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漬物グランプリ2024

<漬物グランプリ2024> 雄勝野きむらやがグランプリ

漬物グランプリ2024の表彰式(法人の部)
準GPは東海漬物と遠藤食品
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は4月27日、「漬物グランプリ2024」の法人の部及び個人の部・学生の部の結果を東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された第17回ホビークッキングフェア2024内の「漬物グランプリ2024」特設ステージで発表。株式会社雄勝野きむらや(木村吉伸社長、秋田県湯沢市)の「みずの実っこ」がグランプリに輝き、農林水産大臣賞を受賞した。準グランプリ(農林水産省大臣官房長賞)は浅漬・キムチ部門が東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)のねぎ塩だれきゃべつ漬、本漬部門が遠藤食品株式会社(遠藤栄一社長、栃木県佐野市)の「国産しょうがフレーク」が受賞。地域特産品特別賞は株式会社山豊(山本千曲社長、広島県広島市)の「広島菜ごはん あなご」、一般審査員特別賞は堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市)の「みずなす漬 レモン」が受賞。上記4賞以外の9作品は金賞が確定した。
 また、個人の部では、渡辺恭利さん(神奈川県)の「湘南大根の鵠沼魚醤漬け」、昨年に続いて2度目の開催となる学生の部は末式朋生さん(立命館大)の「シャキシャキ荏胡麻キムチ漬」がグランプリに輝いた。
 法人の部の「本漬部門」と「浅漬・キムチ部門」の2部門にエントリーされた計112作品の頂点に立ったのは、「いぶりがっこ」の最大手でもある雄勝野きむらやの「みずの実っこ」。新入社員で営業販売部渉外担当の加藤美空さんと決勝大会当日のプレゼンに臨んだ同社の木村社長は、「まさかグランプリに選ばれるとは思っていなかった。改めて素材の力の大きさを感じた」と受賞の喜びを語った。
 「みずの実っこ」は、東北地方を中心に古くから食されている山菜で「みず(ウワバミソウ)」の葉の基部に着生するみずの実を使用。「お山のネックレス」とも呼ばれる数珠状に連なるみずの実は、日本カモシカの大好物としても知られ、高級珍味としても重宝されている。その希少なみずの実の風味や食感を生かすため、シンプルな味付けに仕上げた。独特の歯ごたえと噛んだ時に少し粘りがあるのが特徴。原料の希少性や特産性は、今回の決勝大会でも際立つ存在だった。
来場者による一般審査
全漬連ブースの漬物試食コーナー
 審査委員長の宮尾茂雄氏は総評で、「学生の部の応募が増えてありがたいと思っている。今後も拡大していくことを期待している。全体を通して見ると、廃棄する素材や地元野菜を利用するなど、SDGsをコンセプトにした作品が多かった。法人の部についても地元の生産物を利用した作品が多かった。また、これまでの漬物と異なって食べ方や素材の工夫が見られた。グランプリを受賞した『みずの実』は私も知らなかったのだが、ネックレスのビーズがつながっているような形状で見た目も良く、味も美味しかった。このような地域に根差した食文化はまだまだ残っているので、絶えないように継続されることを願っている」と目を細めた。
 個人の部と学生の部で審査委員を務めた全漬連の中園会長は、「今年も多くの素晴らしい作品を応募していただき、感謝している。昨年からスタートした学生の部の応募は3倍も増えた。地域の産物や独特の作り方、SDGsの要素など色々な角度から漬物を作っていただいている。これからもそれぞれの地域で漬物の価値を広めていただき、賞を受賞された方もされなかった方も引き続き漬物に携わっていただきたい」と漬物文化の継承を願った。
 後援の農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課課長補佐の二井敬司氏は、「昨年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて10年の節目を迎えた。漬物は和食に欠かせないもので、和食とのつながりを今後さらに強めていただきたい」とエールを送った。
 特設会場の全漬連ブースでは漬物の試食販売が行われ、東北から九州まで45種類、約2000品が完売。2019年以来、5年ぶりに実施した試食には連日長蛇の列ができるなど、好評を博した。その様子は指摘されている「漬物を食べない」、「漬物離れ」という言葉からは想像できないものだった。
 人流の回復で多くの来場者が訪れ、成功裏に終わった漬物グランプリ。今年は特に地域性がクローズアップされた結果となり、日本が世界に誇る和食、漬物の食文化の価値を改めて示す形となった。
 法人の部の表彰式の模様は、食料新聞フェイスブック公式ページ「おいしい新聞 食料新聞社Ⓡ」(https://www.facebook.com/syokuryou/)に動画をアップしている。
【漬物グランプリ2024審査委員】
 ▼審査委員長:宮尾茂雄(東京家政大学大学院客員教授)▼審査委員:桶矢茂守(有限会社セレンティブ)▼原田ひ香(小説家)▼松岡寛樹(高崎健康福祉大学教授)▼堺谷徹宏(グルマン・ゴーズ・トゥ・トウキョウ株式会社代表取締役)▼武藤麻実子(日本食糧新聞社新製品事業部月刊食品新製品トレンド編集長)▼中園雅治(全日本漬物協同組合連合会会長、個人の部、学生の部のみ)
(敬称略)

