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全日本漬物協同組合連合会2024

第42回全漬連青年部会全国大会宮崎大会 未来担う人材が起こす熱波

 佐藤大会会長
 第42回全日本漬物協同組合連合会青年部会全国大会の宮崎大会(佐藤仁大会会長、野﨑偉世実行委員長)が4日、宮崎観光ホテルで開催された。大会テーマは「~みやざきhot wave~起こそう!イノベーションを!!」。1年に一度、将来の漬物業界を牽引する若手が集まる青年大会を、革新の熱い波を引き起こす契機にしようという思いに応えるように、来賓を含め総勢約150名が集った。
  野﨑実行委員長の開会宣言に続いて挨拶に立った佐藤大会会長は「第42回を迎えた全国大会も変革の時を迎えている。持続可能な大会を目指し、前回栃木大会に倣いペーパーレス化による資源節約を図った。また恒例であった行政の関係者をお招きすることを控えた。運営上の負担を減らしながら、より腹を割って交流ができる場を目指した」と運営は簡略化しながらも、交流の場としての全国大会の重要性はむしろ高まっていることを指摘した上で、「簡略化した要素もあるが、その分、宮崎らしさを感じてもらえるような趣向も凝らした。今日だけでなく、明日も、これからも宮崎に愛着を感じていただきたい」と宮崎大会に込めた熱意を語った。
 野﨑実行委員長
 来賓として登壇したのは全漬連の中園雅治会長と、九州漬物協会の大久保次郎会長。漬物業界の先輩でもある2人は、若い人材の活躍への期待を口にし、祝辞とした。
 その後、「青年の輪」伝達式が執り行われた。佐藤大会会長から東京都漬物事業協同組合青年部会の籠島正雄部長へと、40年以上にわたり受け継がれてきたバトンが手渡された。
 籠島部長は次回の東京大会について「全国大会の目的は、漬物の未来を担う人材同士の交流と懇親の場を提供することと捉えている。その効果を最大限にするため、東京大会は新生青年大会として、よりフランクに参加できる形式を提示する」と宣言し、東京大会への参加を呼びかけた。
 佐藤大会会長(中央左)より東漬青年部会の籠島部長へ伝達される「青年の輪」
 第二部では記念講演会が催され、焼酎生産量で10年以上にわたりトップに君臨し続ける霧島酒造株式会社企画室商品開発課の岸良尭亮課長が『霧島酒造のブランディングストーリーと未来戦略‐商品開発と品質保証への取組み』の演題で講演を行った。
 漬物と同じく農作物であるサツマイモを主原料としており持続可能な事業モデルが求められていること、和のお酒として洋酒との競争に負けないためのブランディングに取り組んでいることなど、各社の事業に参考となる内容で参加者一同は熱心に耳を傾けた。
 第三部の懇親交流会は大いに盛り上がった。くじ引きによる席分けで偶然の出会いを創出。また食事はビュッフェ形式で提供されたため、終盤はほぼ全員が立ち上がり、漬物の未来を思い語り合う熱気の波が会場に押し寄せていた。
 会場入口に設置された機械『ベジメータⓇ』で測定した野菜摂取量計測結果のランキング発表や宮崎伝統芸能であるひょっとこ踊りが披露されるなど、宮崎県漬物協同組合青年部が工夫を凝らしたアトラクションも、宮崎弁の「てげてげ(おおざっぱ、いいかげん)」を感じさせるリラックスした雰囲気を生み出していた。
 佐藤大会会長や籠島部長らが繰り返し青年大会の目的として挙げた「交流」や「情報交換」は大成功を収め、最後は交流会担当実行委員長の大久保光氏が中締めの音頭をとって、終了した。
中園会長
大久保会長
籠島部長
大薗氏
渡邉氏
谷口氏
 宮崎漬協青年部と賛助会員一同
「交流」の意義ますます高く 
 第42回全日本漬物協同組合連合会青年部会全国大会宮崎大会(佐藤仁大会会長、野﨑偉世実行委員長)が10月4日、宮崎観光ホテルで開催された。大会テーマは「~みやざきhot wave~ 起こそう!イノベーションを!!」。1年に一度、将来の漬物業界を牽引する若手が集まる青年大会を、革新の熱い波を引き起こす契機にしようという思いに応えるべく、来賓を含め総勢約150名が集った。
 第一部式典は、宮崎漬協青年部の大薗慎吾氏による司会進行のもと、野﨑実行委員長による開会宣言で開幕。国歌斉唱の後、宮崎漬協青年部を代表して渡邉純一氏が「消費者の安全・安心の確保や漬物の消費拡大のため、改めて衛生管理の徹底を図るなど、会員相互が連携し、今後の漬物業界の発展のために行動することを誓う」と青年部の方針を高らかに読み上げた。
 約150名が宮崎に集まった
 続いて挨拶に立った佐藤大会会長は「第42回を迎えた全国大会も変革の時を迎えている。持続可能な大会を目指し、前回栃木大会に倣いペーパーレス化による資源節約を図った。また恒例であった行政関係者をお招きすることを控えた。運営上の負担を減らしながら、より腹を割って交流ができる場を目指した」と運営は簡略化しながらも、情報化社会において交流の場としての全国大会の重要性はむしろ高まっていることを指摘した上で「簡略化した要素もあるが、その分、宮崎らしさを感じてもらえるような趣向も凝らした。宮崎には沢庵や高菜漬、らっきょうを始めとした漬物に加え、チキン南蛮やフルーツのような素晴らしい食、太陽の降り注ぐ自然がある。宮崎に愛着を感じ、末永く親交を深めていくことができれば嬉しい」と宮崎大会に込めた熱意を語った。
 岸良氏
(第2部講演会)
「黒霧島」成長秘話 逆転の発想でヒット商品へ 
 大会セレモニーに続く講演では、霧島ホールディングス株式会社(江夏順行社長、宮崎県都城市)企画室の岸良尭亮氏が講師を務め、メーカー部門である霧島酒造㈱の看板焼酎である、本格芋焼酎「黒霧島」のヒットの秘話や、焼酎ブームを牽引した偉業について語った。
 1998年発売でロングセラーの「黒霧島」は、焼酎業界としては斬新なコンセプトで登場した歴史を持つ。当時主流の焼酎とはまったく異なる、黒麹仕込みの焼酎で、濃厚なコクと軽やかなとキレが特徴的。人気を獲得していった。
 芋の香りは、従来の焼酎のほぼ半分に抑えているため、芋焼酎の味に苦手意識を持つ人も飲みやすい。芋の香りを抑える代わりに、甘みが増し、なおかつすっきりした後味でファンを得た。「芋の風味は強くなければならない」という発想を捨てたことが功を奏した。黒地に金をあしらったデザインは、宮崎県内の飲食店で草の根レベルで支持を得られ、味についても高評価を得た。
 霧島酒造は次に、地元宮崎を超え、九州最大の市場を有する福岡県の酒販店において、黒霧島の販促・宣伝を強化していく。販促時には「黒の焼酎」を強く打ち出し、他社焼酎と差別化を図った。そのほかの宣伝では、営業マンが朝7時から博多駅や天神駅、福岡県庁前に立ち、100mlサンプルを行き交う通勤者に向け、無料配布を行った。
 持ち帰った人は職場でサンプルを話題にし、徐々に福岡で黒霧島の知名度が高まっていく。福岡では、麦焼酎を飲むのが主流だったのが、現在では芋焼酎が定番化しつつあり、その中でも「黒霧島」の人気はトップクラスに高い。2012年に霧島酒造は、競合焼酎メーカーの売上を軒並み抜き、全国で売上トップに躍り出る。
 焼酎メーカーとして売上がトップになるにつれ、就職人気企業の仲間入りを果たす。就職試験には以前では予想できなかったほど応募があり、優秀な人材を採用できた。県外からの応募も多く、学生の多数が「日本一の焼酎メーカー」を理由に志望動機を語った。
 新人、女性が活躍できる社風が醸成されるにつれ、社内保育園や部活動の設置など、各種仕組み作りにも着手していき、社員定着率は高くなった。
 さつまいも原料の確保にも力を注ぐ。近年、全国的にサツマイモ基腐れ病が流行しているものの、霧島酒造では病害発生リスクの少ないさつまいも苗を生産し農家へ供給しているため、原料の安定確保に繋がっている。そして、収穫後の選別で除去された芋くずや、焼酎を蒸留する際に出る焼酎粕は、メタン菌を使ってメタン発酵させ、バイオガスにする。そのバイオガスは、製造工程のボイラー燃料や発電に活用している。
 岸良氏は最後に、サステナビリティへの意識について述べ「人、環境、地域に貢献できる焼酎造りを当社では使命に掲げており、おいしい焼酎を届けながらより一層、社会的責任を果たしていきたい」と語り、講演は締めくくられた。
 関口副会長
(第三部交流会) 
漬物業界に勝ち運を 全国の青年部員と交流図る
 第3部の交流会は、フェニックスジャズ楽団によるオープニング演奏でスタートした。
 プロ野球ソフトバンクの小久保裕紀監督になり切った徳留勇作部員と巨人の阿部慎之助監督に扮した野﨑偉世実行委員長がステージに登場。両リーグで優勝したチームが宮崎県で毎年キャンプを行っていることを説明し、「宮崎には勝ち運が漂っているので漬物業界にも良い流れを持っていこう」と述べ、「プレイボール」と交流会の開会を高らかに宣言した。
 続いて乾杯の挨拶に立った全漬連副会長で東京都漬物事業協同組合理事長でもある関口悟氏は、「30年前に開催された宮崎大会に参加させていただいた。本日、飛行機で声をかけた人がホテルまでの行き方を教えてくれた。宮崎は良い人が多く、改めて風光明媚で良いところだと感じた。来年の全国大会は東京で開催させていただく。やり方はこれまでと変わるということで、楽しみにしていただきたいと思っている。本日は宮崎の地で皆さんと交流を深めていただきたい」と述べ、乾杯発声を行った。
 大久保氏
 バイキング形式で提供された料理は、宮崎牛、チキン南蛮、地元企業の漬物の他、霧島酒造をはじめとした地元の焼酎など、宮崎の食と酒を堪能。普段あまり会う機会がない全国の青年部員と挨拶や情報交換などを行い、交流を図った。
 アトラクションでは、宮崎野菜プロデューサーである黒木さゆみ氏が日本一の生産量を誇る宮崎のライチ、株式会社岡田商店の岡田光氏が干ししいたけ、へべすコンシェルジュの塚本安佐子氏が宮崎生まれの柑橘「平兵衛酢(へべす)」の魅力や特徴をPRした。
 続いて「宮崎ひょっとこやろかい清和」によるひょっとこ踊りが披露。五穀豊穣、商売繁盛、子宝繁栄を願う郷土芸能で、宮崎県日向市の無形民俗文化財にも指定されている。特別に野﨑実行委員長も参加して出席者に笑顔を届けた。
 歓談と交流の時間が続いた後、出席者が大会の受付後に行った野菜摂取状況が把握できる測定機器「ベジメータⓇ」によるベジスコア上位15名の表彰式が行われ、徳留勇作氏が表彰者の名前とベジスコアを読み上げた。
 初めて実施されたこの企画は、普段から漬物や野菜に関わっている全国の漬物メーカーの経営者や社員に野菜摂取の重要性を再認識してもらうための取組で、これをきっかけに業界の活性化に結び付けたいという宮崎漬協青年部の願いが込められたものだった。
 最後に交流会担当実行委員長の大久保光氏による閉会の辞にて大会の幕を閉じた。
霧島酒造の焼酎を振る舞った

宮崎の漬物を提供

ひょっとこ踊り

宮崎産のライチ、干ししいたけ、へべすをPR

 遠藤氏
(幹事会議・部長会議)
東京・大阪輪番開催基本に 「連絡のスリム化」青年部から
 宮崎大会に先立って、青年部会全国ブロック幹事会議並びに青年部長会議が開催された。
 幹事会議は、昨年の栃木大会で大会会長、実行委員長を務めた遠藤栄一氏と菅野嘉弘氏が、栃木大会の内容や収支を報告。遠藤氏は「大会運営は苦労もあるが、良い経験と思い出になる。ここでの出会いが一生物になることもあるので、ぜひ続いてほしい」と語った。
 菅野氏
 続いて宮崎大会の佐藤大会会長、野﨑実行委員長らが開催概要を報告。準備における注意点等について、来年の開催地である東京都漬物事業協同組合青年部会の籠島正雄部長へ伝えた。
 続く部長会議では各県の青年部長が集合した。主な議題は今後の全国大会の実施方針について。
 各県で青年部の会員数が減少し、休会や親組織との合併が増加していることから、昨年の栃木大会時点では全国大会の存続可否が議論されていた。しかし青年同士による交流の場は必要であるとの声が多かったことから、今年6月に臨時の部長会議を開催。今後は全国からアクセスしやすい東京と大阪での交代開催を基本とし、立候補があればその府県での開催も可能とする案が承認された。
部長会議
 籠島正雄部長は東京大会の概要を報告。会場の目処は付いており、日程も漬物業界の出展が多い展示会前後の日とすることで交通の負担軽減を図ると明かした。
 また、来年から運営主体は全漬連事務局が担い、実施地域の青年部はそのサポート役という形になる。籠島部長は、「現在、事務局の負担となっているのが連絡手段がメール、ファックス、郵送とバラけていること。青年部でグループチャットなどの活用でスリム化を図り、問題がなければ親組織にも導入できるようモデルケースを作っていきたい」と協力を呼びかけた。
 東漬青年部会の関口彰副部長は「昨年の栃木大会で初参加して、同業の皆様と一斉に会える機会は大きなメリットだと感じた。東京大会にも大勢の参加をお願いしたい」としている。
【2024(令和6)年10月1日5176号1面、21日第5177号5面】
九州農産(宮崎県)
霧島農産(宮崎県)

漬物製造管理士技能評価試験 中部、関東で計92名受検

関東ブロックの試験委員。左から真野専務、関口副会長、秋本副会長、鎌田事務局長
中部ブロック1級の実技作業試験
関東ブロックの試験会場
中部ブロックの筆記試験
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は9月28日に中部ブロック、同29日に関東ブロックで漬物製造管理士技能評価試験を実施。中部ブロックは名古屋市の名古屋調理師専門学校で1級~3級を合わせて計44名が受検。関東ブロックは東京都中小企業会館で2級及び3級を合わせて計48名が受検した。
 中部ブロックは望月啓行副会長、曾我公彦氏、栗田和典氏、野田明孝氏、浅田康裕氏、鈴木広義氏、山田耕平氏、冨田邦彦氏が試験委員を務めた。
 関東ブロックは秋本大典副会長、関口悟副会長、真野康彦専務理事、鎌田洋行事務局長の4人が試験委員を務めた。2級と3級は学科試験及び技能要素試験の筆記2科目が行われ、中部ブロックの1級3名はこれらに加えて実技作業試験も行った。
 関東ブロックで主席試験委員を務めた秋本副会長は、猛暑による原料野菜への影響や価格改定の動きなどについて言及した上で、漬物製造管理士技能評価試験の概要を説明。「一番大事なことは衛生管理。目に見えない病原菌が手についたまま作業を行うと食中毒が発生する可能性がある。2012年8月に北海道で浅漬による食中毒事件が発生し、169名の患者を出して、8名の方が亡くなった」と過去の事例を振り返り、注意喚起を促した。
 続けて「事故を起こさないことが一番大事だが、事故が起きた後の対応も重要。皆さんには働いている人に衛生管理などについて教えられるように資格を取得して活躍していただきたい」と期待を込めた。
 なお、合格発表は10月18日に全漬連HP上で行われる。
【2024(令和6)年10月1日第5175号6面】 
中園久太郎商店(鹿児島県)

大阪で技能評価試験 3社から9名が初級受験

出席した試験委員(右から辻氏、林野主席委員、林野氏、松本氏)
製作等作業試験
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)が行う農産物漬物製造業技能実習評価試験の初級試験が8日、大阪市中央卸売市場本場業務管理棟で実施された。
 浅漬・キムチ(2社)、調味漬(1社)、3社から計9名のベトナム・中国人実習生全員が初級を受験した。
 堺共同漬物㈱の林野賢寛次長が主席試験委員を、大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)の林野雅史副理事長、辻博文副理事長、松本智文常任理事が試験委員を務めた。初級試験では学科試験、実技試験(判断等試験、製作等作業試験)の問題文が読み上げられ、製作等試験では、きゅうりの浅漬が製作された。
 林野主席委員は「ペンの動きが滑らかで、事前にしっかり勉強していることが伝わってきた。また、実技では慣れた手つきで調理していて、日々工程をきちんと理解しながら作業していることがうかがえた」と話した。
 大阪漬協は組合役員(会社代表者)の負担分散や後進育成の観点から、漬物製造管理士1級の有資格者の試験委員登用を進めている。
【2024(令和6)年第5173号9月11日号2面】

