪日香港人の増加により、本物の日本料理が食べたいというニーズが出てきている。
日本料理の店舗数は全体の7・8%で外国籍料理店では一番多い。金額ベースでは中華料理が全体の3分の1を占めるが、日本料理も増えてきている。ウエルカムスーパーでは、2017年から日本の鶏卵が販売されている。チーズや調味料、お茶も日本製が揃う。以前は日本食の品揃えが多い特別なスーパーに行かなければ買えなかったものが、ローカルスーパーで購入できるようになってきている。
香港市場攻略の決め手は、価格・おいしさ・他にはないおもしろさの3つ。少し頑張れば手に入る価格に収めること、香港人向けに佃煮の食べ方を提案するなどこちらの人が美味しいと感じてもらえるように調整すること、他にはない面白さや仕掛けをつくることも大切になっている。香港のキーワードはカスタマイズで、自分だけのオリジナルを求めている。
香港の人はなぜ美味しいのか頭で考える傾向がある。舌触りが滑らか、喉越しが良いなど、その理由が何なのかを知りたがる。そのため、こだわりの製法などをアピールし、その美味しさを裏付けることが必要になっている。
香港はアジアのショーケースと呼ばれ、香港内だけでなく、中国大陸、シンガポール、フィリピン、タイなどアジア市場にも波及効果がある。香港では、ディストリビューターが商品を買い在庫を預からない限り流通しないため、ディストリビューターにどう自社製品の魅力を訴えるかが重要になる。
香港の最新動向を学んだ
名古屋めし香港スタイル商談会
愛知県食品輸出研究会のメンバーで
名古屋めし商談会
愛知県の食を香港で発信

平松食品の平松賢介社長が会長を務める愛知県食品輸出研究会は2019年2月20日、香港の中国料理店・富嘉閣にて「JAPANブランド事業 名古屋めし香港スタイル商談会」を開催した。
同研究会は愛知県の食を世界に発信することを目的に平成23年に設立された団体。経済産業省が推進するJAPANブランド育成支援事業に採択され、愛知の食を〝サムライ・キュイジーヌ〟として世界にPRしている。発足当時の会員企業は13社だったが、現在は43社と大幅に会員数を拡大、海外展示会への出展などを主に活動している。
今回のイベント「名古屋めし商談会」は研究会会員の商品を食材として現地のシェフに調理してもらい関係者にPRするもので、今年1月にはニューヨークでも同様のイベントを開催、香港では今回が4回目の実施となった。
当日は香港のディストリビューターや飲食店関係者のほか、在香港日本国総領事館首席領事の廣田司氏など来賓も多数出席。総勢70名が参加し、香港を代表するグルメシェフ4名が愛知県食材を使用したスペシャルメニューを披露した。
なお全調食東海北陸ブロック会のメンバーもオブザーバーとして参加、会場の熱気に身を包んだ。
「TERIYAKI‐FISH jelly」のアレンジメニュー
イベント冒頭、廣田主席領事は「日本国総領事館としては、日本と香港の良い関係をさらに後押しすべく、本日のように日本の食材をもっと中華に使って頂く取り組み、日本食・和食の普及、シェフの育成といったところで協力していきたい」と挨拶。
続いて、平松会長は「愛知県には今から400年前、伝説的な武将が3人生まれた。この長年の歴史がある愛知県の食材を〝サムライ・キュイジーヌ〟として世界に広めたいと考えている。本日は楽しんで頂きたい」と挨拶した。
会場には平松食品を始めとした会員9社がブースを出展。つくだ煮や名古屋コーチン、きしめん、八丁味噌といった愛知県食材が並び、各食材を有名シェフが調理した。
平松食品のジュレ風佃煮「TERIYAKI‐FISH jelly」は香港で活躍する日本料理シェフの佐藤直行氏により、広東風のパンに乗せた香港スタイルのメニューにアレンジされ、好評を博した。
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