個人・学生の部も各賞決定 SDGsのコンセプト作品多数 

個人の部 入賞者
 漬物グランプリ個人の部では、家庭レシピならではの地方色豊かな逸品が勢揃いし、審査を通過した5品が決勝大会に進出した。
 グランプリに輝いたのは渡辺恭利さん(神奈川県)の「湘南大根の鵠沼魚醤漬け」。地元産・湘南大根をSDGsの観点から、本来なら捨てられてしまう葉や皮の部分も使用し、異なる3つの食感が特長だ。
 また、調味料も地元の鵠沼で獲れるいわしの魚醤を使用し、地域や農家への愛情を表現した。渡辺さんは「地元の農家さんへの思いを形にできた。来年も出品し、連覇を狙いたい」と力強くコメントした。
 その他、準グランプリには甲斐千津さん(佐賀県)の「きんかん爽やか漬け」、審査委員特別賞には片山智子さん(香川県)の「桜香るさくら漬け」が選ばれた。
学生の部 入賞者
 昨年から新設され、今年で2回目を迎えた学生の部は、若きクリエイターの個性的な漬物が集結し、7品(1品辞退)が決勝大会に進出した。
 グランプリに輝いたのは松下朋生さん(立命館大学)の「シャキシャキ荏胡麻キムチ漬」。松下さんは大学のゼミで、京都南部の農地で野菜を生産し、加工した漬物を地元の商店街で販売する活動を行っている。
 栽培した荏胡麻(エゴマ)から油を搾取しているが、その際に葉の部分は廃棄される。それを有効活用できないかと、荏胡麻の風味が生きるキムチ漬けに加工。女性や子供にも美味しく食べられるよう、辛味を抑えた味付けにした。
 松下さんは「荏胡麻を自分たちで栽培し、農家との関わりの中で葉が捨てられるのはもったいないと、ゼミ生全員でどうしたら有効活用できるか考えて応募した。このような一番良い賞をいただけてびっくりしている」とコメントした。
 準グランプリには山本智寛さん(北海道更別農業高等学校)の「更別村原産金時豆酢を使った白菜とスモモの甘酢漬け」、審査委員特別賞には藤澤愛椰佳さん(長野県南安曇農業高校)の「廃棄物を救う!信州蕎麦ぬか漬け」が選ばれた。
 受賞した作品は、地元産の野菜で健康性の高い食材を使ったり、廃棄される部分が「もったいない」というSDGsの観点から作られたものが目立った。
【2024(令和6)年5月1日第5161号1,2面】


【法人の部】グランプリ(本漬部門)

雄勝野きむらや みずの実っこ

みずの実っこ
独特の歯ごたえとネバリが特徴
 昭和38年創業の株式会社雄勝野きむらや(木村吉伸社長、秋田県湯沢市)は、焚き木干し沢庵「いぶりがっこ」の最大手メーカーとして知られている。
 秋田県の特産漬物として知られる「いぶり大根漬」。現在では同社が1964年に発売したいぶり漬けの商標“いぶりがっこ”の名が全国的に浸透、秋田を代表する漬物として広く親しまれるようになった。漬物グランプリ2024において、同社の「みずの実っこ」の金賞以上の受賞が確定した。「ミズ(ウワバミソウ)」とは、東北地方を中心に古くから食されている山菜。シャキシャキとみずみずしい歯ごたえが特徴で、茎はおひたしや汁物などの料理に使用される。
 「みずの実っこ」は、9月上旬頃から、葉の基部に着生するミズの実を使用した漬物。数珠状に連なるミズの実は、日本カモシカの大好物としても知られ、高級珍味としても重宝されている。独特の歯ごたえと噛み込んだ時に少しネバリがあるのが特徴だ。
 同社では、地元の清廉な沢に自生するミズの実を醤油で漬け込み、約30年前から「みずの実っこ」として販売している。 
 木村社長は「風味や食感を生かすため、あえてあっさりとした漬け具合に仕上げている。今回の受賞を機に、いぶりがっこ以外の秋田漬物を知ってもらう機会になれば嬉しい」と話す。
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】

漬物グランプリインタビュー

株式会社雄勝野きむらや 代表取締役 木村吉伸氏

『みずの実っこ』が漬物GP
秋田漬物文化の価値向上へ
 漬物グランプリ2024「法人の部」において、グランプリに輝き、農林水産大臣賞を受賞したのが株式会社雄勝野きむらや(木村吉伸社長、秋田県湯沢市)の『みずの実っこ』。秋田県では初のグランプリ受賞となり、東北の漬物メーカーとしては2017年に青森県の有限会社いしたが『あんず梅(しそ巻)』で受賞して以来、7年ぶりの快挙となった。秋田県漬物協同組合の理事長を務める木村社長は今回の受賞が秋田の漬物文化全体の価値向上につながることを期待したいと語った。