萱津神社 香乃物祭で業界繁栄を祈願 

本殿祭に衣冠装束で出席した曾我会長、望月副会長、真野専務理事(前列右から)
漬込神事

香乃物祭出席の愛知県漬物協会会員
全国から奉納集う漬物祖神
 【大阪支社】日本唯一の漬物祖神である萱津神社(青木知治宮司、愛知県あま市)では21日、「香乃物祭」が執り行われた。参列したのは、公益社団法人愛知県漬物協会(曾我公彦会長)の会員、全日本漬物協同組合連合会の望月啓行副会長、真野康彦専務理事、神社関係者、地元の方々など。全国の漬物関連企業、団体から多数の奉納・寄進も寄せられた。
 本殿祭と漬込神事を斎行後、会場を神社内の会館に移し、業界関係者で直会を行った。
 本殿祭は祝詞の奏上や玉串奉奠などの儀式を行い、愛知県漬物協会は漬物業界を代表してご祈祷を受けた。続く漬込神事では、用意された茄子、大根、かりもり、白菜等の野菜と、塩を供えた。業界を代表して衣冠装束に身を包んだのは、愛知県漬物協会の曾我会長、全漬連の望月副会長と真野専務理事で、関係各氏とともに厳かな雰囲気の中、神事に臨み、漬物業界のさらなる繁栄を祈念した。
 続く直会では、曾我会長が「愛知県は発酵食が豊富な県で、醤油、みそ、酢、そして漬物の製造メーカーが全国的に見ても多く、土産物として根付いている。長年、愛知県漬物協会の事務局は愛知県が担当してくれており、行政と関わりが深いことで信頼もある」と会員や事務局に対し、謝辞を述べた。
 続けて「事務局は常に情報提供に尽力してくれ、6月には漬物製造業が営業許可制になったものの、会員が無事取得できて一安心した。美味しい漬物を作り続けてほしい」と語った。
 全漬連の望月副会長は「近年、気候変動等の影響があり、漬物の原料野菜の不作が相次いでいる。本日は野菜の豊作を祈願した。漬物離れの時代と言われるが、全漬連では、漬物の消費拡大を図っており、皆様に引き続きご協力いただきたい」と挨拶した。
 なお、萱津神社の建つこの土地は、古くは海岸に面していた。神前に塩と野菜をお供えしており、それらをかめに入れたところ程良い塩漬となったのが、我が国における漬物の始まりとされる。
 漬物を表す〝香乃物〟は、萱津神社で漬物を口にした日本武尊が発した言葉「藪二神物(やぶにこうのもの)」に起源があると言われる。香乃物祭は毎年8月21日に行われ〝21日は漬物の日〟の由来ともなっている。
 香乃物祭の前には、同神社の神宮会館で愛知県漬物協会の理事会が実施され、11月9日~10日に「あいちの農林水産フェア」へ青年会主体でブース出展すること、また来年の漬物技術研究会や熱田神宮での漬物振興祭の運営について打ち合わせが行われた。
【2024(令和6)年8月21日第5171号1面】

<全漬連梅分科会> 全国の梅産地が凶作に 価格改定で持続可能な産地を形成

中田会長
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は5日、梅分科会(中田吉昭会長)をWeb会議(Zoom)で開催。14名が参加した。今年は日本一の梅産地である和歌山県の南高梅が史上最低の作柄となった他、各産地でも近年稀に見る凶作となったことが報告された。原料不足のため原料価格が高騰する見通しで、価格改定は避けられない状況となっていることや生産者の減少や高齢化などの問題も共有した。今年の夏は昨年より暑くなると予想されており、梅干しの売れ行きは昨年を上回ると見られているが、売場を維持するために来年の新物まで原料をつなぐ必要があり、危機感を持った対応が求められている。(千葉友寛)
Web会議の参加者
 【製品(国内産及び海外産)の販売状況について】
 国産製品の売れ行きは、昨年の秋以降、前年比で割れる月もあったが、気温が上昇してきたことに伴い、6月上旬から売れ行きが良くなってきた。7月以降は猛暑の影響で好調に推移した昨年以上の動きになっている。価格面で国産より優位性がある中国産製品も伸びている。
 また、箱根などの観光地でも微増となっている他、外食関係が回復してきていることから業務用も15%増と好調となっている。
 カリカリ梅も熱中症対策で利用されるケースが増えており、商品によっては昨年の2倍近く売れている商品もある。
 秋冬からの価格改定に向けて動いているが、苦戦している。近年は梅だけではなく、様々な農水産物が取れなくなってきている。そうなると原料価格が上がり、製品価格に跳ね返ってくる。競争ばかりしていても疲弊するだけなので、各メーカーが共生できる道を真剣に考える必要がある。
 【国内産の作柄と漬込状況について。国内産原料の在庫状況と見通しについて】
 《群馬》暖冬で開花が平年の12日早く、昨年の14日早かった。その後、寒い日が続いて蜂が活動する日が2日しかなく、着果率が低下し、収穫量も減少した。市場向けの単価は昨年の50%増で、甚大な雹害が発生した令和4年を上回る金額となった。
 JAはぐくみの取り扱い数量は昨年の66%となる1130t。白加賀も悪かったが、青カリはさらに悪く、小梅に至ってはさらに少ない状況となった。
 生産者は年々減少しており、高齢化も進んでいる。生産を継続してもらうためには購入単価を上げる必要があり、メーカーは製品価格への転嫁も考える必要がある。
 《神奈川》収穫量は平年300tの産地だが、今年の作柄は昨対25%と大凶作となった。天候不順の影響で着果が悪く、梅を収穫する農家の効率も悪くなってしまった。ヒネ原料と合わせて対応するが、産地を継続するために価格改定など、様々な施策に取り組む必要がある。
 《和歌山》過去最悪の凶作となった。みなべでは3~4割作、田辺は4割作。塩の出荷量は前年比45%だったが、全て使われずに残っていると言われており、2割残ったと計算すると漬け込み量は平年の3割程度になる。産地在庫が1、2割残っていたとして、今年のものを合わせても平年の半分しかないということになる。
 作柄が悪かった原因は他地域と同じで暖冬のため開花が3週間早く、満開期も平年より19日早かった。生育期の3月に気温が下がり、3月20日には産地の広範囲に雹が降って梅が落果するなど甚大な被害が発生した。
 その後、カメムシによる被害もあった。5月末には台風1号が接近して実が1割落ちてしまった。今年は悪いことが全て重なった。
 梅干しになる原料は平年の3割しか見込めず、中国産に頼らざるを得ない。
 【海外産の作柄と漬込状況について。海外産原料の在庫状況と見通しについて】
 《中国》福建省では1月初旬に開花。2月中旬は天候不順となり着果率が低くなり、収穫量は平年の7割で前年比6割。生の価格も上がったが、日本向けにはまずまずの量が漬け込まれており、昨年の在庫も残っている。量はあるが、価格は強含みになることが予想される。
 カリカリ梅の産地である浙江省は寒波の影響もあって昨年の4割、安徽省では昨年の3割。また、大雨の影響で品質も悪い。2年前も不作で原料価格が高騰したが、今年は2年前以上に上がると予想されている。
 海外原料は為替の影響も大きく、国産と逆転現象が起きているものもある。
 【中田会長総括】
 異常気象は毎年のように発生している。持続可能な産地を形成するために天候の影響を受けにくい品種の改良や交配技術、栽培方法をさらに研究していく必要がある。
 梅の食文化を次の世代に残していけるように各地で頑張っていただきたい。価格改定を行い、産地に還元しなければ生産の減少につながる。
 また、ありがたいことに梅の味は多くの女性に好まれており、お菓子などの加工食品とのコラボがやりやすい。若い女性が梅に関心を持てば家庭を持った時に食卓に上がる機会が増える可能性がある。梅を使ったレシピなどを提案し、裾野を広げる努力も必要。
 和歌山の梅干組合の青年組織である若梅会では音楽イベントに出店して梅の料理を販売している他、6月6日の梅の日に各地で梅干しを配布するなどの活動を行っている。引き続き梅のPRを行っていくことが重要だ。
【2024(令和6)年8月11日第5170号1面】

<全漬連> 群馬で技能評価試験 ベトナム人8名が初級を受験

右から試験委員を務めた鎌田事務局長、設楽副理事長、榎田理事
学科試験
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は7月17日、群馬県佐波郡玉村町の「玉村町文化センター」にて外国人技能実習生を対象とした農産物漬物製造業技能実習評価試験(初級)を実施した。
 今回は、群馬県内で実習生を受け入れている漬物メーカー3社から監理団体への申込みを受け、ベトナム人8名が受験した。
 群馬県漬物工業協同組合の設楽英世副理事長、榎田雅俊理事、全漬連の鎌田洋行事務局長が試験委員、米岡美江子氏が補佐を務めた。試験は、実技(作業)試験、学科試験、判断等試験の順で行われ、滞りなく終了した。
【2024(令和6)年8月1日第5169号14面】 

全漬連 漬物製造管理士・技能評価試験 9月に中部ブロックと関東ブロックで実施

 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は18日、9月28日に中部ブロックで1級~3級、9月29日に関東ブロックで2級及び3級(※1級は別日に開催予定)の漬物製造管理士・技能評価試験を実施することを発表した。
 中部ブロックの会場は、「名古屋調理師専門学校」(愛知県名古屋市瑞穂区新開町5‐3)で、受付12:30~、試験開始13:00~。関東ブロックの会場は、「東京都中小企業会館9F講堂」(東京都中央区銀座2‐10‐18)で、受付12:30~、試験開始13:00~。
 両ブロックの試験受付期間は8月30日(必着)まで。申請方法は全漬連HPよりダウンロードできる申請書に必要事項を記入の上、全漬連事務局(〒135‐0022 東京都江東区三好1‐1‐2 渡辺ビル)まで郵送。合格発表は10月18日(予定)に行われる。
 2級並びに3級に限り、学科試験並びに技能要素試験(筆記)のみにより検定試験を実施する。ただし、1級については、最上位の資格であることを鑑み、従来通り学科試験、技能要素試験並びに実技試験により検定試験を実施する。
 【中部ブロック】
 ▼日時:9月28日(土)
 ▼受付:12時30分~
 ▼試験開始:13時~
 ▼学科試験(筆記):13時~14時
 ▼技能要素試験(筆記):14時10分~15時10分
 ▼実技試験(1級のみ):15時30分~16時30分
 【関東ブロック】
 ▼日時:9月29日(日)
 ▼受付:12時30分~
 ▼試験開始(学科試験及び技能要素試験の筆記2科目):13時~
 ▼試験終了:15時15分(予定)
 ※申し込み状況により日時、会場を決定する。10月中旬~下旬頃を予定
 また、漬物製造管理士技能評価試験テキスト(1~3級共通)の改訂版は、1冊5000円(税別、送料別)で販売。希望部数、送付先住所、会社名、担当者名、連絡先を明記の上、全漬連にFAX(03‐5875‐8095)で連絡。
【2024(令和6)年7月21日第5168号19面】

全日本漬物協同組合連合会 https://www.tsukemono-japan.org/

東北漬物協会 鈴木氏と齋藤氏が副会長に 来年も東北からグランプリを

菅野会長
鈴木副会長
齋藤副会長
東北漬協の総会
総会の出席者
東北漬物協会(菅野行雄会長)は20日、宮城県仙台市の仙都会館にて令和6年度通常総会を開催。近清剛副会長と小村彰夫副会長の退任に伴い、山形県漬物協同組合理事長の鈴木尚彦氏と青森県漬物組合理事長の齋藤行正氏が新副会長に就任した。また、全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)の鎌田洋行事務局長が全漬連の活動内容や今後の事業計画について報告及び説明を行った。
 総会は事務局の遠藤仁志氏の司会進行で、開会の挨拶に立った菅野会長は、漬物グランプリ2024で「みずの実っこ」(雄勝野きむらや)がグランプリ(農林水産大臣賞)、「ぶっかけ長いもオクラめかぶ」(三和漬物食品)が金賞を受賞したことなどを報告した上で、「6月から漬物製造業の許可制が完全施行され、福島県の中核市を除く許可件数は届け出されていた848件から195件となり、77%も減ったことになる。高齢の事業者ではHACCPの考えに基づいた衛生管理を行うことは難しい。東北には素晴らしい伝統的な漬物の文化があるが、そのようなものがなくなっていくことは残念なことだ」と目を落とした。
 また、最高級ホテルチェーンであるリッツ・カールトンホテルのスタッフの心遣いのエピソードを紹介し、「我々もお客様に対して満足以上の満足を提供できるように取り組んでいく必要がある。来年も東北から漬物グランプリのグランプリ受賞者が出るように一致団結していきたい」と協力を呼びかけた。
 総会は菅野会長が議長を務めて議事を進行。第1号議案の令和5年度経過報告及び収支決算書承認について、第2号議案の令和6年度の収支予算書設定承認について、第3号議案の令和6年度事業計画承認について、第4号議案の役員選任は全て議案通り承認、可決。その他、漬物製造管理士技能試験及び漬物グランプリなどの報告が行われた。
 総会後、鎌田事務局長が漬物業界の現状と全漬連の活動について説明を行った。漬物製造業の出荷金額は、令和2年は約3314億円で平成22年の約3550億円と比べて7%減となっているが、近年は3300億円を維持。従業員数10人未満の事業所数の比率は44%と小規模経営比率が高い。
 令和5年の生産量は80万tで平成3年のピーク時と比べて約33%減。令和5年の家計における年間支出金額は8048円で前年比102%だが、17年前に比べると85%となっている。漬物業界における主な課題として、漬物原料野菜の安定確保、消費拡大のためのPR、漬物産業に従事する人材の確保を挙げた。
 現在の全漬連の組合員数は673社で、ピークだった昭和54年の2080社と比べると67%減。賦課金もピーク時の平成11年(4490万円)と比較すると、現在(2159万円)は52%減となっている。団体数は34都府県。
 全漬連が行っている主な事業として、漬物製造管理士技能実習評価試験、外国人技能実習評価試験、漬物グランプリ、農水省の「野菜を食べようプロジェクト」への参画、漬物振興議員連盟との連携、各委員会活動について説明。その中の業界活性化委員会については、「医療従事者や栄養士の方は漬物は塩分が高いので食べないでくださいと言うケースが多く、間違った知見を持っている人が多い。それを改善するためのアプローチ方法を検討している」と各事業に取組んでいることを説明した。
 場所を移して開催された懇親会では改めて「みずの実っこ」のグランプリ受賞が称えられた他、有意義な情報交換を行って懇親を深めた。
【2024(令和6)年6月21日第5166号3面】  

業界活性化委員会 食育推進全国大会を見学 伊勢屋の山本社長が黒門市場案内

食育推進大会を見学
伊勢屋本店の山本社長が黒門市場を案内
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会の業界活性化委員会(遠藤栄一委員長)の食育チームは1日、大阪市住之江区のATCホールで開催された第19回食育推進全国大会を見学した。林野雅史副会長(大阪府漬物事業協同組合顧問)、俣野貴彦理事(同副理事長)らが引率し、黒門市場も視察した。
 食育推進全国大会は6月の「食育月間」の一環として開かれるもので、企業や団体、自治体が取組を発表し、食育に対する意識を高め実践へ繋げる機会を創出するもの。今年は大阪・関西万博の前年であることから、「食」「健康」「万博」をテーマに掲げた。
 大阪漬協が伝統野菜の研究や漬物の品質向上などで協力を得ている大阪府立環境農林水産総合研究所や、兵庫県加東市でもち麦の栽培を促進するとともに、市民のもち麦摂取を奨励し健康増進へ貢献している株式会社マルヤナギ小倉屋(兵庫県)、一般社団法人日本昆布協会や全国凍豆腐工業協同組合連合会など、和食に関連する出展も多数あった。
 黒門市場では1897年創業の株式会社伊勢屋商店5代目である山本善康社長が出迎えた。山本社長は「黒門市場は卸売市場として発展してきたが、時代の流れに合わせて『食べ歩き』を推進し観光客の獲得に成功した」と解説。伊勢屋本店での漬物販売についても「海外のお客様も買っていく。日持ちの課題もあり、浅漬よりも沢庵、しば漬、梅干しなどが人気」と話した。
 見学を終えて遠藤委員長は「健康や文化に密接に関わる食にどう興味を持ってもらうか、様々な立場からの取組を一度に見ることができ参考になった。海外に日本文化を発信する黒門市場の取組も興味深い。これを持ち帰って、チームでさらに議論を深めたい」と話した。
【2024(令和6)年6月21日第5166号4面】

<関東漬物協議会> 創立70周年 式典と祝賀会を華やかに開催

関漬役員と感謝状受賞者
秋本会長
関口副会長
長谷川副会長
 関東漬物協議会(秋本大典会長)は12日、東京都荒川区のアートホテル日暮里ラングウッドにて第70回通常総会及び創立70周年記念式典並びに記念祝賀会を開催。来賓、関漬OB、全日本漬物協同組合連合会OB、会員ら50余名が出席し、節目の時をともに祝った。
 関漬は1954年2月に関東漬物協会として設立し、昭和48年8月に現在の関東漬物協議会に名称を変更。1都8県の会員企業で構成され、食文化の一翼を担い地域の伝統の味を守りつつ時代に合わせた新しい漬物を創造。漬物の安定供給はもとより、関東地域の漬物産業の発展に寄与してきた。また、全漬連の中でも中核的な役割を果たし、会長、副会長など多くの役員を輩出。全漬連の活動にも多大な貢献を行ってきた。先を見通すことが難しい時代となってきた中で10年後の80年、30年後の100年に向けて新たなステップを踏み出した。
 大会会長を務める秋本会長が式辞を述べ、「関東漬物協議会の創立70周年にあたり、大変お忙しい中、農林水産省関東農政局経営・事業支援部食品企業課課長桃野慶二様、全日本漬物協同組合連合会会長中園雅治様、一般社団法人全国漬物検査協会会長宮尾茂雄様をはじめ、多くの御来賓の皆様にご臨席を賜り、記念式典並びに祝賀会を執り行うことができること、誠にありがたく厚く御礼申し上げる。そして、関東甲信越1都8県より多数の会員の皆様に出席を賜り、華やかに開催できることに深く感謝を申し上げる」(全文2面に掲載)と謝意を示した。
 表彰式では、籠島正直氏、菅野弘氏、秋本大典氏の3名に関東農政局長感謝状、関口悟氏と長谷川正一郎氏の2名に一般財団法人食品産業センター会長感謝状、丸山博史氏、鶴田健次氏、岩下和了氏、遠藤栄一氏、武井均氏、設楽英世氏、古越三幸氏、等々力正史氏、森泉髙氏、佐藤文俊氏、有坂富夫氏、宮城俊木氏、佐久間大輔氏、林浩則氏、増子雄一氏、辻清氏、鷹野浩氏、米山浩人氏、小林秀氏の19名と報道1社に関東漬物協議会会長感謝状が授与された。
桃野氏
中園会長
菅野氏
古越氏
武井氏
鶴田氏
佐久間氏
真野専務理事
関東農政局長感謝状が3名に
 式典は古越三幸専務理事の司会進行で物故者への黙とうが捧げられた後、実行委員長の関口悟副会長が開会挨拶に立ち、「本日は日頃あまり会うことができない方もお越しになっているので嬉しく思っている。消費地である首都圏の人の胃袋を背負っているのは近郊の企業。地域の適した農作物を加工して供給しているから首都圏の市場が成り立っている。これからも各県で採れた農作物を現代の人に合う味付けにして供給していくことが重要だと思っている。その根底には市場を築いてきた方々の経験があって今があるので、祝賀会の時にはそのようなお話を聞かせていただきたい」と先達への感謝の意を伝えた。
 大会会長を務める秋本会長の式辞(全文別掲)に続いて長谷川正一郎記念誌編集委員長が記念誌について説明を行い、「記念誌委員は丸山博史さんに副委員長、遠藤栄一さんに委員をお願いした。記念誌は10月頃に皆さんのところに届く予定。本日の写真の他、持続可能な組合運営について各都県理事長による座談会も収録しているので是非ご一読していただきたい」と述べた。

秋本会長式辞

 関東漬物協議会は、昭和29年2月に創立され、中島与一初代会長から現在まで、十五代の会長により継承され歴史ある組織として発展してきた。
 また、全日本漬物協同組合連合会の中核的な役割を果たしており、農水省からの連絡事項や法令を会員に伝達する役割を果たしてきた。
 そして、歴代の関東漬物協議会の会長は、全日本漬物協同組合連合会の副会長として、その時代の会長の方針に沿って活動してきた。
 近年では、平成27年に近会長の下で、漬物製造管理士の資格試験制度を首都圏で実施し、平成29年の野﨑会長の時代には漬物グランプリを以前の「T‐1グランプリ」から進化させたPRイベントで「漬物グランプリ」を毎年、東京ビッグサイトで開催の応援をしている。
 そして、他業界に先駆け「漬物製造におけるHACCPの考え方を取り入れた安全安心なものづくり」の小規模事業者向けの衛生管理の手引書を作成し、現在は、営業許可申請に伴う保健所の対応に役立っている。
 さらに「自由民主党漬物振興議員連盟」を組織して、農林水産省のみならず、厚生労働省や文部科学省にまで、漬物業界の課題や依頼事項を伝えることが可能になった。そして、漬物業界で外国人の技能実習評価試験を実施できるようになった。
 昨今では、地球温暖化による異常気象の多発で、集中豪雨や猛暑などで国産野菜や漬物原料の不作や高騰に見舞われている。また、輸入原料も10年以上の間、段々と為替の円安が進み、インバウンドといわれる外国人観光客の急増や中国観光客の爆買いから始まり、最近は物価の高騰が止まらない。
 大きな地震災害も発生している。東日本大震災から13年経過したが、今年は能登半島地震が発生し、全日本漬物協同組合連合会の中園会長の号令で、各県において義援金募金活動を行った。
 この2~3年はコロナ感染によりイベントができない時期があったが、こうして関係者の皆様と70周年の記念式典と祝賀会が開催することができて大変良かったと思っている。
 本日は祝賀会の方では、アトラクションの準備もしているので、出席いただいた皆様に楽しんでいただき記念に残る祝賀会になればと思っている。
式典の出席者
関東農政局長感謝状を授与される籠島氏
同・菅野氏
同・秋本会長
食品産業センター会長感謝状を授与される関口副会長
同・長谷川副会長
関東漬物協議会会長感謝状を授与される丸山氏
同・増子氏
関東漬協の役員
関東漬協創立70周年記念式典
 表彰式に移り、関東農政局長感謝状、一般財団法人食品産業センター会長感謝状、関東漬物協議会会長感謝状が受賞者に授与。受賞者を代表して栃木県漬物工業協同組合副理事長の菅野弘氏が謝辞を述べ、「本日はこのような栄誉ある感謝状をいただき、大変ありがたく思っている。私は本日もお越しになっている泰地武さん、大曽根洋祐さん、松永恒夫さん、遠藤榮さんをはじめ多くの先輩方に育てていただいた。業界は組合活動を通して成長していくものだと思っているし、個人としても組合活動を通して成長することができる。先輩方に感謝をしながら日本の文化でもある漬物の伝統が残っていくようにこれからも頑張っていきたい」と感謝の言葉を述べた。
 続いて関東農政局経営・事業支援部食品企業課課長の桃野慶二氏と全漬連の中園雅治会長が来賓祝辞を述べ、桃野氏は円安、原材料価格の高騰、電気代の上昇など食品メーカーにとって厳しい状況が続いていることを指摘した上で、「この70年の間に漬物産業をめぐる環境は大きく変化してきた。農林水産省では食品産業行政の根幹を示す食料・農業・農村基本法について、1990年の制定以来、初の改正案を国会に提出し、5月29日に可決、成立した。新しい基本法は近年における世界の食料需給の変動、地球温暖化の進行、我が国における人口減少などに対応し、食料安全保障の確保、環境と調和の取れた食料システムの確立、農業の持続的な発展のための生産性の向上、農村における地域社会の方向性を示すもの。今後は新しい基本法の下、食品産業の持続的な発展に向けて鋭意施策を展開していく」と語った。
 中園会長は課題となっている原料の安定調達、調味資材に加えて人件費などのコストが上昇し続けている現状を説明した上で、「価格改定は1回に留まらず2回、3回と実施しなければならない状況だが、単純な値上げではなく付加価値に磨きをかけていく必要がある。漬物業界の大きな課題は3つ。若い人の漬物の消費量が少ないこと。漬物の料理素材として利用促進。漬物は高塩という誤った認識の改善。50年前の沢庵の塩度は12%だったが、今は3%程度にまで下がっている。このような事実を医学会、栄養士会、高血圧学会、マスコミ、一般の方にも知っていただくことが重要。全漬連では色々な委員会を立ち上げて実行に向けて準備をしている。まだまだ厳しい情勢が続くと思うが、貴協会が培ってこられた実績とノウハウを今後の全漬連活動にも反映させていただき、引き続き当連合会の事業運営に理解と協力をいただきたい」と期待を込めた。
 来賓紹介に続いて自由民主党漬物振興議員連盟(森山 会長)の武井俊輔事務局長からの祝電を披露。武井事務局長は、「漬物は我が国を代表する伝統的な食品の一つだが、この漬物を将来にわたり継承していくとともに、さらに広く国内外へ普及させていくためにはこれまで引き継がれてきた伝統や製造技術を守っていくことはもとより、多様化する消費者のニーズに応え、新しい発想を積極的に取り入れるなど、時と場合に応じて創意工夫することも大切。漬物議連としては漬物業界の更なる発展に向けて皆様から新しい施策に結び付く意見や情報をいただきながら課題解決に向けて取り組んでいきたい」(群馬県漬物工業協同組合理事長の武井均氏代読)とメッセージを贈った。
 最後は埼玉県漬物協同組合理事長の鶴田健次氏の閉会の言葉にて式典の幕を閉じた。
関東漬協の総会
第70回総会開く 国外需要開拓で業界底上げ
 式典前に開催された総会は、古越専務理事の司会進行で秋本会長が挨拶に立ち、「本日は総会後に70周年式典を開催する。私は第15代の会長として就任し、8年が経つ。当社の先代、先々代の会長は2人とも当協議会の会長を務めており、業界には長年お世話になっている。本日、このような場で70周年の式典を開催できることを嬉しく思っている」と感慨深げに語った。
 続いて当番県理事長挨拶として関口悟副会長(東京都漬物事業協同組合理事長)は、「現在、日本には1カ月で300万人の外国人が訪れている。コロナ前と比べると、外国の方は器用に箸を使っていて日本食を普段から食べている印象を受けている。我々の業界も少し工夫すれば国内だけではなく国外の需要を広げられる可能性もある。人手不足の他、原料、調味資材、運賃などあらゆるものの価格が上昇しており、暗い話題が多くなっているが、海外の人が日本に来て消費している流れを見るとチャンスはある。本日は皆さんと情報交換をさせていただき、業界の底上げにつなげていきたい」と前向きな見解を示した。
 総会は秋本会長が議長を務めて議事を進行。第1号議案の令和5年度事業報告並びに収支決算報告の件、第2号議案の令和6年度事業計画、収支予算案並びに経費の賦課及び徴収方法決定の件、第3号議案のその他の件は、全て原案通り承認、可決された。事業計画では引き続き上部団体である全漬連の事業運営に積極的に協力し、中核的役割を推進することが基本方針とされた。
 続いて全漬連の真野康彦専務理事が漬物製造管理士試験、外国人技能実習制度、漬物グランプリ2024、10月4日に開催する青年部会全国大会宮崎大会など各事業の報告を行い、「2024年は新執行部になって2年目となり、計画を実行に移す年になる。現在は熊本県が脱退したことにより組合は34都府県となり、回数は697社から673社に減少した」と現状を説明した。
 また、技能実習制度及び特定技能制度に変わる育成就労制度について、「現在、国会で審議が行われているが、2026年から2027年に施行されると見られており、内容について理解を深めていくことが重要」と指摘した。
宮尾氏
遠藤常任顧問
泰地常任顧問
遠藤常任顧問の音頭で乾杯
祝賀会 堀優衣さんが歌でメッセージ 漬物を次の世代に伝える
 祝賀会は新潟県漬物工業協同組合理事長の佐久間大輔氏の司会進行で一般社団法人全国漬物検査協会の宮尾茂雄会長が来賓祝辞を述べ、「ある調査の結果を見ると20代の人の漬物の消費量は70代の人の30%しかない。また、あるアンケート調査では、子供の頃、食卓に漬物が出てこない家庭で育つと年を取っても食べない。逆に子供の時に食卓に出てくれば年を取っても食べる、という傾向が出ている。これを見ると子供の頃の食経験がいかに大事かということが分かる」と幼少期の食環境がその後の消費に大きく影響することを指摘した。
 続けて「とにかく漬物を食べていただくことが大事で、漬物グランプリでは試食ができるので良い機会だと思っている。最近ではメーカーがぬか漬教室などを実施するようになってきており、地道ではあるが大切なこと。漬物を食べていない学生が多い中、私の研究室の学生は美味しいと言って食べるようになる。やはり体験させることが重要で、そのようなことを地道に行っていく必要がある」と食べる機会の創出を課題に挙げた。
 遠藤榮常任顧問が挨拶を行い、「私は当組合が50周年の節目を迎えた際に会長を務めさせていただいた。それからあっという間に20年の歳月が過ぎ、その頃のメンバーも次の世代に引き継がれて大分顔ぶれが変わった。少し寂しい気持ちもあるが、各企業が伝統を受け継ぎ時代に合った新しいことを取り入れながら事業を継続されていることはとても喜ばしいこと。現在、業界では原料確保、為替、人口減少、食生活の多様化など困難なことが多い。そのような中、みんなで知恵を出し合い、これからも漬物が日本の伝統的な食品の一つとして美味しく食卓を飾るものであってほしいと願っている」と乾杯の音頭を取って開宴。各テーブルでは思い出話から最近の課題や問題まで、様々な話題と情報を共有して懇親を深めた。
堀優衣さんのミニコンサート
浅草振袖の舞踊
 宴もたけなわとなったところで、アトラクションがスタート。「浅草振袖」の舞踊で会場に花が添えられた後、テレビ東京「THEカラオケ★バトル」で12冠を獲得した堀優衣さんが登場。会場にいる全ての人を惹きつける歌声を響かせた。昨年10月に栃木県で開催された全日本漬物協同組合連合会青年部会全国大会栃木大会に続き、この日も「好きな食べ物は漬物」と会場を盛り上げ、オリジナル曲「おばあちゃんの歌」も披露。圧倒的な歌唱力で出席者の心をつかんだ。
 最後に泰地武常任顧問が「気温が暑くても寒くても漬物の原料ができるような形を作らないと今後続けていくことは難しい。次の世代に残せるように我々も頑張って80年、90年、100年と業界が続くように祈念している」と中締めを行い、鶴田氏の閉宴の言葉にて終了となった。
【2024(令和6)年6月21日第5166号1~3面】

関西漬物協会 業界変革へ団結強まる

平井会長
チャリティー販売で「沢庵寺」支援
 【大阪支社】関西漬物協会(平井達雄会長)は11日、広島県広島市の八雲流川店で第72期定時総会を開催。「沢庵寺」で知られる兵庫県出石市の宗鏡寺の修復支援と、漬物のPRを兼ねたチャリティーイベントの企画を11月に実施する方針が決まった。
 平井会長は、会場設営に尽力した山本千曲理事(広島県漬物製造業協同組合理事長)と楠原幹生氏(同理事)に感謝の意を伝え「役員20名中18名出席とほぼ勢揃い。漬物愛と団結力の高さの現れだ。事業へと活かしていきたい」と挨拶した。
役員20名中18名が出席した総会
 議事へ移ると、第一号では令和5年度の事業報告・決算について審議。70周年記念誌をデータ配布形式で発刊した他、安全衛生講習会開催、沢庵和尚にゆかりのある南宗寺(大阪府堺市)での勉強会、宗鏡寺での沢庵和尚法要参列、漬物製造管理士試検並びに外国人技能実習試験の運営などを行ったことが報告された。
 第二号は賦課金額についてで、従来通りの制度とした。
 第三号は今期の計画・予算案について。従前の活動に加えて、宗鏡寺が老朽化による修復を行っていることから、その費用支援と漬物のPRを兼ねたチャリティーイベントを行うことを決めた。
河島相談役にサプライズで誕生日ケーキを贈った
 11月3日に開催される出石市の「お城まつり」に出店し、会員各社の製品を募って販売を行い、その売上を寄付する。それに合わせて、会員による寄稿で漬物の健康機能性や歴史を綴るリーフレットを配布する案が示され、準備委員会を発足することとなった。
 第4号では次回総会開催地が和歌山県に決定した。
 総会後は懇親会も催された。林野副会長(全漬連副会長)は「全漬連総会にも出席しているが関西は意見や発言がいつも盛ん。漬物業界を良くしていくのは我々だという意気を持っていきたい」と呼びかけ、乾杯。宴席中に、河島歳明相談役にサプライズで誕生日ケーキが贈られるなど、盛り上がりと団結力を見せた。
 最後は中田吉昭副会長が中締めの音頭を取り、閉会した。
【2024(令和6)年6月21日第5166号4面】