‐『みずの実っこ』が日本一の漬物に輝いた。
 「もともと秋田県の夏の風物詩であり9月から10月初旬のほんのわずかな時期にしかとれない珍味である〝みずの実〟を、できるだけ長い期間食卓で楽しんでもらうことを目的に、約30年前に弊社が初めて漬物として商品化した製品だ。みずの実の美味しさは、秋田県民なら誰もが知るものだが、なかなか手に入らないため、県内の農産物直売所などで販売されれば、すぐに売り切れてしまう人気の山菜だ。近年は、異常気象による高温障害や、クマ被害が増えているために収穫のため山に入る人が減ったことなどにより、さらにその希少性が増している。今回のグランプリにおいて、秋田の郷土食であるみずの実の素朴で自然な味わいをご評価頂いたことに心より感謝したい」
‐5年前に味わいをリニューアルした。
 「素材自体の味わいを楽しんでもらうため、漬物でありながら極力控えめな味付けに変更した。みずの実は、秋田ではおひたしや浅漬けとして食べるのが最も人気のある食べ方であり、その味わいに近い素朴な醤油漬に仕上げている。みずの実を使用した漬物としては、みずの茎や他の食材と混ぜた漬物もあるが、『みずの実っこ』は、100%みずの実を原料として使用しているため、みずの実の風味や噛み込んだ時の粘りをダイレクトに楽しんでもらえる特長がある」
‐原料確保が難しくなっている。
 「みずの実は、もともと希少な山菜であるが、近年は山菜の採り手の高齢化や前述の通りクマ被害の増加、異常気象による高温障害等により、収穫量が減少している。今回のグランプリ受賞を機に、様々な地域の課題に向き合いながら、看板商品の一つとして原料の価値が伝わる商品製造・販売に取り組んでいきたい」
‐秋田の漬物と言えば、いぶりがっこのイメージが強い。
 「近年、いぶりがっこの知名度が上昇し全国的な人気を博するようになった。それは大変有難いことであるが、県内には他にも魅力的な漬物がたくさんある。今回グランプリを受賞した『みずの実っこ』の他にも、菊を使用した県南地区伝承の漬物『花ずし』や、大根のこうじ漬け『なた漬』など個性豊かで魅力的な秋田漬物が揃っている。今回の受賞を良い機会として、全国へと発信していけたらと思う」
‐「みずの実っこ」と共に漬物グランプリ2024に出品した「なた漬」は銀賞を受賞した。
 「厚刃のナタで大根をひび割れさせながら削り、米こうじを主体に加えて重石を乗せて漬け込んだ『なた漬』も、県内では人気の高い漬物だ。是非、この機会にその美味しさを味わって頂きたい」
‐最後に。
 「漬物グランプリ決勝大会のプレゼンテーションは、とても緊張したが楽しむことができた。商品をどう売り込むか、ということについて改めて勉強させてもらう良い機会になった。今回のグランプリ受賞を社員・関係者一同、大変喜んでおり、今後の地域活性化にもつながると考えている。『みずの実っこ』という地域性の高い漬物が受賞したことにより、いぶりがっこ以外の秋田漬物にも光が当たり、秋田県の漬物文化全体の価値向上につながることを期待したい」
(東京本社・藤井大碁)
【2024(令和6)年5月11日第5162号3面】

【法人の部】準グランプリ(本漬部門)

遠藤食品 機能性表示食品「国産しょうがフレーク」

国産しょうがフレーク
「国産しょうがフレーク」を使用した炊き込みご飯
業務用がりのトップシェアを誇り、『新がり』、『新がり完成品』の商標登録並びに全国鮨組合の指定商社として広く知られている遠藤食品株式会社(遠藤栄一社長、栃木県佐野市下彦間町)。業務用から市販用まで、「しょうがを食卓に…」のコンセプトでこだわりの生姜製品を提供している。
 同社において2品目の機能性表示食品となる「国産しょうがフレーク」が本漬部門で金賞以上の受賞が確定した。同商品は昨年の漬物グランプリ2023にもエントリーして銀賞を受賞。その後、機能性表示食品としての届出が完了してリニューアルし、パッケージも一新して再チャレンジを行った。
 パッケージに「機能性表示食品」と表記して機能性を訴求できることで付加価値を高めることに成功。決勝大会に進出する全13作品の中では唯一の機能性表示食品として見事に金賞以上の受賞が決まった。コロナを経て健康志向がより高まる中、野菜の中でも健康的なイメージが持たれている生姜の強みをさらに増したアイテムとして多くの関心を集めそうだ。
 同商品は細かく刻んだ生姜を二段熟成(さいしこみ)醤油で漬け込み、ご飯に良く合う味に仕上げた。フレーク状のみじん切りタイプのため、トッピングとして様々な料理に乗せることができる他、具材として混ぜ込むこともできる。
 ご飯はもちろん、納豆、豆腐、麺、肉料理、魚料理など多くの素材やメニューとの相性が良く、料理の味を引き立てる。幅広い用途で利用できるため、冷蔵庫にあれば多くの食シーンで活躍する一品だ。
 同社のオススメレシピは、「国産しょうがフレーク」を使用した炊き込みご飯。作り方は、お米2合に1袋、液ごと加えてそのまま炊くだけ。内容量は100g(業務用規格500g)で賞味期限は90日(常温)。
生姜は古くから漢方や香辛料に使用され、一般的にも体に良い食材として広く認識されているが、商品・パッケージにおいて生姜の良さを発信できない、というもどかしさを長年持ち続けていた。
 だが、機能性表示食品としての届出完了後は健康機能性に関する表記が可能となり、その価値は確実に高まっている。夏はエアコンによる「冷え」に悩む人も多く、冬だけではなく夏にもオススメなぽかぽかアイテムとして提案している。
【届出内容】
 商品:国産しょうがフレーク
 届出番号:I25
 届出内容:本品には、ショウガ由来ポリフェノールが含まれています。ショウガ由来ポリフェノールには気温や室温が低い条件下において、手の指先のような末梢部の体温を維持する機能があることが報告されています。
 一日摂取目安量:10g(小さじ2~3杯程度)
 機能性関与成分:ショウガ由来ポリフェノール3・07㎎
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】 