全漬連 大阪で技能実習評価試験

 (左から)松本理事、辻副理事長、林野賢寛氏、林野雅史顧問、阪本氏
 製作等作業試験
試験委員マニュアル制作に意欲
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)が行う農産物漬物製造業技能実習評価試験の初級試験が9日、大阪市中央卸売市場本場業務管理棟で実施された。
 浅漬・キムチメーカー2社、たくあんメーカー1社から、ベトナム人実習生9名、インドネシア人実習生2名が受験した。
 大阪府漬物事業協同組合の林野雅史顧問、辻博文副理事長、松本智文理事と、漬物製造管理士1級の資格を持つ林野賢寛氏、阪本俊治氏が試験委員を務めた。主席試験委員は林野賢寛氏が初めて務めた。
 大阪漬協は組合役員(会社代表者)の負担分散や後進育成の観点から、漬物製造管理士1級の有資格者の試験委員登用を進めている。林野氏は試験を終え「受入企業の明るい雰囲気や、丁寧な教育姿勢が伝わってきた」と述べた。また「試験全体の流れを把握できていなければ主席の仕事をこなせないと感じた。今後より円滑な運営をしていくにはより詳細なマニュアルが必要だ」とし、大阪漬協役員らと意見を交わした。
【2024(令和6)年6月21日第5166号4面】

関西漬物協会 安全衛生講習会を実施

 長谷川理事長
HACCPやナトカリ比学ぶ
 【大阪支社】関西漬物協会は18日、大阪市中央区の大阪産業創造館にて、安全衛生講習会をオンライン併用で開催した。
 講習会に際し、平井会長は「漬物製造業の営業許可制度への対応は、昨今最も重要な課題の一つで、ご苦労されたかと思う。当協会の年1回の安全衛生講習会が、衛生管理への緊張感を持続してもらえる場となれるよう、毎回期待している」と挨拶した。
 講習会に移り、大阪府食の安全推進課監視指導グループの小鯛哲也副主査が「HACCPに沿った衛生管理」をテーマに講演を行った。HACCPは、危害発生を防止するために不可欠な工程(CCP)を継続監視する衛生管理手法であり、①衛生管理計画の作成②実施③記録④検証のPDCAを回して実行していく。
 小鯛氏は「CCP管理が肝要ではあるが、そもそもの衛生管理の土台である『5S』(整理、整頓、清掃、清潔、習慣)や『一般衛生管理』(施設設備や従業員の衛生管理など)を疎かにしてはならない」と語り、衛生管理の基本について解説した。また従業員へ教育・訓練の場を適宜設けること、問題発生時の報告方法を予め決めておくことを勧めた。
 次に、同グループの倉光華菜主査が「食品事故発生時の対処方法」をテーマに講師を務めた。漬物における食中毒事例として記憶に新しいのが、平成24年に北海道で起きた白菜浅漬の摂取による腸管出血性大腸菌O157。死者8名、患者169名に及ぶ甚大な被害をもたらした。
 厚生労働省は、漬物の衛生規範を改正したり、浅漬製造の事業者向けにリーフレットを作成したりするなど努めてきた。さらに、この度の営業許可制度への移行で、より安全性を高められることが期待されている。
 倉光主査は「食中毒の発生リスクをゼロにすることはできず、万が一発生した場合、行政への届け出、原因究明、再発防止、従業員教育に努めてほしい」と訴えた。
 最後に、大阪府立環境農林水産総合研究所の高井雄一郎主幹研究員が「漬物の塩分とカリウムについて」講演。漬物は高塩分の食品というイメージが一般的に持たれているが、メーカー製造の漬物は近年、減塩傾向にある。
 さらに、漬物は塩のナトリウムを野菜のカリウムが身体から排出する働きがあるため、摂取する「ナトカリ」の比率に消費者が着目できるよう業界団体として啓発してほしいと呼びかけた。高井氏は、泉州水なすの機能性研究でも著名である。
 閉会の挨拶は、大阪府漬物事業協同組合の長谷川豊光理事長が「食品に携わる者として安心・安全への意識の高さは当然で、引き続き行政や研究者の方々のご意見をいただき、糧にしたい」と謝辞を述べ、衛生講習会は締めくくられた。
【2024(令和6)年6月21日第5166号4面】

<全漬連青年部会>令和7年度は東京大会に 全国大会の指針を策定

野﨑実行委員長
佐藤部会長
全漬連青年部会部長会議
籠島部長
東京大会をモデルに 簡素化して開催地の負担軽減
 全日本漬物協同組合連合会青年部会(佐藤仁部会長)は6日、東京都中央区の中小企業会館にて全国部長会議を開催した。
 全国から18名が出席し、今年10月4日に開催する宮崎大会(佐藤仁大会会長、野﨑偉世実行委員長)の内容や進捗状況報告、令和7年度以降の全国大会の開催や実施方針が協議され、令和7年度は東京都漬物事業協同組合青年部会(籠島正雄部長)が東京大会を開催することが決定した。東京大会は2004年以来、22年ぶりで3回目の開催となる。
 令和7年度以降は準備等の負担を軽減して青年部会全国大会を継続する観点から事務局を全漬連に置き、簡素化をさらに図っていく。今後は東京、大阪の開催を基本路線とし、立候補する府県があれば組み込む指針を策定した。
 会議は全漬連の鎌田洋行事務局長の司会進行で佐藤部会長が挨拶を行い、「次の開催地も含めて、今後どのように全国大会を開催していけば良いのか忌憚のない意見をいただきたい」と述べた。
 続いて野﨑実行委員長が宮崎大会の内容と進捗状況を報告し、「来賓は呼ばず、祝辞は全漬連の中園雅治会長と九州漬物協会の大久保次郎会長の2人。懇親会では宮崎らしいお酒と食事を楽しんでいただきたい」と説明。講演会は霧島ホールディングス株式会社企画室商品開発課課長の岸良尭亮氏に依頼している。
 全漬連組織委員会が策定した「青年部大会の新たな実施方針(素案)」に則り、VIP(行政関係者及び議員)は招待しない。記念誌の冊子(紙媒体)は作成せず電子化を推奨。協賛金を集めない。案内、参加の返事等の手続きはSNSを活用。観光・ゴルフ等の娯楽的な要素は排除(2日目)等を盛り込んだ形でスケジュールを検討したことを明かした。
 続いて東京都漬物事業協同組合青年部会の籠島正雄部長が進行役を務め、継続の意思確認も含めて今後の全国大会の開催方法などについて意見交換を行った。
 大会の継続を反対する声はなく、大方の意見としては、「参加はしたいが、開催はしたくない」が多数を占め、どうすれば開催できるのかたたき台を検討。開催したくない理由としては、人手不足、来賓や講演会講師の手配、出欠席の確認作業などで負担がかかることなどが挙げられた。
 それらを解消する案として籠島部長は、「全国大会の事務局は全漬連に置いて、主管するところが可能な限りサポートする形でお願いしたい。大会の内容は簡素化して来賓は2、3人。講演会は業界内の方に講師をお願いするか全漬連の情報提供または議論の時間を設け、あとは交流会をメーンに実施する。これならば負担も大きくなく、持続させることが可能」と大枠の内容を示し、パッケージ化することで負担を軽減させる指針を策定した。
 宮崎大会以降の開催について籠島部長は、「宮崎大会の次は東京で開催させていただく。移動や規模も含めて開催可能な場所として東京と大阪を基本にし、その間に手を上げるところがあれば開催していただく。まずは本日の内容をもとに簡素化して開催する東京をモデルケースとし、今後の方向性を改めて検討していただきたい」とまとめ、出席者の同意を得た。
 親会との合同開催やエリア開催の意見も出されたが、この日の話し合いで固まった指針をベースに今後は全漬連や大阪府漬物事業協同組合青年部をはじめ、全国の青年部の承認を得て、今後の実施方針が決定する。
【2024(令和6)年6月11日第5165号1,2面】

<全漬連> 令和6年度通常総会 転換期の漬物業界を先導

全漬連総会の出席者
全漬連の総会
食品衛生法改正で混乱も
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は5月30日、東京都港区の明治記念館にて令和6年度通常総会を開催。来賓も含めて全国から会員多数が出席した。2年目を迎えた中園会長の下、前年度の事業を踏襲しながら実績を残していく方針が示された。また、総会及び懇親会には自由民主党漬物振興議員連盟(森山 会長)の高市早苗幹事長と武井俊輔事務局長が出席し連携強化を再確認。物価高に伴う節約志向の高まり、原材料費をはじめ包装資材、物流費、エネルギー等の上昇、人手不足など、様々な課題が山積する中、食品衛生法の改正で漬物製造業の営業許可制が6月1日から完全施行となる。組合未加盟企業を中心に多数の事業者が製造を停止する可能性が指摘されている他、商品供給や流通の混乱、生産量の減少も懸念され、組合加盟企業の存在感は高まっている。大きな転機を迎えようとしている漬物業界を先導する全漬連が新年度に向けて再スタートを切った。
 ウクライナ情勢や円安を背景とした輸入原材料やエネルギー、包材の高騰など、漬物業界は厳しい経営環境に置かれている。
 そのような中、業界は大きな転機を迎えようとしている。食品衛生法改正に伴い令和3年6月から漬物を製造して販売する場合、「営業許可」が必要となった。経過措置期間は総会翌日の令和6年5月31日で終了するため、営業許可が下りていない事業者は6月1日から漬物を製造、販売することができなくなる。
 全国では漬物を製造する事業者が数万軒あるとされ、その9割以上は組合に加盟しておらず、多くの事業者が許可を得るために必要な施設、設備を整えるために設備投資が必要とされることから、相当数が製造を停止する可能性が指摘され、商品供給や流通の混乱、生産量の減少も懸念されている。
 組合では早くから対応の必要性が叫ばれて準備を行ってきており、衛生法の改正に伴う影響は軽微と見られている。それでも組合未加盟事業者の製造停止により、想定外の問題が発生する可能性もあり、全漬連加盟企業の存在感が高まっている。
 総会は真野康彦専務理事の司会進行で菅野行雄副会長の開会の辞で開会し、挨拶に立った中園会長は、昨今の経済状況、実質賃金の減少、原料状況などについて触れた上で、「農水省の国産野菜シェア奪還プロジェクトが4月からスタートするなどプラスのこともあるが、業界においてはマイナスの方が大きく、値上げは避けては通れない。ただ、値上げを行う場合は品質や味の向上が必要になってくる。経営学者のドラッカーは会社を継続するためには顧客を創造することが必要だと言っている。消費者を満足させる商品を提供すること、あるいは一歩先をいって新たなニーズを生み出す商品を提供すること、顧客に満足を与え続けることが顧客を創造することになる。基本的なことは抑えつつ、業界各社が努力をし続けることが重要だ」と強調した。
 続けて漬物の需要拡大について料理素材としての活用、高塩分といった間違ったイメージの払しょくに取組んでいく方針を改めて示し、「各企業と業界が一緒になって努力を続けていくことで展望が開けていくと考えている。昨年は各委員会で様々な問題について話し合いを行ってきた。今年はそれを実行に移す年だと位置付けている。業界が更に発展していくように取り組んでいくので引き続き協力をお願いしたい」と団結を求めた。
高市氏
二井氏
木内氏
宮尾氏
表彰状を授与される前田氏(右)
業界で食育に取り組む 鈴木尚彦氏が新理事就任
 議案審議に移り、林野雅史副会長が議長を務めて議事を進行。第1号議案の令和5年度事業報告、決算報告承認の件、第2号議案の令和6年度事業計画、収支予算並びに経費の賦課及び徴収方法決定の件、第3号議案の令和6年度における借入金額の最高限度決定の件、第4号議案の使用料又は手数料の最高限度決定の件、第5号議案の役員報酬決定、第6号議案の定款変更の件、第7号議案の役員補欠選挙の件は原案通り承認、可決された。
 令和6年度事業計画では、昨年から引き続き表示等の適正化、衛生管理対策の推進、品質管理の高度化の推進、漬物技能評価制度、原料安定確保対策等の強化、消費拡大に向けた取り組みの強化、PR活動の強化、漬物業界全体の活性化、教育情報活動の強化、委員会・部会(目的別委員会)の活動強化、その他、関係省庁、関係団体との連携に取り組む。
 また、熊本県漬物工業組合が脱退したことにより、全国の組合が35都府県から34都府県となり、組合員数も昨年の697社から24社減少して673社となった。
 第7号議案の役員補欠選挙の件は、指名推薦方式で山形県漬物協同組合の鈴木尚彦理事長が推薦され、新理事の就任が決定した。
 議案審議の途中、駆け付けた漬物議連の高市幹事長が挨拶を行い、「食品衛生法の改正で経過措置期間が今月で終わる。全漬連におかれては衛生管理の分かりやすい手引書を作成し、食品衛生の普及にご尽力をいただいて感謝している。また、つい最近のことだが、クールジャパン戦略の担当をすることになった。来月、戦略を見直す予定となっており、日本の食を海外に展開し、国内でも盛り上げていくことついてこだわって取り組んでいく。円安で厳しい面もあるが、インバウンドが増えていて漬物に親しんでいただく方も多いと思う。海外からの引き合いもきていると聞いており、色々な形で皆さんが作っている漬物や文化の発信に力添えさせていただきたい」と漬物の需要拡大を推進していく考えを示した。
 全議案の審議終了後、休憩を挟んで組合功労者表彰が行われ、令和5年秋の叙勲・褒章で、元副会長で東海漬物株式会社代表取締役会長の大羽恭史氏が旭日双光章を受章、元常務理事で前田食品工業有限会社代表取締役会長の前田節明氏が黄綬褒章を受章したことが紹介され、出席した前田氏に表彰状と記念品が授与された。
 表彰者挨拶で前田氏は、「500名くらいいる中で天皇陛下に声をかけていただいたことは本当に嬉しかった。私は今年83歳になるが、もう少しお世話になりたいと思っている。皆様方におかれては引き続きご指導とご鞭撻をいただきたい」と皇居で天皇陛下に拝謁した時のエピソードを紹介し、謝意を示した。
 続いて農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課課長補佐の二井敬司氏、独立行政法人農林水産消費安全技術センター理事長の木内岳志氏、一般社団法人全国漬物検査協会会長の宮尾茂雄氏が来賓祝辞を述べ、二井氏は4月に開催した漬物グランプリ2024や同省が推進している「漬物で野菜を食べよう!」の取組について説明を行った上で、「今後の農政の基本方法を定める食料・農業・農村基本法について改正案を国会に提出し、参議院本会議で可決、成立した。国民に持続的に食料供給を行っていくためには生産から消費を含めたシステム全体の持続性の確保が重要。適正な価格形成に関する協議会、食品産業の持続的な発展に向けた検討会を開催しているところ。今後も引き続き皆さんの声を聞きながら施策の具体化に向けて取り組んでいく」と政策や取組について説明した。
 木内氏は、「3月に紅麹の件が話題となったが、口に入るものについては消費者の信頼を裏切ってはならない。業界の皆様は苦労していることが多いと思うが、高い品質を維持されている。当センターは様々な規格作りのお手伝いをさせていただいている他、規格を維持する取組も行っている。信頼を一度失うと回復することは難しい。皆様方におかれては今後も信頼を高める取組を行っていただきたい」と語った。
 宮尾氏は、様々なコストが上昇するなど、業界を取り巻く問題を指摘した上で、「29歳以下の漬物の支出額は70歳以上の人と比べると3割以下。年を取ると食べるということではなく、食べない方がそのまま年を重ねると由々しきことになる。漬物が食卓に出てこない家庭で育った人は大人になっても食べないというアンケート結果がある。逆に言えば子供の時に食べることが大事。中には給食への提供やぬか漬教室の開催など地道な努力を行っている企業もあるが、業界の各社が食育に取り組んでいく必要がある」と食べる機会の創出を促した。
 最後に漬物議連の森山会長の祝辞を真野専務が代読し、「今国会においては、今後、中長期にわたり、食料安全保障の確保や、環境・人権等にも対応した農業・食品産業の持続的な発展に向けて、昨年12月の自由民主党の提言も踏まえ、食料・農業・農村基本法が改正されたところ。基本法の改正を受け、今後、合理的な価格形成、食品産業の持続的な発展などについて、食品産業の皆様の声をよく聞きながら、施策の具体化等に取り組んでいく。漬物振興議員連盟としても、漬物業界の更なる発展に向け、皆様の声を承りながら、様々な課題に取り組み、我が国の伝統に根差した漬物文化を担う皆様方を支えていきたい」と連携を強化していく方針を示した。関口悟副会長の閉会の辞にて終了となった。
野﨑監事による乾杯
有意義な時間を過ごした
武井氏
懇親会 漬物議連と連携を強化 情報交換で結束強める
 総会後、別室にて懇親会が開催され、望月啓行副会長の開会の辞、来賓紹介に続いて野﨑伸一監事の乾杯発声で開宴となった。
 会員相互に情報交換や意見交換を行う中、駆け付けた漬物議連の武井事務局長が挨拶を行い、「色々と課題がある中で、日本の産業を守っていくのは自民党だ、という思いでしっかりと役割を果たしていきたい。人手不足など多くの課題を抱えていると思うが、我々もDXの推進などの取組を通じて皆様により元気になっていただきたい。今後も皆様と政治が連携して進んでいきたいと思っているので、引き続きご理解とご協力をいただきたい」と連携強化を強調した。
 引き続き歓談の時間を過ごした後、大久保次郎副会長が中締めの挨拶に立ち、「今年は10月4日に宮崎で青年部の全国大会を開催する。宮崎では各企業の社長がいわゆる第三世代に移りつつあり、若い時に新しい経験をすることが重要ということで全国大会を開催する運びとなった。一生懸命仕事をすることも大事だが、人脈を作ることも大事。是非、多くの方にお越しいただきたい」と宮崎大会への来場を呼びかけ、結びとした。
【2024(令和6)年6月1日第5164号1,2面】

愛知漬協青年会 創立60年で盛大に式典

山田会長
田辺会長
曾我会長
青木宮司
稲田15代会長
浅田26代会長
野田21代会長
青年会で記念撮影
家族やOBも参加した
OBや家族揃い世代間交流
 【大阪支社】公益社団法人愛知県漬物協会青年会(山田耕平会長)は1964年2月25日に創立し、今年で60周年を迎えた。これを記念して3月30日、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋において、創立60周年記念式典(田辺義晴実行委員長)を執り行った。青年会OBや、現会員の家族も参加。世代の垣根を超えて同じ時間を過ごし、漬物の未来へ心を一つにした。
 田辺実行委員長が開会を宣言すると、まず60年を振り返るスライドショーが放映され、参加者からは「懐かしい」と声が上がった。
 続いて挨拶に立った山田会長は、「世代が違えば価値観も違うが、意見を交わせば理解できる。今日は大先輩から会員の家族まで集まったので、ぜひ世代や立場の垣根を超えて交流をしてほしい」と会長就任以来テーマに掲げてきた「集う、を新たに」に込めた思いを語った。
 来賓として、青年会20代会長で愛知漬協会長の曾我公彦氏は「当時を振り返ると無駄な時間、無駄なお金をたくさん使った。だが、その経験が私という人間を形づくり、社業にも役立っている。皆さんも自由に活動してほしい」とエールを贈った。
 また日本で唯一漬物の神を祀る萱津神社の青木知治宮司は「毎年8月21日に執り行う香乃物祭では青年会の皆様に協力いただいている。50周年の際には石造の漬物樽を奉納いただき大変重宝している。100年後、私たちは居なくなっているが、萱津神社は残っていることだろう。貴青年会とともにいつまでも続いていくことを願う」と挨拶し、青年会の永続を祈念した。
 また15代会長の稲田耕一氏は創立当初の記憶を語り「大阪や京都でも青年組織が作られ始めた頃で、互いに見学会やゴルフ交流も盛んに行った。それが全国へ伝播していった。漬物に携わる若者が団結するきっかけを作ったのは愛知だと思う。これからも全国をリードする存在であってほしい」と激励の言葉を贈った。
 その後は浅田康裕26代会長(愛知漬協専務理事)が乾杯の音頭を取り、懇親会へ。宴席の最中には愛知県出身のコミカルイリュージョニスト『H&S(ハンズ)』によるショーが披露され、愛知漬協公式キャラクター「アイチタルオ大王」も出演するなど、賑やかな時間を過ごした。
 最後は野田明孝21代会長(愛知漬協副会長)が中締めの音頭を取り、様々な世代の参加者が互いの健勝を祈り合い、閉幕となった。(小林悟空)
【2024(令和6)年4月11日第5159号1面、4月21日5160号2面】

山田耕平会長挨拶

対話で道を見出す
 当青年会は1964年2月25日に創立された。それから60年、何百人という先輩方が切磋琢磨しながら歴史を積み重ねてきた。他県青年部組織では解散が相次いでいる中、我々が今日を迎えられたのは会員はもとより周囲の支えあってこそだと感謝している。
 この60年間、日本は昭和から平成、令和へと移り、景気の面では高度成長期から「失われた30年」へ突入した。一方ではIT革命をはじめ、様々なものごとや人々の意識が変化してきた。
 最近『不適切にもほどがある!』(TBS)というテレビドラマが話題になった。昭和からタイムスリップした男性が当時の価値観で行動し、周囲と衝突しながらも意見を交わし、相互に理解を深めていくという内容だった。
 私はこれに、漬物業界の歩むべき道を見た気がする。伝統食品である漬物は、現代のニーズに適応して変化しながら、核となる要素は引き継いでいくことが必要であり、それには世代を超えた対話が不可欠だからだ。
 いま、当青年会のメンバーは13人で、最年少は27歳、最年長の私は47歳で20歳もの差がある。私は会長就任以来「集う、を新たに」をテーマとしてきたが、年の差を気にせず同じ青年会メンバーとして忌憚なく意見を交わせるのは非常に貴重な時間だ。
 今日はOBや会員のご家族も招いた。世代間交流の場として共に楽しみながら、漬物の未来を盛り上げていく道筋を見つけていきたいと考えている。青年会らしく、楽しく自由に話してほしい。

曾我公彦会長祝辞

「無駄」を若いうちに
 60周年おめでとう。本日はお招きいただき感謝している。
 私が会長を努めていた40周年時は30余名、その10年前だと40名以上が在籍していた。今は13名と減り淋しいが、続いていることが何よりうれしい。
 振り返ると、運動会などの一見すれば漬物に関係のない無駄な時間、無駄なお金をたくさん使った。先ほどのスライドショーで思い出が蘇ってきた。
 しかしその経験が私という人格を作ってくれた。愛知県内だけでなく全国で仲間を作れた。社業にも役立っていると自信を持って言える。
 そういうことができたのは先代がいた若いうちだけだった。現在は人数も減り、予算も余裕がある状況ではないと思う。しかし臆せずにいろいろなことへ挑戦してほしい。失敗しても、我々年寄りがフォローしていく。今日出席しているOBの皆様はそのつもりでいてください。
 青年会にはいつもPR活動や行事運営に手伝ってもらっている。漬物のために頑張ってくれて本当に感謝している。これからも青年会が続いていくことを心より祈っている。


世代間の垣根を超えて楽しんだ

霧島農産(宮崎県)

全漬連 漬物製造管理士試験

学科試験
1級の実技試験
関西で1~3級の32名受検
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)の関西ブロックは17日、大阪市中央卸売市場本場業務管理棟で、漬物製造管理士技能評価試験を実施し、1~3級合わせて32名が受検した。
 試験委員は次の8名。関西漬物協会の河島歳明相談役、大阪府漬物事業協同組合の林野雅史顧問理事、辻博文副理事長(主席試験委員)、京都府漬物協同組合の土井健資理事長、兵庫県漬物事業協同組合の堺智洋副理事長。高嶋酒類食品株式会社の高嶋善平代表取締役社長、1級保持者の阪本俊治氏(カカシ食研㈱)、八尾奈緒子氏(㈱みやまえ)。
 当日は、関西漬物協会の平井達雄会長が駆け付け、試験に立ち会った。
 試験は、1~3級まで学科試験と記述式の技能要素試験を行い、1級のみ実技試験も実施した。
 新型コロナウイルスの蔓延以前は、2級と3級でも実技試験を実施していたが、今回も実施は見送られた。1級の実技試験では「大根の醤油漬」が出題され、大根と人参を皮むきから行い、漬け込み作業、試験は無事終了した。
 主席試験委員の辻副理事長は「筆記試験は、ペンの走りがスムーズで事前によく勉強していることがうかがえた。1級の実技試験については、日頃、品質管理を担当している方でも、試験中に緊張感が伝わってきた」と語った。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

全漬連 

全漬連 東北ブロックの6名受検

漬物製造管理士試験を実施
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は9日、宮城県仙台市の仙都会館で東北ブロックの漬物製造管理士技能評価試験を実施。2級2名、3級4名の計6名が受検した。
 東北漬物協会の菅野行雄会長が主席試験委員、及川慶一郎副会長と事務局の遠藤仁志氏が試験委員を務めた。試験は学科試験、記述式の技能要素試験が行われ、滞りなく終了した。
 菅野会長は「土曜日は仕事が忙しい会社もあり、今回は受検者数が少なかった。試験日を平日にしてほしい、という声も挙がっており、来年度は平日開催も含めて日程を検討する」と各企業の事情を考慮する方針を示した。
 また、外国人技能実習制度の活用については、「現在、東北の漬物企業で外国人技能実習生を受け入れている企業はほぼないが、今後は増えていく可能性もある」と見通しを語った。
【2024(令和6)年3月11日第5156号4面】

<山形県漬物協同組合> 漬物オリンピックで伝統継承 第15回山形県漬物展示品評会

農水大臣賞を受賞した三奥屋の近社長
三奥屋「晩菊」が農水大臣賞
 山形県漬物協同組合(鈴木尚彦理事長)は2月24日、山形県山形市のホテルメトロポリタン山形にて4年に一度開催する「第15回山形県漬物展示品評会」の表彰式及びレセプションを開催。コロナで2年延期となっていたため、実に6年ぶりの開催となった。
 総出品数は154品(おき漬・あさ漬)で、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄氏を審査委員長、高崎健康福祉大学農学部生物生産学科教授の松岡寛樹氏を副審査委員長に計5人の審査委員が2月22日に山形市の山形県観光物産会館「ぐっと山形」にて審査会を行った結果、株式会社三奥屋(近清剛社長、山形県東置賜郡高畠町)の「晩菊」が農林水産大臣賞を受賞。その他、農林水産省大臣官房長賞、東北農政局長賞、山形県知事賞、山形県議会議長賞、全日本漬物協同組合連合会会長賞、東北漬物協会会長賞、株式会社山形県観光物産会館社長賞、山形県中小企業団体中央会長賞、山形県食品産業協議会長賞、株式会社食料新聞社社長賞の各受賞者も発表された。
晩菊(中央)を中心に上位入賞作品が並ぶ
 昭和40年(1965年)にスタートした同品評会は、県内漬物業者が県産漬物の品質の向上と流通、消費拡大を意図し、同県漬物業振興発展に寄与することを目指すべく、組合員が総力を挙げて開催。4年に一度の開催で「漬物オリンピック」とも呼ばれている。
 6年ぶりの開催となった山形県漬物展示品評会は着実に進化していた。準備期間も長かったこともあり、昨年5月から毎月集まって打合せを行った。昨年10月25日と26日には長野県漬物品評会の審査会を視察し、長野県漬物協同組合の古越三幸理事長らと情報交換を行った。
 これまでの審査会ではテレビや新聞各社の取材を断っていたが、今回は取材をOKにしたことで審査会の模様がテレビなどのメディアで紹介されるなど、高いPR効果があった。
 今回は以前に行っていたテレビCMでの告知を止めて近隣の4市を対象に、新聞の折り込みを40万部入れて即売会の情報を発信。また、山形市立商業高等学校の産業調査部がインスタグラムで品評会及び即売会のチラシを紹介した。
 即売会の会場は山形市の大沼デパートから同市の山形県観光物産会館「ぐっと山形」に移し、2月24日と25日に販売を行った。
 販売価格は同品評会で各賞を受賞した商品、参加商品の全商品が200円均一の大特価で販売。収益性よりも山形県漬物協同組合の取組や漬物の魅力を業界外へ広く発信する意味を込めた価格設定とした。
 もともと集客力のある売場ではあるものの、反響は予想以上となり、2日間とも早い時間帯で完売した。鈴木理事長が先導する山形漬協は、伝統を継承しながら時代に合わせて少しずつ変化している。
佐藤実行委員長
河田副理事長
佐藤課長
庄司大石田町長
厳粛な雰囲気の中で行われた表彰式
安全で美味しい山形の漬物を全国に
 各賞受賞者に表彰状授与
「第15回山形県漬物展示品評会」の表彰式及びレセプションは、渡辺真一専務理事の司会進行で、佐藤裕宣実行委員長が開会の辞を述べてスタート。鈴木理事長が挨拶(挨拶と祝辞は別掲)を行い、来賓をはじめ業界各位、出席者に謝意を表して品評会の意義や今後の活動について抱負を語った。
 続いて表彰状伝達式に移り、農林水産大臣賞をはじめとする各賞受賞者に、行政関係各位、関連業界の代表から表彰状が授与された。食料新聞社社長賞は、本紙編集部部長の千葉友寛が授与した。
 受賞者謝辞は、農林水産大臣賞を受賞した山形漬協前理事長で三奥屋の近清剛社長が「晩菊」や山形の風土で培われた漬物の魅力を語り、感謝の意を示した。
 来賓祝辞では、山形県知事の吉村美栄子氏、東北農政局地方参事官の佐々木春幸氏、衆議院議員の遠藤利明氏(横澤直美氏代理出席)、衆議院議員の鈴木憲和氏(東井上明氏代理出席)、山形議会議長の森田廣氏より、お祝いの賛辞と激励の言葉が贈られた。
 来賓紹介に続いて高崎健康福祉大学農学部生物生産学科教授で副審査委員長の松岡寛樹氏が講評を行った。その後、表彰式は河田吉助副理事長による閉会の言葉にて終了となった。
 会場設営でしばし休憩となった後、本間光太郎青年会会長が司会を務めてレセプションがスタート。佐藤実行委員長による開会の言葉に続いて挨拶を行った鈴木理事長は、「本日は第15回山形県漬物展示品評会の祝賀会に出席いただき、厚く御礼を申し上げる。来賓の方々をはじめ、2月22日に開催した審査会で154品の漬物を一品一品丁寧に審査していただいた審査委員の皆様にも厚く御礼を申し上げる。この祝賀会は農林水産大臣賞を受賞した三奥屋様を祝福する会でもあり、また出席された皆様の交流や情報交換、会社と自分の研鑽の場でもある。多くの方との会話の中から次の一歩のヒントや気づきを得られる場となれば幸いだ」と述べた。
 山形県議会議員の奥山誠司氏が来賓祝辞を述べた後、山形県農林水産部の地主徹部長の代理で出席した同部県産米・農産物ブランド推進課の佐藤真二課長が挨拶を行い、「漬物は私たちの文化遺産だと思っている。その価値を次世代に伝えていくことが私たちの責務でもある。本日は漬物の文化や技術を守り、発展させていくことの重要性を再認識した。受賞された皆様、ご出席された皆様のご健勝とご多幸を祈念して乾杯したい」と乾杯の音頭を取って、開宴となった。
 各テーブルに提供された上位7賞の受賞品を賞味しながら、6年ぶりの開催となった品評会の歴史や今後の在り方、新しい需要の創造など将来について意見交換を行った。歓談の時間を過ごした後、大石田町長の庄司中氏による中締め、本間青年会会長による閉会挨拶にてお開きとなった。
【審査方法】
 審査方法は5名の審査員が企業名と商品名が分からない出品財を実食で審査。1次審査(各1~5点)は食風味と商品性を評価。1次審査を通過した出品財は2次審査(各1~5点)に進み、食風味と商品性に加えて色沢と肉質も審査され、上位から順位が決定する。
【審査委員】
 ▼審査委員長:宮尾茂雄氏(東京家政大学大学院客員教授)▼副審査委員長:松岡寛樹氏(高崎健康福祉大学農学部生物生産学科教授)▼審査委員:齋藤寛子氏(山形県立米沢栄養大学健康栄養学部)、眞島彰子氏(株式会社清川屋商品開発部兼商品管理部部長)、半田周平氏(リンベル株式会社執行役員商品本部長)
山形県漬物展示品評会の審査委員と組合員
全154品を審査する審査委員

山形県漬物協同組合 理事長 鈴木尚彦氏

時代に合わせて変化していく
 第15回山形県漬物展示品評会の表彰式並びに祝賀会に出席いただき、組合員一同心より感謝を申し上げる。本日、お忙しい中ご出席を賜った当組合の名誉顧問で漬物をこよなく愛されている吉村美栄子様、東北農政局地方参事官の佐々木春幸様をはじめ、多くの来賓の方にお越しいただき、感謝している。
 コロナ禍で2年の延期を余儀なくされたが、2月22日に品評会の審査会を開催し、本日の表彰式並びに祝賀会を迎えることができた。また、昨年まで当組合を22年の長きに亘って守り、また私たちに山形県の漬物の伝統と文化を教えていただき、組合活動を活性化された近前理事長様、渡辺前専務理事様、諸先輩の皆様には心より感謝している。
 品評会は先輩たちから伝統を受け継ぎ、60年続いている。受け継いで初めて会を運営する私たちは、日々組合を支えてくれている事務局と力を合わせ、運営のやり方も時代に合うように変化していかなければならない。これからも意見を出し合い、前に進んでいきたいと思っている。祖父の代も父の代も山形県の漬物文化への愛、情熱、探求心は変わらない。安全で美味しい漬物を山形の県民、東北、日本中に届けていきたい。
 そのための漬物製造の技術の研鑽の場として品評会は60年続いてきた。組合員同士の切磋琢磨の場でもあり、これからも必要な取組。昨年5月から毎月実行委員会を重ね、自由な発言とそれをお互いに受け入れる心、とても大切な仲間ができた時間となった。
 私たちは漬物を通して山形の文化、四季、観光、おもてなしの心を県民、東北、日本中の皆様、外国人の皆様に自信を持って発信し続けていきたいと思っている。本日ご臨席を賜った来賓の方々、当組合賛助会員の皆様、当品評会に協賛いただいた各企業の皆様、心から御礼を申し上げる。
 今回、農林水産大臣賞を受賞された三奥屋様の晩菊は発売から67年目を迎えた商品と聞き、改めて漬物の伝統や文化の継承が大切だということを教えていただいた。
 結びに元日の能登半島地震で亡くなられた方々に哀悼の念といまも避難されている多くの方々への思いを忘れず、また長年に亘り品評会の審査委員を務めていただき昨年12月にご逝去された前田安彦先生への感謝も忘れてはなりません。
 普段の生活、日々の漬物製造、商売ができることへの感謝の気持ちを大切にして、これからも組合員一同励んでいく。