遠藤食品

【法人の部】準グランプリ(浅漬・キムチ部門)

東海漬物 「ねぎ塩だれきゃべつ漬」

ねぎ塩だれきゃべつ漬
おかずになる新感覚の浅漬
東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)では、今年3月に発売した「ねぎ塩だれきゃべつ漬」が浅漬・キムチ部門で金賞以上の受賞が決定した。
 新感覚の浅漬「野菜そうざいシリーズ」(関東地区限定)として発売された「ねぎ塩だれきゃべつ漬」は、きゃべつ・ねぎ・人参・にら・大豆ミートに旨みたっぷりのタレを絡めた浅漬。きゃべつと相性の良い香味野菜のねぎやにらの香りと旨みがアクセントになっており、仕上げにごま油を混ぜ込むことで、食欲そそる味わいに仕上がっている。
 食べ応えのある一品で、そのままおかずの1品として食べられるのはもちろん、焼きそばに絡めたり、豚肉などと一緒に炒めることで、ご飯に合うおかずとして美味しく食べられる。内容量は180gで賞味期間は16日。発売エリアは関東地区。
 製造工場の所沢工場は、食品安全システム「FSSC22000」認証取得工場。「FSSC22000」の規格に則ったHACCP管理を徹底して行い、安全な製品を生産している。
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】  

東海漬物

【法人の部】地域特産品特別賞(本漬部門)

山豊「広島菜ごはん あなご」

広島菜ごはん あなご
広島菜本漬と焼きあなごの相性が抜群
 株式会社山豊(山本千曲社長、広島市安佐南区)は漬物グランプリ上位常連の広島菜漬専門メーカー。今年は「広島菜ごはん あなご」が本漬部門で金賞以上の受賞を確実にした。
 「広島菜ごはん あなご」は、広島菜の本漬と、瀬戸内海のあなごを組み合わせた混ぜご飯の素(白米2合用)。包装デザインは白と水色を基調に、広島菜や瀬戸内海の可愛らしいイラストをあしらったもの。広島土産として、女性人気の高い商品となっている。
 開発したのは企画開発課の佐々木理恵課長を中心とした女性チームだ。佐々木氏は「漬物に馴染みがない方が増えている中で、まずは手に取りやすい混ぜご飯の素として開発し、デザインも通常の漬物とは全くの別路線にした。あなごご飯の素は他社でも発売されているが、当社は広島菜漬を主役にしているのが珍しいところ」と話す。
 広島菜の特徴はシャキシャキとした歯ごたえと、ほんのりと辛みがあること。同社はその広島菜を収穫後すばやく工場へ運び込んで塩を振り、乳酸発酵させる。数カ月にわたって熟成させることで出来上がる本漬は複雑な旨みを醸し出すようになる。
 この広島菜本漬と、甘口の醤油に付けて香ばしく焼き上げたあなごの相性が抜群だ。ご飯2合に混ぜ込めば、ふっくらしたあなごと、歯切れ良い広島菜漬のコントラストが心地よく、何杯でも食べられるような混ぜご飯が出来上がる。
 なお姉妹品として「広島菜ごはん ちりめん」も発売している。瀬戸内海産のちりめんを用いており、こちらは塩味であっさりとした味付けに仕上げている。
 また同社は、漬物グランプリでの金賞受賞は今回で7度目。これまでの受賞作品は順に、①べったら漬風の大根を広島菜で巻いた「粽菜(ちまきな)はつね」、②地元佃煮メーカー・ヒロツクとコラボした「こもち昆布入り広島菜」、③きゅうりの漬物とチーズを広島菜で巻いたダブル発酵食品の「ちーず粽菜」、④地元企業の三島食品とコラボした「広島菜 ゆかり®入り」、⑤胡瓜と合わせ心地よい食感が楽しめる「ぱりぱり広島菜」、⑥広島菜漬をパスタソースにした「広島菜パスタソース さらっとトマト」。
 これら商品は広島菜本漬の食べ方提案ともなっており、広島菜漬そのものの魅力発信にも繋がる商品だ。
【2024(令和6)年4月21日第5159号7面】



【法人の部】一般審査員特別賞(浅漬・キムチ部門)