[講評] 副審査委員長 松岡寛樹氏

松岡副審査委員長
山形の食文化は安泰
 私がいる高崎健康福祉大学では、恐らく日本で唯一の漬物の研究室がある。昨年逝去されたが、宇都宮大学名誉教授の前田安彦先生から漬物を研究するようにずっと言われていて、立場が人を作るという言葉にあるように、色々な場で話す機会を作っていただき、徐々に漬物業界に入り込むようになっていった。
 私は大学生を教育している立場で、先ほどからも指摘されているように若い人にどのようにして漬物を受け入れてもらうか、影響力を持たせられるのか、ということはいつも考えているのだが、なかなか決め手がない、というのが正直なところだ。
 そんな中でもメディアの力は大きく、山形で開催されている国民スポーツ大会で沢庵を食べるシーンが流れると影響が出てくると思っている。本日は欠席となった宮尾審査委員長より預かっている講評を代読させていただく。
 6年ぶりに開催された品評会は、全体的に見てレベルの高さがうかがえた。山形県らしく山形青菜、外内島きゅうり、あつみかぶ、晩菊と地元の特産伝統野菜をふんだんに使った漬物が多く出品され、山形らしさが色濃く表れた品評会だったと思う。
 新開発された漬物が出されるのも、山形の品評会の楽しみでもある。さくらんぼの漬物の他、牛肉や豚肉を加えた漬物など、魅力的な漬物も多く出品されていた。
 山形のだしもダイスカットのような工夫が見られ、和風洋食や介護食など様々な食シーンに対応できるような製品開発がされていてこれからの動きが期待される。
 また、塩度が高いものなども散見されたが、漬物王国である山形の食文化は今後も安泰だと確信している。
三奥屋「晩菊」 農林水産大臣賞
 農林水産大臣賞を受賞した株式会社三奥屋(近清剛社長、山形県東置賜郡高畠町)の「晩菊」は、昭和36年に発売を開始。同社の看板商品として広く知られている。
 東北の漬物を代表する逸品として長く愛されている「晩菊」は、10種類にのぼる山形の代表的な山菜と野菜を刻んで漬込み、およそ2年の歳月をかけて仕上げている。
 春の山菜から晩秋の香り高い菊、野菜を素材別に丁寧に下漬け。熟成させた素材を合わせ、梅酢を用いて独自の本漬に仕上げた。
 晩菊の落ち着いたべっ甲色は漬け込んだ歳月の証。落ち着いた彩りで食卓に花を添える。
 規格は100gで賞味期限はD+179。
本長「外内島きゅうり味噌漬」 農林水産省大臣官房長賞(おき漬部門)
 農林水産省大臣官房長賞(おき漬部門)受賞の株式会社本長(本間光太郎社長、山形県鶴岡市)の「外内島きゅうり味噌漬」は、山形県鶴岡市外内島地区で栽培されている在来野菜の外内島きゅうりを使用。文献には170年前より栽培されているとの記載があり、歴史や風土を感じさせる逸品だ。
 希少な原料である外内島きゅうりを同社独自の味噌床に数回の漬け替えを行った特製の味噌漬で、コクのある旨味、ほど良い甘さと塩味、奥深い風味がご飯と良く合う。手間を惜しまない熟成した深い味わいが楽しめる。内容量は140gで賞味期限は120日。
マルハチ「焼畑あつみかぶ」 農林水産省大臣官房長賞(あさ漬部門)
 農林水産省大臣官房長賞(あさ漬部門)を受賞した株式会社マルハチ(阿部武秀社長、山形県東田川郡)の「焼畑あつみかぶ」は、400年の歴史がある山形県の特産品として愛されている。
 あつみかぶ発祥の地である山形県鶴岡市温海地区に伝わる昔ながらの焼畑農法は真夏に山の急斜面を焼き、焼き終わった後、まだ熱い灰の中に種を蒔く栽培方法。あつみかぶの表皮は濃紫色だが中は真っ白な果肉で、甘酢漬にすることで鮮やかなピンク色に漬け上がる。また、キュッと締まった果肉のカリッとした食感も楽しめる。内容量は150gで賞味期限は30日。

[謝辞] 三奥屋 代表取締役社長 近清剛氏

近社長
山形の漬物を全国に伝える
 本日はこのような栄えある賞をいただき、厚く御礼を申し上げる。三奥屋を創業した父は、全国の漬物を知っていて加工された和食の分析については私たち子供も恐れを感じる程だった。そのような父に育てられたので、味覚をはじめ、行儀作法は徹底して厳しく教えられた。本当に良い両親に育てていただいたと思っている。本日、皆様の前でこのような話をすることができて感謝するとともに、帰宅したら仏壇の前で父に報告させていただきたいと思っている。
 私たちは山形の漬物にどのように価値を付けていくのか、また日本全国に山形の漬物は素晴らしいものである、ということを伝えていく方法を考えていきたいと思っている。「西の京都、東の山形」と評されるように山形の漬物のポジションをもっと高めていきながら、山形の食は質が高い、ということをしっかりと伝えて価値作りを行っていきたいと考えている。今後も賞に甘えることなく、さらに研鑽を積んでいきたい。

[祝辞] 山形県知事 吉村美栄子氏

吉村知事
食料供給源山形として発展
 本日出席されている皆様には日頃より、本県の農林水産業はもちろん、県の取組に対してご理解とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げる。第15回山形県漬物展示品評会の各賞受賞者の方には心からお祝いを申し上げる。
 高い製造技術や素材を生かした商品開発が評価されたものであり、これまでの努力に対し深く敬意を表する。貴組合の皆様には日頃より県産農産物の活用の他、本県の伝統野菜を原料とした漬物の開発を行うなど、守るべき伝統を継承しつつ、時代の変化を的確にとらえながら商品を開発され、山形の食と農の魅力を国内外に発信されている。
 さらに、沢庵禅師の遺徳を偲び長年に亘って香の物祭を開催して食文化の継承にも取り組まれるなど、改めて敬意を表する。沢庵漬を知らない人はほとんどいないと思うが、沢庵漬は山形が発祥だと話をすると多くの人がびっくりする。
 品評会はコロナの影響で2年延期され、6年ぶりの開催となる。品評会は品質向上に向けて組合員同士が切磋琢磨する意義深いもの。西の京都、東の山形と評されるなど、本県の漬物が全国から高く評価されているのは、偏に貴組合と組合員の皆様のご尽力の賜物。改めて感謝を申し上げる。
 さて、農業は本県の地域経済の活力の源となる基盤産業。この農業を将来に亘って発展させていくため、県では気候変動に対応した足腰の強い産地作りや県産農林水産物を起点とした食産業の振興など、様々な施策を展開している。
 特にこの4月には優れた技術と経営力、国際競争力を身に付け、農林業のリーダーとなる人材の育成する東北農林専門職大学が開学する。この開学を機に県民や国民の命をつなぐ食料供給源山形の更なる発展を目指していくので、引き続き格別のご理解とご協力を賜りたい。
 若い人に漬物の美味しさや良さをどのようにして伝えていくかということは大きな課題。ご飯のお供はもちろん、酒のつまみとしても食べられる。
 誇るべき食文化を次世代につないでいっていただきたいと思っている。何かお手伝いできることがあれば県に案を出していただきたい

[祝辞] 東北農政局長 前島明成氏

代読の佐々木氏
和食文化を未来につなぐ
 本品評会を主催されている山形県漬物協同組合は長きに亘り、山形県の漬物産業の発展に大きく貢献されてきた。その功績に謝意を表する。この度、農林水産大臣賞をはじめ各賞を受賞された皆様には、心からお祝いを申し上げる。これらの受賞は年々と受け継がれた伝統と技を生かしつつ、漬物の品質向上や新製品の開発等に真摯に取り組んできた成果が結実したものと考えている。今後ますますの活躍を期待している。
 漬物は古くから日本人に愛されてきた和食文化を象徴する食品の一つ。また山形県は全国でも有数の漬物産地で、山形県の多種多様な漬物は地域農産物の消費拡大、地域食品産業の発展、そして私たちの豊かな食生活の実現に貢献している。
 和食は日本人の伝統的な食文化として、平成25年にユネスコの無形文化遺産に登録され、昨年10周年を迎えた。また和食文化は日本食とともに農業、食、地域の食産業を支える基盤であり、多用な価値を国内外で創造する可能性を持っている。我が国の食文化をめぐる社会情勢や消費者の志向は大きく変化している。次世代へ和食文化を発信していくことが重要な課題だと受け止めている。農林水産省では食育の推進、日本食文化の海外発信、国産農産物の需要拡大等の施策を一体的に推進し、和食文化を未来につないでいく。そして和食文化を守る、つなぐ、広めることが漬物業界の更なる発展の一助になると考えている。今後もご支援とご協力をお願い申し上げる。
(代読:東北農政局地方参事官の佐々木春幸氏)

[祝辞] 衆議院議員 遠藤利明氏

代読の横澤氏
現代人の志向をとらえる
 第15回山形県漬物展示品評会表彰式の開催、お慶び申し上げる。
 本日、栄えある賞を受賞された皆様には心よりお祝いを申し上げる。山形が誇る漬物文化を支え、更なる発展に向けて尽力されている皆様に心より敬意を表する。
 漬物の素材の豊富さや研究を重ねた経験により、4年に一度、60年続けてこられた品評会を契機として、山形から全国へ漬物の新しい魅力が発信されることを期待している。
 若い方からインバウンドまで現代人の志向をとらえ、今後ますます発展されることをご期待申し上げ、お祝いの言葉とさせていただく。
 (代読:秘書の横澤直美氏)

[祝辞] 山形県議会議長 森田廣氏

森田議長
漬物は重要な食文化
 現在、第78回国民スポーツ大会冬季大会が山形で開催されているが、スキージャンプで有名な高梨沙羅選手は、朝はいつもおにぎりと漬物を食べて会場に行くそうだ。またお昼用におにぎりを作ってもらって漬物も食べながら競技に臨んでいると聞いている。非常にありがたいことだと感じている。
 協賛企業各社の協力があって開催される第15回山形県漬物展示品評会表彰式において、県議会を代表してお祝いの言葉を申し上げる。
 山形県漬物協同組合の皆様には本県漬物産業の振興、発展に多大なるご尽力を賜り、深く敬意を表するとともに感謝を申し上げる。また、本日農林水産大臣賞をはじめ各賞を受賞された皆様にお祝いを申し上げる。皆様の漬物作りに対する熱意と優れた技術、アイデアが高く評価されたものであり、心からお祝いを申し上げる。
 県内では古くから保存食や副食として、各地域の特色のある食材を用いた数多くの種類の漬物が作られてきている。これらは地域の食文化として大切に育まれ、また受け継がれてきており、西の京都、東の山形と評される漬物処として、全国から高い評価を得ている。
 近年、食育や地産地消を通した地域の伝統的な食文化を守る取組が広がりを見せているが、本県の漬物は大切に守り、受け継いでいくべき重要な食文化の一つであると認識している。県議会においても山形県の伝統的な食文化の継承と発展、食産業の振興に向けて引き続き力を注いでいく所存だ。皆様方におかれても更なるご尽力とご協力を賜りたく、お願い申し上げる。

[祝辞] 山形県議会議員 奥山誠治氏

奥山議員
漬物王国山形をPR
 品評会は6年ぶりの開催ということで、本日は楽しみにしていた。この度は三奥屋様をはじめ各賞を受賞された各企業の皆様にお祝いの言葉を申し上げる。引き続き研鑽を積まれ、更に飛躍されることを祈念している。山形の漬物は西の京都、東の山形と評されているが、山形では王国という言葉を用いることが多く、果樹王国、ラーメン県そば王国などと呼ばれている。そのような流れで『漬物王国山形』と呼び、何とかPRできないかと思っている。
 山形県はようやくコロナ前の来県者数に戻ってきて、今後はそれ以上に増えると予想されている。来県者は食べ物が美味しいということで来られる方が多く、初めて来た方も美味しいものを食べてリピーターになっている。漬物組合の皆様方には、更なる研鑽を積んで山形の美味しい漬物を国内外に発信していただきたいと思っている。

[祝辞] 衆議院議員 鈴木憲和氏

代読の東井上氏
食卓を彩る地域の宝
 日本の食文化は世界で注目を浴びており、特に今年オリンピックが開催されるパリでは日本食がブームになっている。
 農林水産省のデータによると、世界で日本食を提供する店舗は10数年前の3万店舗と比べると、現在は20万店舗まで増えている。日本食はご飯、漬物、汁物、おかずで構成され、漬物があって完結すると言われている。諸説はあるが、それだけ日本食には漬物が大事だということだ。
 パリではおにぎりがブームとなっていて、おにぎりの店舗がある。最初は日本人が現地で普及させたのだが、ヨーロッパの人が色々とアレンジして漬物などを入れるおにぎりの文化が広がっており、逆輸入されるとも言われている。
 日頃より県産漬物の需要拡大と技術の向上に尽力されている皆様に深く敬意を表する。4年に一度開催される品評会を機に古くからの伝統食品である漬物という食文化が食卓を彩る地域の宝として継承され、山形県の漬物の名声が全国にさらに広まり、消費拡大につながるよう期待している。
 (代読:代理秘書の東井上明氏)
三奥屋
本長
マルハチ
渡辺近七商店
三和漬物食品
ジェイエイあぐりんやまがた
後藤商店
河田醤油醸造場
菅野行雄副会長(左)から全漬連会長賞を授与される佐徳
内藤醸造
壽屋漬物道場
大石田漬物組合

ぐっと山形で販売会 大好評のうちに完売、終了

 第15回山形県漬物展示品評会受賞商品の販売会「山形漬けもの市」が2月24、25日の2日間、山形県観光物産会館「ぐっと山形」で開催された。
 受賞商品の農林水産大臣賞(1本)、農林水産大臣官房長賞(2本)、東北農政局長賞(同)、山形県知事賞(同)、山形県議会議長賞(10本)、全漬連会長賞(同)、東北漬物協会長賞(同)の計37本は金ラベルで表示。
 山形県物産会館社長賞、山形県中小企業団体中央会長賞、山形県食品産業協議会長賞、食料新聞社長賞(各5本)の計20本は銀ラベルの表示、その他はラベルなしで約150アイテム、計約3000パックを一律200円で販売した。
「山形漬けもの市」の会場
多くの来場者が詰めかけた
歴代農林水産大臣賞受賞作品
 鈴木理事長は「とにかく漬物を食べて、美味しさを知ってもらうため、一律200円で販売する」と語り、その効果もあってか午前9時のオープン時から多くの客が詰めかけた。
 来場者数を予測し、農林水産大臣賞から県知事賞までの各商品は一人2個までの購入制限を設けたが、中には1時間ほどで売り切れる商品もあるほどの人気ぶり。2日間でも早々に用意した商品を完売し、大好評のうちに終了した。