堺共同漬物「みずなす漬レモン」

みずなす漬レモン
泉北地域のレモンを使った
 堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市中区)は、ローカル漬物だったみずなす漬を全国の味に育てた先駆者的存在。今回の漬物グランプリでも「みずなす漬レモン」が最終審査に進出。金賞以上を確定させた。
 使用するのは泉北地域(堺市周辺)で栽培されたレモン。平成27年に「泉北をレモンの街にしよう」と住民主導で始まったまちおこしプロジェクトが、今では皮まで使える安全安心なレモンとして特産ブランド化を目指す動きにまで発展している。地元企業としてこれを得意のみずなす漬を通じて応援したいとの思いから「みずなす漬レモン」を開発した。
 同社のみずなす漬は、皮が薄く、柔らかでジューシーな果肉からりんごのような甘みを持つみずなすそのものの魅力を最大限引き出すため、あっさりとした薄塩味に漬け込んでいる。そこへレモンの爽やかな酸味と香りが加わることで、より夏にぴったりな味わいに仕上がった。
 みずなす漬は現在も市場規模を拡大し続けている数少ない漬物だ。
 林野社長は「決して安くはなく、健康効果をアピールしてきたわけでもない。とにかく美味しいという一点だけで、あっという間に全国へ広まった」と話す。
 関西以外では「みずなす漬レモン」のような調味浅漬タイプが主力となり、導入先を広げている。
 関西では「みずなすぬか漬」の人気が根強い。みずなすを丸ごとぬかで包んでおり、袋の中で熟成が進み味わいを変えていく。はじめはみずなすのフレッシュな味わいが強いが、賞味期限が近づくにつれてぬか漬の塩気や香ばしい風味が浸透していく。自分好みの日数を見つけるのも楽しい、みずなす独特の形態だ。
 原料状況としては、3月末から気温が高くなりはじめ、5月の大型連休や母の日のギフトシーズンには十分な量が確保できる見通し。「みずなす漬レモン」の活躍にも期待がかかる。
 同社がここ数年注力しているのが、フードロス削減へ消費者とともに取り組むことだ。「SDGsへの関心は想像以上に高まっている。我々作り手側がフードロス削減に本気で取り組んでいることを伝えれば、それに応えてくれる方は大勢いる」と林野社長は話す。
 皮が薄く柔らかい点が魅力のみずなすだが、それは少しの風雨でも傷つきやすい繊細な作物ということでもある。同社は、傷がつき浅漬としては使えない原料を「みずなすのしば漬け」として有効活用している。
 このことを生協のチラシで紹介したところ、通常を大きく上回る注文が寄せられた。廃棄されるみずなすを減らせれば自然環境への負担が減り、生産農家の利益にも繋がる。
 みずなす漬のトップメーカーとして、SDGsや、産地全体の発展もリードしていく方針だ。
【2024(令和6)年4月21日第5159号4面】

堺共同漬物 https://www.mizunasu.co.jp/

【法人の部】金賞(順不同)

三和漬物食品 「ぶっかけ長いもオクラめかぶ」

ぶっかけ長いもオクラめかぶ
麺との相性も良い
三和漬物食品株式会社(鈴木尚彦社長、山形県東置賜郡高畠町)は、「山形のだし」や「ねぎからし」など、薬味漬物のパイオニアとして広く認知されている。
 同社では「ぶっかけ長いもオクラめかぶ」が浅漬・キムチ部門で金賞以上が確定した。同商品は野菜と水産物を組み合わせ、刺身等に使える新しいジャンルの商品。刺身や焼き魚にプラスワンで使用でき、見た目も華やかなので食欲をそそる。
 食べやすく使いやすい角切りにした長いもにオクラとなめこ、めかぶを加えた。長いものシャキシャキとした食感が楽しめる一品で、タレのように刺身にかけるだけで美味しい一品メニューができ上がる。内容量は150gで賞味期限はD+9。
 ねばねば素材は健康成分が多い素材として広く認知され、人気となっている。長いもやオクラ、なめこのねばねば成分はペクチンなどの水溶性食物繊維で、コレステロール値や血糖値の上昇を抑え、胃の粘膜を保護し、整腸作用などの働きがあり、消化や吸収を助けてくれる。また、腸内環境を整えて生活習慣病の予防、改善にも効果が期待できる。
 わかめの根本部分であるめかぶには、ヌルヌル成分であるフコイダンやアルギン酸が海藻類の中でも特に多く含まれている。また、ミネラルやカロテノイドも豊富に含まれており、生活習慣病の予防・改善や免疫力を高める効果があると言われている。
 暑い季節は食欲が減退しがちだが、ねばねば食感が美味しい野菜や海藻はご飯や麺にかけるだけで手軽に食べることができる。美味しくて健康イメージも強いねばねば素材を融合させた「ぶっかけ長いもオクラめかぶ」への関心はさらに高まっていきそうだ。
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】 