表彰式・レセプション 盛大かつ華やかに挙行

【2024(令和6)年3月11日第5156号1~4面】

<山形漬協> 三奥屋「晩菊」が農水大臣賞 6年ぶり漬物展示品評会

鈴木理事長
 山形県漬物協同組合(鈴木尚彦理事長)は2月24日、山形県山形市のホテルメトロポリタン山形にて4年に一度開催する「第15回山形県漬物展示品評会」の表彰式及びレセプションを開催。コロナで2年延期となっていたため、実に6年ぶりの開催となった。
 後援は山形県、全日本漬物協同組合連合会、東北漬物協会、山形県中小企業団体中央会、山形県食品産業協議会、やまがた食産業クラスター協議会、山形県観光物産協会など。
 昭和40年(1965年)にスタートした同品評会は、県内漬物業者が県産漬物の品質の向上と流通、消費拡大を意図し、同県漬物業振興発展に寄与することを目指すべく、組合員が総力を挙げて開催している。
 総出品数は154品で、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄氏を審査委員長、高崎健康福祉大学農学部生物生産学科教授の松岡寛樹氏を副審査委員長に、計5人の審査委員が2月22日に山形市の山形県観光物産会館「ぐっと山形」にて審査会を実施。1次と2次を分けて厳正な審査を行った結果、株式会社三奥屋(近清剛社長、山形県東置賜郡高畠町)の「晩菊」が農林水産大臣賞を受賞した。
華やかに開催された表彰式及びレセプション
 続いて株式会社本長(本間光太郎社長、山形県鶴岡市)の「外内島きゅうり味噌漬」(おき漬部門)と株式会社マルハチ(阿部武秀社長、山形県東田川郡)の「焼畑あつみかぶ」(あさ漬部門)が農林水産省大臣官房長賞、株式会社渡辺近七商店(渡辺勉社長、山形県山形市大字常明寺)の「蔵王胡瓜」(おき漬部門)と三和漬物食品株式会社(鈴木尚彦社長、山形県東置賜郡高畠町)の「わさび昆布」(あさ漬部門)が東北農政局長賞、株式会社ジェイエイあぐりんやまがた(奥山浩幸社長、山形県山形市)の「青菜漬」(おき漬部門)と有限会社後藤商店(後藤喜彦社長、山形県米沢市窪田町窪田)の「さっぱり柚子だいこん」(あさ漬部門)が山形県知事賞を受賞。その他、山形県議会議長賞、全日本漬物協同組合連合会会長賞、東北漬物協会会長賞、株式会社山形県観光物産会館社長賞、山形県中小企業団体中央会長賞、山形県食品産業協議会長賞、株式会社食料新聞社社長賞の各受賞者も発表された。
 表彰式及びレセプションには同組合名誉顧問でもある吉村美栄子山形県知事や東北農政局地方参事官の佐々木春幸氏、東北漬物協会の菅野行雄会長ら多数の来賓が出席。鈴木理事長は「三奥屋様の晩菊は発売から67年目という伝統と歴史のある商品で、文化の大切さを教えていただいた。心よりお祝いを申し上げる。私たちは商売ができることに感謝し、これからも事業に励んでいきたいと思っているので引き続きご理解とご協力をお願いしたい」と述べた。
 各賞を受賞した商品や参加商品を販売する即売会が2月24日と25日に「ぐっと山形」で開催され、「収益性よりも、まず食べて興味を持ってもらうこと」(鈴木理事長)を目的に200円均一で販売したところ、2日間ともすぐに完売。予想を上回る盛況ぶりとなった。
【詳細次号】
【2024(令和6)年3月1日第5155号1面】

山形県漬物協同組合
https://www.tsukemono-japan.org/yamagata/kumiai/index.htm

公益社団法人愛知県漬物協会 70周年祝す振興大会

曾我会長
大村知事
森局長
鈴木局長
中園会長
知事表彰を受けた佐藤氏
会長賞受賞の一同
役員一同
公式キャラクター「アイチタルオ大王」
社会福祉法人へ漬物を寄付
最後は岩田副会長による万歳三唱で
出席者全員で創立70周年を祝った
 【大阪支社】公益社団法人愛知県漬物協会(曾我公彦会長)は2月26日、創立70周年を記念して「愛知県漬物振興大会」を名鉄グランドホテルで開催した。会員、賛助会員に加えて協会名誉会長である大村秀章愛知県知事や中園雅治全漬連会長をはじめ多数の来賓を迎え、協会の永年の隆盛を祝った。
 大村知事は「愛知県漬物協会は昭和28年に創立されて以来、業界をリードし『漬物王国愛知』とも呼ばれるほどに育て上げた。愛知県は漬物以外にも日本酒、酢、醤油、たまり、味噌と発酵食が発展してきた歴史がある。県としても、漬物を中心とした発酵食品のPRに一層力を入れていきたい」と今後も連携を深めていくことを誓った。
 曾我会長は関係者へ感謝の言葉を述べた上で「当協会は戦後、企業個々では難しい課題に対処するため設立され、実際に様々な問題を解決してきた」と歴史に触れ、先人の活動に敬意を示した。
 また「当協会の特徴は公益社団法人として公益事業に取り組んでいること、また県知事を名誉会長に迎えている通りに県との連携が強く多大な支援をいただいていることが挙げられる。これを意識すると、当協会でできること、また会員の皆様にとって役立てることはまだまだたくさんあると気付いた。これからも積極的に活動していきたい」と力強く宣言した。
 式典では中園会長ら来賓から、漬物業界を常にリードしてきた協会の功績へ、感謝と賞賛の言葉が送られた。また、漬物振興功労者として佐藤善雄理事へ知事表彰、7名に会長表彰として表彰状が手渡された。
 さらに記念事業の一つとして、子ども食堂の運営支援を行う愛知県社会福祉協議会へ漬物の寄付目録を贈呈。今後も寄付事業を継続していくことを宣言した。
 式典終了後には懇親会も開かれ、最後は岩田孝逸副会長による中締めで協会の永続を誓い合い、閉会した。
(小林悟空)
【2024(令和6)年3月1日第5155号1面、3月11日第5156号6面】

京都府漬物協同組合青年部会 50周年式典を盛大に SDGsや食育で未来へバトン

栗山会長
奥野実行委員長
山下副知事
関西漬物協会・平井会長
全漬連・林野副会長
京都漬協・土井理事長
OB代表・川勝氏
児嶋次期会長
次期役員
「下鴨」の席
「平安」の席
「千本」の席
「太秦」の席
「堀川」の席
「伏見」の席
「松尾」の席
「清水」の席
歴代会長らが描かれた記念トランプ
50周年記念式典に出席した一同
 【大阪支社】京都府漬物協同組合青年部会(栗山貴行会長)は2月20日、ホテルオークラ京都で創立50周年記念式典(奥野龍実行委員長)を開催。来賓、賛助会員、親組合、青年部会OBら合わせて70余名が出席し、記念の節目を盛大に祝した。
 栗山会長は「青年部会は会員同士の融和を趣旨に設立され、その思いは先輩方から受け継がれてきた。今日は新たな半世紀へ向けた第一歩となる。式典前には会員と漬物業界からの来賓の皆様にSDGsを題材としたカードゲームに参加してもらったのも、後輩へバトンを繋いでいく意識を高めるためだ」と青年部会の歴史を振り返りつつ、未来へ向けた決意を宣言した。
 来賓には山下晃正副知事、林野雅史全漬連副会長、平井達雄関西漬物協会会長らをはじめ多数を招いた。山下副知事は、茶道などで教えを受け入れ自分なりに発展させていくことを示す言葉「守破離」を紹介し、京漬物の伝統を受け継ぎながら発展させてほしいと語った。
 また青年部会OBでもある平井会長は「青年部会では仕事のことから人付き合いの仕方まで何でも教えてもらった。漬物の未来は皆様次第。今の時期を大切にしてほしい」と激励の言葉を贈った。
 懇親会の途中には、写真や新聞紙面を通じて50年間を振り返る動画や、歴代会長の写真を用いた記念トランプが披露され、「懐かしい」と声が漏れる場面もあった。
 最後は次期会長を務める児嶋真司氏が「会員同士の交流を大切にしつつ、食育活動を強化したい」と決意を表明した。
 また、奥野実行委員長が「今年1年間、50周年記念事業として漬物製造管理士試験への受検推進や研修旅行などにも取り組み一層絆が深まった」と感極まった様子で振り返り、来場者に感謝の言葉を述べ閉会の挨拶とした。
【2024(令和6)年3月1日第5155号1面、3月11日第5156号6面】

各県代表集い評議委員会 インバウンド需要が追い風に

中園会長
望月副会長
静岡で開かれた令和5年度評議委員会
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は2月28日、静岡県静岡市のグランディエーブルブケトーカイで令和5年度の評議委員会を開催し全漬連役員、各県理事長ら計27名が出席した。
 評議委員会は理事会の諮問機関の一つとして、全漬連の運営全般に対し直接的に意見具申を行う趣旨で設置されている。今回主な議題となったのは、漬物振興議員連盟、外国人技能実習制度、漬物製造管理士・技能評価試験、漬物グランプリ、青年部会全国大会、全漬連ホームページ、各委員会の運営方針など。
 運営上の課題点や、漬物業界の現状を考慮した活動方針の見直しなど、意見や要望が率直に交わされた。
 評議委員会は、会場設営を担当した望月啓行副会長の挨拶で開会。「静岡は新幹線で通り過ぎるばかりで降り立ったことはないという方が多い。こうして皆様を招待し魅力を語れるのも組合活動のおかげだ」と一行を歓迎した。
 また中園会長は「昨年会長に就任して間もなく一年が経つ。今日は全漬連事業に対する意見を出し切ってほしい」と評議委員会の目的を説明した。
 山本千曲組織委員会委員長が議事進行を務め、令和5年度の事業実施状況を振り返った後、出席者から意見を求めた。事業の課題点の指摘やその改善案、要望などが発表された(詳細3面掲載)。
 また各委員会の活動状況について原料委員会担当の菅野行雄副会長は漬物製造業が営業許可業種となることについて「保健所には、HACCPの手引書に基づき漬物製造の実情に即した指導を行うよう依頼している。原料一次加工を行う小規模業者なども事業を継続してもらわないといけない」と話した。
 PR委員会担当の秋本大典副会長は「漬物グランプリは会場での試食販売を復活する」と運営の見通しを示した。
 業界活性化委員会担当の林野雅史副会長、大久保次郎副会長は「消費者向けブランディング、関連機関向けブランディング、食育の3チームに分けている。農水省が『漬物で野菜を食べよう』とポスター制作してくれたのも成果の一つ」と報告した。
 総務委員会担当の望月副会長は「会合、イベントの効率化やコスト削減、資料のデータ化による紙消費削減など取り組んでいる」と話した。
 議論を終え、閉会に際し関口悟副会長は「厳しい意見が多く出たが、それだけ漬物業界を良くしていこうと本気だからこそ。解決策を探し、実現するには時間がかかるかもしれないが協力をお願いしたい」と、今後を見据えて挨拶とした。
 その後は懇親の席へと移った。中部漬物協会の曾我公彦副会長が、2月23日に愛知県漬物協会の70周年記念式典を開催したことを報告した上で、乾杯の音頭を取った。宴席中も、漬物業界を良くしようと熱い議論が交わされていた。最後は野田明孝理事が中締めを行い、終了した。
 【評議委員会の主な議題と意見・要望等】
 <外国人技能実習制度>
 ▼正解を断定しにくい設問がある。作問プロセス改善を。
 <漬物製造管理士制度>
 ▼コロナ流行下の臨時措置として2級、3級の実技試験を免除としたが復活させるべき。
 ▼1級資格の厳格化を。
 ▼設問ごとの配点傾斜にメリハリを。極端な例だが、手洗いをせずに作業をしたら減点1ではなく不合格確定でもよいのでは。
 ▼試験日程、会場の細分化を要望。平日開催もあってよいのでは。
 <漬物グランプリ>
 ▼昨年スタートした学生の部は成功したと思う。優勝校がメディア出演したことで、今年も多数の応募があったのでさらなるPRを。
 ▼グランプリを決めるだけでなく、その後受賞作品を後押しするような施策が必要。
 <青年部全国大会>
 ▼青年部組織の解散、休会が起きており主催できる府県が少なくなっている。
 ▼後継者が集まる機会が年に一度あるのは、直接的でなくとも必ず資産になるので何らかの形で続けるべき。
 <全漬連ホームページ>
 ▼試験、イベントの告知など更新頻度を向上させてほしい。
 ▼各県、会員とのリンク強化が必要。
 ▼企業間マッチングや掲示板機能などがあれば同業者組織のメリットを活かせる。
 <全漬連運営について>
 ▼情報伝達は各県理事長を通して加盟者に伝える仕組みであり負担になっている。全漬連から直接伝達する仕組みが欲しい。
 ▼会合出席には時間も費用もかかり、出席者も固定されてしまう。WEB併用など参加しやすい環境づくりを。
 <その他提案>
 ▼食育事業は子供向けだけでなく、子育て中の親世代へ向けたものを強化したい。
 ▼食品表示基準の見直しを。例えば「たくあん漬け」はぬかを使っていることが必須となっているが実情と合わないのでは。
【2024(令和6)年3月1日第5155号1,3面】

技能実習生試験を開催 群馬9名、和歌山9名受験   

(左)から試験委員を務めた富澤理事、設楽常務理事、村岡副理事長、深町理事(群馬)
実技試験の様子(和歌山)
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)が行う農産物漬物製造業技能実習評価試験の初級試験が2月14日、群馬県佐波郡玉村町の「玉村町文化センター」で、また、2月18日には和歌山県日高郡みなべ町のみなべ町生涯学習センターで実施された。
 群馬県では、県内で実習生を受け入れている漬物メーカー2社から監理団体への申込みを受け、ミャンマー人9名が受験した。
 群馬県漬物協同組合の設楽英世常務理事、村岡優年副理事長、深町義博理事、富澤誠佑理事が試験委員、米岡美江子氏が補佐を務めた。
 和歌山県では、梅干しメーカーで技術を学ぶタイ出身者6名、ベトナム出身3名の合計9名が試験に挑んだ。
 主席試験委員は和歌山漬物協同組合連合会の中田吉昭理事長が、試験委員を前田雅雄氏、杉本宗一氏、関本武生氏、河本雅宏氏、泰地政宏氏が務めた。
 試験はいずれも学科試験、実技試験(判断等試験、制作等作業試験)が行われ、それぞれトラブル無く終了した。
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

全漬連青年部会 宮崎大会へ向け幹事会 時代に適した新たな形模索

幹事会出席者
野崎漬物本社前で
野崎ファームの高菜畑(手前)と干し大根櫓
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会青年部会(遠藤栄一部会長)の幹事会が7日、今年の全国大会宮崎大会(10月14日)の開催地である宮崎観光ホテルで開催された。
 遠藤部会長は昨年開催した栃木大会について「栃木は青年部員が少なく、今を逃せばもう開催できないと思い立候補した。コンセプトを立てることで実施意義のある大会になったと思う」と振り返った。
 また実行委員長を務めた菅野嘉弘氏は「来場登録システムの活用や、前回の進行形式を流用して負担を軽減できた。食事で漬物アレンジレシピを提案するなど工夫すれば、限られた時間や予算の中でも個性を出していける」と報告した。
 次いで、宮崎大会会長の佐藤仁氏(宮崎県漬物協同組合青年部会会長)は「宮崎らしさを追求して、来てよかったと思ってもらえる大会にしたいと考えている」と力強く決意表明。実行委員長の野﨑偉世氏は「年末から1月中までは沢庵の漬込みがピークでまだまだ準備段階。これからペースアップしていく」と近況報告を交えつつ、意欲を見せた。
 大会運営のポイントや注意点など一通りの引き継ぎをした後は、今後の青年部会運営と次回全国大会の開催について議題を移した。
 青年部会の役員は全国大会開催地から選出するのが通例であるが、各地で青年部組織が解散や親組織と合流している状況下で、来年度の全国大会開催地は未定となっている。現状に適した青年部や全国大会の新たな形について意見交換をした。この意見は全漬連の組織委員会へ持ち込み、改めて議論することとし、幹事会を終了した。
 その後は、宮崎漬協青年部会が集まり具体的なスケジュールや余興について会議。続いて遠藤部会長らと合流して二次会会場の下見を兼ねた懇親会へと赴き、和やかな一夜を過ごした。
大根を手作業で干す
野崎漬物の工場・農場見学
 全漬連青年部会幹事会を終えた翌日、野﨑実行委員長の計らいで、一行は野崎漬物の工場と、自社農場である野崎ファームの干し大根櫓を見学した。
 干し大根を中心とする『宮崎の太陽と風が育む「干し野菜」と露地畑作の高度利用システム』は2021年2月に日本農業遺産に認定されている。しかし近年は農家の高齢化により生産量減少が危惧されており、その対策として野崎漬物は農業部門として株式会社野崎ファームを立ち上げたと野﨑社長は明かす。
 圃場がある清武地域ではちょうど今シーズン最後の干し作業と高菜の栽培が行われていた。
 収穫後の大根はすぐに葉の部分を縛り、手作業で櫓に干していく。重たい大根を高所まで上げる作業は重労働だ。また雨の日にはシートを被せたり、零度を下回る日には凍結を防ぐためストーブを焚いたりと大変な手間をかけている。
 遠藤氏や菅野氏は「他地域でも大根や蕪を干すことはあるが、これほど巨大な櫓は無い」と感想を述べていた。
 なお今年の干し大根については、一本物として提供できる量は前年比6~7割と大幅減少となった。原料大根の収穫量は平年並みであったものの、その後の干し作業中に数日間降雨が続くタイミングがあり雨ずれが出来たものが多くなった。
 一本物として使えない分は刻みものなどへ回されるか、処分せざるを得ない場合もある。
 続いて野崎漬物へ赴き、沢庵の漬け込みタンクや機械化された工場を見学。一行から「当社はこうしたらうまくいきました」「これは真似したい」などと意見を交わし合う場面も見られた。
 その後は全漬連前会長の野﨑伸一会長も合流して昼食を取り、2日間の旅程を終えた。
【2024(令和6)年2月21日第5154号2面】