三和漬物食品

すが野 「いぶり風ごぼう」

いぶり風ごぼう
皮を残す製法にこだわり、シャキッとした歯切れの良い食感も楽しめる
 株式会社すが野(菅野弘社長、栃木県下都賀郡壬生町)は、国産楽京漬のトップメーカーとして知られている。
 同社の主力製品である酢漬は賞味期限が長く、健康的なイメージが浸透していることもあり、同社が主力とする楽京や生姜は堅調な動きを見せている。また、食物繊維が豊富なごぼうも販路を拡大している。
 漬物グランプリ2019で「国産塩だし生姜」がグランプリ(農林水産大臣賞)を受賞した実績を持つ同社では、昨年9月に発売した「いぶり風ごぼう」が本漬部門で金賞以上の受賞が決定した。
 同商品は国内で栽培された繊維が柔らかく風味豊かなうちに若掘りしたごぼうをいぶり風味に仕上げた。かつおぶしの燻しにも使用されるブナの風味がかつお風味のごぼうの味をより深いものにしており、奥深い風味と旨味を感じることができる。
 ごぼうの皮に残る風味と旨味を残すためにごぼうの皮を残す製法にこだわり、シャキッとした歯切れの良い食感も楽しめる。長年にわたってごぼうの漬物を製造してきた知識やノウハウを遺憾なく発揮し、ご飯にもお酒のおつまみとしても良く合う一品を作り上げた。
 「いぶり風ごぼう」は数量限定での販売となっているが、近隣の道の駅では人気商品となっていることもあり、広域流通に対応したパッケージデザインを検討中。決勝大会までには間に合わないが、漬物GPを機に定番アイテムに育つことが期待されている。内容量は80gで賞味期限は120日。販売期間は通年。
 同社は一昨年12月に「FSSC22000」認証を取得。食品安全マネジメントシステムの国際規格を取得し、安心・安全な商品を届けるため、より一層の商品の安全性確保と品質の向上に取り組んでいる。
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】 

すが野

やまへい 野沢菜昆布 長芋入り

野沢菜昆布 長芋入り
 漬物グランプリ2024において、株式会社やまへい(塩川正徳社長、長野県小諸市)の「野沢菜昆布 長芋入り」の金賞以上の受賞が確定した。発売以来評価の高い商品で長野県園芸特産振興展でも関東農政局長賞、長野県知事賞を受賞している。
 同商品は細かく刻んだ国産野沢菜に北海道産がごめ昆布、国産長芋を加えた、とろみのある醤油味の漬物。シャキシャキとした野沢菜、昆布の粘り、サクサクとした長芋の食感が三位一体となり、ご飯との相性抜群の仕上がり。納豆や豆腐、麺類との組み合わせもオススメだ。
 同社では昨年10月「野沢菜昆布 長芋入り」をリニューアル。原料として使用していた北海道産ねこあし昆布をさらに粘性の高い北海道産がごめ昆布に切り替え、これまで以上にトロトロ、ネバネバとした昆布の旨味とシャキシャキとした野沢菜の相性の良さが楽しめる商品となっている。
【2024(令和6)年4月21日第5160号6面】

新進 前橋の野菜で作ったご飯にも合う福神漬

前橋の野菜で作ったご飯にも合う福神漬
前橋産食材をふんだんに使用した
 株式会社新進(籠島正雄社長、東京都千代田区)では、漬物グランプリ2024「法人の部」において、「前橋の野菜で作ったご飯にも合う福神漬」の金賞以上の受賞が確定した。
 同商品は、前橋市で収穫された大根、なす、きゅうり、生姜、しいたけといった前橋産食材をふんだんに使用した福神漬。前橋市の木であるイチョウをモチーフに、大根を食べ応えのある大きさのイチョウ切りにカットしており、まさに同社の地元である“前橋”にフィーチャーした漬物だ。 味付けは、かつお節のうま味をプラスし、食材の良さを前面に出しながら、カレーライスにはもちろん、ご飯にもよく合う味わいに仕上げている。
 福神漬のリーディングカンパニーとして知られる同社のノウハウと前橋の風土で育まれた食材が合わさった特別感のある福神漬となっており、昨年オープンした「道の駅まえばし赤城」など地元の売場はもちろん、オンラインショップでも人気を集めている。
 また、デザインに優れた県内の工業製品等を選定・推奨する令和5年度「グッドデザインぐんま」にも選定されており、デザイン、味わいの両面において、各方面から高い評価を得ている。
【2024(令和6)年4月21日第5160号7面】

三井食品工業「たまねぎマリネ」

たまねぎマリネ
調味液ごと好みの野菜と和えて
カルパッチョの添え物に
 三井食品工業株式会社(岩田浩行社長、愛知県一宮市)の「たまねぎマリネ」が漬物グランプリ2024の浅漬・キムチ部門で最終審査に進出、金賞以上が確定した。スライスしたたまねぎに、スモークサーモン(ギンザケ)、赤・黄ピーマンをトッピングして甘酢漬にしている。
 シャキシャキ食感のたまねぎ、ぱくぱくと食べられる優しい甘ずっぱさ、ピーマンの彩り、旨みのあるサーモンの組み合わせでサラダ感覚で楽しめる商品だ。
 食卓のプラス一品としてそのまま食べるだけでなく、カルパッチョの添え物や、スクランブルエッグと一緒にサンドイッチの具材などアレンジの幅も広い。好みの野菜に調味液ごと和えれば、より多くの野菜を美味しく楽しめる。
 内容量は一~二食で食べ切れる100g入り。甘酢漬けは疲労回復、夏バテ予防などで夏場に好まれる味。たまねぎ自体も血液サラサラ効果など健康的なイメージがあり、これからの季節に期待が寄せられる。
 製法面では、具材をただ調味液に漬けるのではなく、一度下漬け並びに冷蔵熟成の工程を取っている点が漬物メーカーならでは。これにより素材の風味が凝縮され、たまねぎの食感にも違いが出てくる。
 同社は中部地域のメーカーベンダーとして活躍しているが、近年は特にメーカー部門の強化を図っている。岩田社長は「大手食品商社が日配品を扱うようになった今、当社だけの商品開発による差別化は必須。漬物は野菜の食べ方の一つとして美味しく健康的であることを伝える商品作りを進めている」と話している。
【2024(令和6)年4月21日第5159号7面】


つの農産「国産皮割干し昆布大根」

国産皮割干し昆布大根
昆布のとろみとパリパリの歯ごたえ
 有限会社つの農産(大久保光社長、宮崎県児湯郡都農町)の「国産皮割干し昆布大根」が漬物グランプリ2024本漬部門において、金賞以上の受賞を確定させた。
 使用するのは九州産大根の皮付き部分。食感が硬いため廃棄されがちな部分であったが、そこを有効活用しているのが本商品だ。
 惣菜用などの加工の副産物として出る皮付き部分を天日で干し上げ、味や栄養を凝縮させている。それを醤油味ベースで、昆布とかつお、ごまを加えて風味豊かに漬け込んでいる。昆布のとろみとパリパリな歯ごたえ、和の素材が織りなす旨みで、ご飯のお供に、お茶請け、お酒の肴にと大活躍する。
 大久保社長は「大根の皮は食物繊維などの栄養豊富で味も濃い。また歯ごたえある食感は皮付きだからこそ生まれるもの。フードロス削減というだけでなく、割干し漬にするには最高の素材だと思う」と話す。
 また、南九州では大根を丸のまま櫓に2週間ほど干す干し大根が有名だが、この作業は重労働であり、また途中の気候にも左右されるため生産農家の減少が深刻な問題となっている。一方、大根を刻んだ状態で干すならば負担が軽いため、今後も安定的な原料確保が見込める点もメリットだ。
【2024(令和6)年4月21日第5159号7面】


香味小夜子「瀬戸内レモン香る白菜キムチ」

瀬戸内レモン香る白菜キムチ
揚げ物と交互に食べてさっぱりと
肉料理の美味しさを引き立てる
 株式会社丸越(野田明孝社長、愛知県名古屋市)の関連会社である株式会社香味小夜子の「香味小夜子 瀬戸内レモン香る白菜キムチ」が、漬物グランプリ2024において金賞以上の受賞を決めた。
 魚介エキスを利かせた白菜キムチに、瀬戸内レモン果汁をたっぷりと加えた。さわやかな酸味と香りを与えることで飽きの来ない甘辛キムチに仕上げている。
 甘辛い味付けでそのままご飯と食べても美味しいが、一番のおすすめは肉料理や揚げ物の付け合せ。キムチの旨みが料理の味を引き立てながら、レモンのキレのある酸味が口の中をさっぱりとさせてくれるので、交互に何度でも食べ進められてしまう。
 ラベルは上部がキムチの赤色、下部がレモン色とビビッドな色使いで、漬物売場でも一際目を引く、春夏の売場にもよく合うデザインだ。
 香味小夜子ではこの他にも“ガチでもりもり食べてほしい”と思いを込めた「ガチ盛キムチ」や、『岩下の新生姜』(岩下食品)とコラボした「岩下の新生姜入りキムチ」などユニークなキムチを多数展開している。
 また、昨年の漬物グランプリ2023では丸越が2月に発売した「キムレモン」が金賞を受賞。愛知県立愛知商業高校の生徒と「若者が食べたい浅漬」をテーマに共同開発した商品で、対面販売や通販を中心に人気商品となっている。
 今回の「瀬戸内レモン香る白菜キムチ」は、スーパーを主な売場とし、キムチ売場に新たな彩りを与えてくれそうだ。
【2024(令和6)年4月21日第5159号7面】


扶桑守口食品 根菜でおいしく食物繊維「おかず奈良漬」

根菜でおいしく食物繊維 おかず奈良漬
 株式会社扶桑守口食品(曾我公彦社長、愛知県丹羽郡扶桑町)の「根菜でおいしく食物繊維 おかず奈良漬」が漬物グランプリ2024で金賞以上の受賞を確定した。
 守口大根、菊芋、生姜の奈良漬(守口漬)を千切りにして金ごまを加えた商品だ。3種類の根菜をご飯に乗せて、美味しく手軽に食物繊維を摂ってほしいとの願いが込められている。
 中心となる守口大根とは愛知県特産の日本一長い大根。これを酒粕、味醂粕をブレンドした発酵床(粕床)にて約2年漬け込みと漬け替えを繰り返す伝統製法で奈良漬に仕上げている。
 また菊芋は食物繊維「イヌリン」が豊富で、最近はサプリメントなどにも利用されている注目の野菜で、同じく奈良漬に漬け込んでいる。
 これらを千切りにすることで、包丁不要ですぐに楽しめるようにした。バリッと歯切れ良い食感の中から、守口漬の芳醇な香りと、金ごまの香ばしさが口の中に広がる逸品だ。
 なお同社は一昨年は「生姜の風味香る愛知の伝統野菜ふりかけ奈良漬」で、昨年は「発酵×燻製 Smoked Moriguchi」で2年連続の準グランプリを獲得している。奈良漬を手軽に、また新たな食シーンで楽しめる商品づくりを、これからも続けていく。