<関東漬物協議会> 新春懇談会で懇親深める 6月に70周年式典を開催

関東漬協の新春懇談会
振袖さんが花を添える
秋本会長
 関東漬物協議会(秋本大典会長)は9日、東京都荒川区のアートホテル日暮里にて令和6年新春懇談会を開催した。
 古越三幸専務理事の司会進行で、長谷川正一郎副会長の開会の言葉に続いて挨拶に立った秋本会長は、「関漬は今年で70周年を迎え、6月に式典を開催する。この10年を振り返って業界が苦労したことなどを討論し、その模様を収録した記念誌を発刊する。記念誌は10年ごとに発刊しており、今回も準備を進めている」と70周年の記念行事等について言及。「日本は少子高齢化が進み、次世代の人も少なくなってきているが、このような場に来てくれる人もいる。若い世代の人が集える場所を作りたいということで、若手の社長や女性社長、宮尾先生にもお越しいただいた。本日は振袖さんにも来ていただいたので、楽しい時間を過ごしていただきたい」と述べた。
宮尾会長
 来賓紹介に続いて挨拶に立った一般社団法人全国漬物検査協会の宮尾茂雄会長は、「漬物の消費量を世代別で見ると、60~70代の人と比べると若い人は4分の1程度しか消費していない。人口も減少しており、漬物業界の将来を危惧している。何か手を打たないと消費量は減る一方だ。漬物は塩分が高いというイメージを払しょくし、若い人の漬物に対するイメージを変える年にしたい」と抱負を語った。
 続けて全日本漬物協同組合連合会の真野康彦専務理事が外国人技能実習制度や漬物グランプリ2024について説明を行い、「漬物グランプリは昨年新設した学生の部がテレビに取り上げられるなど注目されている。また、漬物グランプリの法人の部では、最終日(4月27日)に一般の方を含めた最終審査を実施する。また、今回も漬物の展示、販売を行うのでご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
 懇談会は泰地武常任顧問の乾杯発声で開宴。和やかなムードの中、「浅草振袖」の舞踊が披露され、会場に花を添えた。歓談の時間を過ごして懇親を深めた後、関口悟副会長による中締め、秋本薫会計理事による閉会の言葉にて終了となった。
【2024(令和6)年2月21日第5154号2面】

<全日本漬物協同組合連合会>大阪で技能実習評価試験 

製作等作業試験
初級10名、専門級1名が受験 
 【大阪支社】全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)が行う農産物漬物製造業技能実習評価試験の初級・専門級試験が1月21日、大阪市中央卸売市場本場業務管理棟で実施された。
 浅漬・キムチ(3社)、調味漬(1社)、たくあん漬(1社)メーカーの5社から、計11名のベトナム人実習生が受験し、初級が10名、専門級が1名。
 阪本俊治氏(カカシ食研)が主席試験委員を、大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)の林野雅史副理事長、辻博文副理事長、松本智文常任理事、堺共同漬物㈱の林野賢寛次長が試験委員を務めた。
 試験では学科試験、実技試験(判断等試験、製作等作業試験)が行われ、専門級は初級と異なり、試験委員による問題文の読み上げがなく、日本語の読解力も問われる。専門級、初級の制作等試験では、それぞれ大根の浅漬、きゅうりの浅漬が製作された。
 同大阪漬協は組合役員(会社代表者)の負担分散や後進育成の観点から、漬物製造管理士1級の有資格者の試験委員登用を進めている。阪本氏は昨年に続き、今回も主席試験委員の役を担った。
 阪本主席委員は「ペンの動きが滑らかで、事前にしっかり勉強していることが伝わってきた。また、実技では慣れた手つきで調理していて、日々工程をきちんと理解しながら作業していることがうかがえた」と話した。
【2024(令和6)年2月1日第5152号2面】

全漬連HP
https://www.tsukemono-japan.org/tmqp/index.html

<漬物2団体新年賀詞交歓会> 漬物産業変革へ取組む 議連、行政との連携を強化

(左から)宮尾会長、武井事務局長、中園会長
漬物2団体の賀詞交歓会
野﨑氏
遠藤氏
木内氏
進藤氏
中身のある業界目指す 「漬物は塩分が高い」払拭の年に
 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)、一般社団法人全国漬物検査協会(宮尾茂雄会長)の漬物業界2団体は16日、東京・日比谷の松本楼にて2団体共催の新年賀詞交歓会を開催した。農水省からも多くの来賓が出席し、全漬連会員らと新年の挨拶、情報交換などを活発に行った。
 全漬連の真野康彦専務理事の司会進行で、中園会長が挨拶に立ち、漬物振興議員連盟、関係諸官庁、業界各位に全漬連事業への理解と協力に謝意を示した。元旦に発生した能登半島地震の被災者にお悔やみとお見舞の言葉を述べ、「全漬連でも義援金の寄付を呼びかける」旨を伝えた。
 続いて、昨年を振り返りながら全漬連事業としての取組を説明。「漬物を食べない若い世代への対策や、消費拡大のため料理への漬物使用の提案、塩分の高さが誤解されているため、低塩化を各方面にアピールしていくことが大切だ。また、和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、10周年を迎えた。今後も関連団体と連携して、漬物産業の変革に取り組んでいく」と語った。
 来賓代表として、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部新事業・食品産業政策課長の尾崎道氏(同課基準認証室長の進藤友寛氏が代読)、農林水産消費安全技術センター理事長の木内岳志氏、自由民主党漬物振興議員連盟事務局長で衆議院議員の武井俊輔氏、日本漬物産業同友会会長の遠藤栄一氏、日本食糧新聞副社長の平山勝己氏が挨拶を行った。
 来賓挨拶で登壇した進藤氏は、尾崎課長の挨拶文を代読。「現在、食料・農業・農村基本法の見直しを図っており、継続的な発展への取組として、適正な価格形成への仕組み作り、地域発展のための食品産業振興、物流における2024年問題への対応などを推進していく」と方針を述べた。
 農林水産消費安全技術センターの木内氏は、「ご飯とみそ汁、そして漬物は、日本人のソウルフードというよりは『エッセンシャルフード』、つまり必要不可欠なものだと思う。当センターも世界に誇れる日本の食文化発展のため、今後も協力していきたい」との方針を示した。
 全漬検の宮尾会長が乾杯の音頭を取り、「昨年、全漬検は発足50周年を迎え、記念式典を開催することができた。農水省の『漬物で野菜を食べよう!』のWebシンポジウムで講演させていただいた際に、カリウムが塩分を排出することや、食物繊維が豊富なことなどを語った。すると、視聴者の方から“漬物に対する認識が変わった”というメールを頂いた。今年は、漬物は塩分が高いという固定観念を払拭する、そんな年にしたい」と挨拶、乾杯発声を行って懇親会がスタートした。
 武井事務局長は挨拶の中で、2日後に漬物議連総会を開催する旨を報告し、「漬物の塩分の高さに対する誤解を払拭する努力を続けていく。私が外務副大臣の時には、外国人に提供する食事には漬物を出すよう勧めてきた。今後も、世界に誇れる漬物の輪を広げていきたい」と引き続きバックアップしていく姿勢を示した。
 しばし歓談の後、日本漬物産業同友会会長の遠藤栄一氏と、日本食糧新聞副社長の平山勝己氏が挨拶を行った。遠藤氏は、娘の悠里さんが12日に男児を出産し、初孫ができたことを報告。同友会の活動について「昨年はリアルで研修会などを開催でき、やはり現地を視察できる喜びを感じた。問題は山積しているが、仲間と集まって情報交換すると頑張れる。今回、初孫が生まれたが、漬物は孫の代までつながる食品だと思っているので、今年も前向きに活動していきたい」と抱負を語った。
 再び歓談の時間を過ごした後、全漬連前会長で顧問の野﨑伸一氏が閉会の挨拶を行い、「エネルギーの高騰など、業界ではインフレに対する製品値上げが追いついていない状況。漬物は、中園会長の言葉にあるように料理など用途の開発に努めていく必要がある。中身のある業界にできるよう、今年一年頑張っていこう」と激励の言葉を述べ、終了となった。
【2024(令和6)年1月21日第5151号1、2面】

(公社)愛知県漬物協会 熱田神宮で漬物神幸祭 大村知事らと業界発展へ願い

大村知事
曾我会長
遠山農政次長
鈴木局長
神事の出席者一同
 【大阪支社】公益社団法人愛知県漬物協会(曾我公彦会長)は6日、名古屋市の熱田神宮で漬物振興祭を執り行い、会員らが参列した。式典には同協会名誉会長の大村秀章愛知県知事が出席し、会員各氏とともに、愛知の特産の一つである漬物のPRを強化する方針を表明した。
 振興祭の神事では、神楽殿で修祓、献饌、斎主祝詞奏上、神楽奉上、玉串奏奠、撤饌、拝礼と続き、厳粛な雰囲気の中、業界の繁栄を一同祈願した。
 神宮会館での式典へ移ると、浅田康裕専務理事の司会の下、曾我会長が挨拶。「元日に発生した能登半島地震で被災された方にお見舞い申し上げる。漬物の需要は、米の需要と関連して年々落ちている。昨年夏は、天候不順で原料野菜の確保に苦労し、かつ塩の値上げ等で利益確保に苦しむメーカーが相次いだ。今ほど同業者の情報交換の場が必要とされる時期はないと思っている。当組合では、来月2月26日に70周年の記念式典を開催するので、ご協力いただきたい」と呼びかけた。
 続いて来賓祝辞では、熱田神宮の髙橋守禰宜が「本神宮では、元日から5日間で、290万人の方々に参拝いただき、コロナ禍からの人流回復を感じた。漬物は、健康志向の方にまだまだ訴求していける余地が多分にあるはずだと考えており、皆様のご活躍をお祈りしている」と話した。
 次に、農林水産省東海農政局の遠山知秀次長より「貴協会が70周年を迎えられ、お慶び申し上げる。地域の食文化の継承に努めてこられたことに心から敬意を表する」と祝辞。続けて「農水省では、農産加工物の輸出支援に力を入れている。日本は人口減少でも、世界はマーケットが拡大しているため、商機をつかんでほしい。度重なる戦争の勃発で、食料安全保障については、国民の関心が高まっており、漬物業界においても、食料自給率向上にお力添えをいただきたい」と述べた。
 愛知県農業水産局の鈴木希明局長は、「国民一人あたり、本来1日350gの野菜摂取が目安であるが、日本人の一般的な生活では不足しがちだ。愛知県は漬物出荷額が全国5位の漬物県であり、漬物で野菜を摂取してもらえるよう、引き続きPRに努めたい」とした。
 愛知県知事で、本協会の名誉会長を務める大村秀章氏は「当組合の名誉会長に就任し、今年で7年目を迎える。漬物は、手軽に野菜を摂取できる優れた食べ物。愛知県としても、その魅力発信を強化し、消費拡大に貢献したい。3月からはジブリパークで新エリアがスタートする。旅行客が漬物をお土産で購入することを期待している」と挨拶した。
 その後は、懇親会へ移り、参加者が新年の抱負を語り合い、情報交換を行いながら長く歓談した後、閉会となった。
【2024(令和6)年1月11日第5150号1面】

<全日本漬物協同組合連合会> 2月28日に静岡で評議委員会

 全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は2月28日に静岡で令和5年度評議委員会(望月啓行委員長)を開催する。
 評議委員会は理事会の諮問機関の一つとして、全漬連の運営全般に対し直接的に意見具申を行う趣旨で設置された重要な役割を担う委員会となっている。
 同委員会は業界の問題点や改善策等の意見を求めるため、各都府県から1名~2名の参加が呼びかけられている。また、出席会員全員を評議委員とする運営方式のため、評議委員会委員以外の会員の出席も認められている。
 日時:2月28日13時30分~16時30分(懇親会:17時~18時30分)
 場所:グランディエールブケトーカイ(静岡県静岡市葵区紺屋町17‐1)
 議題:①令和5年度事業概要報告について②漬物製造管理士・技能評価試験制度並びに外国人技能実習制度について③漬物グランプリについて④青年部全国大会の今後の運営方法について⑤各種委員会運営等への意見・要望等について⑥全漬連ホームページ改修に向けた意見・要望等について⑦委員会からの報告等について。
 会費:1万2000円(懇親会費)
【2024(令和6)年1月11日第5150号2面】

<全漬連青年部会> 第42回全国大会宮崎大会 10月4日宮崎観光ホテルで

第41回栃木大会での「青年の輪」伝達式
~みやざきhot wave~ 起こそう!イノベーションを!!
 第42回全日本漬物協同組合連合会青年部会全国大会の宮崎大会が10月4日(金)、宮崎観光ホテルで開催される。佐藤漬物工業の佐藤仁専務が大会会長を、野崎漬物の野﨑偉世社長が実行委員長を務める。
 大会テーマは「~みやざきhot wave~ 起こそう!イノベーションを!!」。将来の漬物業界を牽引する若手が集まる全国大会が、革新の熱い波を引き起こす契機となるよう意気込みを込めている。
 宮崎県漬物協同組合青年部は現在、佐藤大会会長が部長を務め、13名が加盟。20代のメンバーもいて平均年齢が若く、県産漬物のPRなどの事業に活発に取り組んでいる。
 宮崎県は温暖な気候や豊かな自然を活かして、沢庵やらっきょう漬、高菜漬などが生産され全国に知られるブランドを多数有している。2021年2月には、日本一の生産量を誇る干し大根と大根やぐらの農業システムが「日本農業遺産」に認定されている。しかし昨今はその作業が重労働であり、生産者の高齢化が懸念されている。
 漬物原料の不足が全国的に課題となる昨今、漬物の王様とも言える沢庵の特産地で意見を交わす機会は貴重なものとなるはずだ。
 また宮崎は名門ゴルフコースが多数あり、サーフィン等のマリンスポーツも盛ん。更に様々なスポーツクラブのキャンプ地となるなど、スポーツが根付いた土地柄。これに関連した催しも計画中で、学びも楽しみも満載の大会となる予定。
【宮崎県漬物協同組合青年部(順不同、敬称略)】
 ▼佐藤漬物工業株式会社=佐藤仁(大会会長)▼野崎漬物株式会社=野﨑偉世(実行委員長)▼有限会社アンビシァス=篠原大輔▼有限会社大薗漬物店=大薗慎吾▼株式会社上沖産業=上沖和己▼株式会社上沖産業=徳留勇作▼九州農産株式会社=梅元寿敏▼キムラ漬物宮崎工業株式会社=木村昭彦▼坂田漬物有限会社=坂田航翔▼谷口漬物店=谷口吉朗▼有限会社つの農産=大久保光▼道本食品株式会社=道本泰久▼有限会社向栄食品工業=岩切孝幸
「宮崎から革新の波」 宮崎大会 大会会長 佐藤仁氏
 次回、第42回全国大会を宮崎県で開催させて頂くこととなりました。宮崎県は『日向(ひむか、ひゅうが)』と日本書記に記されているように神話が伝わり、日照時間も長く、温暖な気候により農畜産物や漁業、そしてスポーツ活動も盛んな土地であります。
 宮崎大会のテーマは「~みやざきhot wave~ 起こそう!イノベーションを!!」です。
 コロナ禍を経て、以前のように人の行き来が出来るようになりました。しかし昨今の物価上昇や人手不足など新たな問題に直面しております。
 当大会では交流を深め、新たな出会いや学びにより、様々な革新に繋げられる大会を目指しております。宮崎の代表的なスポーツ・サーフィンにちなみ、ここから熱い波を起こし、元気を与える大会を構築します。
 宮崎県会員一同、心よりおもてなしをさせて頂きます。皆様のご参加をお待ちしております。
「企業の垣根を越えて」 宮崎大会 実行委員長 野﨑偉世氏
 次回開催の第42回宮崎大会は、10月4日に開催いたします。
 会場は、宮崎空港・宮崎駅より車で15分と、宮崎市の中心にある宮崎観光ホテルとなります。
 日照時間が長く温暖な気候の宮崎県は、農業産出額全国5位であり、生産量上位の品目も非常に多い農業県であります。これらを利用した沢庵や高菜漬、らっきょう漬などの漬物は、全国へ知られるブランドとなっています。
 この度、2021年2月には宮崎県田野・清武地域の干し大根を中心とする「干し野菜と露地畑作」が日本農業遺産の認定を受けました。
 また、各種スポーツのキャンプ地となっている他、サーフィンは世界的にも有名な地であり、スポーツが盛んに行われています。
 これからの時代を担う青年部の皆様と、宮崎ならではのゆったりとした時間の中、企業の垣根を越えて交流を深め合い、この地から「漬物にイノベーションを起こすhot wave」を起こしていきたいと考えております。青年部会一同、皆様方のご参加を心よりお待ちしております。
【2024(令和6)年1月1日第5149号11面】

<漬物2団体>新年賀詞交歓会を1月16日に開催

全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)と一般社団法人全国漬物検査協会(宮尾茂雄会長)は、漬物業界2団体共催による行政との新年賀詞交歓会を1月16日に開催する。
 同交歓会では、漬物業界に関係する行政等の担当者と業界団体幹部が一堂に会し、情報交換を行う場となっている。
 日時:1月16日12時~
 会場:日比谷・松本楼(東京都千代田区日比谷公園1‐2)
 受付:11時30分~
【2024(令和6)年1月1日第5149号14面】
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