扶桑守口食品

<全日本漬物協同組合連合会> 漬物グランプリ2024 金賞以上確定の13品を発表

各賞は4月27日に発表
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は10日、「漬物グランプリ2024」の法人の部において、金賞以上の受賞が確定した13品を発表(右画像)した。
 全国の名産品、特産品、オリジナリティー溢れるこだわりの漬物が揃い、この13品の中からグランプリ1作品(農林水産大臣賞)、準グランプリ各部門より1作品(農林水産省大臣官房長賞)、地域特産品特別賞(1作品)、一般審査特別賞が選出される。なお、上記4賞以外の9作品は金賞となる。
 各賞の結果は、4月27日に東京ビッグサイトで開催される第17回ホビークッキングフェア2024内で行われる「漬物グランプリ2024」特設ステージでの表彰式にて発表される。
 法人の部は「本漬部門」と「浅漬・キムチ部門」の2部門で、応募総数は112作品。1次審査は2月下旬から3月上旬に全国5ブロックで実施し、本漬部門30品、浅漬・キムチ部門20品の計50品が通過。3月28日に2次審査が行われ、金賞以上の13品が選出された。
 法人の部は東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄氏を審査委員長とした6人の審査委員で審査を実施。個人の部では、全漬連の中園会長を含めた7人が審査委員を務めた。
 審査方法は審査委員による書類・実食による審査。審査は①彩り(見た目・ネーミング・考え方)、②素材の性質(機能性・地域性・時代性)、③味覚(味・香り・食感)、④安全性(生産・製造工程)、⑤販売価格(コストパフォーマンス)の5項目を各10点満点で採点。得点数を集計した後、審査委員による合議を経て金賞以上の作品が決定した。
 4月27日の決勝大会は、審査委員と一般審査委員の総合評価(審査基準は2次審査と同様)。特設ステージで商品のプレゼンを行い、実食の上、最終審査を行う。25日と26日も行われる一般審査は会場内特設コーナーで、一般の来場者が試食と投票を実施する。
 全漬連ブースでは全国の名産漬物の試食販売を実施する。昨年は衛生面などの問題で試食を中止して販売のみ行ったが、今年は2019年以来、5年ぶりに好評の試食を実施する。試食の提供はファン作りの有効な手段であり、全国の名産漬物を広くPRする。
 なお、1次審査通過作品は「銀賞」以上が確定し、受賞ロゴが授与される。また、グランプリ、準グランプリ、地域特産品特別賞、金賞についても、それぞれ受賞ロゴが授与される。
 漬物グランプリへの評価と関心が高まっている。昨年から新設された学生の部には、前回の26作品を大幅に上回る67作品がエントリー。昨年の模様がテレビなどで広く発信されたことで参加校が増加した。また、個人の部のエントリーも前回(23人)の約2倍となる45人と増えており、これまでの取組の成果やPR効果が数字に表れている。
 業界が注目する法人の部においても熱い戦いになることが期待されている。
【2024(令和6)年4月21日第5160号1面】

漬物グランプリ2024 公式サイト
http://tsukemono-gp.jp/

<全漬連> 漬物グランプリ受付スタート 法人の部は2月9日応募締切

法人の部
学生の部
個人の部
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は、「漬物グランプリ2024」出品作品の募集を2024年1月1日よりスタートした。
 出品作品の募集は「法人の部」(本漬部門/浅漬・キムチ部門)」、「個人の部」、昨年からスタートして注目を集めた「学生の部」の3部門。
 「法人の部」の応募条件は、全漬連加盟企業の製造する、最終審査の時点で市販されている商品。また、1社における出品数の制限はなく、これまでの漬物グランプリでグランプリ、準グランプリを受賞していない作品(商品)。1次審査料金無料、2次審査料金5000円(1作品)。作品の応募締切は2月9日(※当日消印有効)。
 2月中旬から下旬に予定される1次審査は、各ブロックで有識者1名を加えた審査会を実施し、10品程度を選出。3月下旬に予定される2次審査は、1次審査で選出された合計50品程度を有識者による審査委員が書類・実食審査を実施し、決勝大会に進む各部門5品程度(計10品程度)を選出する。
 第17回ホビークッキングフェア2024内(4月25日~27日、東京ビッグサイト)で実施される決勝大会(4月27日予定)は、審査委員と一般審査員の総合評価で、特設ステージにて商品のプレゼンを行い、実食審査の上、最終審査。一般審査は会場内特設コーナーで、一般の方に試食と投票を行ってもらう。
 審査項目は①「彩り(見た目・ネーミング・考え方)」②「素材の性質(機能性・地域性・時代性)」③「味覚(味・香り・食感)」④「安全性(生産・製造工程)」⑤「販売価格(コストパフォーマンス)」。
 表彰内容はグランプリ(1作品)、準グランプリ(各部門より1作品)、地域特産品特別賞(1作品)、一般審査特別賞、金賞、銀賞。
 学生の部と個人の部の応募締切は2月22日(※当日消印有効)。1次書類審査は3月上旬、2次書類・実食審査は3月下旬にそれぞれ実施される。
【2024(令和6)年1月11日第5150号1面】

全日本漬物協同組合連合会 「漬物グランプリ2024」特設サイト
※応募フォームをこちらからダウンロードできます → http://tsukemono-gp.jp/

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